2019年09月26日公開
2024年09月28日更新
みかんの栄養と効果効能!白い筋にも栄養がある?おすすめの食べ方も解説!
みかんの果肉、皮、筋に含まれる豊富な栄養成分について、体に与える効果効能ごとに詳しく解説します。さらに、みかんの栄養を効率よく摂るための、おすすめな食べ方を紹介します。栄養たっぷりのみかんを食べて、健康になりましょう。
みかんは栄養豊富で健康に良い?
寒くなってくると食べたくなるのが、みかんです。美味しくてリーズナブルで、子どもからお年寄りまで楽しめるフルーツとして、親しまれています。そのまま生で食べても、デザートや料理に使っても美味しいみかんですが、実は栄養満点であることは、あまり知られていません。
この記事では、知っているようで知らない、みかんが持つ豊富な栄養素とその効果効能を詳しく解説します。そして、もっと美味しく&栄養を効率よく摂れる上手な食べ方を、たっぷり紹介します。
みかんの栄養と効果効能
カロリーと栄養素
栄養成分 | 含有量 |
---|---|
エネルギー | 34kcal |
タンパク質 | 0.4g |
炭水化物 | 8.9g |
カリウム | 98mg |
カルシウム | 13mg |
ビタミンA | 69μg |
ビタミンC | 24.75mg |
葉酸 | 16.5μg |
クエン酸 | 0.75g |
ビタミンB1 | 0.07mg |
ビタミンC・A・B群やミネラルも豊富に含まれており、ビタミンCが多く含まれるのが特徴です。日本人の食事摂取基準(2015年版)によると、成人女性では一日あたりのビタミンC摂取目安量は100mgとなっています。Mサイズのみかんを4つ食べれば、1日分のビタミンCが摂取できるのです。
Mサイズみかん一個あたりのカロリーは、34kcalです。果物は1日に200g食べることを推奨されているので、みかんだと2~3個ほどで100kcal弱になります。栄養も多く含まれているので、ダイエット中のおやつとしても、おすすめです。次項で主要な栄養素3つを効果効能と共に紹介します。
ビタミンC
ビタミンCは、若返りのビタミンとも呼ばれ、皮膚や細胞のコラーゲン合成に必要な栄養素です。「壊血病」という症状の予防効果があります。壊血病の症状は、疲労倦怠、いらいらする、顔色が悪い、皮下や歯茎からの出血、貧血、 筋肉減少、心臓障害、呼吸困難などです。
また、抗酸化作用があり、ビタミンとともに活性酸素を消去して細胞を保護する働きをします。美容に効果のある最強のアンチエイジングビタミンです。
ビタミンCは水溶性ビタミンといって、水に溶ける性質をもっています。煮込んだり長時間茹でたりすると、栄養成分が溶け出してしまうので、調理方法は工夫が必要です。みかんは食後のデザートやおやつとして生のまま手軽に食べられるので、ビタミンCを効率よく摂取できる食材だといえるでしょう。
カリウム
昆布やひじきなどの海藻、バナナやスイカ、ホウレン草など野菜や果物に多く含まれるミネラルです。余分な塩分(ナトリウム)を尿と一緒に排出し、むくみ予防や体内の水分バランスを調整する働きがあります。
特に日本人は諸外国に比べナトリウム摂取量が多いため、ナトリウムの排出を促すカリウムの摂取が重要です。高血圧を中心とした生活習慣病の発症予防、重症化予防に効果があるので、積極的に摂りたい栄養素です。
ただし、腎不全の方はカリウムが体外に上手く排出できず、過剰摂取により、手や唇のしびれ、だるさや息苦しさなど様々な症状を引き起こす場合があります。医師からカリウム摂取を制限する指導を受けている場合は、注意が必要です。
クエン酸
クエン酸は、レモンやグレープフルーツをはじめとする柑橘類や、梅干しに多く含まれています。多くの健康効果が期待できる成分で、体内ではエネルギー代謝を助け、疲労の原因物質である乳酸を分解する働きをして、新陳代謝を促進します。
そのため、疲労回復・筋肉痛の防止、老化防止、美肌効果、食欲促進などに効果があるといわれます。また、カルシウムやマグネシウムなどのミネラルと一緒に摂取すると、ミネラル分の吸収を助ける働きがあります。
みかんの筋と薄皮に含まれる栄養と効果効能
