2022年04月25日公開
2024年11月22日更新
人参の白い部分は食べられる?原因や見分け方・保存方法も解説
人参の白い部分は食べられるのか解説します。人参の中心が白くなる原因や見分け方、切り口にカビが生えている場合についてまとめています。白い部分ができにくい保存方法も紹介しているため、購入した時や料理で使用する際の参考にしてください。
目次
人参の白い部分は食べられる?
人参は、カレーやナムル、きんぴらなどさまざまな料理に活用できる野菜です。長時間放置していると、中心部分が白くなっていることがあります。硬くなっており、美味しくなかったなどという経験がある方もいるでしょう。
本記事では、人参の中心が白くなる原因や白い部分は食べられるのか詳しく解説します。できるだけ白くなるのを防ぐ保存方法についても紹介しているため、人参を購入した時の参考にしてください。
人参の中心が白い原因
カットした時、中心部分が白い人参を見かけることがあります。ここでは、人参の中心が白い原因について3つ紹介します。
原因①とう立ち
人参がとう立ちしている場合は、中心部が白くなることがあります。とう立ちとは、茎や葉、花が成長し始める段階のことをいいます。茎や葉、花などに栄養がいくため、中心が白くなるのです。
とう立ちして中心部が白くなると、硬く包丁でカットしにくくなります。収穫後のものも、中心部から茎や葉の部分に栄養を送ろうとする働きがあります。
そのため、色が薄い中心よりもオレンジ色の濃い外側に栄養があるのです。とう立ちしている場合は、中心の白い部分は硬く美味しくないでしょう。
原因②水分が抜けた
水分が抜けた人参は、中心部に空洞ができ白くなります。人参の構造として、中心部分は茎や葉に栄養や水分を送る管が通っているのです。そのため、中心ではなく皮付近に栄養や水分が蓄えられます。
水分が抜けてしまうと、中心に空洞ができ繊維質が残るのです。保存方法によっても時間が経つと、中心部が白くなることがあります。白くなりにくいように乾燥を防ぐため、新聞紙やキッチンペーパーにくるんで保存することをおすすめします。
原因③栄養の偏り
人参の中心が白くなるのは、成長過程で栄養が外側にいくことで起こるためです。白い部分は食べても栄養素が少ないため、硬くて美味しくないでしょう。腐っているわけではないため、そのまま調理して食べることも可能です。
しかし、気になる場合は白い部分のみカットしてから調理しましょう。中心よりも皮付近に栄養があるため、皮は剥かずに調理することをおすすめします。
人参の白い部分は食べられる?
カビや腐敗だけでなく、とう立ちや水分量、栄養の偏りなどが原因で人参の中心は白くなるのです。こでは、人参の白い部分は食べられるのか詳しく解説します。
美味しくないが食べても問題はない
中心が白い人参は、とう立ちや水分が抜けている場合などが原因です。そのため、食べられないわけではありません。しかし、中心部分は栄養があまりないため、美味しくないでしょう。
とう立ちにより木質化して硬くなっている場合、中心部分や実の部分も硬く食べにくくなっています。加熱調理しても硬く美味しくないため、食べない選択をする人も多いようです。
とう立ちが進んでいない場合は、気にせず食べることができるでしょう。好みに合わせて、白い部分を取り除くか判断してください。
白いひげや粒が付着していても食べられる
人参に白っぽい粒やひげがある場合でも、食べることは可能です。表面に付いている粒は、皮が剥けて乾燥したことが原因です。出荷する前に土などを洗い流す時に、人参の薄い皮が剥けるのです。
そのため、剥けた皮が乾燥したまま表面に付着して白い粒になるのです。表面にひげが生えると、食べられるのか不安になることがあります。
この白っぽいひげは根っこであるため、食べても問題ありません。いずれにしても、新鮮さに欠けるため、早めに食べることをおすすめします。
切り口にカビが生えた人参は食べない方が良い
人参に白カビや黒カビが生えている場合は、食べないようにしましょう。表面に綿のようなものが付着している場合は、人参の中までカビ菌が繁殖していることがあるため注意してください。
保存する際に水分が付着していると、カビや腐る原因となることがあります。冷蔵庫での保存の際は、新聞紙やキッチンペーパーにくるんで保存するなど気をつけましょう。
人参の中心が白いか見分ける方法
人参を購入する際には、できるだけ食べ頃の新鮮なものを選ぶことが望ましいでしょう。ここでは、人参の中心が白いか見分ける方法を紹介します。
見分け方①茎の切り口の大きさ
人参の中心が白いか見分ける方法は、茎の切り口の大きさをみることです。茎や葉に栄養や水分がいっている人参は、茎の切り口は大きいでしょう。そのため、そのような人参は、中心が白くなりやすい傾向にあります。
