雑穀米は体に悪い?危険?その理由は?無毒化する方法も解説!

雑穀米には体に悪い影響を及ぼす危険性があることを知っていますか?玄米などの雑穀米を食べると消化不良やグルテンの過剰摂取になるので体に悪いという声も。この記事では雑穀米の危険性と無毒化して美味しく食べる方法などを紹介します。

雑穀米は体に悪い?危険?その理由は?無毒化する方法も解説!のイメージ

目次

  1. 1雑穀米が危険で体に悪いのは本当?
  2. 2雑穀米はむしろ健康に良いはずでは!?
  3. 3雑穀米の危険性とその理由は?
  4. 4雑穀米の危険性への対処方法
  5. 5雑穀米の危険性まとめ

雑穀米が危険で体に悪いのは本当?

危険性があるといわれる雑穀米の一部が容器に入れて置いてある

健康に良いといわれる雑穀米ですが、体に悪い成分が含まれている危険性があるといわれます。雑穀米が健康に良いというのが嘘なのか、体に悪いといわれているのが嘘なのか、栄養価や成分をまとめていきます。

雑穀米はむしろ健康に良いはずでは!?

雑穀米は栄養素が豊富に含まれていて、健康に良いといわれている食品です。雑穀米にはどのようなものがあって、どのような栄養素が含まれているのかを確認しておきましょう。

雑穀米の種類

雑穀米の雑穀とは、白米以外の穀物の総称です。雑穀米というのは、白米に雑穀を混ぜ込んだものになります。雑穀にはたくさんの種類があり、特徴も様々です。雑穀の主な種類は玄米、あわ、きび、もち麦、ひえ、ハト麦です。また、とうもろこしや黒豆、小豆やごまも雑穀の種類に含まれます。

1種類の雑穀を白米に混ぜる雑穀米もあれば、15種類ほどの雑穀を混ぜる雑穀米があります。15種類の雑穀を混ぜたものが、16穀米(15種類の雑穀+白米)です。どの雑穀をどれくらいブレンドするのかによって雑穀米の種類は変わるため、雑穀米には豊富な種類があるのです。

ちなみに、ハウス食品から販売されている元気な穀物〈香ばし十五穀〉に含まれる雑穀は以下の通りです。

  • もち米
  • 黒米
  • とうもろこし
  • 小豆
  • 大麦
  • そば
  • はと麦
  • 黒豆
  • 黒ごま
  • 白ごま
  • 発芽玄米
  • ホワイトソルガム
  • もちあわ
  • もちきび
  • アマランサス

雑穀米の優れた栄養価

雑穀米にはたくさんの栄養価が含まれていて、細かい栄養成分はブレンドする雑穀によって変わります。主な栄養素は、食物繊維、ビタミン、ミネラル、アミノ酸などで、危険性とは無縁のものです。

雑穀に含まれる栄養成分の一例をみてみましょう。例えば、玄米には糖質をエネルギーに変えるビタミンB1が豊富に含まれています。あわには鉄分と食物繊維が豊富に含まれていて、必須アミノ酸の一つであるロイシンやパントテン酸も含有しています。

どのような雑穀をブレンドするのかによって栄養価は変わりますが、健康に良いといわれる成分をたくさん含んでいるのは確かです。白米の何十倍も栄養素が含まれているといわれる雑穀は健康に良いだけではなく、美容やダイエットにも良い食品として注目されています。

雑穀米の健康効果

雑穀米は低GI食品です。低GI食品というのはGI値が55以下の食品の事で、健康やダイエットに良いとされています。GI値というのは食後の血糖値の上昇度を示す指数の事で、血糖値を緩やかに上げるために、低GI食品を使うと良いでしょう。

健康な人が食事をした場合、血糖値は一時的に上がりますが必要な栄養素が細胞に取り入れられた後は、徐々に通常の血糖値まで下がるものです。しかし、臓器の働きが悪かったり体が不調だったりして細胞に栄養が取り入れられない状態になっていると、ずっと血糖値は上がったままの状態になります。

場合によっては、血糖値が何時間も上がったままになる人もいます。血糖値が上がったままの状態が慢性化してしまうと、糖尿病や心筋梗塞などの病気になる危険性が高くなるのです。

そこで、低GI食品を使ってゆっくりと血糖値を上げ、細胞が栄養を取り込みやすくするのです。血糖値がゆっくりと上がる事で脂肪の吸収を抑えて、脂肪を燃焼しやすくする効果も期待できます。

雑穀米と玄米の違い

雑穀米とは玄米も含めた数種類の雑穀を混ぜ込んだ白米の事で、玄米は玄米のみの事をいいます。雑穀の種類の中に玄米も入るため分類がゴチャゴチャになってしまう事もありますが、“100%玄米かそうではないか”で分類されます。

