山わさびの栽培方法は?家庭でも簡単な育て方や害虫対策も解説!

山わさびの栽培方法を徹底解説します!西洋わさびやホースラディッシュという名でも知られる山わさびは、ツンとした香りと辛みが魅力的な植物です。プランターでの簡単な栽培方法や家庭でできる害虫対策などを詳しく紹介します。

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目次

  1. 1山わさびの栽培方法を知りたい!
  2. 2山わさびの栽培の条件と難易度
  3. 3山わさびの家庭での栽培方法
  4. 4山わさびを栽培する時の注意点
  5. 5山わさびの保存方法と食べ方
  6. 6山わさびの効果
  7. 7山わさびの栽培方法まとめ

山わさびの栽培方法を知りたい!

山わさびは主にローストビーフなどの薬味として使われています。刺激的な辛みと独特の香りが特徴で、一度食べるとクセになる人も少なくありません。本記事ではそんな山わさびを家庭で栽培する方法を詳しく紹介します。

プランターでの栽培方法や害虫対策、育て方のコツなど気になる情報が盛りだくさんです。おすすめの食べ方や栄養効果も解説しているので「健康のために山わさびを栽培してみたい」「家庭で育てたわさびの美味しい食べ方が知りたい」という方も必見です。ぜひこの機会に山わさびの栽培に挑戦してみてください。

山わさびの栽培の条件と難易度

「西洋わさび」や「ホースラディッシュ」という名でも知られる山わさび。本わさびとは違い山わさびは根が白く、すりおろすとツンとした刺激臭と強い辛みを感じます。市販のものも十分な辛さはありますが、自家栽培した山わさびの香りと辛みは格別のものです。

そこで、まずは山わさびを育てるための栽培条件と難易度について紹介します。自家栽培に興味のある方はぜひチェックしてみてください。

山わさびの栽培適地・環境

山わさびは原産国がフィンランドという寒い国なので、日本では北海道あたりの冷涼な気候が栽培には適しています。

山わさびはフィンランドや東ヨーロッパを原産とするアブラナ科の多年草です。栽培に適しているのは冷涼な気候がよく似た北海道で、国産の山わさびのほとんどが北海道産となっています。また北海道では野生の山わさびが自生しており、地元ではご飯のお供にするなど食事にも頻繁に取り入れられているようです。

日本で山わさびが食べられるようになったのは明治以降と歴史はまだ浅いですが、その辛味や風味から瞬く間に全国で人気となりました。今では家庭菜園で山わさびを栽培している人も少なくありません。

山わさびの栽培は難しい?

山わさびの育て方は実に簡単で、種イモや苗を用意して水はけのよい半日陰に植えるだけ。
特に庭植えの場合は、難しい作業はほとんどせずに収穫までこぎつけることができるので、初心者でも簡単に育てることができます。

山わさびの生命力や繁殖力は非常に強く、単に根の断片を埋めておくだけでも簡単に発芽させることができます。そのため、現在は市販のチューブわさびや粉わさびのほとんどはこの山わさびが原料となっています。

冷涼な気候を好むとは言え、耐寒性も耐暑性もあるので家庭のプランターでも気軽に栽培が可能です。関東を含む日本のどこでも育てられる上、栽培の手間がかからないのも嬉しいところです。初心者はまず山わさびの栽培から始めてみるのもよいでしょう。

山わさびの家庭での栽培方法

ここからは山わさびを家庭で栽培する方法について紹介します。山わさびの栽培には、苗から育てる方法と種球から育てる方法の2通りがあります。

栽培が比較的簡単な山わさびですが、やはり初心者はポイントを押さえておくのがおすすめです。苗と種球それぞれの栽培方法をはじめ、水やりや追肥、収穫のタイミングなどを手順ごとに説明しているのでぜひ参考にしてください。

山わさびを苗から育てる場合

山わさびを苗から栽培するのは非常に簡単で、植え付けは年中いつでも行うことができます。苗が見つかれば、そのタイミングで植え付けても構いません。最も植え付けに適している時期は3~5月頃です。初めて栽培に挑戦する方は春に苗を植え付けるのがよいでしょう。山わさびが好むのは半日陰で風通しのよい場所です。

家庭で栽培する場合、1株なら10号鉢もしくは30cmプランター、2株なら65cmプランターを用意します。山わさびは土中にできるので、深さ30cm以上のものを選ぶのがポイントです。土は市販の野菜用培養土を利用すると手軽に始められます。

土作りと準備するもの

露地栽培の場合はまず土づくりから行いましょう。山わさびは酸性の土を嫌うため、土壌を中性からアルカリ性にする必要があります。土が酸性に傾いている場合は、苗の植え付け2週間前に1平方メートルあたり約100g(ひと握り)、または土1kgあたり1.5gの苦土石灰を混ぜ込んでおきます。

