かぼちゃの収穫の時期の見分け方徹底解説!育て方のコツや保存方法も

かぼちゃの収穫時期の見分け方について解説します。かぼちゃは家庭菜園でも人気の野菜ですが、収穫時期を見極める方法は意外と知られていません。家庭菜園初心者でも美味しくできる育て方のコツや、保存方法も併せて紹介します。

かぼちゃの収穫の時期の見分け方徹底解説!育て方のコツや保存方法ものイメージ

目次

  1. 1かぼちゃを収穫するベストな時期はいつ?
  2. 2かぼちゃの収穫時期の見分け方
  3. 3かぼちゃの収穫時期までの育て方
  4. 4かぼちゃ栽培の失敗を防ぐためのコツ
  5. 5かぼちゃの適切な収穫方法と保存方法
  6. 6かぼちゃの収穫時期まとめ

かぼちゃを収穫するベストな時期はいつ?

かぼちゃは家庭菜園でも人気の野菜ですが、いざ収穫となるとどの時期が正しいのか迷う方も多いことでしょう。実はかぼちゃの収穫時期の見分け方にはいくつか方法があります。本記事では大切に育てたカボチャを、美味しい時期に収穫するための見分け方を調べてみました。家庭菜園初心者向きの育て方のコツと保存方法も併せて紹介します。

雌花の開花から約30~50日が目安

かぼちゃの花が咲いて交配してから、約30~50日後が収穫できるようになる目安とされています。品種によっても異なるため、あくまで目安として覚えておきましょう。日本かぼちゃは30~35日西洋かぼちゃは40~50日といわれています。

注意したいのはかぼちゃは雄花と雌花があることです。根元に丸い膨らみが付いたものが雌花で、この雌花が受粉して実になります。膨らみのないものは雄花のため実はなりません。雌花が開花したらいつ咲いたかを記入したタグを付けておくと、収穫時期がわかりやすいです。

交配後30日程度というのはあくまでも目安です。

乾燥した晴れの日の朝

かぼちゃを収穫する時期には天気予報をチェックするようにしましょう。特に梅雨明けの7月初旬から中旬の頃には長雨が続くこともあります。湿度の高い状態で収穫を行うと、せっかくの実が腐りやすくなってしまいます。そのため晴れた日を選んだ場合でも、朝露が乾ききる9時頃を待ってから作業することで、より良い状態で収穫できます。

早採り・採り遅れに注意

かぼちゃが収穫時期を迎えたかをきちんと確認せずに、見た目だけで採ってしまうと早採りになる可能性があります。早採りで収穫してしまうと外皮も薄く傷つきやすいだけでなく、保存方法を守ってももちが悪くなります。食味も水っぽく甘みの落ちる傾向が強くなります。

逆に収穫時期を超えて採り遅れになってしまっても問題です。特に真夏の暑さにさらされた場合、果皮が褐色に変化してしまうだけでなく熟しすぎて腐ってしまうこともあります。実がなり始めたらこまめにチェックして、収穫時期を逃さないようにしましょう。

何か一つでも当てはまればOKです。

かぼちゃの実とつるを繋いでいる「へた」が緑色から「コルク状」になる。 
葉っぱの色が黄色くなって枯れる。 
果実表面に爪をたててみて硬くて傷がつかなくなったころ。 
表面に縦割れができる。 
つるにヒビが入る。

かぼちゃの収穫時期の見分け方

かぼちゃの収穫時期の見分け方はどうしたら良いのでしょうか?先の引用で簡単に紹介しましたが、かぼちゃは収穫時期になるとサインを送ってくるのです。そんなサインの見分け方を詳しく解説していきます。

葉やツルが枯れてきている

開花してからの日数が収穫時期の目安に近づいてきたら畑の全体を見まわしてみましょう。かつては青々と茂っていた葉が黄色に変色し、株元の葉にいたっては茶色く枯れてきていることでしょう。株全体の葉やツルの色が黄色や茶色に変化して枯れ始めている部分が多ければ、収穫時期を迎えていることがわかります。

葉やツルが枯れ始める理由はすでにかぼちゃの実が熟しているため、栄養を必要としなくなっているからです。株全体を常に観察することは収穫時期の見分け方として最も簡単で確実な方法のひとつです。