玄米というのは精米する前のお米の事で、籾米(もみごめ)から籾殻を取り除いただけのものです。玄米を精米すると白米になります。玄米には栄養豊富な糠がそのまま残っています。ビタミンEやビタミンB1、ミネラル、たんぱく質、食物繊維が豊富に含まれています。食感は白米に比べると、少し硬く食べ応えがあります。

雑穀米は色々な雑穀がブレンドされているもので、白米に混ぜ込んで食べる穀物です。どんな雑穀を混ぜるのかによって、摂取できる栄養素をコントロールする事ができます。白米では不足しがちな栄養素も摂取する事もできるでしょう。また、白米に混ぜ込む事で食感を楽しみながら、玄米よりも柔らかいご飯を食べる事ができる特徴があります。

雑穀米の危険性とその理由は?

栄養素がたくさん含まれている雑穀米ですが、毎日食べるのは危険だという噂があります。雑穀米が危険だといわれる3つの理由についてまとめていきます。

雑穀米の危険性①発芽毒による悪い影響

雑穀米には健康に良い栄養素がたくさん含まれているのですが、発芽毒といわれる2つの体に悪い危険な成分も含まれています。1つがアブシジン酸で、もう1つがフィチン酸です。発芽毒のアブシジン酸というのは植物ホルモンの1つで、落葉・落果・気孔の閉鎖など植物の生長抑制剤のような働きをします。

植物が乾燥する事で作られる成分のため、ストレスホルモンという名称で呼ばれる事もあります。水分が少なくなる等のストレスを感じるとアブシジン酸を生成して、そのアブシジン酸が体に悪い毒となる活性酸素を生成するのです。活性酸素というのは細胞を酸化させる働きがあり、細胞が酸化する事で人の体は老けていきます

さらに、細胞内にいるミトコンドリアを攻撃して傷つけてしまう、危険な毒性も持っているといわれています。ミトコンドリアは酸素を使って、エネルギーをたくさん作るという働きをするものです。ミトコンドリアが傷つけられると、体を動かしたり食べ物を消化したりするエネルギーも作られなくなってしまう危険があります。

発芽毒のフィチン酸というのは、人の体に必要なミネラルを体外に排出してしまう危険な毒性がある成分です。ですが、ミネラルを体外に排出させるという毒性はあるものの、体に悪いというリスクは報告されていないため、雑穀米を1日1食を食べる程度であれば毒性の問題はないともいわれています。

雑穀米の危険性②食物繊維による消化不良

雑穀米は白米よりも6倍の食物繊維が含まれているといわれています。食物繊維が多い事は良いように思われますが、多すぎる事で体に悪い毒になってしまう事も。食物繊維には水に溶けやすい水溶性のものと、水に溶けにくい不溶性のものがあります。

穀物は両方の食物繊維が含まれているものが多いのですが、雑穀の1種である玄米や大麦、はと麦などの麦は不溶性の食物繊維の方が多く含まれるのです。

水に溶けにくい不溶性の食物繊維を大量に摂取すると、体調によって消化不良を起こしてしまう場合があります。胃腸風邪の時など胃腸が弱っている時に雑穀米を食べると、体に悪いといわれています。便秘に悩んでいる時には食物繊維が豊富に含まれているからと勧められる食品ですが、胃腸が弱っている時には避けた方がいい食品になります。

雑穀米の危険性③グルテンの過剰摂取

グルテンというのは小麦などに含まれる栄養素です。グルテンがある事でうどんにはコシが生まれ、パンは膨らみます。しかし、グルテンは小麦アレルギーを引き起こす原因になる場合があります。また、グルテンには中毒症状があるため、ダイエットをしている時には摂取しない方が良いとされています。

グルテンは雑穀米とは関係なさそうにみえる栄養素ですが、雑穀の中にはグルテンが含まれるものがあります。例えば、もち麦や押麦です。同じ麦の雑穀でも大麦やライ麦にグルテンは含まれません。

すでにブレンドされている市販の雑穀米の場合、どんな雑穀がブレンドされているのか詳細に表記されていない事で、グルテンの入っている雑穀米を食べてしまう事があります。小麦粉ではないから問題ないだろうと食べ過ぎてしまうと、知らない間にグルテンの過剰摂取をしてしまう可能性もあります。

玄米にも危険性が!?

