パセリはビタミンや鉄分など栄養価が高い!保存や料理レシピ情報も紹介
パセリといえば料理の脇に添えられる脇役的存在の野菜です。独特の青臭さと硬い口当たりで「パセリは嫌い」という人も多い、あまり人気のない野菜です。しかし、パセリの栄養価はとても高く、美容健康に嬉しい効果効能を持っています。今回はパセリの上手な冷蔵・冷凍での保存方法からその栄養価と効能を紹介していきます。パセリを主役とした美味しいレシピは必見です。料理の彩りだけではない、様々な食べ方でパセリの栄養価を摂り入れましょう。
パセリは付け合わせだけじゃない!
パセリといえば料理の彩りには欠かせない野菜です。揚げ物や焼き物の脇に添えられたり、ドライパセリは煮込み料理や焼き物にふりかけられます。
しかし、どうしても「料理の脇役」といった認識が強く、パセリを主役にして食べることはあまりありません。実際、パセリが主役の料理自体を知らないという人は多いかと思います。
しかし、パセリは栄養価がとても高い野菜です。海外ではパセリを主役にした食べ方はたくさんあります。栄養価が高く、独特の風味を味わえるパセリは食べ方次第では料理の主役に十分なります。
今回の記事ではパセリの冷凍保存方法、パセリの栄養価と効能を紹介します。こんな食べ方があったのか?と驚きのレシピは必見です。
特徴
パセリといえば鮮やかな緑色と小房に別れた形状から、料理の付け合わせによく利用されています。独特な香りと風味でハーブとして使われ、臭い消しや薬用として古代エジプトで使われていた歴史があります。
香りと風味がパセリの美味しさでもあり、料理を引き立たせてくれるのですが、その香りと風味が苦手、という人も多くいます。口当たりも硬く、生でそのまま食べるのは苦手という場合が多く、どうしても料理の脇役になってしまうかわいそうな野菜でもあります。
旬と産地
パセリの旬は春から秋にかけてと、比較的長く収穫できます。今はハウス栽培されているので、年中手に入りますが、特に春と秋が、葉が柔らかく美味しい時期です。
パセリは地中海沿岸が原産とされています。西洋では平たいイタリアンパセリが主流ですが、日本では葉が縮れたカーローパセリが主流です。産地は茨城、長野、千葉県から特に多く出荷されています。海外のイメージが強いパセリですが、実はパセリのほとんどは国産です。
新鮮なパセリの選び方
パセリは葉がみずみずしく、色鮮やかなものを選びましょう。葉先が黄色っぽいものは鮮度が落ちてきた証拠です。緑色が綺麗なものを選びましょう。
茎や葉先はシャキッとしているものを選びましょう。パセリは乾燥に弱く、鮮度が落ちると乾燥して黄色くなったり、しなしなになります。
食べ方や活用法
パセリを使った料理自体を知らない、食べ方を知らない、という人は少なくありません。実際、パセリは付け合わせでしか見かけたことがない、という人も多いと思います。
そんなパセリですが独特の風味を活かして、様々な食べ方ができるのです。パセリのもっともオーソドックスな食べ方としては、刻んでスープに入れたり、フライの衣に混ぜる食べ方です。
サラダにしたり、ふりかけにしたり、薬味にしたり、天ぷらやかき揚げなど、主役になる食べ方はたくさんあります。こんな食べ方があったのか?と目から鱗のパセリレシピは後述します。栄養価の高いパセリをたっぷり摂れるので、ぜひ参考にしてください。
パセリの栄養と効能
あまり食べる機会のないパセリですが実はとても栄養価が高い野菜です。あまり知ることのない、パセリの栄養価と、その効能を紹介します。
βカロテン
かぼちゃや人参、ピーマンなど緑黄色野菜に多く含まれるβカロテンは、パセリにも多く含まれています。βカロテンは摂取することでビタミンAに変換され、肌粘膜や目の健康を維持する効能があります。
また、βカロテンは強い抗酸化作用があることでも知られています。ガンや老化の原因にもなる、活性酸素を排出してくれる効能があります。パセリのβカロテン含有量は人参についで多く、その栄養価の高さがわかります。
ビタミンB
パセリにはビタミンB1・B2も多く含まれています。ビタミンB1は、糖質がエネルギーとして分解されるのに必要な栄養素です。ビタミンB1が不足すると、エネルギーがうまく使われず、疲労が蓄積します。
脳や神経の働きを正常に動かすためにもエネルギーが必要です。肝機能、腎機能の低下や、胃腸障害の低下にも繋がります。
