2019年09月27日公開
2024年09月28日更新
カニは栄養が豊富に含まれている!健康・美容への効果は?殻にも注目!
高級食材であるカニには栄養価が高いという印象は然程ありませんが、実はカニにはタウリンを始め、ビタミンやミネラルなどの栄養が豊富に含まれています。また、殻にも健康と美容に欠かせない成分が含まれているとの事で、大きな注目を集めています。
カニは優れた栄養素が豊富
カニは高級食材の代名詞的な存在です。栄養面で優れているというイメージはあまり強くありませんが、実際は非常に栄養価の高い食材なのです。
成分名 | 含有量 |
エネルギー | 69kcal |
たんぱく質 | 15.0g |
脂質 | 0.6g |
炭水化物 | 0.1g |
ナトリウム | 240mg |
カリウム | 240mg |
カルシウム | 120mg |
鉄 | 0.7mg |
亜鉛 | 3.1mg |
銅 | 0.56mg |
ビタミンE | 2.6mg |
B1 | 0.21mg |
B2 | 0.57mg |
ナイアシン | 6.1mg |
B12 | 7.2μg |
上記の表は文部科学省の食品成分データベースによる、ズワイガニ100gあたりに含まれる成分の表です。低カロリーで高タンパク、鉄や亜鉛などのミネラル、ビタミンも豊富に含まれていることがわかります。また、ここには記載されていませんが栄養ドリンクで有名なタウリンもカニにはたっぷり含まれていると知られています。
カニの栄養と効果【健康編】
カニに含まれる成分は私たちの身体に対し、一体どのように働きかけるのでしょう?まずは健康面に関して効果がある成分を紹介します。
骨粗しょう症予防にカルシウム
カルシウムは広く認知されている栄養素です。生体内に最も多く存在するミネラルで、主に骨や歯の強化、イライラの予防などの効果が期待できると言われています。
カニにはこのカルシウムが豊富に含まれています。可食部100gあたりのカルシウムで比較すると、生のサンマが32mg、生の真鯛が11mgなのに対して茹でたズワイガニは120mgと、圧倒的に含有量が多いことがわかります。また、女性がなりやすい骨粗しょう症の予防にもこのカルシウムが非常に効果的だと言われています。
脚気を防ぐビタミンB1
ごはんやパン、麺などの炭水化物をエネルギー源として私たち人間は生きていますが、この炭水化物をエネルギーに変換させるためにはビタミンB1・B2が必要不可欠です。特にビタミンB1は炭水化物の代謝を促す他、疲労の回復やイライラの解消、神経機能の正常化などの働きを担っており、健康を保つためにも大事な栄養素となっています。
また、ビタミンB1が不足すると脚気を発症する場合が有ります。これを未然に防ぐためにも、普段からビタミンB1はしっかりと摂取しておきましょう。
貧血予防にビタミンB12
ビタミンB12は肉や魚介類などの動物性食品に多く含まれており、カニにもこのビタミンB12が含まれています。ビタミンB12はヘモグロビンの合成を助けて正常な赤血球を作る働きを持ち、貧血の改善や予防に最適です。また、神経を正常に機能させる働きもあり、肩こりやしびれ、目の疲れなどの予防効果も期待できます。
アルコール分解を助けるナイアシン
ナイアシンもビタミンB群の一種です。カニにはこのナイアシンも含まれており、糖質・脂質・たんぱく質の代謝を促す作用がある他、アルコールの分解を助ける作用や、毛細血管を拡張して血行を促進する作用を持っています。
鉄や銅、亜鉛のミネラルで生殖機能の健康を保つ
カニには鉄や銅、亜鉛も含まれています。鉄は血液を作るのに欠かせない栄養素ですが、実は銅がないと鉄分を使うことができません。鉄と銅を一緒にとることで貧血を予防することができます。
また、カニに含まれる銅は食べたものを消化してエネルギーに変えるために必要な酵素を作る効果もありますので、人間の生命活動には必要不可欠な存在です。
亜鉛は身体中のあらゆる臓器に存在する成分で、特に味覚をつかさどる舌の味蕾を製造できる特徴を持っています。そのため、亜鉛が不足すると味覚障害になってしまうことがあります。この他に、亜鉛にはホルモンバランスを整え、身体の抵抗力を高める効果が期待できます。
タウリンで肝機能を正常に
カニに含まれる栄養素でもっとも代表的なのがタウリンです。栄養ドリンクの成分でもあるタウリンは、肝臓の細胞再生を助け、肝機能を正常にする効果があります。タウリンはアルコールの分解も助けてくれるため、二日酔いの症状を緩和するのにも効果的です。
タウリンの肝臓への働きはコレステロールを下げる効果もあるので、血栓症や動脈硬化を防ぐことも期待できます。この他にも、タウリンは目の網膜や角膜に作用する栄養素でもありますので、眼精疲労も予防してくれます。
カニの栄養と効果【美容編】
カニの成分は健康だけでなく美容にも役立ちます。どのような栄養素がどのように私たちに働きかけるのでしょう?