農林水産省は、コメに含まれる無機ヒ素は玄米の外側についている糠の部分に多く含まれることから、白米をよくといで食べることでコメから摂取するヒ素を減らせる可能性があるとしている。

雑穀米の雑穀の1種でもある玄米も、危険だという噂があります。農林水産省が玄米の外側に無機ヒ素がついている危険性を指摘した事から、玄米は危険な食べ物であるという噂が広がりました。

玄米の外側、つまり米ぬかになる部分に農薬や水銀、鉛やイタイイタイ病を引き起こすといわれる危険なカドミウムが残留している事があるため、精米しないと危険だといわれたのです。

その他にも、玄米にはミネラル不足を引き起こす危険性や、ガンのリスクが高まるといわれています。ミネラル不足を引き起こすという成分は、雑穀米の発芽毒で紹介したフィチン酸が関係しています。胃腸が弱っている人にとっては体に悪い成分になる場合があるようです。

ガンのリスクが高まるというのは、玄米に含まれる種子毒が関係しています。しかし、この毒性は食品安全委員会の調査で、幼児や子供が摂取しても問題がない事が判明しているようです。

雑穀米の危険性への対処方法

雑穀米は体に悪い成分があるので危険だといわれますが、ちょっと手間をかけるだけで安全に食べる事ができます。雑穀米を無毒化する方法や、購入する時の注意点をまとめていきます。

雑穀米は適切な分量で炊く

雑穀米を食べる時には適切な分量で炊くようにします。白米と同じように炊き上げると、かなり固めのご飯になります。ブレンドする雑穀によって水の量や炊き上がり時間も変わってくるため、雑穀米のパッケージに書いてある説明を一読してから調理するようにしましょう。

例えば、細かい粒のあわとご飯粒よりも大きな黒豆がブレンドされている雑穀米では、水の量も炊き上がりの時間も大きく変わってくる場合があります。炊き上がりが悪く雑穀米に芯が残っていると、味が悪いだけではなく体にも悪い雑穀米になる可能性もあります。

雑穀米を長時間浸水して無毒化する

雑穀米を無毒化するには、長時間浸水させる事が大切だといわれています。長時間浸水させる事で雑穀は発芽モードを止める事ができるのです。雑穀の中でも玄米を購入する場合には、自然乾燥させたものを購入して、長時間浸水させるといいといわれています。

長時間の浸水は発芽モードは止める事ができますが、水を何時間も放置しておくのは雑菌を繁殖させる原因となるため、数時間おきに取り替える事がおすすめです。玄米や雑穀米の浸水は最低でも12時間以上、できれば17時間浸水させると良いといわれています。

雑穀米を食べる時はしっかりと噛む

雑穀米は普通の白米よりも固めのご飯です。また、食物繊維が多いため消化不良を起こしてしまう危険性があります。雑穀米を食べる時には、しっかりと噛んで食べるのがおすすめです。雑穀は歯ごたえを楽しむ穀物でもあります。あわや大麦など種類によって、味だけではなく噛み応えも変わります。それぞれの雑穀の食感を楽しむのもおすすめです。

よく噛む事は満腹中枢を刺激してくれるため、食べ過ぎを防いだり消化酵素の分泌を促す効果があります。白米から雑穀米に切り替えたばかりの時には消化不良の危険性もあるため、意識をして咀嚼回数を増やすといいでしょう。

消化不良の原因にもなる不溶性の食物繊維ですが、体に悪い事ばかりでもありません。不溶性食物繊維は、便の量を増やして腸の働きを刺激するという効果が期待できます。また、不溶性食物繊維は水溶性食物繊維も含んでいるため、食物繊維がゲル状になって胃腸内をゆっくり移動するので、糖質の吸収をおだやかにする事ができます。

さらに、水溶性食物繊維には吸着性があるので、腸でコレステロールや胆汁酸を吸収して、そのまま体外に排出する作用も期待できます。胃腸が弱い人には体に悪い成分ですが、健康な人にとっては良い栄養素なのです。

雑穀米を購入するときの注意点

雑穀米は色々な物が市販されています。どんな栄養素が入っているのかで雑穀米を選ぶという方法がありますが、1番は安心で安全なものを選ぶという事です。安いから危険、高いから安全というわけではありません。危険性が少なくおすすめの商品は、高温処理された雑穀米です。

アレルギーが心配な場合には、グルテンフリーの雑穀米をチェックするといいでしょう。雑穀米でのグルテン過剰摂取の危険を防ぐために、グルテンフリーの雑穀米も色々と販売されています。どんな雑穀にグルテンが含まれているのか自分で調べる事も大切ですが、グルテンフリーの商品を購入すれば楽に過剰摂取を防ぐ事ができるのです。

また、せっかく栄養価が高い雑穀米でも続けて食べる事ができなければ意味がありません。美味しい雑穀米を選ぶ事も大切です。

雑穀米の危険性まとめ

雑穀米の危険性についてまとめました。雑穀米で危険だといわれているのは体に悪い成分が含まれている事や、消化不良を起こす可能性があるというものです。

危険性があるネガティブな成分に関しては、購入する時や炊き上げる前に気を付ける事で回避できます。食べる時にしっかりと噛むようにする事で、消化不良にもなりにくくなります。雑穀米の危険性も理解をして、美味しい雑穀米を食べましょう。

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