2019年02月20日公開
2024年09月04日更新
雑穀米の栄養・体にいい効果とは?主な雑穀11選と特徴を解説!
雑穀米を炊いている方が最近、急増しています。その理由は雑穀に含まれる栄養成分が豊富だからです。白米のみの栄養と雑穀米では栄養素の量が全く違います。雑穀米は、健康や美容・ダイエットに効果があります。これから、雑穀米の栄養はどのようなものか、美容や健康にどんな効果があるのか紹介していきます。そして、雑穀米を始める方に、玄米との違いと、おすすめの雑穀とその特徴、更に美味しい炊き方・食べ方も紹介していきます。
目次
雑穀米の栄養や健康に役立つ効果が知りたい!
雑穀米とは?
雑穀米というのは、雑穀を白米に混ぜて炊いたものです。穀物は主穀・雑穀・菽穀・擬穀に分かれています。雑穀とは、主穀である米・小麦・トウモロコシ以外の穀物の事です。雑穀の代表するものではイネ科の粟・キビ・ヒエです。菽穀は大豆などのマメ科で、擬穀はアマランサス、キノア等です。
玄米との違い
玄米も栄養が高く、健康や美容・ダイエットに効果があると言われている玄米も、雑穀米と同じような食べ方・炊き方をするので間違えやすいです。雑穀米と違い、玄米は稲の籾から籾殻を取り除いた状態のものを言います。その後、精白すると白いお米になります。
玄米は白米より栄養価が高く、ビタミン・ミネラル・食物繊維が多いです。玄米と違い、雑穀米は色々な雑穀をブレンドしたものです。また雑穀の中に発芽玄米も含まれていることがあります。玄米と違い、雑穀は沢山の穀物が含まれているので、玄米だけでは摂取出来ない栄養素も取り入れることができます。
雑穀米はどんな種類がある?
雑穀米は様々な雑穀をブレンドしています。雑穀米それぞれ、ブレンドされている雑穀の種類や数が違います。主に雑穀米に含まれている種類を紹介します。
主な雑穀米には、イネ科の大麦、キビ、粟、ヒエ、ハト麦、モロコシ、有色米(赤米、緑米、黒米)と、ダテ科のソバ、ヒユ科のキノア又はキヌアとアマランサス等があります。その他にも沢山の雑穀がブレンドされています。
雑穀米の栄養や効果とは?
便秘解消
雑穀米の健康や美容・ダイエットで一番効果があるのは便秘解消です。雑穀米には大麦を筆頭に、玄米、きび、アマランサスに食物繊維が含まれています。白米と比べて大麦は食物繊維の量が約20倍、アマランサスは約15倍も含んでいます。
また、雑穀米では水溶性食物繊維と不溶性食物繊維の両方を摂取することが出来ます。水溶性食物繊維は腸内の老廃物を吸収し排出し、不溶性食物繊維は水分を吸収し膨れ、腸の活動をよくし、排便を促します。不足がちな水溶性食物繊維も一緒に摂取出来るので、雑穀米は便秘解消に一番効果があります。
ダイエット効果
ダイエットの天敵である便秘解消に効果があると解った雑穀米ですが、それ以外にも雑穀米によるダイエット効果があります。白米よりも雑穀米はGI値が低いことです。GI値というのは血糖値の上昇度を示す数値で、GI値が低いと太りにくいです。ですので、白米を食べるより雑穀米の方が太りにくいのでダイエットに向いています。
雑穀米は噛み応えがあるので、咀嚼回数が増えます。咀嚼回数が増えるとヒスタミンが分泌され脳を刺激します。すると満腹を感じやすくなる為、いつもの食べている量より少ない量で満足するようになります。結果、食事の量が減り、ダイエットに繋がります。
更に咀嚼回数が増えると、消化吸収がスムーズにされます。すると効率よくエネルギーとなり代謝するので痩せやすい体質になります。また、雑穀米の栄養素にはビタミンを多く含みます。ビタミンは糖質や脂肪の代謝を助けますので、雑穀米はダイエットにとても効果があります。
美容効果
雑穀米は美容にも効果があります。ポリフェノールはダイエット以外に美容にもとても効果があります。美肌作りの天敵は紫外線です。紫外線を浴びると活性酸素が増え、メラニン色素が集まりシミ・そばかすを作ります。ポリフェノールにはこの活性酸素を分解したり発生を防ぐ働きがあります。
