2021年12月13日公開
2024年11月17日更新
果物の漢字の読み方と由来一覧!難読な名前までレベル別に紹介
果物の漢字の読み方と由来を一覧にしてまとめました。難読な果物の名前を、「初級」「中級」「上級」の3つのレベルに分けて紹介します。難しい漢字の由来についても詳しく説明しているので、読み方とともにぜひチェックしてみてください。
目次
果物の漢字をどこまで読めるかチェック!
普段からよく目にする果物の名前も、漢字にすると読めないものが多くあります。本記事では、難読漢字を使う果物の名前を3つのレベル別にまとめました。漢字の由来と一緒に、どこまで読めるかチェックしてみましょう。
果物の漢字の読み方と由来【初級レベル】
苺(いちご)
「苺」という漢字は、「母」という漢字が「次々に子株を生み出す」ということを表現しているという説が有力なようです。また、「乳首のような実のなる草」というところから、乳房を表す「母」という漢字が使われるようになったという説もあります。
栗(くり)
漢字は形声文字、指示文字、会意文字、象形文字の4種類がありますが、栗はその中でも象形文字に分類されます。象形文字は物の形を線や点などで表した文字で、栗という漢字も栗の木から作られました。
栗は木の上にトゲがある実が密生しますが、その様子を表したのが「栗」という漢字だといわれています。
柿(かき)
柿はもともと「柹」という漢字で、右側が「市」ではありませんでした。「柹」の右側は「シ」と読み、「一番上」という意味を持っています。昔は柿の皮を水に浸して、上澄みから渋みを取って食べていました。
この「上澄み」が一番上であるという観点から、「一番上」という意味がある「シ」の文字が使われるようになったといわれています。時間とともに「シ」の文字は「市」に変化し、現在では「柿」という漢字が使われるようになりました。
梨(なし)
梨は、それぞれ異なった3つの文字から成り立つ漢字です。まずは左側の「禾」ですが、こちらは穀物全般を表す漢字です。穀物の穂は垂れている様子を表していて、穀物に関係する文字によく使われています。
右側の「刂」は刃物を表す文字で、「利」は穀物を刃で刈り取っている様子を示しています。この「利」を「木」の上に乗せることで、「木の上によく切れる実がある」という意味から「梨」という漢字が生まれました。
桃(もも)
古代中国では占いを行うときに亀の甲羅を使っていましたが、この甲羅に現れる割れ目から「兆」という漢字が生まれました。この「兆」には「前触れ」という意味の他に、甲羅の割れ目から「2つに割れる」という意味も持ちます。
桃の実は2つにきれいに割れるため、「木」に「兆」を組み合わせて「桃」になったといわれています。
梅(うめ)
「梅」の右側にある「毎」は象形文字で、多くの子供を育てた母親を表しています。梅は実をつけるとき、必ず枝のすべてに多くの実をつけます。
この様子が子供を多く持つ母親の姿に見えるところから、「木」と「毎」を組み合わせて「梅」という漢字になりました。
杏(あんず)
杏は中国から渡ってきた果物で、平安時代の文献には「からもも」という名前で記載されています。杏は「木」と「口」から形成されている単純な漢字で、「口」は果実を表しています。木の枝に果実が実っている様子から、「杏」という漢字が生まれました。
花梨(かりん)
花梨の漢字の由来は、座卓や三味線の胴などに使われる唐木の「花櫚(かりん)」です。この花櫚に木目が似ていることから、「花梨」と名付けられました。名前に「梨」の文字が入っていますが、特に梨とは関係ありません。
巨峰(きょほう)
「巨峰」はぶどうの一種で、1942年に「石原早生」と「センチニアル」という品種を交配して作られました。このぶどうの交配の研究は静岡県で行われていたため、研究所から見える富士山にちなんで「巨峰」と名付けられました。
八朔(はっさく)
「八朔」はそれほど難しい読み方ではないので、すぐに読める人も多いのではないでしょうか?「八朔」という言葉はもともと8月1日を表しますが、はっさくが夏に穫れるわけではありません。
はっさくの旬は春頃ですが、はっさくを発見した住職の「8月1日には食べられる」という言葉から「八朔」になったと伝わっています。
柚子(ゆず)
「柚」という文字の右側は、さんずいをつけると「油」になります。ゆずは表面がつやつやしており、皮から油もとれる果物です。そこから、「木」と油の「由」を組み合わせて「柚子」になったといわれています。
果物の漢字の読み方と由来【中級レベル】
檸檬(レモン)
「檸檬」は難読漢字のひとつですが、商品名などに使われていることもあって比較的見慣れた文字でもあります。この難しい漢字はもともと中国の文字で、中国のレモンの読み方である「レイモウ」という呼び方に由来しています。