ビタミンB2は、脂質をエネルギーに分解するのになくてはならない栄養素です。脂質の多い食事をしている人は、特に不足しがちになるので積極的に摂り入れましょう。動脈硬化や、老化の原因になる有害物質ができるのを防ぎ、生活習慣病を防ぐ効能もあります。
不足することで健康面以外にも、肌荒れや髪のトラブル、口内炎など美容面にも影響が出ます。
ビタミンC
強い抗酸化作用があり、美肌づくりや健康維持に効果を発揮するビタミンC。その栄養価は野菜でもトップクラスの高さです。
ビタミンCは皮膚や粘膜の健康維持に欠かせない栄養素で、美肌作りに効果効能があります。強い抗酸化作用もあるので、紫外線に肌がさらされた時にも多く摂取しましょう。そのほかにも、鉄の吸収をよくしてくれる効能があります。
ビタミンCはストレスが多い人ほど多く摂る必要があると言われています。ストレスとは精神的なもの以外にも、寒さ、暑さ、睡眠不足、過労、疲労、悩みなど、心身両方のことをいいます。また、タバコを吸うことでも失われてしまうので、喫煙者も多くとった方がいい栄養価です。
ビタミンK
パセリは野菜の中でもビタミンKが特に多く、その栄養価の高さはトップクラスです。ビタミンKは出血の時、血液を止血する働きに作用するほか、骨の形成にも関わりがあります。
骨にあるタンパク質の働きに作用し、骨の生成を促す効能があります。そのため、ビタミンKは骨粗しょう症の薬にも使われています。
特に女性は男性に比べ骨粗しょう症のリスクが高く、閉経後ではその割合が高くなります。最近では過度な食事制限によるダイエットの影響で、若い女性でも骨粗しょう症のリスクが高まっています。丈夫な骨を作るためにも、ビタミンKは欠かせない栄養素です。
アピオール
パセリ特有の香りの元となっているのがアピオールという成分です。アピオールは食欲増進、食中毒予防などの効果があります。パセリを料理に添えるのにも、彩りだけではないこういった理由もあるのです。
そのほかには、発汗作用や口臭予防効果などもあります。女性特有の悩みである、生理不順にも効果効能があると言われています。しかし、このアピオールは妊婦さんには注意が必要な成分でもあります。昔は堕胎の薬として用いられていたという歴史もあります。
日本の厚生労働省などでは特に注意喚起はされていませんが、海外では妊婦にパセリはタブーと言われる国もあります。通常の量を食べる分には問題はないのですが、ジュースなど大量にパセリを食べる食べ方には気をつけましょう。
鉄分・カルシウム
パセリは鉄分やカルシウムも多く含まれています。鉄分は小松菜の3倍も含まれていて、その含有量は野菜の中でもトップクラスです。鉄分不足は皆さんご存知の通り、貧血の原因になります。女性は月経や妊娠出産で貧血になりやすく特に多く摂り入れたい栄養素です。
カルシウムは丈夫な骨や歯の健康維持には欠かせません。カルシウムは歯や骨の形成の他にも、筋肉や神経の活動をスムーズにする効能があります。
カルシウムの一日の摂取量の目安は650mgと言われていますが、平均的に見ると不足しているのが現状です。特に過度な食事制限やダイエットをしている人は、積極的に摂りたい栄養素です。
パセリの保存方法
スーパーで売っているパセリは量も多く、使い切るのが難しいのでは?と買うのをためらう方も多いと思います。上手に保存すればパセリは長持ちし、美味しく食べられます。さらに冷凍保存もできるので、長期保存も可能です。
冷蔵保存
パセリに適した保存温度は0℃です。そのため買ってきたらすぐに冷蔵庫に入れましょう。すぐに使う場合は、新聞紙やキッチンペーパーに包んでから、保存袋に入れて野菜室に入れておきます。
すぐに使いきれない場合は水を張ったグラスにパセリを挿して、上からポリ袋をかけ輪ゴムで密閉します。このまま野菜室に入れておけば2週間ほどは持ちます。水は2日に一度は取り替えてあげましょう。
長持ちするとはいえ、水を入れたグラスに挿したまま野菜室に入れておくのは少し邪魔になります。水が溢れると大変なので、すぐに使わない場合は冷凍してしまうのがおすすめです。
冷凍保存
パセリを少しづつ使う場合は新鮮なうちに冷凍保存するのがおすすめです。パセリは冷凍に適した野菜で、とても使い勝手が良くなるのでおすすめです。
生のまま冷凍
パセリはボウルにたっぷり水をはり、振り洗いして汚れをしっかり落とします。意外と虫や土埃がついているのでしっかり洗いましょう。洗えたらキッチンペーパーで水気をしっかり拭き取ります。
