ガムの原料は何?ガムは石油/プラスチックから作られている?

ガムの原料となるのは植物樹脂です。東南アジアや中南米に自生しているサポディラの樹が原料になっています。チクルとも呼ばれる天然成分です。ガムを噛んだ時に残る部分をガムベースと呼びますが、天然由来のチクルは徐々に高くなっているので、安価に使える酢酸ビニルと呼ばれる化合物からも作られています。酢酸ビニルは石油から作られた合成樹脂でゴムやプラスチックに分類されます。こちらではガムの原料や製造工程に安全性などの面を書いています。

ガムの原料は何?ガムは石油/プラスチックから作られている?のイメージ

目次

  1. 1◆ガムの原料の概要
  2. 2ガムのベースの原料はゴムや合成樹脂?
  3. 3ガムの製造工程
  4. 4ガムを飲んでも害はない?
  5. 5ガムの原料は安全だが天然由来のガムがおすすめ!

◆ガムの原料の概要

ガムの本体をガムベースと呼びますが、ガムベースの原料には自然の樹木から採取した天然由来の素材と合成樹脂による人工的な素材が存在します。天然由来のガムベースの原料がチクルと呼ばれ、主にメキシコなどが原産で輸入されています。対して合成樹脂などの人工由来のガムベースの原料は石油などになります。ガムベースは厳密には天然由来100%のものはないと言われます。

天然の樹脂から作られるチクル

現在は天然樹脂が原料のチクルから作られるガムベースは減っているのが現状です。どうしてもコストの面で石油を使った合成樹脂に押されているのが現状です。ですが、ロッテなどの一部の会社が扱う商品は天然樹脂のチクルを使った商品も販売しています。しかも天然樹脂か合成樹脂かを記載する義務がないために多くのガムにはガムベースに関する記載がありません。ですがチクルを使った商品はアピールされています。

石油から作られたプラスチック

ガムベースに含まれる成分には石油由来のプラスチックと同じ成分が原料に含まれます。酢酸ビニルと呼ばれる成分でプラスチックとほぼ同じです。現在の時点ではプラスチックが人体に入ることによる影響は分かっていません。そもそも、人間の糞便からはプラスチックが確認されていますが、それは魚介類や食塩の中からも確認されています。普段の生活から人間はプラスチックなどの多くの人工物を口にしていることが多いのです。

合成甘味料とキシリトール

人工甘味料についても現在の時点では人体への有害性は断定されていません。そもそも食品に使われる合成甘味料は国の試験をパスして、法律で安全と定められている量しか使われていません。それでも合成甘味料が危険視される理由は、長期に渡って摂取したときのデータの不足や、数種類の食事から摂取したときの相乗作用のデータ不足によります。原料のなかでもキシリトールは世界的に安全性の評価が高い甘味料です。

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ガムのベースの原料はゴムや合成樹脂?

ガムベースの主な原料には酢酸ビニルやエステルガム、ポリイソブチレン、炭酸カルシウムなどがあり各原料は国に安全性を認められたものになります。ガムベースは昔とは違って天然のチクルよりも石油由来の合成樹脂も多く使われているので、成分に対して不安の声は多くあがっています。ですが現在の時点ではガムの原料から健康被害は報告されていません。ゴムと同じような原料が心情的には不安になるようです。

酢酸ビニル樹脂

合成樹脂の原料である酢酸ビニルは石油から作られたプラスチックとほぼ同じ成分です。ただし明確に安全性が確認されている素材であり、胃腸では消化されないために身体には吸収されません。仮に一部が分解されたとしても、身体に残るのは炭素と水素、酸素になるので問題はなく、ガムが開発されてから100年たった今でも健康被害は報告されていません。もっとも身体の蓄積量とは症状が証明されていないだけの可能性もあります。

エステルガム

原料のエステルガム天然樹脂のロジンからとれるエスエル樹脂で古くから粘着剤や接着剤に使われてきたゴムの素材です。チューインガムの粘着性を出すためにも使われていますが、厚生労働省に認可されている食品添加物の一つです。食品に接着剤と同じ原料が使われていることにショックを受ける人もいますが天然の樹脂なので安全性は高いと言われます。そもそも昔の人が噛んでいたガムの起源は樹木からとれる樹脂そのものでした。

ポリイソブチレン

ポリイソブチレンは合成樹脂の一つでゴムなどの原料にも使われます。ポリイソブチレン自体は極めて安定性の高い物質なので噛んだくらいでは身体の中には入っていきません。また、仮にポリイソブチレンを飲み込んだとしても消化されることはありえないので糞便として体外に排出されます。下手な合成着色料などのような液体状のものより安全性は高く、ゴム成分よりも着色料のほうが危険視されることもあります。

炭酸カルシウム

炭酸カルシウムは卵の殻やサンゴの骨格、貝殻などに含まれている天然に存在する成分です。主にガムの噛みごたえや弾力性を出すために使用される成分で人体には悪影響はありません。むしろ炭酸カルシウムは骨格などの原料となります。学校の校庭などで白線を引くのに使われているのが炭酸カルシウムで少しくらい吸い込んでも問題はないので安全性は高いのです。基本的に排出されるので健康被害もありません。

