2022年04月22日公開
2024年11月22日更新
さつまいもを追熟させる方法は?食べ頃になる見極め方や活用レシピも
さつまいもを追熟させる方法について解説します。追熟させると甘くなる理由や、熟成に必要な期間と環境条件、熟成に適したさつまいもの選び方も詳しく説明!皮の色などで食べ頃を見極める方法や、美味しい食べ方も紹介するため、ぜひ参考にしてください。
さつまいもの追熟方法や食べ頃になる見極め方を解説
さつまいもは、素朴でやさしい甘味が、子供から高齢の方まで幅広い層に人気の野菜です。品種が多く、さまざまな料理やおやつに活用できます。栄養価も高いため、健康効果も期待できるでしょう。
この記事では、さつまいもが甘くなる追熟の方法を解説します。食べ頃の見極め方や、追熟したさつまいもの活用レシピも紹介するため、ぜひ美味しいさつまいもを堪能してください。
さつまいもを追熟させると甘くなるのはなぜ?
甘くなるのはでんぷんが糖化するため
さつまいもは、でんぷんが多く含まれる野菜です。でんぷんは、酵素によって分解され、麦芽糖に変化します。これが、糖化とよばれる化学反応です。糖化により、甘味や旨味が強まります。
追熟とは、野菜や果物をある程度の期間、適した環境に置いて熟成させることです。さつまいもは、一定期間熟成することにより、でんぷんを糖化させることができます。追熟前より糖度が上がるため、コクが出て甘味が増します。
追熟に必要な期間と環境条件
さつまいもを熟成させるには、適した期間と環境が必要です。熟成させるための期間は、収穫時期や追熟を始めるときの熟成具合で異なります。
家庭菜園などで収穫した未熟なさつまいもの熟成期間は、1~2ヶ月くらいです。市販のものは、流通過程である程度熟成させているため、2週間くらいで熟成します。
熟成には、温度13~14度、湿度85~90%が適した環境です。冷蔵庫での保存は、温度が低すぎるため向きません。少し湿度が高い、台所の床下収納などが適しています。気温が低く乾燥している環境では、熟成が難しいため注意が必要です。
土付きのさつまいもの場合は、直射日光を避けてそのまま2~3日乾かします。乾かすことで余分な水分が抜けるため、腐敗を防ぐことが可能です。
追熟に適したさつまいもの選び方
さつまいもを上手に追熟させるには、熟成に適したものを選ぶことも重要です。皮が傷ついているものを熟成させると、腐敗を進めてしまうことがあります。
おすすめは、皮の色が鮮やかな紫色で、ハリとツヤがあるものです。ずっしりとした重みがあり、ふっくらしているものも適しています。形はあまりいびつでなく、皮にひげ根がないほうが良いです。
傷のないもの、皮が鮮やかなピンク(紫)色をしているものを選ぶのも、上手に熟成させるための大切なポイントだ。
さつまいもの追熟方法
追熟方法①家庭菜園のさつまいも
家庭菜園で作ったさつまいもは、未熟なものが多いため、追熟にかかる期間は1~2ヶ月です。
皮についている土を軽く落とし、腐敗を防ぐため2、3日陰干しをして水分を抜きます。1本ずつ新聞紙に包み、温度は14度くらいの少し湿度がある環境で保存します。気温が低い時期は、段ボールに入れると良いです。
皮の紫色が濃くなってきたら、熟成が進んでいる証拠です。変化がない場合は、あまり熟成していないため、環境を見直しましょう。
追熟方法②市販のさつまいも
スーパーなどで販売されているさつまいもは、熟成が少し進んでいる場合が多いです。早いもので1週間、長くても1ヶ月くらいで熟成します。
できるだけ土がついている状態が良いです。水洗いすると傷みやすくなるため、袋から出してそのまま新聞紙で1本ずつ包みます。通気性の悪いビニール袋に入れたり、ラップで包むのは避けましょう。新聞紙で包む前に2、3日陰干しすると、傷みにくいです。
