2018年09月05日公開
2024年08月02日更新
小夏は高知・土佐のフルーツ!収穫時期や正しい食べ方を紹介!
高知県土佐市の特産品である小夏。夏の訪れを感じさせる爽やかな香りと甘酸っぱさが特徴の柑橘類です。時期になるとその名前を目にする機会が増えてきます。ただ、意外と知られていないのが小夏の正しい食べ方。皮のむき方で味が大きく変化することをご存知でしたか?今回は、小夏の美味しさを最大限に引き出す正しい皮のむき方や収穫時期などを、小夏の魅力と合わせて詳しく紹介します!
小夏は高知の土佐の名物フルーツ!
高知県土佐市では、柑橘類の栽培が盛んです。一年を通してよく見かけるみかんをはじめとして、でこぽんや文旦、ぽんかんなど、その名前を耳にしたことがある方も多いでしょう。小夏も土佐を代表する柑橘類のひとつで、高知では「土佐小夏」と呼ばれ、親しまれています。
甘すぎず酸っぱすぎず、果汁たっぷりの小夏は、何個でも食べられる美味しさです。しかし、小夏の正しい食べ方を知っている方は、あまり多くありません。そこで今回は、小夏をさらに美味しく食べるための情報をまとめました。小夏の収穫時期はいつ?どうやって食べたらいいの?小夏と日向夏の違いはあるの?など、小夏に関するさまざまな疑問を解消しましょう。
小夏を食べたことがある?
早速ですが、あなたは小夏を食べたことがありますか?中には、名前すら聞いたことがない、という方もいるのではないでしょうか。高知付近にお住まいでない限り、店頭に並ぶ小夏を見る機会はあまりないのではないかと思います。
スーパーでの購入は難しくても、旬の時期になると通販サイトなどで一斉に売りに出されます。高知から離れた地域にお住まいの方は、インターネットを使って取り寄せましょう。贈答用はもちろんのこと、自宅用として比較的安価で販売されているものもあるので、一度手に取ってみるのもいいかもしれません。
小夏とは?
小夏とは、高知県土佐市を中心に栽培されている柑橘類の名称です。「小夏」や「土佐小夏」という呼び方は高知特有のものであり、宮崎では「日向夏」、愛媛では「ニューサマーオレンジ」と呼ばれています。呼称や栽培地域が違うだけで、同じ種類の柑橘類です。温州みかんより一回りほど大きく、厚みのある黄色い表皮に覆われています。
また、小夏は柚子が突然変異して出来たと考えられていて、柑橘類特有の爽やかな香りがあります。ちなみに、表皮と果肉の間にある白い甘皮部分は、他の柑橘類の甘皮部分と比べて肉厚で、渋みや苦味がありません。ふかふかとした食感で、そのまま食べることが出来ます。
小夏は元々は宮崎のフルーツ
小夏の原産地は宮崎で、1820年に宮崎市内の邸宅で偶然発見されたのが始まりと言われています。その後広く栽培されるようになり、より食べやすい小夏を作るため品種改良も行われてきました。宮崎で栽培される小夏は、実が大ぶりのものが多く、酸味が強いのが特徴です。
小夏の収穫時期を知ろう!
瑞々しくて美味しい小夏ですが、収穫時期や旬の時期は限られています。小夏が市場に出回るまでの間、待ち遠しく感じてしまう方もいるかもしれません。小夏はいつごろ収穫され、出荷されるのでしょうか?旬の小夏をいち早く手に入れるためにも、収穫時期を知っておくことが大切です。
小夏の旬はいつ?
小夏の旬は、4月上旬から6月上旬までの約2か月間です。あっという間に終わってしまうので、小夏は見たときに買わないと食べ逃す、とまで言われています。品種によっては7月ごろまで旬の時期が続くものもありますが、「小夏の旬は初夏」と覚えておいていいでしょう。
文旦などはじっくりと追熟してからが食べごろですが、小夏は長い追熟を必要としません。むしろ、時間を置くと香りや水分が失われていきます。旬の時期の中でも、新鮮な小夏が手に入りやすいのは5月ごろ。収穫して日が浅い小夏は一層瑞々しく、美味しく食べることが出来ます。
小夏は収穫までの時間が長い
小夏の収穫時期は、3月から4月にかけての約1か月間です。ハウス農家の場合は収穫時期が早まる傾向にあります。収穫されたあとは、短い期間で追熟を行ってから出荷されます。小夏は収穫までにかかる時間が長く、1年以上かかります。秋ごろになると実が成長し、食べられる大きさまで育つのですが、酸味が強すぎるため販売することはできません。酸味が抜けるのを待つ必要があるため、収穫までにかかる時間が長いのです。
実をつけたまま冬を越さなければならないのですが、寒さに強い果物ではないので、徹底した温度管理が求められます。土佐で小夏の栽培が盛んな理由は、南国土佐と呼ばれるほどの暖かい気候が関係しています。
小夏には独特の自然サイクルがある
小夏の花は、小ぶりの白い花びらが特徴で、毎年4月から5月に一斉に咲き出します。そのため、収穫する際には、実の横に翌年分の小夏の花が咲いているという、一見すると不思議な光景が農園に広がります。これは小夏独自の自然サイクルといえるでしょう。
小夏の正しい食べ方を知らない人も多い?
