2019年03月07日公開
2024年09月07日更新
イワナのおすすめ料理と食べ方!旬の時期や塩焼きのコツは?
イワナ(岩魚)は渓流釣りでも人気の美味しい魚です。料理も塩焼きだけでなくさまざまな調理法があり、山間部の食堂ではさまざまなイワナ料理が目を引きます。スーパーなどではなかなか買う機会も少ない魚ですが、買ってきたり釣ってきたイワナをいざ料理にしようとしたとき、その調理法に困ったことはないでしょうか?イワナが美味しい旬の時期や塩焼きなどのおすすめの食べ方を始め、寄生虫などの注意点まで紹介します。
イワナの料理方法について知りたい!
イワナは渓流釣りでも人気の川魚ですが、スーパーではなかなか目にする機会はありません。ですが旅行でちょっと出かけたときに、釣り堀などで釣ってくることもあるのではないでしょうか?
ところが普段あまり馴染みのない人にとっては、イワナの料理方法に困ってしまうことでしょう。イワナの調理法はもちろん、美味しい食べ方や食べる際の注意点までまとめて紹介していきます。
イワナとは?
イワナは岩魚とも書きますが、一体どんな魚なのでしょうか?川魚ということ以外は、渓流釣りが好きな人でもないと、あまり知らないことでしょう。まずは岩魚ことイワナがどんな魚なのかから紹介していきます。
イワナの特徴
イワナ(岩魚)はサケ科イワナ属の魚で、サケの仲間の川魚です。肉食性の食欲旺盛な魚で、動物性プランクトンから虫やカエル、時には蛇まで食べてしまうことでも有名な魚なのです。寿命は約6年ほどで、生後2年目以降18cm~22cmほどまで成長すると、数年にわたって繁殖します。
イワナは冷たい水を好む性質があるため、サケの仲間ではあるものの海には下りず、生まれた渓流で一生を過ごす河川残留型の淡水魚になります。イワナの亜種と呼ばれる仲間の中には、サケと同様に海に下りて成長してから戻ってくる、降海型のイワナもいます。
「岩魚」の名の由来は、岩陰に潜んで獲物を捕食する様子から、「岩魚」の字が当てられたとされています。元々イワナの「ナ」は魚を表しているため、そのまま岩魚となったのです。
近年環境の変化やニジマスなどの外来種の放流によって、在来種のヤマメや外来種との交雑種が増えていて、純粋なイワナが絶滅する危険性があると言われています。
イワナの旬/美味しい時期
イワナは秋に産卵期を迎えます。そのため6月から夏にかけて、卵を産むために身体に栄養を溜め込むこの時期が、イワナがもっとも美味しい旬の時期と言われます。
イワナは渓流釣りの対象魚でもあります。イワナ釣りの解禁時期は、イワナがもっとも美味しい旬の時期に合わせ、3月~9月に解禁となります。卵を持ち始めると栄養がそちらに取られてしまうため、身の味は落ちてきます。身の味を楽しむのであれば6月の梅雨の時期が一番美味しい旬の時期になります。
イワナの味
イワナの身は臭みもなくしっかりしていて、それでいながら淡白で癖のない上品な味わいをしています。そのため釣り上げたばかりの鮮度抜群のイワナは、生食で刺身にしても美味しく味わえる他、癖のない身を活かした塩焼きなどの焼き物や揚げ物も、おすすめの食べ方になります。
イワナの調理法と注意点
イワナは臭みの少ない魚ですが、その身体を覆うぬめりには臭みがあります。イワナのぬめりの取り方を始め、イワナの下処理の方法からおすすめの料理や調理法、そしてイワナを食べるときの注意点をまとめてみました。
イワナのぬめりを取る方法
イワナの体の表面はぬめりで覆われています。このぬめりには生臭さがあり、そのまま放置しておいては料理の風味を損なうばかりか、まな板の上で滑って調理しにくくなってしまいます。なのでまずはこのぬめりから落としていきます。
イワナ一尾に付き塩をひとつまみ~ふたつまみほど、振りかけていきます。塩をイワナ全体にまぶして身をつぶさないよう気をつけながら、こすってぬめりを落としていきます。最後に流水で塩ごとぬめりをきれいに洗い流せば、ぬめりの下処理は終了です。