また、温度は13度くらいが適しています。ある程度熟成が進んでいるため、冷蔵庫での保存も可能です。気温が高い夏場は、腐敗を防ぐために冷蔵保存が良いでしょう。
追熟したさつまいもが食べ頃になる見極め方
追熟したさつまいもの食べ頃の見分け方は、主に2つあります。1つめの見分け方は、皮の色です。熟成が進むにつれ、皮の色が濃くなってきます。ツヤのある鮮やかなピンク色や紫色になると、食べ頃です。
もう1つは、先端をカットした断面から蜜が出ているかどうかです。スーパーなどで販売されているものは、先端をカットされていることが多いため、断面を見て判断します。家庭菜園のものは、先端を切って切り口を確認しましょう。
追熟したさつまいもの美味しい食べ方
熟成させたさつまいもは、加熱することによってさらに甘味や旨味を引き出し、美味しく食べることができます。煮る、蒸す、焼くなど、どの加熱方法でも良いです。低温でゆっくり加熱するようにします。
さつまいもは70~80度くらいの低温で、ゆっくり加熱させると甘味が増します。これは、βアミラーゼと呼ばれる酵素の働きが、この温度で活発になるからです。
βアミラーゼは、でんぷんを分解して糖にする働きのある酵素で、糖化がしやすくなります。糖度が高まるため、甘味が強くなるでしょう。
追熟したさつまいもの活用レシピ
さつまいもの甘煮
【材料】
- さつまいも:約350g
- 水:約350ml
- 砂糖:90g
- みりん:大さじ2
- しょうゆ:小さじ1
【作り方】
- さつまいもを1.5cmくらいの輪切りにカットしてボウルに入れ、たっぷりの水に約5分浸けておきます。
- 1をザルにあげて水を切り、鍋に並べます。
- 2に水を注ぎ入れ、さつまいもがヒタヒタにならない場合は、水を足します。
- 3を強火にかけ、沸騰したら弱火にし、蓋をして約5分煮ます。
- 4に砂糖、みりん、しょうゆを加えて落とし蓋をし、弱火で約20分煮ます。
- 5の火を止め、落とし蓋をしたまま常温で冷まします。
- 6がしっかり冷めたら、そのまま冷蔵庫に入れて冷やします。
- 7の色を見て、しっかり染み込んでいれば完成です。
さつまいもを使った甘煮のレシピです。落とし蓋がないときは、アルミホイルを円形に形どって代用すると良いでしょう。
弱火でゆっくり煮ることで、煮崩れを防ぐことが可能です。常温でゆっくり冷ました後、さらに冷蔵庫で冷やすことで味が染み込みます。
追熟したさつまいもを使うと味が染み込みやすく、甘味がさらに引き立ちます。弱火で煮ているときに一度ひっくり返すと、仕上げの色がキレイになるでしょう。
さつまいもの炊き込みご飯
追熟させたさつまいもを活用した、炊き込みご飯のレシピです。塩を加えて炊くことで、皮に塩分が染み込み、甘味が増します。
熟成したさつまいもの甘さやコク、旨味を活かすため、調味料は塩とごま油のみで充分です。ごま油の香りが食欲をそそります。
大学芋
追熟させたさつまいもを使った大学芋のレシピです。さつまいもの甘味があるため、砂糖は使わずハチミツのみで、充分に甘くなります。
事前に電子レンジで柔らかくしておくため、油で揚げず短時間での調理が可能です。ハチミツを弱火で絡めることで、より甘味が増しキレイな仕上がりになります。
さつまいもを上手に追熟させて美味しく食べよう
さつまいもは、自然でまろやかな甘味が特徴の野菜です。甘味を活かして、さまざまなアレンジの料理やお菓子を楽しめます。
さつまいもは、追熟によってさらに甘くなります。甘くなる理由や熟成に適した環境、正しい熟成方法を知ることで、上手に糖度を高めることが可能です。本記事を参考にして、熟成した甘いさつまいもを、美味しく食べてください。