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ガムの製造工程

ガムの製造工程はほとんどが機械で自動的に行われます。人の手をなるべく介しないことで品質は一定に保たれます。植物の天然樹脂を使っていても人口の合成樹脂を使っても製造工程はだいたい同じです。基本となるガムベースを作ってから、酢酸ビニルやエステルガムなどのその他の材料を混ぜます。それでガムベースは完成するので、ここからどんな甘味料や香料などを混ぜることで様々な種類のガムが完成します。

ベースの材料に加熱し溶かす

まずはゴムの原料にもなるチクルなどの植物樹脂を加熱して溶かします。これは人口の合成樹脂も同様です。ガムの原料となる樹脂は加熱の加減でムラが出来たりするので一定の温度で均一に熱を入れる必要があります。この加熱の工程が上手くいかないとガムの噛みごたえにはムラができて昔のガムのような違和感のあるガムになります。最近のガムが均一の固さに仕上がっているのは技術の進歩です。

その他の材料を加える

その他の材料とは先ほど紹介した酢酸ビニルやエステルガム、ポリイソブチレン、炭酸カルシウムなどになります。これらは主にガムベースを作るときの基本材料となりガムを噛んだ時の感触や弾力性を左右します。これらのガムベースの原料が一定に混ぜ合わされていないと品質の高いガムはできません。日本のお菓子は世界からも高い評価を受けていますが、その中でもガムの安全性や美味しさ、噛みごたえには定評があります。

甘味料や香料などを加える

甘味料にはアステルパームやアセルスファムカリウム、キシリトールなどがあります。アステルパームやアセルスファムカリウムは人工甘味料の中でも賛否が分かれる甘味料ですが、厚生労働省からはきちんと認可を受けており明確な健康被害は証明されていません。加えて香料なども天然の成分もありますが、合成された香料などもあります。ですが、どの成分も安全性は証明されており、キシリトールは特に評価の高い甘味料です。

形成され冷却

甘味料や香料を混ぜ合わせて柔らかく練り上げられたガムベースはいよいよ形成に入ります。形成されて冷却されれば普段から親しみのあるガムの状態になります。冷却されたガムの形は崩れにくくなるのであとは機械の流れで梱包されて完成です。梱包の前には人の手と目で品質のチェックを行って無事に検品が終われば出荷の準備に入ります。問題がなければ出荷の流れになり日常で購入できる店舗に配られます。

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ガムを飲んでも害はない?

ガムを噛み始めて味がなくなれば普通は紙に包んで捨てますが、誤って飲み込む人も少なくありません。さらにガムを捨てるのが面倒くさいから飲み込む人もいます。ですが、本来なら吐き出すことを前提に作っているガムを飲んでも身体に問題はないのでしょうか?ガムの本体はゴムなどにも使われる素材なので、もしゴムを飲んだことを考えれば、ガムを飲み込むのは不安に感じる人も多いと思います。

消化されることはない

大前提としてはガムは消化されることはありません。そもそもガムベースに使われている素材はその化学的性質のために身体の消化酵素や腸内細菌の力をもってしても消化はされません。一時期は飲み込んだガムは胃や腸に溜まると聞いたことがある人もいるかもしれませんが、消化できないものが胃腸に入って排出できないようなら身体の状態は異常です。健康な身体なら消化できないものを口にすればきちんと排泄されます。

基本的に食べ物で押し出され排出

食道や胃は常に蠕動運動を行っているので、その場にとどまり続けることは不可能なのです。そのためガムを飲み込んでも他の食事と一緒に順次胃から腸、腸から便として体外に排出されます。人間の身体は食事をして新しい内容物が胃に入ってくるごとに内容物を排出するように蠕動運動を行います。胃や腸の内側は無数の細かいヒダがついており水溶性のものも脂溶性のものも順次、肛門へと排出されています。

病気を招いた事例もある

基本的に飲み込んだガムは排泄されるものですが、例外的に消化器官に詰まることもあります。ガムは消化できないために常に同じ大きさになっています。そのためガムをまとめて噛んだり他の消化できないものと固まって腸などに詰まった事例があります。それが腸に大きなガムが詰まって腸閉塞になった例です。もちろん、かなり例外的な事件ではありますが、基本的にガムは飲み込まずに吐き出すのが大切です。

ガムの原料は安全だが天然由来のガムがおすすめ!

ガムの成分は厚生労働省から認可された成分のみで作られています。基本的に人体への健康被害が報告された成分はありませんが、身体のことを思えば合成樹脂よりも天然成分であるチクルをメインにしたガムのほうが身体に良いのは確かです。安全性というものは長い時間をかけて証明されるものなので、現時点では問題がない成分でも心配な人は天然のチクルをガムベースに使っているガムを選ぶのがおすすめです。

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