また、ポリフェノールは抗酸化作用があります。ニキビを治し、肌のターンオーバーを助ける作用で、ニキビ跡を消してくれます。そして、雑穀米にはミネラルも多く含まれているので肌のターンオーバーを正常化するのを助けてくれます。
最近注目を浴びているのがはと麦です。はと麦のたんぱく質にはグルタミン、チロシン、ロイシン、バリン等が含まれていて、肌の新陳代謝を高め、肌のターンオーバーを促す作用があります。それにより、肌荒れや乾燥肌を改善させ美容効果があります。
老化防止
雑穀米には健康・老化防止に効果があります。体内の活性酸素の働きを抑える抗酸化物質を多く含む、代表的な抗酸化物質には、ビタミンA・C・Eやポリフェノール等です。雑穀米にはこの抗酸化物質を多く含まれています。
老化防止の効果が高い栄養を含む主な雑穀には、ビタミンEと体の細胞や組織を維持するパントテン酸を多く含む粟。ポリフェノールの一種のルチンを多く含むソバ。豊富なビタミンとポリフェノールの一種のタンニンを含んでいる赤米、黒い皮の部分がポリフェノールの一種のアントシアニンを含んでいる黒米等があります。
雑穀米の主な11種類の栄養や効果
大麦
大麦は、食物繊維が白米の約20倍の量を含んでいます。水溶性と不溶性食物繊維がバランスよく含まれていますので便秘解消され、美容・ダイエットの効果があります。またカルシウムやカリウムも白米と比べて約2倍多く含んでおり、血中のコレステロールを抑える効果があります。
大麦はクセもなく、プチプチした食感で美味しいです。始めて雑穀を始める方にもおすすめです。
あわ
あわはヒエと同じ日本最古の穀物で、パントテン酸を多く含みます。白米に比べて、カルシウム・マグネシウム・鉄分が豊富に含まれています。細胞や組織を保ち、またHDLコレステロール(善玉コレステロール)値を高めたり、脂質の代謝を促す作用があります。ですので、ダイエットに効果があります。
きび
キビには体内で作られない必須アミノ酸のメチオニンが含まれています。血中のコレステロール値を下げ、活性酸素を取り除く効果があります。表面の黄色の皮はポリフェノールを多く含み、抗酸化作用が優れています。マグネシウムや鉄分が白米の3倍含まれていて、まさに日本のスーパーフードのようなものです。
ひえ
ひえは白米と比べて食物繊維は約8倍含み、マグネシウム、カリウム、亜鉛やリンや鉄分など優れた栄養素も約3倍の量を含んでいます。HDLコレステロール値を高め、脂質の代謝を改善する効果があります。そして良質な血液を作る作用があります。
ひえという名前の由来通り、寒い場所や枯れた土地でも育つほどエネルギーが強い穀物で体を温める作用が強いです。女性に多い冷え性の改善に役立ちます。そして健康に必要な栄養素が豊富なひえは、味に癖が無く、美味しいので取り入れやすいです。
黒米
黒米はとても歴史が深く、あの楊貴妃も美容の為に食べていたと言われている雑穀です。黒米の種皮が黒く、この色素はポリフェノールの一種のアントシアニンを含んでいます。このアントシアニンは活性酸素を取り除いて細胞を守る力があります。美容効果では、髪を強く美しくしてくれます。また眼に良く健康にしてくれます。
また、黒米には、メラニン生成を防ぎ、コラーゲンやヒアルロン酸を壊す酵素を抑えてくれるので、美容・美肌効果があります。そして、黒米もGI値が低いので、食後の血糖値の上昇を抑えてくれます。ですので白米に黒米を混ぜて食べるとダイエットの効果もあります。
アマランサス
アマランサスはスーパーグレイン=驚異の穀物と呼ばれるほど、栄養が豊富で、健康食品として注目されています。白米と違い、アマランサスは少量でも栄養価が高いです。アマランサスにはカルシウム、ビタミンB6、亜鉛、葉酸、鉄、リン、マグネシウム等の栄養価が他の穀物よりも多く含まれているのです。