初心者は市販の土壌酸度計を利用するとわかりやすいでしょう。苦土石灰を巻いた後は深さ40cmまでしっかりと耕します。

山わさびは水はけの良い土を好むので、水はけが悪い土壌には腐葉土を混ぜます。新鮮な空気や水が入り込むようになると山わさびの成長も促進されます。また腐葉土を混ぜると土の通気性が良くなり、土壌改良後の環境も長持ちします。

苗の植え付け方

鉢やプランターで栽培する場合、鉢底ネットを敷いてから鉢底石を敷き詰めます。縁から下2~3cmまで野菜用培養土をたっぷり入れ、苗のポットと同程度の深さまで穴を掘ります。苗を取り出したら根鉢(根を覆っている土の部分)を壊さないようにして植え付けましょう。

露地栽培の場合も同様に穴を掘って植え付けを行います。なお2株以上植え付ける際は、株と株との間を30cm以上あけるようにしてください。植え付けが終わったらたっぷりの水を与えます。

水やりの方法

水切れを起こすと、葉っぱがしなびて弱ってしまいます。鉢植え、地植えにかかわらず、土が乾いたらしっかりと水やりをしてください。

山わさびは水を好む植物です。水やりのタイミングは土が乾いた時点で行い、水不足にならないよう注意します。水が切れると葉がしおれて株が弱ってしまうだけでなく、根の部分が固くなる原因にもなります。くれぐれも水やりのタイミングは間違えないように気をつけましょう。

追肥の方法

山わさびは山の中に自生するほど生命力が強く、肥料を与えなくても育てることは可能です。しかし家庭で栽培する場合は根を太くするために追肥を行うとよいでしょう。肥料を与えるタイミングは苗の植え付けから1週間後です。株元に化成肥料をまいて土と軽く混ぜ合わせ、株に寄せます。

根の部分が土から出ないよう、しっかりと土寄せを行うことがポイントです。同じように3~4週間に1度は追肥と土寄せを行いましょう。

山わさびを収穫するタイミング

春に植えた山わさびの収穫は11~12月頃です。収穫時期を迎えた山わさびの葉は徐々に黄枯れ始めるので、このタイミングで収穫を行います。

まずは茎をある程度残して葉を刈り取ります。株元から少し離れた場所を掘り下げ、根の部分を折れないように手で持って引き抜きます。プランターの場合は株元を掘り起こし、土が柔らかくなったところで優しく引き抜きましょう。

複数本の山わさびを植えた場合は、茎を太くさせるために冬越しさせることも可能です。2年目の山わさびはごぼうほどの太さになります。2年、3年と年数が経つほど太くなるので、あえて収穫せずに置いておくのも1つの手です。

山わさびを種球から育てる場合は?

数株植え付ける際は種球と種球の間隔を、30~45cmはとるようにしましょう。

山わさびは種球(根の部分)から栽培することもできます。ただし種球から栽培する場合は苗から育てるよりも時間がかかるため、難易度も若干高くなります。栽培時期の目安は3~4月頃です。苗から栽培する時と同様に種球1つなら10号鉢または30cmのプランター、種球2つなら65cm以上のプランターを用意します。

まずは鉢かプランターに鉢底ネットと鉢底石を敷き、縁から2~3cm下まで野菜用培養土を入れます。種球が土から隠れる程度の場所まで穴を掘り、種球を入れたら土をかぶせます。なお種球を2つ以上植える場合は間隔を30~45cmあけるようにしてください。種球が大きい時は10cmほどの大きさに切り分けてから使うとよいでしょう。

スーパーの山わさびでも栽培できる?

北海道のスーパーでは生の山わさびが気軽に手に入ります。その山わさびを使うと、苗や種球がなくても家庭でわさびを栽培することが可能です。栽培に用いるのは山わさびの株の上の部分で、栽培方法は苗を植え付ける時と同じく、しっかり耕して水を与えた土に株を植えるだけでOKです。

あとは定期的に水やり、追肥、土寄せを行えば苗や種球と同様に成長していきます。最低でも1年は経たないと根が太くならないので、気長に成長を待ちましょう。大きくなった山わさびは、株がわかれて芽が出ることがありますが、そうなると株分けして株を増やすことも可能です。

山わさびを栽培する時の注意点

ここからは山わさびを栽培する際の注意点を紹介します。初心者でも簡単に栽培できる山わさびですが、育てる上で気をつけたいポイントがいくつかあります。これから山わさびを栽培しようと考えている方は、事前にチェックしてみてください。

