ゴーヤの苦味取りの方法は?簡単な下処理の仕方を具体的に紹介!
もともとは沖縄で食べられていたゴーヤが今では、全国各地で食べられるようになりました。栄養価が高いことが知られており、夏バテ予防食品としても注目されています。ゴーヤは強い苦味があることで、健康には良いものの、年齢を問わず敬遠される傾向もあります。しかし、しっかりとした苦味取りの下処理をすれば、苦味に悩まされることなくおいしく食べることができます。今回はゴーヤの苦味取りの方法や、簡単にできる下処理の方法を紹介します。
ゴーヤってどんな野菜?
ゴーヤはニガウリとも言われ、日本では沖縄を代表する野菜でしたが、現在では全国各地で食べられています。ゴーヤはウリ科ツルレイシ属に分類され、そのイボに覆われた外観と完熟すると皮が甘くなるという特徴からレイシ(ライチ)に似ていることから、蔓に実るレイシの意味で「ツルレイシ」という標準和名がついたとのことです。
ゴーヤと言えば、緑色をしているというイメージを持つ方も多いと思いますが、完熟すると黄色っぽいオレンジ色となり、果肉部分や種の周りが柔らかく、糖度を増してねっとりとした食感になります。これが「蔓で育つライチ」と呼ばれる一つの要因になっているようです。沖縄ではゴーヤはパパイヤと同じように未完熟の緑色のまま収穫し、それが全国的に広まったため、ゴーヤ=緑色というイメージがついたのではないかと思います。
ゴーヤは食べるだけでなく、日よけにも利用されています。ゴーヤは葉っぱが大きく蔓が高く伸び、成長も速いので、軒先にゴーヤを植えると、緑色のカーテンができエコ対策としても人気があります。日よけができて、ゴーヤまで収穫できるので一石二鳥になります。
ゴーヤの種類
一口にゴーヤと言っても実はたくさんの種類があります。白っぽいものがあったり、イボがついていないものがあったりと様々です。特徴的なゴーヤを一部紹介したいと思います。
あばしゴーヤ
少し小ぶりのゴーヤが数多くなり、世話も簡単なので家庭菜園で人気の沖縄原産のゴーヤです。一般的に流通しているゴーヤのほとんどがあばしゴーヤです。苦味も強くないので苦味取りも簡単に出来るゴーヤです。
中長ゴーヤ
沖縄在来ゴーヤで、あばしゴーヤよりも苦味が強いのが特徴です。長さも20~30㎝くらいになり、成育もしやすいので比較的簡単に育てることができます。肉質もよく特に苦味のあるゴーヤ、ゴーヤ本来の味を楽しみたい方には人気の品種です。
さつま大長レイシ
九州地方で古くから作られている人気のゴーヤです。30㎝を超える長さのゴーヤで強い苦味が特徴です。また、果肉は硬く歯ごたえが良いことも特徴です。大きく育つのでどこまで大きくなるかが予想しづらく、収穫のタイミングを誤ってしまうこともあります。
白ゴーヤ
白ゴーヤは独特の食感はありますが、苦味はほとんどなく、苦味取りや下処理をほとんどする必要がなく簡単で食べやすいのが特徴です。その純白の美しい見た目から栽培するにも、サラダ等の彩りにも人気のゴーヤです。スーパーで売られていることはほとんどなく、手に入れるのが若干難しいです。
美味しいゴーヤの選び方
同じように店で売られているゴーヤでも、選ぶ時のポイントがあります。ゴーヤは小ぶりのものほど、味が良いことが多いです。大ぶりになると食感が落ちたり、水分量が少なかったりすることもあります。ゴーヤのイボが多いものほど新鮮と言われています。ゴーヤの表面がつやつやして鮮やかな緑色のものほど新鮮で瑞々しいです。触って硬いものほど苦味がしっかりとしてゴーヤ本来の味がするものが多いです。