しっかり水気を切ったら、茎の部分は取り除き葉先のみをラップで細長く包みます。パセリが凍ったら、ラップの上から粉々に砕きます。砕いたパセリを保存袋に入れて冷凍しておけば、いつでもパセリを使えます。
みじん切りにして冷凍
パセリは先ほどのようによく水洗いし、水気を拭き取ったら茎と葉先に分けます。葉先をみじん切りにしてから保存袋に入れて冷凍しましょう。ちなみに残った茎は捨てずに煮込み料理の風味づけなどに使えるので、勿体無いと思った方は活用しましょう。
保存期間
冷凍したパセリの保存期間の目安は3週間です。目安は3週間ですが冷凍庫の開け閉めや、保存袋の出し入れでパセリが劣化していきますのでなるべく早めに使い切りましょう。
たくさんの量をまとめて保存袋に入れると、取り出すときに温度変化がおきやすくなります。量が多い時はひとまとめにせず、小袋に分けて冷凍しておくとパセリの鮮度を保つことができます。
解凍方法
冷凍したパセリは特に解凍しなくてもそのまま料理にふりかけるだけで食べられます。シチューや煮込み料理にさっとふりかけたり、揚げ物の衣に混ぜ込んだりと冷凍していない時と変わらず使えます。冷凍していても同じように使えるので、ぜひ活用してください。
ドライパセリにして保存
市販で売っている瓶詰めのドライパセリは、家庭でも簡単に作れます。先ほどと同じように丁寧に水洗いし、水気を切ったパセリをざるなどに乗せて天日干しします。
天気にもよりますが、1週間ほどでカラカラになります。そしたら葉先のみを指で砕き、瓶などで保存して完成です。
もっと手軽に電子レンジでも作ることができます。よく洗い、よく水気を拭き取ったパセリを茎と葉先に分けます。葉先をクッキングシートに重ならないように並べ、耐熱皿に乗せてレンジで加熱します。
500wで2分加熱したら、扉をあけ、蒸気を逃がします。追加で30秒加熱したら様子をみて、カラカラになるまで追加で加熱していきます。保存袋に入れたら、粉砕して出来上がりです。加熱しすぎると焦げるので注意してください。
パセリを使った美味しい料理レシピを紹介
パセリは料理の脇役ではありません。パセリの風味を活かした美味しい食べ方はたくさんあります。パセリが主役になる、パセリたっぷりのレシピをまとめました。パセリの大量消費にもぴったりの食べ方ばかりです。
パセリたっぷりサラダ(タブーレ)
- パセリ2束
- トマト1個
- 紫玉ねぎ1/2個
- オールスパイス少々
- 塩少々
- レモン1/4個
- A・サラダ油大さじ1
- A・オリーブオイル大さじ1
- A・塩少々
- A・レモン汁少々
- パセリを2mm幅くらいに刻み、水を張ったボウルに入れます。
- パセリを水の中で2、3回洗ったら、水気をよく切ります。
- トマトは5mmほどの角切りにします(トマトの汁は捨てます)
- 玉ねぎは細かいみじん切りにし、オールスパイス、塩、レモンを絞り15分ほど置いておきます。
- 食べる直前に野菜全てをまぜ、Aの材料と和えたら出来上がりです。
中東ではおなじみのパセリをたっぷり食べられるサラダです。日本でも作りやすいよう、野菜のみでシンプルに仕上げたレシピです。
エスカルゴバター
- 無塩バター100g
- ニンニク1かけ
- パセリの葉30g
- 塩小さじ1/2
- こしょう少々
- バターは2cm角に切り、ボウルに入れて室温に置いておきます。
- パセリは水気をよく切り、粗みじんにします。
- ニンニクも粗みじんにし、全ての材料をフードプロセッサーにかけます。
- 滑らかになったらひとまとめにし、ラップに包んで棒状にします。
- 食べやすい大きさに切って使います。
フランスのブルゴーニュ地方ではおなじみのエスカルゴバターはその名の通り、エスカルゴ料理に使われるバターです。ですが、エスカルゴ以外にも様々な食べ方にアレンジ可能で、使い勝手のいいバターです。
バケットに塗ったり、ソテーに使ったり、野菜に塗って焼いたりと色々な楽しみ方ができます。冷凍して2週間持ちます。
パセリとセロリのサラサラふりかけ
- パセリとセロリの葉合わせて70g〜80g
- 塩小さじ2/3
- いりごま大さじ1と1/2
- 青のり大さじ1〜(お好みの量)
- 生姜スライス10枚
- 生姜、パセリの葉、セロリの葉を重ならないように天板に並べます。
- 100度のオーブンでパリパリになるまで乾燥させます。
- 乾燥したら手で細かくし、塩、ごま、青のりと混ぜたら完成です。
パセリとセロリを使ったふりかけのレシピです。生姜も入って栄養満点のふりかけになります。パセリの香りは和らぐので子供にも食べやすいでしょう。
