2019年03月31日公開
2024年09月10日更新
アブラツノザメとは?生態から釣り方・料理まで紹介
アブラツノザメは、日本近海にも生息しているサメです。背ビレにトゲがあるツノザメ科に属しており、北太平洋を中心に生息している比較的個体数の多いサメです。今回は、アブラツノザメについて徹底調査します。アブラツノザメはどんな魚なのか?特徴と生態、生息地域、名前の由来など詳しく調べてみました。さらに、アブラツノザメの釣り方、栄養と選び方、味わいや食べ方、レシピなども紹介します。
アブラツノザメがどんな魚か知りたい!
アブラツノザメは、ツノザメ目ツノザメ科に属するサメで、日本にも生息しています。変わった名前が付けられているアブラツノザメですが、どんなサメなのか気になります。特徴や生息域、釣り方など調べてみました。
アブラツノザメはどんな魚?
アブラツノザメは、サメの中で個体数の多い種類で、冷たい海に生息しています。ここでは、アブラツノザメの特徴と生態、生息地域、アブラツノザメと呼ばれるようになった名前の由来を紹介します。
アブラツノザメの特徴と生態
アブラツノザメの特徴を紹介します。アブラツノザメの大きさは、オスは70cmから75cm、メスは75cmから110cmでメスの方が大きく、最大級のものは2mにも達します。
アブラツノザメは、一般的なサメと比べて目が大きく、全体的に細長い体をしており、胸ビレ、背ビレ、大きな尾ビレがあり、2つの背ビレには、それぞれトゲがあります。体の色は背の部分が灰褐色をしており、背中の横に白い斑点があり、腹部は白色です。
アブラツノザメは昼行性で昼間に活動し、寿命が長く、オスが30歳から40歳、メスが50歳から60歳くらいと長生きで、世界で生息数の多い種類のサメです。
アブラツノザメの生息地域
アブラツノザメの生息地域を紹介します。アブラツノザメは、水温の低い海に生息しており、主に北太平洋の海水の温度が低い地域に住んでいます。日本では、日本海や太平洋の銚子沖以北に生息しており、主な水揚げ地は、青森県、岩手県、北海道です。
アブラツノザメは水深150mから600mの大陸棚や、水深900m付近までの大陸棚斜面などに生息しており、春にはエサを求めて北上し、寒い時期には南下します。アブラツノザメは体の構造上、15度以上の海水温に耐えることができないため、冷たい海水を求めて回遊するサメです。
アブラツノザメの名前の由来
アブラツノザメの名前の由来を紹介します。アブラツノザメは背ビレの前にトゲのあるツノザメ目ツノザメ科に属するサメです。
アブラツノザメは主に東北地方で食べられており、冷たい海に生息しているため脂乗りの良いツノザメで、煮ても固まらないのでアブラザメと呼ばれていました。このことから、「アブラツノザメ」と呼ばれるようになったという由来があります。
アブラツノザメの釣り方
アブラツノザメは、陸に近い大陸棚にも多く生息しており、船釣りをいていると間違って釣れてくることがあります。アブラツノザメを狙って釣る方は、まずいないと思いますが、ここでは、アブラツノザメの釣り方を紹介します。
主流は泳がせ釣り
アブラツノザメの釣り方は、泳がせ釣りが主流です。泳がせ釣りは、スズキ、ブリ、カンパチなど、魚を主食とする魚を釣るために行います。釣り針にエサになる小型の魚をつけ、自由に泳がせながら狙う釣り方です。
アブラツノザメも、泳がせ釣りをしていると釣れてくることがあります。スズキなどの大型の魚を狙っていると、外道として釣れてくることが多く、一般的な魚より個体数が少ないため、アブラツノザメだけを狙って釣る方法はありません。
泳がせ釣り用のタックル
泳がせ釣り用のタックルを紹介します。タックルとは魚を釣るための道具のことをいい、釣り竿をさるすロッド、糸を巻き取る道具のリール、釣り糸のライン、釣り針などの道具のことです。
大型の魚を釣る場合の、基本的な泳がせ釣り用のタックルを紹介します。釣り竿のロッドは、一般的な磯竿で3号から4号が丁度よいと思います。また、短めのロッドの場合の選び方は、硬めのロッドがを適しています。
リールは、シマノだと4000番台以上、ダイワだと3500番台以上が向いています。リールで巻くラインは、大型の魚を狙う場合、ナイロンの4号以上が必要です。
仕掛けとエサ
アブラツノザメを釣る場合の仕掛けとエサを紹介します。アブラツノザメは、海の上層より、中層から底付近で活動していることが多いので、その生息域を狙うのに適しているエレベーター仕掛けを紹介します。
