2021年12月02日公開
2024年06月06日更新
茎わかめの栄養成分と効能|葉わかめとの違いやダイエット効果も紹介
茎わかめを食卓に取り入れることで不足しがちな食物繊維が摂れることをご存じでしょうか。この記事では茎わかめの栄養素や茎わかめを使った料理などを紹介します。茎わかめは健康に嬉しい栄養価が高い食材です。茎わかめについて知りたい方はこの記事をチェックしてみてください。
目次
「茎わかめってわかめと何が違うの」
「茎わかめはどんな栄養があるの」
「茎わかめがダイエットの味方ってホントなの」
スーパーなどで見かける茎わかめについてこんな疑問を抱いたことはありませんか。
この記事では、茎わかめとわかめの違いや含まれる栄養素と効能、食べ方の注意、そして美味しく食べるレシピなどを紹介します。
茎わかめは美味しく栄養価が高くダイエットに最適な食材ですが、食べ方によっては健康を損ねる可能性もあります。この記事を読むことで、茎わかめの豊富な栄養価や食卓にのせるメリット、また茎わかめの食べ方について知ることができるでしょう。
美味しい料理で健康を維持したいという方は、ぜひご一読ください。
茎わかめってどんな食材?
茎わかめはわかめです。わかめは部位によって呼び方が変わります。通常「わかめ」と呼ばれるのは葉の部分、お味噌汁や酢の物などで食されます。「めかぶ」もわかめの部位の呼称です。めかぶはわかめの根元の部分で、強いぬめりがあるのが特徴です。
茎わかめはわかめの中心(茎)の部分で、コリコリとした歯ごたえがあり、佃煮やおつまみとしてよく食べられます。
茎わかめの食物繊維量などは葉わかめよりも多くなっていて、栄養価が高い部分であるといえるでしょう。
葉わかめとの違い
葉わかめは一般的に「わかめ」と呼ばれる部分です。カットわかめや塩蔵わかめとしてスーパーなどでよく見かけます。
わかめの「葉」の部分にあたり、味噌汁の具やサラダ、酢の物など幅広い料理に活用されます。
めかぶとの違い
めかぶはわかめの「根元」の部分にあたり、ヒダ状に厚く折り重なった見た目で、食感は固くコリコリとしています。
茎わかめとは違いぬめりが強く、酢の物やめんつゆ、冷たい味噌汁に入れたり、ご飯にかけて食べたりします。
めかぶのぬめりはアルギン酸やフコダインといった水溶性食物繊維という栄養によるもので、腸内環境を整える働きがあります。
出典・参照:6-3 水産物に含まれる主な機能性成分|水産庁
茎わかめに含まれる主な栄養成分と効能
茎わかめはさまざまな栄養素を含んだ栄養豊富な海藻です。わかめの「茎」「芯」にあたる部分で、コリコリ、しゃきしゃきとした噛みごたえがあります。
茎わかめに含まれる栄養素で代表的なのは食物繊維です。水溶性食物繊維であるアルギン酸も豊富で、整腸作用や血圧の上下を抑制し、コレステロール値を下げる効果も期待できます。
出典・参照:食物繊維|e-ヘルスネット(厚生労働省)
出典・参照: 水産物に含まれる主な機能性成分|水産庁
出典・参照:藻類/わかめ/くきわかめ/湯通し塩蔵/塩抜き - 01.一般成分表-無機質-ビタミン類|文部科学省
茎わかめ(100g)あたり | 値 | 単位 |
---|---|---|
エネルギー | 18 | kcal |
タンパク質 | 1.1 | g |
脂質 | 0.3 | g |
炭水化物 | 5.5 | g |
食物繊維総量 | 5.1 | g |
灰分 | 8.2 | g |
ナトリウム | 3100 | mg |
カリウム | 88 | mg |
カルシウム | 86 | mg |
マグネシウム | 70 | mg |
リン | 34 | mg |
鉄 | 0.4 | mg |
亜鉛 | 0.1 | mg |
銅 | 0.02 | mg |
マンガン | 0.04 | mg |
β-カロテン | 56 | μg |
ビタミンK | 33 | μg |
葉酸 | 2 | μg |
パントテン酸 | 0.07 | mg |
マグネシウム
マグネシウムは必要なミネラルの一種で、骨を形成し、さらに体内のさまざまな代謝を助けます。多くの酵素を活性化し、筋肉の収縮や神経情報の伝達、体温・血圧の調整に必要です。
