麹(こうじ)の正体は何?酵素と栄養の関係や塩麹も解説!

麹(こうじ)が近年ブームになっていたのを知っていますか?和食の基本となる醤油や味噌などの調味料は、麹なくして成り立たないくらい古来より大切にその食文化が受け継がれてきました。そんな麹に注目し、麹(こうじ)の正体は何?酵素と栄養の関係や塩麹も解説します。麹の種類や麹菌にはどのような効果・効能があるのか、また麹を肉に漬け込むとどうなるかなど、耳より情報もたっぷりとお届けします。

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目次

  1. 1麹とは?
  2. 2麹の酵素のはたらき!
  3. 3麹の栄養と効果効能
  4. 4塩麹・醤油麹の作り方と使い方
  5. 5麹は栄養価が高くて健康に良い!

麹とは?

麹は私たち日本人にとって、古来より和食のベースとなる醤油や味噌などの調味料として親しまれ、麹なくしては成り立たないほど、日本食の土台となる食材でした。現代まで日本固有の食文化を支えてきたのは、まさに麹の力といっても過言ではありません。そんな麹にスポットを当て、麹(こうじ)の正体は何?酵素と栄養の関係や塩麹も一緒に解説しています。麹の知らなかった魅力にも迫ります。

麹は国菌

まず、麹について説明します。麹とは原料となる米や麦、豆などの穀物類を蒸したものに麹菌を付着させ、繁殖しやすい温度や湿度の条件下で培養したもののことを言います。麹菌の代表的なものは「二ホンコウジカビ」で主に味噌や醤油、清酒などにも用いられます。2006年に日本醸造学会は麹菌を「我々の先人が古来より大切に育み、使ってきた貴重な財産」であるとして「国菌」に認定されました。

さまざまなカビの中から、昔の人は有用なニホンコウジカビ(麹菌)を見つけ、醤油や味噌、酒など、日本食と位置づけられる食材の調味料として大事に活用されてきたことが分かりました。またよく目にする「麹」「糀」ですが、呼び名はどちらも「こうじ」です。麹は中国からきた漢字で、糀は日本で作られた国字になります。どちらで呼んでも違いはありません。

麹の特徴

麹の特徴について紹介します。麹菌には他にも代表的なもので黄麹菌や黒麹菌、白麹菌と呼ばれる菌があります。黄麹菌はニホンコウジカビ同様に醤油や味噌、清酒の製造に使われます。胞子の色は黄色、黄緑色、黄褐色です。黒麹菌は主に泡盛の製造に使われます。胞子の色は黒褐色になります。白麹菌は主に焼酎の製造に使われます。胞子の色は褐色になります。その他一般的ではありませんが、紅麹菌やカツオブシ菌も麹菌の種類です。

麹の種類

次に麹の種類について紹介します。代表的なものに米麹、麦麹、豆麹があります。まず米麹は原料が米でできている麹のことを言います。主に米味噌、みりん、酢、甘酒の原料となります。麦麹は原料が麦でできている麹のことを言います。主に麦味噌、焼酎の原料になります。豆麹は原料が大豆でできている麹のことを言います。主に豆味噌の原料となります。このように麹はさまざまな形で調味料や酒類の重要部分を占めています。

麹の酵素のはたらき!

栄養素の分解

次は麹の酵素のはたらきについて紹介します。まず、栄養素の分解からです。麹には、栄養素を消化・吸収しやすく分解する効果があります。また旨みを感じるアミノ酸を生み出したり、食べ物を柔らかくする力があります。肉を麹につけると柔らかくなるのもこの作用からです。

消化のサポート

次のはたらきは消化のサポートです。麹にあるアミラーゼがデンプンをブドウ糖に変え、プロテアーゼがたんぱく質をアミノ酸に分解します。また酵素の力により、ある程度分解された状態で摂取できるため、体内で消化・吸収がしやすくなります。料理に麹をふんだんに使用することによって、料理がまろやかになり消化も助けてくれるとあっては有難い成分です。

腸内を健康に

次のはたらきは腸内を健康にする効果です。麹の酵素によって生み出される「オリゴ糖」は、腸内細菌の1つ善玉菌の大好物です。これをエサにして善玉菌が繁殖します。よって、腸内細菌を元気にするはたらきがあることから、体調も良く快便につながります。

ビタミンの生成

次のはたらきはビタミンの生成です。菌は代謝の過程の中でビタミンB1、B2、B6、ナイアシン、ビオチン、パントテン酸、イノシトールなど肌の代謝に関わるビタミン類を生成します。これだけのビタミン類が一気に生成され、麹の成分を使用した化粧水が開発されるのには、肌に良い栄養素であるということが実証されたからです。

麹の栄養と効果効能

ビタミンB群による疲労回復や美肌効果

ブドウ糖は甘酒に含まれ、麹菌によって既に分解できているため、効率よくエネルギー源を吸収してくれることから胃腸に優しく、夏バテで胃酸が出にくい時はぜひ甘酒を飲みましょう。疲労回復にも役立ちます。またアミノ酸やビタミンB群も多く含まれているので、美肌効果が期待できます。ミネラルも類も豊富なことから、これらの成分がなんと点滴と同じとも言われるくらいに良い成分なので、体調を整えたい時にぜひ飲んで下さい。

葉酸による貧血予防や生活習慣病予防

麹菌に含まれる酵素は抗酸化作用があるので、老化の元凶となる活性酸素の発生を抑制してくれる効能があります。葉酸による貧血予防や女性ならではの悩みである生理痛や生理前のイライラ、肌荒れといった月経前症候群の解消、母乳の出を良くする効果もあるので進んで摂り入れたい栄養素です。また、動脈硬化や高血圧などの生活習慣病の予防にも役立つので、家族みんなで甘酒や料理にと食卓に登場させて下さい。