林檎(りんご)
「林檎」は一見すると難しい漢字ですが、一般的にも使われることが多いので読める人も多いでしょう。ただ、この漢字は当て字で、もともとは「ひんか」という読み方をします。
「檎」は鳥を表す文字で、「果物を目当てに林に鳥が集まってくる」というところから、「林檎」と書かれるようになったようです。
蜜柑(みかん)
みかんはさまざまな品種があり、日本を代表する果物のひとつです。みかんは室町時代に中国から伝わりましたが、他の柑橘類よりも甘い味が特徴でした。そのため、「蜜のように甘い柑橘類」という意味から、この漢字が当てられたということです。
西瓜(スイカ)
スイカはもともとアフリカ原産の果物で、それがウルグアイを経て中国へ渡り、最終的に日本に入ってきました。
そのため、「中国よりも西から来た瓜」というところから「西瓜」と表記されるようになりました。スイカは水分が多いため、「西瓜」の他に「水瓜」と表記されることもあります。
桜桃(さくらんぼう)
さくらんぼうは「桜桃」と書きますが、昔は果実のことを一律に「桃」と読んでいました。そのため、「桜の木になる果実」というところから、さくらんぼうは「桜桃」という表記になりました。
さくらんぼうは他にも「桜実」と書いたり、桜の旧字体を使って「櫻桃」と書かれることもあります。
胡桃(くるみ)
「胡桃」の「胡」という文字は、もともと中国の北部にあった国の名前のことです。くるみは胡国から日本に伝わったといわれており、そこから「胡」の文字を使って「胡桃」と表記されるようになったようです。
葡萄(ぶどう)
ぶどうはペルシャ語で「ブーダウ」と発音しますが、中国に渡った際にその音に合うように「葡萄」という漢字が当てられました。日本にはもともと「エビヅル」というブドウ科の植物があったことから、「葡萄」のことを「エビ」とも読みます。
枇杷(びわ)
「枇杷」という文字は、もともと楽器の名前として使われていました。果物のびわは楽器の枇杷に形が似ていたため、そのまま「枇杷」という名前が付けられました。
楽器の枇杷は後に「琵琶」という漢字に変更されましたが、果物のびわは「枇杷」という漢字のまま現在でも使われ続けています。
柘榴(ざくろ)
ザクロは「柘榴」の他にも「石榴」と書かれることもありますが、これはザクロのゴツゴツとした見た目がコブに似ていることが由来となっています。
ザクロはイランから中国に渡ってきましたが、当時の中国はこのコブに似ている果物を「安石榴(あんせきりゅう)」と呼んでいました。それが少しずつ変化していき、最終的に「石榴」という表記に落ち着いたといわれています。
甘橙(オレンジ)
「甘橙」はそれほど難しい漢字ではありませんが、読み方が難しい難読漢字のひとつです。日本語読みをするとそのまま「あまだいだい」と読み、甘い橙(だいだい)という意味で使われています。
日本ではみかん類の果物は橙と呼ぶことが多いですが、オレンジは中でも甘い味がするため「甘橙」と表記されるようになりました。
無花果(いちじく)
無花果は漢字のイメージから花がないように思われますが、花が咲かないわけではありません。無花果は一般的に真ん中の赤い部分を果物として食べますが、実はこの部分は実ではなく花托と呼ばれる花の一部です。
このように、まるで花が咲かずに実がなるように見えるため、「無花果」という漢字が当てられました。
木通(あけび)
あけびの蔓は中が空洞になって空気が通るようになっており、ここから「木通」という漢字が使われるようになりました。他にも「通草」や「通蔓草」と表記することもあり、これらも「木通」と同じ由来だと考えられています。
臭橙(かぼす)
「臭橙」という漢字の由来ははっきりとしておらず、その独特な臭いからこの漢字がつけられたのではないかと推測されています。かぼすは他にも「香母酢」と書くことがありますが、こちらは「香りが良い酢」という意味からつけられた当て字です。
酢橘(すだち)
現在はすだちは薬味や香り付けに使われることが多いですが、昔は食酢として使われていました。その使われ方が由来となり、「酢」の文字が使われるようになりました。また、酸味が強い柑橘類であるところから、「酢橘」と書かれるようになったようです。
果物の漢字の読み方と由来【難読レベル編】
甜瓜(メロン)
スイカの漢字を知っている人は多いですが、メロンを「甜瓜」と表記することはあまり知られていません。「甜」は「甘い」という意味を持っている漢字で、「甜茶」などにも使われています。
メロンはとても甘い味がする瓜であるところから、「甜瓜」と書かれるようになりました。
彌猴桃(キウイフルーツ)
キウイの漢字はとても難しい文字で、「桃」以外の漢字はなかなか目にする機会もないのではないでしょうか?「彌猴」はもともと中国語で、アカゲザルという猿を表します。キウイは猿が好んで食べるため、この漢字がつけられました。