マグネシウム不足が続くと、骨粗鬆症や生活習慣病のリスクが高くなります。
葉わかめと比較すると茎わかめの方がマグネシウムを多く含んでいるので、より効率的にマグネシウムを摂取できるでしょう。
骨を丈夫にするほか高血圧や心疾患を予防し、精神安定の効果もあり、さらに神経伝達が正常になることで体温調節にも影響を与えます。健康に不安のある方は、マグネシウムを意識した食生活を心がけてみましょう。
出典・参照:マグネシウム|厚生労働省eJIM
カルシウム
カルシウムは骨や歯を形成するのに不可欠な栄養素です。茎わかめには100gあたり86mg含まれています。
カルシウムは人体において重要な代謝機能を促します。血液や筋肉、神経の中にあり、血液の凝固を促し出血を予防するなどの働きがあるのです。
しかし、その働きに使われるカルシウムは全体の1%未満で、残りの99%は歯や骨に貯蔵されます。カルシウムの不足は骨粗鬆症の原因になるため、適切な量を摂取しなければいけません。
出典・参照:カルシウム|厚生労働省eJIM
ナトリウム
ナトリウムもまた人体に必要なミネラルの一つです。浸透圧の調整や筋肉の収縮や神経の情報伝達、栄養素の吸収・輸送の働きがあります。ナトリウムは主に食塩として摂取されます。
茎わかめのナトリウム量は100gあたり3100mgです。
出典・参照:ナトリウム|e-ヘルスネット(厚生労働省)
ヨウ素
ヨウ素は甲状腺ホルモンを合成するために必須の栄養素です。甲状腺ホルモンは新陳代謝を促進させる働きをします。
茎わかめなどの海藻類は、海水から濃縮摂取したヨウ素を取り込んでいます。そのため、茎わかめのような海藻類にはヨウ素が多く含まれます。ヨウ素は基本的には尿から排出されますが、過剰摂取が続くと甲状腺の機能低下のリスクが高まります。妊娠中には胎児にも影響してくるのでより注意が必要です。
出典・参照:ヨウ素|厚生労働省eJIM
ビタミンK
茎わかめには、止血のビタミンと呼ばれるビタミンKも多く含まれます。血液凝固作用があるのはプロトロンビンなどの血液凝固因子ですが、ビタミンKはそのタンパク質を作るための補酵素になります。茎わかめのビタミンK含有量は野菜や肉にも負けません。さらに、わかめは他の海藻類よりもビタミンKの含有量が多いです。
また、ビタミンKにはカルシウムを骨に取り込む作用があり、骨の形成や骨粗鬆症の予防に効果的です。ダイエットや女性ホルモンの低下、加齢によって骨密度は減少します。茎わかめにはカルシウムも含まれているので、骨粗鬆症予防のために日頃から取り入れてみるとよいでしょう。
食物繊維
茎わかめに含まれる食物繊維は水溶性食物繊維です。水溶性食物繊維は小腸内で栄養素が吸収する速度を遅らせる作用があります。
食物繊維には整腸作用もあり、便通を整え便秘を防ぐために欠かせない栄養素です。また、排出するときに糖や脂質、ナトリウムなども一緒に排出するため、生活習慣病の予防、改善にも期待できます。
アルギン酸
アルギン酸は茎わかめにあるぬめりの成分で、食物繊維の一種です。アルギン酸はナトリウムとして結合してアルギン酸ナトリウムとなります。
アルギン酸には血圧の上昇を抑制する効果やダイエットに対する効果などが認められてます。食物繊維は人体に必要な栄養素ですが、現在、日本人の食物繊維摂取量が少なく、不足気味となっています。
必要な食物繊維量を摂るため、食物繊維が豊富な茎わかめを食しましょう。
出典・参照:6-3 水産物に含まれる主な機能性成分|水産庁
フコイダン
フコイダンも茎わかめに含まれる水溶性食物繊維の一種でぬめり成分の一つです。フコイダンはさまざまな機能に影響を与えます。
フコイダンは健康食品として注目されています。特にがんに対しての抑制作用があるとして、研究が続けられています。
出典・参照:6-3 水産物に含まれる主な機能性成分|水産庁
茎わかめのカロリー
前述のとおり、茎わかめのカロリーは100gあたり18gです。低カロリーな食品で、さらに食物繊維やミネラルなどの人体に必要な栄養素が豊富に含まれています。
茎わかめは低カロリーですが、消化不良を起こしやすい食品でもあります。そのため、食べ過ぎには注意しましょう。
茎わかめはダイエットに効果がある?