ブドウ糖は食べ過ぎ予防に

ブドウ糖には、消化を補助する役目の他にも血糖値を上昇させる効果があり、少量でも空腹感を抑えてくれるため、上手く使えばダイエットの強い味方になってくれます。また、イライラを抑えるGABAというアミノ酸由来の物質が食べ過ぎを防止してくれる効能があります。

GABAにはリラックス効果

前述でも紹介のあったGABAといったアミノ酸由来の物質にはイライラを抑えてくれる効果があります。ストレスは溜めないで甘酒を飲んでよりリラックス効果をはかりましょう。また、甘酒はダイエットのサポート飲料であり、飲む点滴とも言われるくらい体に良いので、進んで飲みましょう。

ペプチドは血液をサラサラに

麹の栄養成分にはビタミンB群が種類豊富で、特に甘酒は血行と代謝をアップさせ、毛細血管の隅々まで栄養素を届け、ペプチドは血液をサラサラにしてくれ、老廃物を流してくれる効能があります。むくみ知らずの健康的な体に整えてくれる働きがあります。

麹酸は美白効果が

甘酒にはビタミンB群が種類豊富に含まれているのは説明の通りですが、飲酒や喫煙、ストレスで欠乏しやすい皮膚の状態を整える働きのあるビオチンを含んでいるので、目の下のくまやシミ、くすみなどの肌荒れにも絶大な効果と効能があることで知られています。

オリゴ糖や食物繊維は便秘予防に

甘酒には食物繊維やオリゴ糖も種類豊富に含まれており、この成分には腸内の中の善玉菌を増やして腸内環境を整えてくれるので、便秘予防や解消に一役買ってくれます。麹菌はたとえ死骸となっても腸内の善玉菌のエサとなるので、免疫活動を活性化して免疫力を高める効果や効能もあります。風邪などのウイルスも寄せ付けない体作りができます。

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塩麹・醤油麹の作り方と使い方

塩麹の作り方

酵素の力で肉や魚、野菜などを漬け込むことで旨みたっぷりになり、また塩の代わりに料理にも使える万能調味料が塩麹です。バリエーションよく使えてコクをプラスします。それでは早速作ってみましょう。その際、事前に保存容器(瓶やタッパーなど)を用意しておきます。

  • 乾燥米こうじ200g
  • 水250cc
  • 塩60g

  1. 瓶などの保存容器の中に乾燥米こうじや水、塩を加えしっかりと全体に混ぜ合わせます。
  2. 1日1回かき混ぜ、1~2週間常温で発酵させたら塩麹の完成です。

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醤油麹の作り方

次は、ディップやソースのように使えてアレンジ自在な醤油麹です。旨みたっぷりな調味料となり、重宝します。塩麹の作り方同様に、事前に保存容器(瓶やタッパーなど)を用意しておきましょう。瓶の場合は煮沸消毒したものを使うようにしましょう。作り方の注意点として、混ぜた直後は塩麹も醤油麹も水分が出て分離しますが、時間が経つと水分がなくなります。ここで水などは足さないでかき混ぜることがポイントになります。

  • 乾燥米こうじ200g
  • しょうゆ(たまり醤油)300cc

  1. 保存容器の中に乾燥米こうじとしょうゆを入れ、しっかり全体に味が馴染むように混ぜます。
  2. 1日1回混ぜて、1~2週間常温で発酵させたら完成です。

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保存方法と保存期限

塩麹と醤油麹を保存する際には、冷蔵庫保存が望ましいです。そして冷蔵保存した塩麹と醤油麹はできるだけ3ヵ月以内に使いきるようにして下さい。また、水分が上がって分離することがありますので、使う時には一度よくかき混ぜた後に使いましょう。
 

塩麹・醤油麹の使い方

塩麹や醤油麹の使い方は、肉や魚に漬け込んでから焼くと、味がまろやかになり時短料理にもなります。また煮物に加えるだけで、ぐんと味わい深くなります。野菜の炒め物も加えるだけで味にしまりが出て、さらには後味引くような旨みがプラスされます。自身でも研究しながら美味しさを見つけてみてはいかがでしょうか?

麹を使うと肉が柔らかくなる?

美味しいステーキが食べたいけれど、上質な肉は高いから手が出ないと安い肉を手に取ったものの、繊維質が硬い肉を目の当たりにして溜息をついていませんか?そんな時には麹を使って硬い肉を柔らかくする効果があるのだそうです。「麹甘酒」でお馴染みのマルコメでは、温度30℃の環境で30分間塩麹に漬け込んで加熱した鶏肉、牛肉、豚肉のカットする圧力を「破断応力実験」で測定しました。

鶏肉や牛肉を塩麹に漬け込んでいないものと比較してみます。すると、お肉が切れる圧力が38%低減し、豚肉でも18%低減したことが分かりました。この結果、塩麹に漬け込んだ肉は、肉の繊維質をまろやかにさせ、柔らかくする効果があることが分かりました。また、そのまま焼いても抜群に味が良いことから、調味料のように使用してもおすすめです。ぜひ肉料理に進んで取り入れて下さい。

麹は栄養価が高くて健康に良い!

今回は、麹(こうじ)の正体は何?酵素と栄養の関係や塩麹も解説しました。麹の特徴や種類について理解を深め、さらには麹の効能や効果にも触れて、美容と健康にも良いことが分かりました。一時のブームで品切れが続出した麹ですが現在では容易に手に入りますので、手作りしてみて下さい。また、時間がない方でも市販の塩麹などが売られているので、その効果をすぐに試せます。ぜひ皆さんも麹で健康生活を送って下さい。

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