そもそも、小夏の食べ方に正誤なんてあるの?と疑問に感じる方も多いと思います。小夏の味は、皮のむき方ひとつで大きく変わります。小夏は酸味がきつくて苦手、と思っている方がいるのであれば、おそらく間違ったむき方をした小夏を口にしていたのでしょう。小夏の正しい食べ方や、より美味しく食べる方法を紹介します。
小夏は他の柑橘類と食べ方が異なる
みかんやグレープフルーツなどの柑橘類を食べるときは、表皮や白い甘皮部分を取り除くのが一般的です。皮や甘皮部分は固く、また渋みも強いため、果肉の味をかき消してしまうからです。少しでも皮が残ったまま食べると苦味を感じるので、皮むきに時間をかける、という方もいるのではないでしょうか?
しかし、小夏を同じように食べてはいけません。小夏は、甘みを蓄える場所が他の柑橘類と違うためです。いつものようにむき、果肉のみを取り出す食べ方だと、酸味を強く感じてしまいます。では、小夏はどのように食べたらいいのでしょうか?
小夏はリンゴのように皮をむいて食べる
小夏の表皮を手でむくことはしません。ナイフを使い、円を描くようにむいていきましょう。リンゴの皮むきをイメージするとわかりやすいです。表皮は固いですが甘皮部分は柔らかいので、ナイフがひっかかることなくスルスルと進んでいきます。
ポイントは、表皮の黄色い部分を削ぐような気持ちで、薄く皮をむくこと。皮むきを進めると、白く分厚い甘皮部分に包まれた小夏が姿を見せてきますが、それが正解です。へたは切り落としましょう。
甘皮部分が小夏の味の決め手
どうして甘皮を残すかというと、小夏の甘みはこの甘皮に詰まっているからです。甘皮には果肉の酸味を和らげ、小夏に上品な甘みをプラスする働きがあります。食べ応えも増します。また、甘皮はふかふかと柔らかく、口の中に残ることもありません。
切り分けるときは、果肉と甘皮が一緒に食べられるように配慮することが大切です。中心部には種があるので、取り除いておくとスマートに食べることが出来ます。くし切りにすると、種や中心にある白いわたが取りやすいのでおすすめです。ちなみに、斜めに削ぐように切ると華やかで、おもてなしのデザートに最適です。
塩をかけると甘みが増す
スイカに塩をかけると甘みが増す、というのは皆さん知っていることかと思います。少量の塩をかけると、味の対比効果によりスイカの甘みが引き立ちます。味の対比効果とは、舌が複数の味を一度に感じたとき、一部の味を強く感じるという舌の錯覚を指します。
これは、小夏にも応用することが出来ます。皮をむいて切り分けた小夏に、少量の塩を振りかけてみましょう。そのまま食べるときよりも甘みが引き立ち、美味しく感じられます。塩はほんの少しで充分に効果を発揮してくれますので、くれぐれもかけすぎに注意してください。
切ったあと数分置いて酸味を飛ばす
もともと小夏の果肉はそれほど甘くありませんが、中には一際酸味が強いものがあります。外見で区別がつかないので、食べてみるまでわかりません。塩はあくまで甘みを引き出すものなので、酸味を飛ばす効果はなく、だからといって砂糖をかけるのはカロリーや糖質が気になります。
そんなときは、切った小夏をそのまま数分置いておきましょう。酸味は切ったばかりのときが一番強く感じられ、時間の経過につれて徐々に飛んでいきます。しかし、あまり時間を置きすぎると水分まで失われていくので、果肉の表面が乾かないくらいに留めておいた方がいいでしょう。
小夏は初夏の味と香りで人気のフルーツ!
いかがでしたか?さっぱりとした果肉と、ふわふわとしたほんのり甘みのある甘皮。高知や宮崎を中心に、その人気は全国に広まっています。旬の時期が短く栽培地域も限られているため、レアリティの高い果物というイメージが定着している小町ですが、その味は絶品です。
また、収穫時期や瑞々しい味と香りから、「初夏の訪れを感じさせる果物」として愛されています。季節の変わり目を果物で伝えるという、小粋な贈り物としても人気があります。ジューシーで甘酸っぱい小夏は暑い日にぴったりの果物なので、残暑見舞いなどに贈るのもいいかもしれません。