エラ・内臓の取り方
イワナのエラの取り出し方は、イワナを腹を上にして置いたらエラ蓋の隙間から包丁の刃先を入れて、その刃先をエラの内側の隙間に入れます。そのままイワナの頭を回して包丁をまた板に当てるようにしたら、包丁でエラをまな板に固定してエラを引き出します。
岩魚の内臓を取り出すときは、肛門から包丁の刃先を入れて腹を切り開きます。包丁で内臓をかき出したら、流水で残った内臓と中骨に付いた血合いも洗い流します。最後に水気をふき取ったら下処理終了です。
この方法とは別に、壷抜きと呼ばれるエラと内臓を一緒に取り除く方法もあります。マスターしておくと手早く簡単に下処理で切るので、覚えておいて損はありません。映像はヤマメですが、イワナでも同じように壷抜きできます。
鮮度良いものは刺身で
イワナのおすすめの食べ方のひとつが、この刺身です。釣りたての鮮度の良いイワナでないとできない食べ方なので、釣ったその場で刺身にする場合は、包丁の裏で頭を叩いて野ジメにします。
新鮮なイワナの刺身は、脂ののりが良いだけでなく、後味に甘味を感じるといいます。観光釣り堀などでは、釣ったその場で捌いて刺身にしてくれるところもあるので、一度堪能してみたいおすすめのイワナ料理です。
塩焼きや揚げ物もおすすめ
イワナの定番の調理法と言えば、やっぱり塩焼きが真っ先に浮かぶ人が多いことでしょう。イワナの癖のない美味しさは塩焼きに向いていますが、塩焼きという調理法に向いているイワナのサイズは、20cmくらいの個体が一番美味しいとされています。
イワナを焚き火で塩焼きにするときは、串に刺したら焦らず遠火で焼くと美味しく焼きあがります。コンロで焼くときには弱火でゆっくり焼くようにしましょう。ヒレや尾の焦げ付きを防ぐために、多めに塩を付けておくときれいに焼けます。
さらにサイズの小さいイワナのおすすめの調理法は、唐揚げなどの揚げ物です。小さいイワナの唐揚げは骨まで楽しめるので、カルシウムの補給もできる健康料理です。
寄生虫に注意しよう
イワナの中でも天然のイワナを食べるときには注意点があります。寄生虫が付いていることが多いのです。渓流釣りに慣れている人は、この寄生虫を扱うときの注意点も熟知しているため、上手に処理をして安全にイワナを楽しめます。
イワナにつく寄生虫には人に害のないものもいれば、危険な寄生虫もいます。天然の川魚は総じて何らかの寄生虫をもっていることが多く、イワナも例外ではないという注意点があるのです。
そんなイワナの注意点も、養殖のイワナであれば心配要りません。管理された環境で育っている養殖のイワナには寄生虫がいないからです。そのため寄生虫に詳しくない人でも、安心して刺身で食べることもできます。
さらに寄生虫には加熱に弱いという弱点もあります。どうしても寄生虫が不安であるならば、塩焼きや揚げ物などの加熱料理にすれば、イワナも心配することなく楽しむことができます。
イワナの塩焼きのコツ
イワナの一番の定番料理である塩焼きは、その美味しさはもちろん、身離れの良さと皮目の美味しさでも人気があります。そんなイワナの定番料理である塩焼きを、美味しくきれいに焼き上げるコツをまとめてみました。
塩を振るタイミング
イワナの塩焼きを作るとき、塩を振るタイミングを考えることはほとんどありません。ですがこのタイミングが美味しい塩焼きを作るコツのひとつなのです。
イワナに塩を振るベストのタイミングは、焼く20分前~1時間前です。30cmほどの高さから、両面全体にムラなく均一に振りかけます。このとき塩の浸透圧で出てきた水分は、キッチンペーパーでこまめにふき取ります。
余熱をしっかりする
イワナの塩焼きを焼き始めるのにもベストのタイミングというものがあります。炭火で焼く場合は、炭全体に火が行き渡り、炭火が安定してから焼き始めます。満遍なく火が行き渡ってから焼き始めることにより、焼きムラを防ぐことができます。