パセリ入り梅納豆
- 納豆1パック
- パセリ小さじ1
- はちみつ梅1個
- パセリは軸の部分ごと刻みます。
- 納豆、パセリ、刻んだ梅と付属のタレを合わせ、よくかき混ぜたら完成です。
ご飯のお供に欠かせない納豆に、パセリと梅を合わせた爽やか風味のレシピです。パセリは茎ごと使い無駄のないレシピになっています。いつも納豆にはネギばかり、という方も試してください。
パセリトースト
- 食パン2枚
- パセリ適量
- チーズ適量
- マヨネーズ適量
- 食パンにマヨネーズを塗ります。
- 刻んだパセリ、ピザ用チーズをのせトースターで焼きます。
トーストの上にたっぷりのったパセリがなんともダイナミックなレシピです。パセリは適量となっていますが、焼くと縮むのでたっぷり乗せて大丈夫なようです。チーズとマヨネーズがパセリの風味を緩和し、子供でも食べやすいレシピです。
パセリ餅
- 角餅2個
- オリーブ油小さじ2
- バター小さじ1
- ニンニクのすりおろし少々
- パセリのみじん切り大さじ2
- 醤油大さじ1/2
- 餅は半分に切り、オリーブオイルを敷いたフライパンで焼きます。
- 持ちに火が通ったら火を弱め、ニンニクとバターを加えます。
- パセリを加えたら火を止め、醤油を回しかけ、全体に絡めたら出来上がりです。
パセリとお餅という、ビックリな組み合わせのレシピです。ニンニクとバターの風味にパセリが加わった、おつまみにも合いそうなレシピになっています。簡単に作れるのでぜひ試してください。
パセリの天ぷら
- パセリ2本(70g)
- 天ぷら粉
- 水
- 揚げ油
- パセリは洗って水気をよく拭き取り、食べやすい大きさにちぎります。
- ボウルに天ぷら粉、水をときます。
- 天ぷら粉にパセリを絡ませたら、180度の油でさっとあげます。
パセリが主役になる、天ぷらのレシピです。パセリの天ぷら?と思った方はぜひ試してください。パセリは加熱することで、独特の苦味が和らぎ食べやすくなります。さっと15秒ほどで揚げます。カラッと揚がったところを塩などで食べてください。
パセリたっぷり海老のアヒージョ
- オリーブオイル150cc
- ニンニク5かけ
- クレイジーソルト(または塩)
- こしょう
- 海老15尾ほど
- パセリひとつかみほど
- レッドペッパーフレーク(または鷹の爪)少々
- パプリカ小さじ1/2
- 海老は皮をむき、背わたをとって水気を拭き取ります。
- オリーブオイルに、潰したニンニク、鷹の爪を鍋に入れ、中火にかけます。
- 海老にクレイジーソルトとこしょうを強めにまぶし、強火に熱したフライパンで両面こんがり焼きます。
- ニンニクが色づいてきたら海老(レッドペッパーを使う場合はここで入れる)を入れ、さっと煮ます。
- 火を止めてパプリカを振り、パセリのみじん切りを加えて完成です。
海老のアヒージョにたっぷりのパセリを入れたレシピです。余ったオイルも美味しいのでパンにつけたり、パスタソースに使いましょう。
パセリとゴマのクッキー
- パセリ30g
- 小麦粉150g
- アーモンドプードル30g
- 無塩バター120g
- 粉砂糖60g
- 卵1個
- いりごま白・黒各大さじ1
- 小麦粉、アーモンドプードルは合わせてふるっておきます。
- 室温に戻したバターをボウルに入れ、泡立て器でよく混ぜます。
- 粉砂糖を加えながらさらに混ぜ、溶き卵も4、5回混ぜながら合わせていきます。
- 刻んだパセリ、ふるった小麦粉、ゴマを加え粉っぽさがなくまるまで混ぜます。
- ラップに包んで平たく伸ばし、冷蔵庫で一時間ほど休ませます。
- 生地を24等分して手で丸め、180度のオーブンで20分焼いたら出来上がりです。
パセリの風味とゴマの風味がいいアクセントになったクッキーです。料理以外にも、お菓子作りにもパセリぱ活用できます。体にいい素材がたっぷりなので、ぜひチャレンジしてください。
パセリは栄養価が高く料理にも使える
料理の脇役になることの多いパセリですが、実は様々な食べ方があり、レシピ次第では献立の主役になれる野菜です。栄養価も高く、健康にも嬉しい効能を発揮してくれます。
スーパーで見かけても使い切れるか自信がない、という方は冷凍保存が便利です。パセリをたっぷり使った料理の数々は、パセリの新しい美味しさを発見できると思います。美容健康のためにも、パセリの美味しさをたっぷり活用してください。