茎わかめは低カロリーなので、小腹が空いたときにぴったりです。
よく噛んで食べることで満腹中枢が刺激され食べ過ぎを防いだり、噛むことで顔の筋肉が動き鍛えられることでリフトアップの効果も期待できたりするでしょう。歯ごたえがありよく噛んで食べられるので、満腹感も得られやすくなります。
噛むことで唾液の分泌が促進され、唾液により消化が助けられ、さらに洗浄効果などの口の中の健康維持も期待できます。
腸活にもぴったりな食材で、ダイエット中に食べるのがよいでしょう。
出典・参照: 口腔機能の健康への影響|e-ヘルスネット(厚生労働省)
出典・参照: 唾液分泌|e-ヘルスネット(厚生労働省)
茎わかめを食べる際の注意点
茎わかめに多く含まれる食物繊維は、消化がよくありません。食物繊維は便秘解消やダイエットに効果的ですが、食べ過ぎるとお腹の調子を悪くします。食物繊維の取りすぎで逆に便秘になったり、ビタミンの吸収を妨げることもあります。
茎わかめのような海藻類にはヨウ素が多く含まれます。ヨウ素は基本的には尿から排出されますが、過剰摂取が続くと甲状腺の機能低下のリスクが高まります。妊娠中には胎児にも影響してくるのでより注意が必要です。
また、茎わかめは塩分量が多く食べ過ぎると塩分の摂りすぎに繋がります。塩分の摂りすぎはむくみなどを引き起こす原因となるため、食べる量に注意しましょう。
出典・参照:ナトリウム| e-ヘルスネット(厚生労働省)
茎わかめを使ったおすすめのレシピ5選
茎わかめは低カロリーで、おやつや食卓のもう一品の料理としても万能です。栄養も豊富なので、健康を意識した食生活にぜひ取り入れたい食材となっています。わかめの味噌汁を飲むよりも、より効率的に栄養を摂取できるのでおすすめです。
茎わかめを使って食卓に彩りを加え、さらに栄養を摂取しましょう。
1:ミヨッチュルギポックム【茎わかめの炒め物】韓国料理
☆わかめ...体の熱を冷ます。余分な水分を出し、腫れ物を改善。甲状腺トラブルに、浮腫みに ☆人参...目の乾燥、視力低下、肝機能改善、食欲不振に、老化防止に ☆にんにく...腫れものの改善に、風邪予防に、解毒に、疲労回復に、脳の活性に、動脈硬化予防に、血糖値の改善に ☆ごま油…肌の乾燥に、便秘に、肝機能の活性に、脂肪の燃焼に
ミヨッチュルギポックムは韓国のポピュラーなおかずの一つです。ニンニクとゴマ油の香りが食欲をそそります。
2:無限くきわかめ 生姜にんにく炒め
生姜とニンニクが香る茎わかめの炒め物です。味の素が入り、旨味がアップしています。
3:【定番おかず】茎わかめの佃煮
ご飯のおかずにもお茶請けにも良い佃煮です。甘辛味で箸休めにぴったりです。
4:茎わかめのきんぴら
ホッとするきんぴら味はご飯のおかずにぴったりです。斜め切りに茎わかめを切ることで食感もよく食べられます。
5:茎わかめの漬物
漬け汁に一晩つけておくだけで気軽に茎わかめのお漬物が楽しめます。箸休めにもなるご飯のお供です。
茎わかめの栄養を知って上手に摂取しよう
茎わかめはスーパーでお手頃価格で購入でき、気軽に食べ始められるのも魅力な、栄養満点でダイエットにも健康生活にも最適な食材です。
豊富な栄養素の中には、日本人に不足しがちな食物繊維が豊富に含まれています。また、コリコリとした食感もよく噛んで食べることに繋がるため、少量でも満足感を得られやすくダイエットに最適です。
わかめとは少し違った癖になる食感の茎わかめで、上手に栄養を摂取しましょう。