ゴーヤの栄養と効能
ゴーヤは同じウリ科のきゅうりの約5倍のビタミンCを含むだけでなく、βカロテン、鉄分、カリウムなどヒトの体に必要な栄養素を多量に含まれており、夏バテ予防の万能野菜としても人気が高いです。
ゴーヤの苦味成分である「モモルデシン」は、夏バテで低下した胃腸の粘膜を保護したり、食欲を増進する効果があるとされています。また、モモルデシンには自律神経系の働きを整える働きもあるので、暗くなった気分を変えたり、だるさ、疲労感を回復させる効果も期待されています
ゴーヤに含まれるタンパク質の「コロソリン酸」は、血糖値の安定化作用も報告されています。血糖値を下げるのではなく、安定化させる働きを持っているので植物インスリンとも呼ばれています。
ゴーヤの苦味成分であるモモルデシンやチャランチンなどやゴーヤに豊富に含まれているビタミン類、ククルビタシンなどは抗酸化作用やコレステロールの低下作用があり、毛細血管を丈夫にする働きがあります。それぞれが働くと相乗効果がおき、血液をサラサラにするように働きます。また、ゴーヤに豊富に含まれているカリウムはむくみの改善に効果があります。
ゴーヤのおすすめ下処理方法
ゴーヤには特徴的な苦味があります。苦味には栄養成分がたくさん含まれていて健康にも大変良いですが、苦味が強すぎると敬遠してしまいます。しかし、簡単な下処理でゴーヤの苦味を和らげることができます。
ゴーヤのおすすめ下処理方法:ゴーヤのワタの取り方
よく誤解を受けているのですが、実はゴーヤのワタには苦味がありません。苦いのは緑色の皮の方で、ワタには少し甘みがあってビタミンCなどの栄養分も皮よりも多いとのことです。ですから下処理するときに全部ワタを取る必要はないと思います。
ワタの取り方は、まずゴーヤーを軽く洗ったあと、両端のヘタを切り落とした後に縦に半分に切ります。スプーンなどを使って、ワタを取り除いていきますが、しっかりと全部取る必要はないです。少し残っていても問題はありません。もしも余裕があれば、ゴーヤのワタを使った料理にもチャレンジしてみましょう。
ゴーヤのおすすめ下処理方法:ゴーヤの切り方
ゴーヤは薄くスライスすればするほど、苦味を感じにくくなりまし、その後の苦味取りがしやすくなります。しかし、薄く切りすぎるとせっかくのゴーヤの歯ごたえを台無しにしてしまう恐れがあります。おすすめは2~3㎜くらいの厚みに切れば、ゴーヤの適度な苦味と歯ごたえが感じられると思います。
ゴーヤの苦味取りの方法
ゴーヤを美味しく食べるため昔から様々な苦味取りの方法が模索されてきました。その中でも特に簡単で人気のある方法を紹介します。ぜひみなさんに合う苦味取りの方法を探してみてください。
ゴーヤの苦味取り方法:ゴーヤを塩でなじませる
一番一般的な苦味取りの方法です。ゴーヤ一本に塩大さじ1/2くらいをなじませます。あまり多すぎると塩辛くなるので注意してください。10分ほどたつと水分がゴーヤから出ていきます。この時苦み成分あるモモルデシンが抜けていきます。苦味がマイルドになります。
ゴーヤの苦味取り方法:ゴーヤを砂糖でなじませる
塩と同じように砂糖もゴーヤの苦味取りになります。ゴーヤ1本に砂糖を大さじ1くらいをなじませます。砂糖がなじんで来れば10分ほどで水分が流れ出てきます。塩の場合と同じように砂糖でも水分と一緒に苦味成分であるモモルデシンが抜けていきます。この時気を付けたいのが、砂糖を足すことによって後味に砂糖の甘みがついてしまうので料理によっては不向きかもしれません。