ヘタ部分がコルク化している

収穫時期を迎えると葉やツルの部分の他にもヘタの部分で変化が見られます。緑色だったヘタが白く変色してくるのです。そしてまずは縦方向に、さらに置くことで横方向にも茶色の亀裂ができてきます。見分け方のコツは、縦方向の亀裂は目立ちますが横方向の亀裂は実のすぐ上で目立ちにくいためよく観察することです。

このようにヘタが茶色く変化することを通称「コルク化」といいます。収穫時期の見分け方として最も一般的な方法です。採り遅れを防ぐこともできるため、しっかり身につけておきたい見分け方でもあります。

成り首がカボチャと同じように黄色く木のようになったら収穫時期です。

表面の色・硬さの変化

かぼちゃの実の全体を見まわすことも収穫時期の見分け方です。まだ育ち始めたばかりの頃の実は皮の表面も滑らかでツルツルしています。実は育つにつれて緑色が濃くなるだけでなく、ツヤや滑らかさがなくなってきます。さらに溝が深くなり模様もはっきりしてきます。

日本かぼちゃと呼ばれる種類の場合には、表面に「果粉」と呼ばれる白い粉が出るものもあります。全てのかぼちゃは完熟することで皮も固くなるため、表面に爪を立てても傷がつかなければ収穫時期のサインです。

かぼちゃの収穫時期までの育て方

かぼちゃの収穫時期の見分け方がわかったら今度は実際にかぼちゃを育ててみましょう。家庭菜園初心者の方が注意したいポイントも含めて育て方を解説していきます。

かぼちゃは大きく分けて3種類

育て方を解説する前にまずはどのような種類があるかを簡単に紹介します。一般的な品種は冷涼で乾燥した気候に適した西洋かぼちゃです。有名なえびす南瓜やミニカボチャとしても人気の坊ちゃんかぼちゃの他、薄緑色の雪化粧南瓜、細長い宿儺南瓜(すくなかぼちゃ)などがあります。

日本の高温多湿な風土に適応した日本かぼちゃも人気の品種です。「ひょうたんかぼちゃ」とも呼ばれるバターナッツのような個性的な形のものや、菊座かぼちゃなどの溝の深い品種もあります。

ペポかぼちゃは耐暑性があり味は淡白で、他の野菜や肉料理のお供やハロウィンの細工に使われる品種があります。大きくて有名なアトランティックジャイアントの他、そうめんかぼちゃもこのペポかぼちゃに含まれます。

西洋カボチャは冷涼で乾燥した気候を好み、日本カボチャは高温多湿に耐えます。ペポカボチャは耐暑性があります。土質を選ばず、日当たりさえよければ旺盛に育つ作りやすい野菜です。

かぼちゃの栽培方法

かぼちゃは家庭菜園でも人気の野菜のため、通常はポット苗を買ってきて植え付けます。ツルが伸びて広がっても大丈夫なように、広い場所に植え付けるようにしましょう。かぼちゃの苗は遅霜の心配がなくなる4月下旬に定植し、7~8月ごろが収穫の目安になります。ただし地域や品種によっても異なるため、あくまで目安として覚えておきましょう。

かぼちゃは乾燥した砂漠のような荒れ地の植物のため、水はけが良ければ特に肥料を求めません。畝幅は最低80cm、株間は90cmを確保して植え付けましょう。場所が足らない場合は実の小さい品種を選んで立体栽培にする方法もあります。

葉が茂ってきたら株全体を保護するように敷きわらをしていきます。土の乾燥や水やり・雨などによる泥跳ね、虫の食害を防ぐなど、病害虫の予防に効果があります。マルチシートにも同様の効果があり、使い勝手もよく手ごろなためおすすめです。

ツルが伸び始めたら摘心して余分な子ヅルも芽かきをします。残すと決めたツル以外はその後出てきたツルもすべてかき取ります。花が咲いてきたら実付きを良くするために人工授粉をします。1ツル当たりの実の数は2個(ミニカボチャなら3個)が目安です。

全体に色づけするためには玉直しをします。慎重に90度ほど動かして裏面にも日を当てるようにします。そして受粉から目安の日数が経てば収穫時期となります。ヘタをはさみで切って収穫しましょう。