グリルで焼く場合には、焼く前にグリルを熱して余熱を持たせておくと、熱が全体に行き渡ります。さらに酢や油をグリルの板面に薄く塗っておくことで、焼けた皮が付着して焼き崩れたりするのを防ぐ効果を期待できます。
火加減に気をつける
イワナの塩焼きでもよく言われる「強火の遠火」とは、炭火焼の場合に使われる言葉です。グリルなどで焼く場合には中火にして、1尾8分~10分を目安に焼きます。グリルなどでは炭火と違って火の位置がイワナに近いため、強火では焦げ付いてしまいます。
かといって弱火でイワナを焼くと、今度は旨味成分がイワナの水分と共に蒸発してしまい、パサパサで旨味もない塩焼きになってしまうのです。
裏返すタイミング
イワナの塩焼きの焼き加減でよく言われるのが「表6分、裏4分」です。裏返すタイミングがわかりにくいからといって何度も裏返していると、身崩れの原因になったりするので良くありません。中まで火が通っていない状態で裏返していると、かえって焼きムラの原因になったり焦げたりします。
半分程度に火を通すつもりで、むやみと裏返したりせずに、「表6分、裏4分」でしっかり思い切って焼くようにしましょう。
イワナの美味しい食べ方レシピ
イワナは生で刺身以外にも、定番の塩焼きのような焼き料理、揚げ料理に煮物料理と、さまざまな料理で楽しむことができる食材です。イワナの美味しいさまざまな食べ方を料理レシピと共に紹介します。
イワナのムニエル
- イワナ1尾
- 塩コショウ適量
- 米粉1/2カップ
- バター適量
- オリーブオイル適量
- 白ワイン大さじ1
- レモン1個
- パン粉大さじ2
- くるみ少々
- 添え物野菜お好みで
- 内臓と血合いを取って下処理を済ませたイワナを開き、塩コショウを振ったら米粉をまぶします。
- フライパンにバターとオリーブオイルを熱して、1を皮目を下にしてこんがり焼きます。
- 焦げ目が付いたらひっくり返して、蓋をしてから10分程度蒸し焼きにします。
- 白ワインを振り掛け、半分に切ったレモンを絞ったらお皿に盛ります。
- フライパンにバターを溶かしてパン粉を入れ、黄金色になったら残り半分のレモンを絞って、皿に盛ったイワナにかけます。
- フライパンでくるみを炒めて香りを出し、イワナの上に散らします。
- お好みの野菜を彩り良く盛り付けて完成です。
イワナの唐揚げ スイートチリソースかけ
- イワナ6尾
- 塩コショウ適量
- 片栗粉適量
- スイートチリソース大さじ2杯
- パクチー適量
- イワナの内臓や血合いを取り除いてきれいに洗います。水気を良くふき取ったら塩コショウを振って、火が通りやすいように切れ目を入れます。
- イワナ全体に片栗粉をしっかりとまぶしたら、180度の油でおおよそ5分~10分ほど、好みの揚げ上がりまで揚げます。
- 熱々のイワナを盛り付けたらスイートチリソースをかけ、好みでパクチーを乗せて完成です。
イワナの甘露煮
- A・イワナ10尾
- B・砂糖60g~70g
- B・醤油60cc
- B・みりん60cc
- B・お酒少々
- B・酢小さじ2
- B・唐辛子適量
- Aの内臓を取り除いたら素焼きして冷ましておきます。
- 圧力鍋にBを入れて混ぜ合わせ、1を重ならないように並べて蓋をして、7分~8分加熱します。
- 1を裏返してまた7分~8分加熱します。自然に冷ませば完成です。
心温まるイワナ汁
- イワナ1尾以上
- ネギ適量
- 水適量
- 味噌適量
- 下処理をしたイワナをぶつ切りにして、沸かしたお湯の中に入れます。ネギを好みのサイズに切って入れます。
- 好みの濃さより少し薄めになるように味噌を入れ、味が染みるまで長めに煮込みます。
- イワナに味噌の味が染みたら完成です。キャンプの締めにおすすめです。
イワナ料理を作ってみよう!
イワナはさまざまな料理で美味しく食べられる川魚です。旅行先で塩焼きを食べるのも良いですが、スーパーなどで見かけたときに自宅でもさまざまな料理を作って、いろいろな食べ方で楽しんでみてはいかがでしょうか?