害虫被害

基本的に山わさびは植えておくだけでぐんぐん育つ丈夫な植物です。しかし山わさびを栽培しているとモンシロチョウやアゲハチョウの幼虫、コナガなどの害虫被害にあうことがあります。害虫被害の代表的なものが葉の食害です。夜に活動するヨトウ虫の害虫被害は、発見が難しく少々やっかいだといわれています。

害虫被害を防ぐ方法

予防策としては、害虫が苦手とするネギやニラをコンパニオンプランツ目的で株の近くに栽培する方法があります。また木酢液や薄めた酢水をかけることでも害虫を遠ざけることが可能です。卵の産み付けを防ぐには防虫ネットがおすすめです。

食害された場合の対処法

山わさびの葉に卵や害虫を見つけたら人の手で排除します。私たちが食用にするのは根の部分なので害虫による大きな被害はありませんが、暖かくなってきたらこまめな害虫対策をおすすめします。

山わさびは稀にうどん粉病にかかることもあります。うどん粉病とは葉にうどんの粉のような白いカビが生える病気のことで、一度かかると発症した部分は回復しません。早期に対処すれば薬剤で拡大を防ぐことができるため、害虫被害と同様に早めの対策と予防を心がけましょう。

山わさびの保存方法と食べ方

自家栽培した山わさびは、辛みと風味を活かしてさまざまな食べ方で楽しみましょう。ここからはおすすめの食べ方と保存方法を紹介します。ツンと刺激的な山わさびをぜひいろいろな料理で味わってみてください。

保存方法①冷凍保存する

山わさびの保存は基本的に冷蔵庫で行いますが、長持ちさせたい場合は冷凍保存がおすすめです。水洗いした山わさびを塊のままラップで包み、冷凍庫へ入れます。乾燥に弱いためジッパー付き保存袋に入れておくと安心です。冷凍した山わさびは収穫から1か月経っても味、香りともに新鮮な状態が楽しめます。

しかし塊のまま冷凍すると、ほんの少し使いたいときに上手くすりおろすことができません。そこでもう1つおすすめしたいのが山わさびをすりおろしてから冷凍する方法です。ポイントは少量ずつラップに包んで薄い板状にしておくこと。ただし塊で保存するよりは劣化速度が速まるため、早めに使い切るようにしましょう。

保存方法②しょうゆ漬けにする

山わさびはすりおろしたものを料理に使うのが一般的です。毎回すりおろすのが手間に感じることもあるでしょうが、特有の辛味はすりおろした瞬間から飛んでいくため作り置きには向いていません。

しかし、しょうゆ漬けにするとある程度辛みを長持ちさせることができます。作り方は、すりおろした山わさびにしょうゆをかけるだけと簡単。余ったわさびの保存方法としても覚えておくとよいでしょう。

山わさびのおすすめな食べ方は?

山わさびは普通のわさびと同じ食べ方が楽しめます。定番のローストビーフに薬味として添えるほか、刺身に合わせたり蕎麦と一緒に食べたりするのもおすすめです。またしょうゆ漬けにしたものは熱々のご飯にのせて食べると絶品です。

山わさびの効果

血栓予防

山わさびに含まれる辛み成分アリルイソチオシアネートには、血液が固まるのを防ぐ血栓予防の働きが期待できます。また血管の老化を防ぐ動脈硬化予防、血液をサラサラにして血流をよくする冷え予防、高血圧予防など嬉しい効果がたくさんあります。

抗菌作用

アリルイソチオシアネートは白血球を活性化させ、殺菌、抗菌作用の働きを促進させます。この効果は絶大で、なんと腸管出血性大腸菌O157にも効果があることがわかっています。

この働きを利用してお弁当に山わさびを入れておくと食中毒を予防することも可能です。山わさびには他にも胃液や唾液を分泌させる消化促進作用、解毒効果によるがん予防などが期待できます。

野菜の鮮度保持にも役立つ

野菜と一緒に山わさびを入れて置くと、アリルイソチオシアネートの働きでエチレンガスの発生を抑えることができます。エチレンガスには野菜の成長を促す働きがあり、増え続けると野菜が腐る原因になります。それを抑制する山わさびは野菜の鮮度保持にも抜群の効果が期待できます。

山わさびの栽培方法まとめ

本記事では山わさびの家庭での栽培方法や保存方法、おすすめの食べ方などを紹介しました。山わさびは露地栽培はもちろん、プランターでも気軽に栽培できる植物です。それこそ半日陰で風通しのよい場所ならどこでも育てることができるのが嬉しいところ。水やりは必要ですが、肥料を与えずに栽培できるのも魅力的です。

自家栽培した山わさびはしょうゆ漬けにするほか、薬味として刺身や肉、蕎麦などに添えると美味しく食べられます。ぜひ自分で栽培したわさびを使ってさまざまな食べ方を楽しんでみてください。

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