かぼちゃを栽培する時の注意点

かぼちゃの育て方を大まかに紹介しましたが、栽培する時にはいくつか注意点があります。ひとつは他の野菜の育て方をまねて窒素肥料を多く与えてしまうと、ツルボケという症状の原因になります。初心者が最も間違えやすい育て方の一つで、ツルばかりが伸びて実が付かない原因になります。肥料は控えめに抑えましょう。

ふたつ目は品種によって雄花と雌花の咲く時期が異なることです。先に雌花ばかりが咲く品種もあるのです。そんな品種の育て方のコツは、授粉用の株を2週間ほど先に植え付けて雄花の準備をさせることです。より場所を必要とするため品種選びに注意しましょう。

根は広く張るので吸肥力が強く、ほかの作物が栽培できない場所でも作れますが、チッ素肥料が多く残っている畑や、チッ素肥料を多肥にするとつるぼけとなります。

発生しやすい病気

いっぱい収穫したいからと伸び放題に放置する育て方は、株全体の風通しが悪くなり様々な病気の原因になります。代表的な病気はうどんこ病で葉の表面を白い粉状のカビが覆ってしまいます。発見した場合にはすぐに葉を根元から切り取り処分します。胞子で株全体に広がる前に早い対応が必要です。

疫病も厄介な病気で葉だけでなく実にも発生します。葉の先から水が浸みたような褐色の斑点が広がって腐敗させます。梅雨の時期に発生しやすく、排水性の悪い土や泥跳ねが主な原因です。こちらもうどんこ病同様に、発病した葉や実はすぐに取り除いて処分します。うどんこ病は乾燥しすぎで、疫病は多湿で発生しやすい特徴があります。

うどんこ病と疫病が大敵です。うどんこ病は雨量が少なく、乾燥ぎみの天気が続く時に発生します。疫病は水はけが悪い畑や、長雨が続いた時に発生が多くなります。

発生しやすい害虫

かぼちゃを育てる上で注意したいことは病気だけではありません。害虫にも注意する必要があります。代表的な害虫はウリハムシ体長7~8㎜の茶色い甲虫です。葉の葉脈を残して円弧状に食い荒らし葉を穴だらけにします。放置しておくと葉が網目状になるほど食い荒らされてしまいます。

見つけたらすぐに捕まえて駆除しますが、成虫はすぐに飛んで逃げてしまうだけでなく数が多い場合には大変です。農薬を使う場合には「マラソン乳剤」などを散布して対策しましょう。農薬以外では反射光を嫌う性質を利用して、シルバーマルチや銀色の光反射テープを周囲に張るのがおすすめです。

病害虫の防除方法 | やまむファーム

かぼちゃ栽培の失敗を防ぐためのコツ

かぼちゃの育て方を紹介しましたが、家庭菜園初心者が犯しやすい失敗を防ぐコツも知っておきたいものです。続いてはそんな失敗を防ぎ、満足のいく収穫を迎えるための注意点をまとめてみました。

黄色く日焼けした部分が腐る

梅雨が明けると強い日差しにさらされたり高温になることによって、実の表面が褐色から茶色へと日焼けしてしまいます。さらにその日焼け部分から腐ってしまうこともあるのです。特に実を覆っていた葉がうどんこ病や疫病によって枯れてしまうと、直射日光が直接表面を照らすことで起こります

日焼けを防ぐ方法として新聞紙を被せたりわらで覆う方法があります。ただし風に飛ばされたり雨で破れたりしてしまうため、日焼け予防用のクラフトテープを使うと手間がかかりません。

表面が白く腐る

かぼちゃはもともとは排水性の良い土地を好みます。ですが排水性の低い土地や梅雨の長雨が原因で、「かぼちゃ綿腐病」にかかりやすいと有名です。白や綿状のカビが密生した状態になった後、果肉が腐って柔らかくなってしまいます。実が地面に触れている部分から発生しやすい特徴があります。

防ぎ方としては先の育て方で紹介したように敷きわらをきちんと施すのも大切です。他にもフルーツマットやグリーンマルチで予防することもできます。フルーツマットは実が直接土に防ぐ効果があるだけでなく、通気性もあるためカビの発生を防ぎます。収穫前の害虫による食害も防げるためおすすめです。

