2022年05月13日公開
2024年05月21日更新
アスパラガスは漢字でどのように書く?由来や読み方が難しい野菜も紹介
アスパラガスの漢字表記を解説します。アスパラガスは漢字でどう書くのか、由来や意味と一緒に詳しく説明!読み方が難しい他の野菜の漢字も、併せて紹介します。アスパラガスの基本知識もまとめているため、これを機に一度チェックしてみてください。
アスパラガスの漢字表記や由来を解説
鮮やかな緑色がきれいなアスパラガスは、いろいろな料理に活躍してくれる食材です。ベーコン巻きなどにして、お弁当のおかずに使うことも多いでしょう。アスパラガスは外国から入ってきた野菜であるため、日本語で表記されることはほぼありません。
しかし、昔使われていた和名や、漢字表記も存在します。本記事では、アスパラガスの漢字表記や由来を解説します。他の野菜の漢字表記も紹介しているため、ぜひ参考にしてください。
アスパラガスはどういう野菜?
アスパラガスは観賞用として輸入された
アスパラガスの原産地は、南ヨーロッパからウクライナ地方だといわれています。半砂漠的草原地帯に生息しており、古代ギリシャやローマなどで栽培されていました。
その後、ヨーロッパ全体に広がり、日本には江戸時代に輸入されました。当初は、観賞用として輸入されていたようです。食用として栽培されるようになったのは、明治時代になってからです。
アスパラガスはギリシャ語が起源
アスパラガスの起源は、ギリシャ語の「asparagos(アスパラゴス)」だといわれています。「asuparagos」は、「激しく裂ける」や「多く分かれている」という意味です。アスパラガスは次々と若芽が生えるため、この名前がついたようです。
アスパラガスの和名
アスパラガスは西洋の名前ですが、日本だけで使われている和名もあります。アスパラガスの和名は、「阿蘭陀雉隠(オランダキジカクシ)」です。アスパラガスはオランダから入ってきたため、名前に「阿蘭陀」の文字が使われています。
また、アスパラガスは成長すると、細かく切れた葉のような枝が生い茂ります。その葉がキジを覆い隠すほどに成長する様子から、「阿蘭陀雉隠」と名づけられました。その他の和名には、「阿蘭陀独活(オランダウド)」や「松葉独活(マツバウド)」などがあります。
アスパラガスに含まれる栄養成分
アスパラガスは、その90%が水分でできています。タンパク質や脂質、炭水化物はほぼ含まれていませんが、それ以外の栄養素が豊富です。特に有名な栄養素は、アスパラギン酸です。
アスパラギン酸はアミノ酸の一種で、疲労回復やスタミナ増強に役立ちます。アスパラガスから発見された栄養素であるため、この名前がつけられました。体内のエネルギー代謝を活発にする働きもあり、栄養ドリンクにも利用されています。
アスパラギン酸の他には、葉酸などのビタミンや、ルチンが多く含まれています。ルチンはポリフェノールの一種で、生活習慣病の予防に効果的です。
葉酸は赤ちゃんの発育に関わる栄養素で、妊娠中の女性には欠かすことができません。また、赤血球の造成を助ける働きもあるため、貧血予防にも役立ちます。
他にも、βカロテンや各種ビタミンが豊富です。βカロテンから作られるビタミンAには、強い抗酸化作用があります。活性酸素を除去してくれるため、さまざまな疾病の予防に効果的です。また、シミやシワなどを抑える働きもあり、美肌効果も期待できます。
まっすぐ伸びる茎の部分と、先端の穂先の部分。アスパラは、部位によって含まれる栄養成分に違いがあります。
栄養が多く含まれているのは穂先の部分で、アスパラギン酸やルチン、ビタミン類が豊富です。
アスパラガスの漢字表記と由来
漢字表記①龍髭菜
「竜髭菜」という文字は、中国語由来のものです。成長したアスパラの葉は、まるで竜の髭のようにフサフサとしています。
そのフサフサした葉の様子から、「竜髭菜」という文字が当てられました。中国語での読み方は、「ロンシューツァイ」です。矢部吉禎という植物学者が、満州の野菜を日本に紹介したときに、この表記が広まりました。
漢字表記②石刁柏
「石刁柏」は、「せきちょうはく」と読む漢字です。なぜこの文字がアスパラガスを指すようになったのか、詳しい理由は現在でも不明です。「石刁柏」という文字は、現在でも中国で使用されています。中国語での読み方は、「シーディァォバイ」となります。
漢字表記③松葉独活
「松葉独活」は、日本でのアスパラガスの漢字表記です。読み方は「マツバウド」で、この名前はアスパラガスの見た目に由来しています。
日本では昔から独活が自生していますが、アスパラガスは見た目が独活に似ています。「まるで松葉のように細い独活」という意味から、「松葉独活」と名づけられたようです。
アスパラガス以外の読み方が難しい野菜
キャベツ「甘藍」
普段からよく目にするキャベツですが、漢字を見る機会は少ないでしょう。キャベツは漢字で「甘藍」と書き、読み方は「かんらん」です。もともとは中国からきた文字ですが、日本でもそのまま使っていました。
他にも、キャベツは「玉菜(タマナ)」と表記することもあります。詳しい由来はわかっていませんが、見た目から名づけられたという説が有力です。
ブロッコリー「芽花椰菜」
ブロッコリーの和名は「メハナヤサイ」で、漢字だと「芽花椰菜」と書きます。ブロッコリーの中国語表記である「花椰菜」という文字をもとに、「芽花椰菜」という名前が作られました。
また、ブロッコリーは「芽花椰菜」の他に、「緑花椰菜」と表記されることもあります。中国では「花椰菜」という漢字には、「カリフラワー」という意味もあります。そのため、「花椰菜」だけでは、カリフラワーがブロッコリーかわからないでしょう。
これら2つを区別するために、「緑花椰菜」という表記が使われるようになりました。ブロッコリーには他にも、「芽花野菜」や「緑花野菜」と表記されることもあります。この2つは中国語とは関係ない、日本独自の漢字表記です。
「芽花野菜」は、「芽と花が食べられる野菜」という意味です。「緑花野菜」も漢字通りの由来で、「緑の花のような野菜」という意味から名づけられました。
トウモロコシ「玉蜀黍」
トウモロコシは、16世紀頃ポルトガルから日本に伝わりました。しかし、日本ではそれより前に、中国から「モロコシ」という植物がすでに伝わっていました。トウモロコシは、この「モロコシ」と見た目が似ています。
そこで、舶来という意味の「唐(トウ)」をつけ、「トウモロコシ」と呼ばれるようになりました。モロコシはもともと、「蜀黍」や「唐黍」という文字を使っていました。
しかし、「唐黍」に「唐」をつけると、「唐唐黍」になってしまいます。また、「蜀黍」の「蜀」にも「舶来」という意味があるため、「唐蜀黍」だと意味が重複してしまいます。
そこで、モロコシの別名である「玉黍」という文字が使われるようになりました。舶来の意味である「蜀」を足して、「玉蜀黍」という漢字が作られたといわれています。
アスパラガスの漢字表記は3種類ある
アスパラガスの漢字表記は、「龍髭菜」「石刁柏」「松葉独活」の3種類です。どれも難しい漢字で、普段の生活で使うことはありません。ただ、雑学のひとつとして、由来と併せて知っておくと良いでしょう。
また、アスパラガス以外にも、難しい漢字を書く野菜は多く存在します。普段食べている野菜の漢字が気になったら、ぜひ表記の仕方や由来を調べてみてください。