茎の切り口が小さい方が、美味しいといわれています。スーパーや八百屋などで購入する際は、切り口の大きさをチェックしてください。
見分け方②人参や茎の色
人参の中心が白くなっていないか見分ける方法は、茎や実の色を見ることです。鮮やかなオレンジ色である場合は、美味しいといわれています。色味が薄い場合は、実よりも茎や葉に栄養がいっている可能性があります。
カットした茎部分が黒ずんでいる場合は、収穫から時間が経過しています。茎部分もみずみずしいものを選ぶようにしましょう。
見分け方③人参の皮のしわ
購入する際は、人参の皮部分にしわがないか確かめましょう。表面にしわができるのは、水分量が少なくなっているためです。水分が減っていくと表面にしわができるため、中心が白くなっている可能性があります。
乾燥して皮にしわができているものは、購入しないことをおすすめします。美味しく食べるため、できるだけ中心が白くなっていないものを選ぶことが大切です。
人参が白くなるのを防ぐ保存方法
人参などの野菜は、購入してからできるだけ新鮮なうちに食べることをおすすめします。しかし、すぐに食べきれない場合は、適切な保存が必要です。ここでは、適切な保存方法を解説します。
保存方法①キッチンペーパーで包む
できるだけ中心が白くならないように保存するには、キッチンペーパーなどで包んでから野菜室や冷蔵庫に入れましょう。そのまま冷蔵庫に保存すると、冷気で乾燥してしまう可能性があるのです。
キッチンペーパーや新聞紙に包むことで冷気に触れないため、新鮮さを保つことができます。冷蔵保存する場合は、できるだけ早く使い切るようにしてください。
時間が経つと、中に空洞ができるなど劣化していくためです。調理しやすいようにカットしてから冷凍保存すると、より長持ちするでしょう。
保存方法②茎や葉を切る
人参や大根などの葉がついた野菜は、長持ちさせるために茎や葉をカットしましょう。茎や葉がついた状態で保存すると、実よりも葉に栄養がいくことで美味しくなくなるのです。
葉や茎をカットすると、とう立ちして中心が白くなり実が硬くなるのを避けることができます。葉や茎がついたままのものは、カットしてから保存するか、早めに調理するようにしましょう。
切り口や実が乾燥しないよう、新聞紙やキッチンペーパーに包みます。適切に冷蔵保存した場合は、約2、3週間ほど日持ちするといわれています。
人参には白い品種もある
人参といえば、オレンジ色の品種がほとんどです。ここでは、白い品種の人参について紹介します。
色が白い品種「パースニップ」
色が白い品種のパースニップは、ヨーロッパ原産のセリ科の二年草で人参に似た根菜です。パースニップは、別名アメリカボウフウや白人参と呼ばれています。古代ギリシャやローマ時代には、食用として栽培されていたといわれているのです。
パースニップは、加熱すると人参よりも甘みがあるという特徴があります。ポトフやシチューなどの煮込み料理以外にもグリルや蒸し焼きなど、さまざまな調理方法で食されているのです。
冬に強いパースニップは、おもに地中で冬を越し春に収穫されます。日本国内であれば、北海道や東北の寒い地域が栽培に適した地域といえるでしょう。輸入品がほとんどであるため、見かけるこはあまりない珍しい野菜です。
種まき時期によって色が薄くなることもある
人参は、種まきの時期によっても色味が薄くなる場合があります。オレンジ色のものを植えた場合でも先祖返りという現象により、白っぽい色のものができます。白っぽくなるのは、原種の特徴が現れるためです。
食べることはできますが、美味しくないといわれています。濃いオレンジ色に育てるには、種まきしてから2ヶ月後に気温が20度以上であるという条件が必要です。そのため、7月中旬くらいまでに種まきを終わらせることが望ましいでしょう。
色が薄いものは、種まきの時期が9月のものが多いといわれています。色が濃いものは、カロテンなど栄養価も高い傾向にあります。家庭菜園などで育てる場合は、種まきの時期や雨が降った翌日など好条件であるか注意して行ってください。
人参の白い部分は美味しくないが食べられる
オレンジ色が鮮やかな人参は、日常的な食事に彩りを与えてくれるだけでなく栄養豊富な野菜です。できるだけ新鮮な人参を選んでも、時間が経つと中心が白くなることがあります。
とう立ちや水分が抜けている場合は、美味しくないだけで食べることは可能です。腐敗やカビが原因の場合は、食べないようにしましょう。
美味しく食べるために、乾燥やカビ、とう立ちなどに気をつけて保存することをおすすめします。購入時も、しっかりと茎の切り口や色味を確認するようにしてください。