ゴーヤの苦味取り方法:ゴーヤを塩と砂糖の両方でなじませる
次のゴーヤの苦味取りの方法は、「塩と砂糖をゴーヤになじませる」です。ゴーヤ1本に対し、塩大さじ1/2、砂糖大さじ1/2をなじませます。どちらか一方だけをなじませるよりも苦味取りの効果が強く現れます。砂糖だけの時と比べて塩を足している分後味が甘くなり過ぎることはありません。
ゴーヤの苦味取り方法:ゴーヤを塩水につける
ゴーヤを塩水につけることは、ゴーヤを塩になじませるのと原理は同じ苦味取り方法です。ただし、長くつけすぎると苦味成分であるモモルデシンだけでなく、他の有用な栄養素までが流れ出てしまうために注意が必要です。長くても30分くらいがいいと思います。
ゴーヤの苦味取り方法:ゴーヤを短時間茹でる
ゴーヤをさっと茹でると苦味成分であるモモルデシンが流れていきます。しかし、あまり長く茹ですぎると必要な栄養素まで流れて行ってしまいます。沸騰したお湯で30秒程度、先に塩になじませてある場合は塩がついたまま10秒くらいで十分苦味取りができます。
ゴーヤの苦味取り方法:ゴーヤを酢でなじませる
ゴーヤを酢にさらすのも苦味取りの良い方法と思います。ゴーヤの水分が出る時に苦味成分であるモモルデシンも一緒に流れ出していきます。塩を使わないので減塩調理をしたい時に向いている苦味取りの方法だと思います。
ゴーヤの苦味取り方法:ゴーヤを油で揚げる
ゴーヤを揚げると苦味の一種であるチャランチンが油で溶けてしまうのでゴーヤの苦味取りになります。モモルデシン等他の栄養素は残るので無駄なく栄養を摂ることができます。サクッとした食感もプラスして楽しめます。
ゴーヤの苦味取り方法:ゴーヤをごま油で炒める
油を使うと脂溶性の苦味成分であるチャランチンが溶けてしまうので、ゴーヤの苦味取りになります。またゴマの香りがゴーヤの苦みを緩和してくれる働きも持っています。ゴーヤの苦み取りだけでなく、ゴマの風味が食欲を増進してくれるので夏バテ予防にもなります。
ゴーヤの苦味取り方法:ゴーヤと旨味のある素材と合わせる
ゴーヤに旨味成分のある食材と合わせると苦味取りができます。例えばかつお節に含まれるイノシン酸が苦味を旨味に変換する働きをもっており、ゴーヤの苦みを吸着してくれます。調理してもまだゴーヤが苦いと感じた時は、かつお節を振りかけてみるとその場でゴーヤの苦味取りができるかもしれません。
ゴーヤのおすすめ料理
最後にゴーヤを使ったおすすめ料理を紹介します。今までの苦味取りの説明からも、苦味を抑えて美味しく食べるためには、下処理をしっかりして油や、旨味成分を合わせた調理法がおすすめです。やはり外せないのが、ゴーヤちゃんぷるです。炒める時の油をごま油に変えてみるとよりおいしくなるかもしれません。
ゴーヤを豚バラで巻いた料理もシンプルで美味しいです。しっかりした処理をしたゴーヤを豚バラで巻いて、フライパンで焼くだけ。簡単でゴーヤ特有の苦みも感じれてビール片手に食べたくなります。
ゴーヤを美味しく食べよう!
今や日本の夏野菜としても人気のゴーヤの苦味取りや下処理の方法を説明しました。ゴーヤの苦味成分は塩や砂糖や油を効果的に使うと栄養分は失わず、美味しく苦味取りができます。苦味取りの方法も1つではなく様々な種類があるので、色々と試して自分に合った苦味取り方法を見つけてほしいと思います。夏の暑さに負けず、ゴーヤを食べて美味しく楽しく乗り切りましょう。