ガムを飲み込むと体に悪い?及ぼす影響や消化について解説!

ガムを飲み込むと体に悪いと聞いたことがありますか?子供から大人まで一度は食べたことがある、噛んで楽しむお菓子ですが、間違って飲み込んでしまったことがあると思います。実際のところ、本当はどうなのかわからないと思います。今回は、ガムを飲み込むと体に悪いのか?ガムは消化するのか?胃で溶けるのか?害はないのか?排出されるのか?危険性は?など体に及ぼす影響について解説します。

ガムを飲み込むと体に悪い?及ぼす影響や消化について解説!のイメージ

目次

  1. 1ガムは何からできている?
  2. 2ガムを飲み込むと体に悪い?
  3. 3ガムを飲み込むことの影響/危険性
  4. 4ガムを飲み込むと消化に7年間かかる説
  5. 5ガムは飲み込まずに紙に包んでゴミ箱に捨てよう!

ガムは何からできている?

今回にテーマ「ガムを飲み込むと体に悪い?」ですが、まず、ガムがどんなものなのか知る必要があります。ガムは、何からできているのか?なぜ、甘かったり苦かったりするのか?なぜ、いい匂いだったりスースーしたりするのか?調べてみました。

樹木から採取される樹脂がベース

ガムは何からできているのか?を説明します。ガムは、チューインガムを噛んだ後に残るガムベースに味や香りをつけ、噛むことで風味や食感を楽しむお菓子です。このガムベースは、樹木から採取される樹脂を使っており、中南米や東南アジアの一帯に野生する特定の樹木から採取されます。日本では自生しない樹木のため、以前はガムベースの原料として輸入していた歴史があります。

ガムベースの原料の代表的なものが、アカテツ科のサポディラという木からとった樹液です。この樹液は天然チクルと呼ばれ、樹液を煮つめて固めたものです。実際にはこのサポディラの気を含め、ガムベースに使用できる原木が減っきており、価格が高騰しているといわれています。最近では天然チクルの代わりに、ドイツで開発された酢酸ビニル樹脂のほか、エステルガム、ポリイソブチレン、炭酸カルシウムなどが使われています。

甘味料

ガムベースは無味無臭で、味や香りがありません。噛むことで楽しむお菓子ですので、味をつけています。甘味料には、砂糖やブドウ糖を使用したシュガータイプと、キシリトールなどを使用したシュガーレスタイプがあります。キシリトールはもともと少し甘みがあり糖を含んでいますが、特徴として虫歯予防効果のあるものとして甘味料に使われています。

ガムの味は、ペパーミントなどのミント系、レモンやオレンジなどのフルーツ系が定番で、シナモンなどのスパイス系や、コーヒーやコーラなど飲料系の味もあります。これらの味のフレーバーを組み合わせて、色々な味のガムができます

香り付け

ガムには香料を使って香りもつけています。ガムの香料は天然植物精油が一般的で、ペパーミントやスペアミントのミント系香料は、植物を水蒸気蒸留して抽出した植物精油です。レモンやオレンジなどの柑橘系香料などは、果物から抽出した植物精油です。

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ガムを飲み込むと体に悪い?

ガムがどのようにして、できているか判ったと思います。みなさん、ガムは食べたことがあると思いますが、ガムを出さずに飲み込んだことがありますか?間違って飲み込むときもありますし、ガムを捨てるところがなく、仕方なく飲み込む場合もあると思います。ここでは、飲み込んだガムがどうなるのか説明します

唾液で消化できる?

ガムを食べれば唾液がでます。ガムが唾液で消化できるかといえば、できません。ガムを噛み続ければ、やがて味がなくなり、ガムベースだけになります。味のないガム、つまりガムベースだけになったガムは、それ以上消化されることがなく、口の中にいつまでも残っています。

胃で消化できる?

ガムを飲み込むと、胃に届きます。食べ物が胃に届くと、大量の胃酸が分泌され、胃は収縮運動し食物が溶けるように分解します。ガムを飲み込むと、胃は同じように溶けるように消化しようとしますが、ガムは消化されません。ガムベースとなったガムは、栄養素がないため、溶けることなく、そのまま十二指腸、小腸へと送られてます

腸での吸収や排出は?