接地している部分が黄色くなる

かぼちゃは地面にツルを伸ばして成長する植物のため、実の地面に接している部分には日が当たりません。そのため日の当たる部分のように緑色に色づかないことも珍しくありません。グランドマークと呼ばれるこの部分の色や形を整えるためには、育て方で紹介した「玉直し」で対処します。

実の向きや位置を注意しながら変えて、今まで裏面で日に当たらなかった部分にも光が当たるようにします。ただし玉直しには手間がかかるため、放置しながら色むらなく育てたい場合には支柱を使った立体栽培もおすすめです。

かぼちゃの適切な収穫方法と保存方法

かぼちゃが育ってきたらいよいよ待ちに待った収穫です。ですが収穫前にいくつかやっておきたい作業があります。適切な収穫方法と収穫したかぼちゃの保存方法についてまとめてみました。

収穫前の準備

かぼちゃの実が熟してきたら、先ほど失敗しないコツとして紹介したようにわらやフルーツマットなどの「座布団敷き」を行います。土に直接触れたままにすると病害虫の原因になるためです。また色や形を整えるための「玉直し」も行います。後は実が熟すまで異常がないかしっかり見守ってあげましょう。

ハサミで収穫したら常温で追熟させる

実が完全に熟しきったらいよいよ収穫です。ハサミでヘタの部分を切り離します。収穫した実はすぐには食べず、切り口を乾燥させた後に最低でも2~3週間は風通しの良い日陰や冷暗所で保管します。キュアリングと呼ばれる追熟作業で、収穫直後の水っぽさや味の薄さを改善します。

この保管期間中に実に含まれるでんぷん質が徐々に糖へと変化して、ほっくりと甘いかぼちゃになるのです。ただし追熟しすぎるとデンプンが今度は糖と水に分解されてしまいます。常温での保存と追熟は通常3か月が限度のため、それ以上は食味が落ちてしまうことから避けるようにしましょう。

暑い時期は冷蔵保存

かぼちゃを保存する場合の適温は10~17℃といわれています。夏場は涼しい場所を選んでも常温保存には向きません。夏場は新聞紙などに包んでから冷蔵庫の野菜室で保存しましょう。10℃を下回ると低温障害で傷む原因となるため、野菜庫がない場合はなるべく手前に保存するようにします。この場合の保存期間の目安は最大2か月です。

かぼちゃは切ったら常温保存に向かない

かぼちゃは切った後は保存性が大きく低下するため常温保存は避けます。ではどのように保存するのが望ましいのでしょうか?保存方法ごとにまとめてみました。

生のまま冷蔵保存

生のままで保存する場合は冷蔵庫で保存し冷凍保存は避けましょう。冷凍保存をした場合調理時に崩れたり鮮度が落ちたりします。

保存の手順は冷蔵保存する前に切り口を濡らさないように切り分けます。傷みやすい種とワタを取り除いてからキッチンペーパーを詰めます。隙間から水分が抜けないようにしっかりとラップで包んでから、密封袋に入れて冷蔵庫にしまいます。保存期間は1週間ほどのため早めに消費するようにしましょう。

加熱後に冷凍保存

冷凍保存をした場合は酵素で鮮度が低下し続けます。そのため過熱してから冷凍しましょう。気持ち硬めに茹でるか電子レンジで加熱してから冷まし、水気を丁寧に拭き取ります。ラップで包んでから密封袋に入れて、金属トレイなどで急速冷凍させます。加熱後の冷凍保存の場合は1か月ほど保存することができます。

長期保存向きの品種を選べば長く楽しめる

長期間楽しみたい場合には保存期間の長い品種を選ぶと良いでしょう。基本的に白い色のかぼちゃは保存性が高く、年明けまで楽しめる品種といえます。また冬至かぼちゃと呼ばれる品種は12月中旬まで保管が利きます。旬で品種を選ぶことができるのも家庭菜園ならではのことといえます。

かぼちゃの収穫時期まとめ

かぼちゃはコツさえつかんでしまえば家庭菜園初心者でも楽しめる野菜です。これまで収穫時期がわからずがっかりしてきた方でも、見分け方さえわかれば美味しいかぼちゃをいくつも収穫できます。本記事を参考にして上手に育て上げ、美味しいかぼちゃをいくつも収穫してください!

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