みかんには果肉の部分だけではなく、白い筋の部分や皮にも多くの有効成分が含まれています。捨ててしまいがちな部分ですが、どのような栄養素が含まれていて、どのような効果効能があるのでしょうか?代表的な栄養素を2つ紹介します。
ヘスペリジン
柑橘類の表皮、薄皮、白い筋の部分に含まれる成分です。表皮は陳皮(ちんぴ)と呼ばれ、風邪予防の漢方薬として使われたり、七味唐辛子の材料として使われたれたりと、昔から広く活用されています。
体内ではビタミンCと共に働き、毛細血管を強化することで出血を防いだり、細菌やウイルスから血管を守ります。ビタミンCを発見したセント・ジョルジ博士によって発見された「ビタミンP(ビタミン様物質)」と呼ばれる成分の一種です。
また近年では、毛細血管に対して働き血行を改善するため、体の中から温める効果が注目されています。昔から冬の寒い時期にみかんを食べたり、冬至の日にゆず湯に入る風習は、このへスぺリンジンの働きに由来しているという説もあるようです。
βクリプトキサンチン
βクリプトキサンチンとは、天然に存在するカロテノイド色素のことで、パプリカ、オレンジや柿などに多く含まれます。みかんを食べすぎると手足が黄色くなるのは、オレンジ色の色素成分の働きです。
体内に入ると、ビタミンAに変換されるため、プロビタミンA(レチノール)と呼ばれています。目や皮膚など体の様々な機能維持に効果を発揮する成分です。近年は肝機能障害、動脈硬化、骨粗しょう症へのリスクを低減することが明らかにされており、多くの関連研究がなされています。
果物の中では、特にみかんに多く含まれており、みかんが古くから日本人の健康を支えてたことが分かります。これらの研究成果から、2015年に生鮮食品としては初めて、「三ヶ日みかん」が機能性表示食品として登録されました。静岡県で生産される三ヶ日みかんは、骨の健康維持をサポートする機能が認められています。
みかんの栄養が摂れるおすすめの食べ方
みかんに含まれる豊富な栄養を、効率良く摂るための食べ方を調査しました。皮や筋を丸ごと使った食べ方を2つ紹介します。
焼きみかんにする
生で食べても美味しいみかんですが、加熱することで、より美味しく食べられます。果物は水分が蒸発すると、成分が凝縮するので、甘くなるのは一般的です。みかんの場合は、加熱によって水分が抜けると、メロンと同じくらいの糖度になります。
また、先ほど紹介したヘスペリジンやβクリプトキサンチンなどの成分は、外側の皮や、薄皮、白い筋の部分に多く含まれています。加熱することで皮が柔らかくなるので、皮ごと食べられます。
作り方はとても簡単です。材料はみかんのみで、特殊な道具も必要ありません。トースターやオーブングリルに入れて、10分程度皮目にしっかり焦げ目が付くまで加熱します。ストーブの上に置いて、転がしながら焼くことも可能です。
味は焼き芋、干し芋、マーマレードなどと例えられることもあるように、ホクホクと香ばしく優しい味わいです。皮や筋に含まれるヘスペリジンにより、体を温める効果があるので、風邪の引き始めにもおすすめです。
外皮を食べる方法
固く苦味もあるため、普段は捨ててしまう皮や筋の部分も、工夫次第でデザートや料理に活用できます。有名なのは、マーマレードジャムやみかんピールとして食べる方法です。皮を丸ごと使用するため、みかんの栄養を逃しません。みかんの皮をきれいに洗って、水や砂糖と一緒に煮詰めます。
苦味が気になるときは、砂糖と煮詰める前に一晩水に浸けたり、皮だけを2〜3分茹でたりすることで、苦味は和らぐようです。作り方は様々なので、好みのレシピを見つけてみてください。
また、料理に使う方法もあります。ゆずの皮と同じように、お浸しや酢の物の風味付けとして活用するのは手軽に取り入れられます。他にも、細かく刻んでおにぎりの具にしたり、皮を天ぷらにしても美味しく食べられるようです。
栄養豊富なみかんの筋や皮も食べて健康になろう!
美味しく気軽に食べられて栄養豊富なみかんを、毎日の食事に取り入れてみましょう。また、普段は捨ててしまう皮や筋の部分も、工夫次第で美味しく食べられます。紹介した食べ方も参考に、ぜひ余すことなく活用してみて下さい。
ただし、みかんはフルーツですので、カロリーや糖質も多く、食べ過ぎは肥満や糖尿病などの生活習慣病につながります。節度を守って、適量を美味しく食べましょう。