ビタミンEでアンチエイジング
美容への効果で重要なのが抗酸化作用です。カニに含まれているビタミンEは強い抗酸化作用を持っており、活性酸素によって引き起こされる体の老化や肌のシワ、たるみを防いでくれます。この他に、ビタミンEには末梢の血管を拡張して血行を良くしたり、コレステロール値を正常にする効果もあり、肥満予防にも効果的です。
肌や髪の細胞を再生するビタミンB2
ビタミンB2はビタミンB1と同じく、炭水化物をエネルギーに変換してくれる栄養素です。脂質を代謝するのでダイエット効果があります。
他にもビタミンB2には傷ついた細胞を修復し、同時に新しい細胞を作り出す働きがあります。粘膜や肌、髪の毛等の細胞を修復してくれるため、美容と健康を保つためにも必要不可欠な成分です。
美容の基礎になるタンパク質
カニには良質な動物性タンパク質が豊富に含まれておりますが、人間の身体はこのタンパク質を材料にして作られています。タンパク質を接種するとまず血管や血液、内臓など生命活動に必要な器官に回されて、その後に肌や髪、爪へと回っていくのです。
したがって、美肌や美髪を作るためには全身にタンパク質が足りている状態にする必要があります。また、タンパク質には免疫力を高める抗体を作る役割があり、感染症などの病気ににかかるのを防いでくれます。良質なタンパク質は美容と健康のためにとても大切な栄養素です。
カニは殻にも栄養がある
食材の成分の話をするとどうしても身の栄養ばかりに着目してしまいますが、意外とすごい成分を持っているのがカニの殻部分です。
アスタキサンチンの効果
カニは茹でると殻の部分が赤く変色しますが、これはアスタキサンチンという天然の色素によるものです。アスタキサンチンには強い抗酸化作用があることがわかっており、近年サプリメントや化粧品にも積極的に取り入れられています。
ビタミンEについて紹介した際に軽く触れましたが、抗酸化作用は活性酸素によって引き起こされる老化現象を防いでくれます。活性酸素による老化現象は主に肌のシミやシワ、疲労感、記憶力の低下、筋力の低下、薄毛や白髪などが挙げられます。
どれも美容にも健康にも大敵な現象ばかりです。抗酸化作用を持つ食べ物はたくさんありますが、この強力な抗酸化作用を持つアスタキサンチンを含んでいるのはカニや鮭、エビなどごくわずかな食材です。カニのアスタキサンチンを摂取して老化現象を防ぎましょう。
キチン・キトサンの効果
キチン・キトサンは缶詰用のカニの殻を再利用する研究のなかで、健康食品として注目された成分です。キチンは殻などに含まれる多糖類で動物性食物繊維、キチンを加工したものがキトサンになります。
キチン・キトサンには自然治癒力を高め、さまざまな病気を予防し、症状を改善する効果が期待できます。特に制がん効果は顕著で、転移を防いだり病巣を縮小させたりした症例が数多くみられます。この他にも高血圧の予防、コレステロール値の低下、脂肪吸収の阻害などの効果があり、現代人が抱えがちな生活習慣病を防ぐのにぴったりな成分です。
殻で出汁をとる
このように、カニの殻には健康な身体を作るうえで欠かせない栄養素が多く含まれています。ですが殻をそのままバリバリと食べることはできません。カニの殻に含まれた成分は、殻ごと鍋に入れて染み出しただし汁を飲むことで摂取することができます。カニの殻だけで十分いいお出汁が出来ますので、ぜひ試してみてください。
カニの栄養で健康と美容を手に入れよう
カニに含まれるビタミンやミネラル、タウリン、アスタキサンチン、キチン・キトサン等は健康にも美容にも欠かせない栄養成分です。高級食材のカニですが、カニ缶などで日常的に購入できる食材でもあります。ぜひ、健康効果も食生活に活かしてください。