鳳梨(パイナップル)
「鳳梨」の由来は台湾語で、中国神話の伝説の鳥である「鳳凰(ほうおう)」にあります。パイナップルの葉がまるで鳳凰の尾羽のように見えるというところから、パイナップルは「鳳梨」と表記されるようになりました。
日本での読み方は「ほうり」ですが、台湾での読み方は「オンライ」となります。また、パイナップルは「菠蘿」とも書きますが、こちらは中国語が由来となっています。
藍苺(ブルーベリー)
ブルーベリーは「藍苺」と書きますが、由来は今のところはっきりとしていません。ただ、その青い色とイチゴのような見た目から、「藍苺」と表記されるようになったと考えられています。
蔓苔桃(クランベリー)
クランベリーは和名で「蔓苔桃(つるこけもも)」と呼ばれ、似たような果物である「苔桃(こけもも)」の仲間です。苔桃は密集した状態で苔のように広がって育つことから、その名前が付けられましたが。
そして、苔桃に似ているクランベリーは蔓を伸ばして成長するところから、「蔓苔桃」という名前になったのです。
葡萄柚(グレープフルーツ)
グレープフルーツの漢字は、「葡萄(ぶどう)」と「柚(ゆず)」が組み合わさってできたものです。1本の枝に複数の実をつける様子がぶどうに似ているところから、「葡萄」の文字がつけられたようです。
また、柚のように黄色くて酸っぱい果物であるため、「葡萄柚」という表記になりました。
鰐梨(アボカド)
女性からの人気が高いアボカドも、難読漢字の果物のひとつです。アボカドはまるでワニの背中のような見た目をしているところから、「鰐梨」という漢字がつきました。
また、アボカドは英語で別名「alligator pear」と表記するところから、直訳して「鰐梨」になったともいわれています。
西印度櫻桃(アセロラ)
アセロラは漢字で書くととても長くなりますが、これは日本語ではなく中国語で表現した場合に使われるものです。アセロラは西インド諸島が原産の、さくらんぼうのような赤い実をした果物です。
そのため、「西印度」とさくらんぼを表す「櫻桃」の漢字が当てられらと考えられています。
芒果(マンゴー)
難読漢字である「芒果」はもともと中国の漢字ですが、マンゴー自体はマレーシア語やインドネシア語です。
マンゴーという音に合わせて、中国語で「マン」と発音する「芒」とゴと発音する「果」を組み合わせて作られました。マンゴーは他にも、「檬果」「菴羅」「菴摩羅」といった異なる表記もあります。
茘枝(ライチ)
「茘枝」は見慣れない難しい漢字ですが、日本では「れいし」という読み方もあります。しかし、沖縄から入ってきたゴーヤが「つるれいし」と呼ばれていたため、混同を避けるために「ライチ」という読み方をするようになりました。
ライチという呼び方は、ライチの中国語である「リーツゥー」という名前に由来しています。
甘蕉(バナナ)
バナナはバショウ科バショウ属の果物であるため、漢字にバショウの「蕉」の字が使われています。バショウには食用でない植物もあるため、それらの食べられないバショウと分けるために「甘蕉」と名付けられました。
果物時計草(パッションフルーツ)
「果物時計草」は文字自体は簡単ですが、一発ではなかなか読めない難読漢字です。パッションフルーツはパッションフラワーの果実ですが、パッションフラワーは花が時計のような形をしています。
そこから、日本ではパッションフラワーのことを「トケイソウ」と呼び、トケイソウの果実であるパッションフルーツを「果物時計草」と呼ぶようになりました。
麝香葡萄(マスカット)
難読漢字でもあるマスカットですが、「麝香」という難しい文字には「強い香り」という意味があります。マスカットはぶどうの中でも香りが強いため、「麝香」という文字を使って「麝香葡萄」という表記になりました。
橄欖(オリーブ)
オリーブは、漢字にすると「橄欖(かんらん)」と書きます。もともと日本には「カンラン」という別の植物があったのですが、オリーブはこのカンランと見た目がよく似ていました。そのため、オリーブにもそのまま「橄欖」という漢字を付けたのだといわれています。
万寿果(パパイヤ)
「万寿」は中国語で、長寿のことを表します。中国ではパパイヤは健康的な果物として扱われており、長寿が叶う果物ということで「万寿果」と名付けられたようです。パパイヤは他にも「蕃瓜樹」や「乳瓜」など、全部で5種類の書き方があります。
果物の漢字は中国語由来が多くて難しい
難読漢字を使う果物の名前と、その由来をまとめました。果物の漢字は中国語からきていることが多く、普段見慣れない漢字も数多くあります。日常生活で使うことはあまりありませんが、知識のひとつとして読み方や名前の由来を覚えておきましょう。