アマランサスを摂取して得られる効果は沢山あります。まず健康の効果では、アマランサスには抗酸化作用が強いペプチドが含まれているので、癌の原因となる損傷から細胞を守ります。アマランサスの脂肪酸とフィトステロールは悪玉コレステロール値を下げる作用がありますので、生活習慣病の予防や改善に役に立ちます。
アマランサスには他の穀物と違い、良質なたんぱく質を豊富に含まれています。アマランサスのタンパク質には体内で合成出来ない必須アミノ酸のリジン、メチオニン、フェニルアラニンが含まれていて、健康や美容・ダイエットの効果があります。
アマランサスは美容・ダイエットにも効果があるのは、必須アミノ酸のリジンです。リジンは脂肪分解酵素のリパーゼの働きを活性化させ、脂肪をエネルギーに変える働き活発にします。そしてカルシウムの吸収や筋肉を作る作用を助けます。アマランサスは健康・美容・ダイエットなど全てに効果のあるスーパーフードです。
赤米
赤米には、美容に良いビタミンと食物繊維、またミネラルのカルシウムやマグネシウムが豊富に含まれています。食物繊維で便秘解消になり、美肌を作るビタミンなど、美容やダイエットにも効果がありますし、カルシウムやマグネシウムで動脈硬化や血栓の予防もでき、健康にも効果があります。
ご飯と一緒に炊くと白米も赤く染められ、桜のような色になり、綺麗です。味はとてもあっさりしているので食べやすく、美味しいです。
はと麦
はと麦は中国で漢方薬として使われてきました。はと麦も良質なたんぱく質を多く含んでいます。良質なたんぱく質で、含まれているアミノ酸がグルタミン酸、プロリン、ロイシンです。主な効能は代謝を促進させる効果があります。胃腸を整え、肌荒れ等を改善するので美容にも効果があります。
体内の余分な水分を排出も促しますので、むくみ防止にもなり、体の毒素も排出してくれます。またはと麦はヨクイニンと呼ばれる漢方薬の一種で、滋養強壮に効き、また関節痛や神経痛の緩和作用があります。美容や健康にも活躍する雑穀です。炊くとふっくらして噛みごたえがあり美味しいです。
黒豆
黒豆は、大豆の一種ですので、女性に嬉しいイソフラボンを含んでいるので女性ホルモンを安定させます。それに加え、黒豆にはアントシアニンとプロアントシニアニジンを含みます。このプロアントシニアニジンは美容や健康にするさまざまな効果があります。
プロアントシニアニジンには抗酸化作用があり、腸内フローラに直接働きかけるので、腸内フローラの乱れを治し、肥満や糖尿病や高血圧を予防・改善する効果があります。その他健康の効果があるのは、動脈硬化の抑制や発がん抑制の効果があります。更に育毛を助けたり、美肌効果もあり美容にも活躍してくれます。
発芽玄米
発芽玄米は玄米を発芽させた状態の物です。ただの玄米とは違い、発芽玄米は沢山のエネルギーが詰まっていて、栄養が多くなります。その中でも、最近注目を浴びている、ギャバが多く含まれています。ギャバはストレスを緩和させるのに使われる天然アミノ酸の一つです。
発芽玄米の炊き方は、白米と一緒です。食感は弾力があり、噛めば噛むほど味わいが出て美味しいです。玄米から発芽させて炊く食べ方と、発芽玄米として販売されていますので、そのまま炊く食べ方もあります。とても取り入れやすい雑穀です。
キヌア
キヌアはスーパーフードとして有名です。それはキヌアに含まれる必須アミノ酸の9種類全てをバランスよく含んでいます。玄米や白米と違い、必須アミノ酸のリジンを多く含んでいます。その他ビタミン、ミネラルも他の雑穀よりも多く含んでいます。
女性ホルモンと同じ働きをするフィトエストロゲンが含まれていて女性の体の健康をサポートしてくれます。食物繊維やポリフェノール、カルシウムも多く含みます。女性に多い便秘の解消や骨粗しょう症にも効果があり、美容・ダイエット、そして健康にとても効果があります。
雑穀米の栄養や効果を取り入れる美味しい炊き方
美味しく炊くためのポイント