飲み込んだガムは、何も吸収や消化されずに小腸に届きます。小腸は、胃で溶けるように分解された食物から栄養分を吸収します。小腸に届いたガムには栄養分がありません。したがって、小腸でも吸収されることがなく、大腸へと送られていきます

飲み込んだガムは、ほぼ、そのまま大腸へと届きます。大腸は、水分やミネラルを吸収し、便を作る働きをしています。飲み込んだガムは大腸で排泄物の一部になり、排便の際に排出されます

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ガムを飲み込むことの影響/危険性

ガムを飲み込んでも消化されず、排便の際に排出されることが判ったと思います。しかし、ガムを飲み込んでも体に吸収や消化されないものの、なにも影響がないのでしょうか?ここでは、ガムを飲み込むことでおこる悪い影響や危険性について調べてみました

基本的に害はない

結論からいいますと、ガムを飲み込んでしまってても、基本的に害はありません。一般的なガムはほとんど栄養がなく、体に吸収されることはありません。口の中で噛んでいるときに甘味料などの物質が分解され、唾液と一緒飲み込む場合があり、わずかながら胃に届く程度です。胃では、それを溶けるよう分解してしまうので、ガムから体の中に吸収されるのもはなく、そのまま排出されるため基本的には害はありません

しかし、ガムを大量に飲み込む場合は影響がでます。正月によく食べるお餅のように、一度に大量にガムを飲み込むと、食道で詰まる可能性があり大変危険です。ガムを口いっぱい噛む方はいないと思いますが、悪ふざけでやってしまうと大変危険です。

酢酸ビニル樹脂は粘膜を刺激する

先にも紹介しましたが、最近ではガムベースに酢酸ビニル樹脂が使われているものが増えてきています。酢酸ビニル樹脂は、酢酸ビニルを幾つもつなぎ合わせるとできています。酢酸ビニルの原料は石油で、石油を精製すると、灯油、軽油、重質油、ガス、ナフサなどに分けられます。そのナフサを分解精製するとエチレンになり、エチレンと酢酸を、酸化的に反応させてできたものが酢酸ビニル(モノマー)です。

この酢酸ビニル(モノマー)は、つなぎ合わせる前の単体では、皮膚や粘膜、目に刺激を与える体に悪い影響を与える有害物質といわれています。しかし、酢酸ビニルを幾つもつなぎ合わせた酢酸ビニル樹脂は、食品添加物としての安全性は、色々な試験や検査で明確に確かめられています。食品衛生法には厳しい規格基準があり、基準に合格したものが食品添加物としてチューイングガムに使用されています。

脂分と混ざると溶ける

ガムベースに使われている酢酸ビニル樹脂は、脂分と混ざると溶ける特徴があります。油脂が混ざっている菓子類と一緒に食べると、酢酸ビニル樹脂が脂分と混ざると溶けるために、ガムが溶けた状態になります。チョコレート、クッキー、スナック菓子など、脂分の多い菓子類と一緒に食べると溶けてしまいます。

ガムを飲み込むと消化に7年間かかる説

「ガムを飲み込むと消化に7年間かかる」という噂を聞いたことがありませんか?かなり昔からあるアメリカの都市伝説で、ガムを間違って飲み込んでしまい、病院に駆け込んだという話もあります。この都市伝説について解説します。

アメリカの都市伝説

アメリカの都市伝説に、「ガムを飲み込むと消化に7年間かかる説」というものはあります。この都市伝説は誰がいいだしたのか分からず、ただの言い伝えが限在まで語り継がれたもののようです

医学的根拠はない

この都市伝説はかなり昔からいわれていたことで、実際には医学的根拠はないといわれています。実際、消化器専門の小児科医が、内視鏡の検査でガムが体内に残っているか検査をしたところ、残っていなかったという事実があります。飲み込まれたガムは、体外へ排出されたという結論です。

ガムが起因の腸閉塞などの事例もある

海外では、ガムが起因の腸閉塞などの事例もあります。いずれも子供ですが、一日にたくさんのガムを飲み込み、さらにキャンディの一種のタフィーも食べたことにより、排出されず腸でガムとタフィーがくっ付いて大きくなり腸閉塞なった事例があります。ガムを飲み込むのは、やはり危険です。

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ガムは飲み込まずに紙に包んでゴミ箱に捨てよう!

いかがでしたか?「ガムを飲み込むと体に悪い?」について色々調べた結果、基本的にはガムを飲み込んでも害はないことが判りました。ガムには栄養がなく、飲み込んでも害はなく吸収されることなく排出されます。人体に悪い影響を与えたり、危険性はありませんが、本来、ガムは噛んで楽しむものです。害や危険性がなくても、ガムは飲み込まずに紙に包んでゴミ箱に捨てましょう。紙がないからといって、ポイ捨てはダメですよ。

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