エレベーター仕掛けは、オモリと釣り針だけの仕掛けです。ラインの一番の先端にオモリをつけ、そこから1mくらいのところに釣り針をつけます。オモリは15号から30号、ハリスは2号から2.5号、釣り針はチヌ針4号から5号です。
アブラツノザメを釣る場合のエサは、生きている魚を使います。泳がせ釣りで使われる魚は、一般的にアジ、イワシ、キス、ハゼなどが使われます。泳がせ釣りをする前に、現地でサビキ釣りなどをして、アジなどをのエサを釣りますが、釣りエサを扱っているお店で購入することもできます。
アブラツノザメの栄養と選び方
アブラツノザメは東北地方をはじめ、以前から食用として流通しており、サメ類のなかでは美味しい種類といわれています。日本では、津軽海峡が主な漁場で、水揚げされるのが北海道や青森県が主要港です。ここでは、アブラツノザメの味わい、栄養素、選び方を紹介します。
アブラツノザメの味
アブラツノザメの味を紹介します。アブラツノザメの身は白身で、少し赤みがかっているのが特徴です。味は白身ですので、クセがなく、サッパリとした味わいです。脂の乗りがよく、ふっくらとしていて食感もよいといわれています。
アブラツノザメは、皮以外は利用できる魚で、卵も販売されています。卵はピンポン球くらいの大きさで、加熱すると鶏卵のような味わといわれています。
アブラツノザメの栄養
アブラツノザメの栄養成分を紹介します。アブラツノザメの栄養素は、タンパク質と脂質で炭水化物は含まれていません。栄養成分は、葉酸と結合して赤血球中のヘモグロビン生成を助けるビタミンB12、抗酸化作用があり、体内の脂質の酸化を防いでくれるビタミンEが多く含まれています。
また、粘膜の保護や皮膚の再生に大切なビタミンA、タンパク質からエネルギーを作ったり、生筋肉や血液などを作る補助をしたり、皮膚や粘膜の健康維持にも役立つ働きがある、ビタミンB6も含まれています。
アブラツノザメの選び方
アブラツノザメの選び方を紹介します。アブラツノザメは東北地方で多く水揚げされ、そのままの姿で見ることは少ないと思います。もし、店頭で販売されていた場合のアブラツノザメの選び方を説明します。アブラツノザメの選び方のポイントは、体のハリがあるものがよいです。
アブラツノザメを店頭で見かけるのが、切り身になった棒サメとして販売されている場合です。棒サメの選び方は、身が盛り上がってハリがあり硬く、血合いが赤いものが新鮮なものといわれています。
アブラツノザメの食べ方/レシピ
とても美味しいといわれているアブラツノザメを食べてみましょう。ここでは、アブラツノザメの食べ方とおすすめレシピを紹介します。
新鮮なら刺し身が美味しい
アブラツノザメのおすすめの食べ方の1つ目は、刺し身でいただく食べ方です。魚ですので新鮮なもの限定ですが、刺し身で美味しくいただけます。白身で淡白な味わいで、身がプリプリとしいて、とても美味しいです。
定番の揚げ物
- アブラツノザメの切り身・4切れ
- 塩・少々
- 胡椒・少々
- 溶き卵(衣用)・適量
- 薄力粉(衣用)・適量
- パン粉(衣用)・適量
- アブラツノザメの切り身の両面に塩コショウをふっておく
- 薄力粉、卵、パン粉の順に衣をつける
- 揚げ油を熱して、衣がきつね色になるまで揚げればできあがりです
アブラツノザメのおすすめの食べ方の2つ目は、定番の揚げ物にしていただく食べ方です。脂の乗ったアブラツノザメの白身を使ってフライにするレシピです。切り身に衣をつけ、油で上げるだけの簡単レシピです。アブラツノザメの旨味を閉じ込め、フワフワ食感とサッパリとした白身を味わえる、おすすめレシピです。
赤身を使った照り焼き
- アブラツノザメ・100g
- 小麦粉・適量
- 醤油・大さじ1杯
- 砂糖・大さじ1杯
- 酒・大さじ1杯
- 水・大さじ1杯
- すりおろしニンニク・小さじ1/2杯
- アブラツノザメもを一口大に切り、小麦粉をつける
- 多めの油で、切り身をコンガリ焼く
- そこに、醤油、砂糖、酒、水、すりおろしニンニクを加え煮詰めればできあがりです
アブラツノザメのおすすめの食べ方の3つ目は、赤身を使った照り焼きです。小麦粉をつけ、コンガリと焼き上げ、魚の臭みもなくなる簡単レシピです。和風の味付けで、子供から大人まで美味しくいただける、おすすめレシピです。
アブラツノザメを釣りや料理で楽しもう!
いかがでしたか?アブラツノザメについて紹介しました。アブラツノザメは、東北地方で古くから食べられていた、美味しい食材です。サメですので、ちょっと怖いビジュアルですが、サメの仲間の中では抜群に美味しいといわれています。
狙って釣ることはできませんが、もし釣れたなら、レシピを参考にアブラツノザメを美味しく調理して食べてみてください。