雑穀米を美味しい炊き方を紹介します。雑穀米は何種類もの穀物が入っているので、炊き方のポイントがあります。
- 小さい雑穀もあるのでザルは網目が細かい物を用意しましょう。
- 雑穀米は籾殻など異物が入っていることがあるのでお米の用に研いで異物がでたら、お水を捨ててまた研いでいきましょう。(※洗わなくても良い雑穀米もあるので購入した雑穀米の洗い方をチェックしてください。)
- 雑穀米を研ぎ終わったら、1時間以上お水に浸し、雑穀米にしっかり水分を吸わせます。そうすると雑穀米が柔らかくモチッとなり美味しいです。
- 雑穀米が炊きあがる時の臭いが苦手な方は玉ねぎを1片入れると臭いが減り、また旨みが増します。
- 炊きあがったら10分程度蓋を上げずに蒸らします。
炊飯器での美味しい炊き方
炊飯器での美味しい炊き方を紹介します。
- 白米と雑穀米をそれぞれ分けて研ぎます。
- 炊飯器に白米と雑穀米を入れお水を入れます。白米の水(炊飯ジャーの合数のメモリーまで)+雑穀米の分量と同じ量(雑穀米大さじ1ならば水を大さじ1)の水を入れます。
- そのまま1時間以上浸水する。
- 通常通り炊き、炊きあがったら10分くらい蒸らしたら出来上がり
鍋での美味しい炊き方
お鍋での美味しい炊き方を紹介します。
- 白米と雑穀米をそれぞれ分けて研ぎます。
- 白米と雑穀米を鍋に入れ、白米と雑穀米と同じ量の水を入れます。白米1合に水は1カップ(200cc)で雑穀米は大さじ1でしたら水も大さじ1の量です。
- 塩をひとつまみ入れて,1時間以上浸水したら、まず強火で炊きます。
- 湯気が出て沸騰したら約8分位、弱火にします。火にかけてからトータル15分~20分で炊きあがります。
- 蓋は上げず、10分位蒸らしたら出来上がりです。
雑穀米の効果的な食べ方
しっかり噛んで消化不良を防ぐ
雑穀米の効果的な食べ方は、しっかり良く噛んで食べることです。よく噛まずに早食いをしてしまうと、栄養がたっぷりの雑穀米を食べていても、その栄養を吸収されずに排出してしまいます。白米と違い、赤米・黒米・緑米の古代米やゴマや黒豆は殻が硬いので消化不良を起こしやすいです。しっかり噛んで食べましょう。
味や食感の好みが分かれることも
雑穀米を始める場合、最初は雑穀米をブレンドしたものから始めてみましょう。雑穀の中にはやや苦みのある味やパサパサした食感、香りが自分に合うものと合わないものが解ります。
好みが解ったら、自分の好みに合う雑穀を選んだり、自分の健康や美容・ダイエット等、目的に効果がある雑穀米を選び、その雑穀米を自分の好みの味や食感になるような炊き方や食べ方を見つけていくと、雑穀米を続けていくのが楽しくなります。
雑穀米はご飯以外の食べ方もできる
雑穀米のご飯以外の食べ方を紹介します。雑穀米は食感がプチプチしたり、もちもちしたりと楽しめるのでご飯以外の食べ方が色々あります。
1つ目は、雑穀米入りパンです。炊いた雑穀米を生地に混ぜて焼きあげます。2つ目は、雑穀入りミネストローネです。たっぷりの野菜と雑穀米をトマトで煮込んだ栄養満点のスープです。3つ目は、雑穀米リゾットです。白米を雑穀米にしたリゾットで食感が楽しめるのでおすすめです。
4つ目は、おやつにもなる、雑穀米のおはぎです。おはぎのもち米に炊いた雑穀米を混ぜて作ります。そして5つ目は雑穀米クッキーです。クッキー生地に雑穀米を混ぜて焼きます。その他、湯通しした雑穀米をサラダに入れてアクセントにしたり、雑穀米をおにぎりにする等、沢山の食べ方があります。
雑穀米の栄養や効果で健康的になろう!
雑穀米の栄養素の多さと健康や美容・ダイエットに効果があり、雑穀米はまさに日本のスーパーフードです。普段のご飯に混ぜるだけで良いので続けられそうです。雑穀米は少し面倒な炊き方ではありますが、自分の体調や悩みに合わせて雑穀米を選び、美味しい食べ方を見つけて、普段の食生活に取り入れられるようになると楽しいです。雑穀米で健康ライフを楽しみましょう。