餅は消化に良い?悪い?消化にかかる時間と腹持ちの良さを調査!
餅は昔から消化に良いと言われますが、本当に消化がよいのでしょうか?お正月に餅を食べた後に消化不良や辛い便秘になって、楽しいはずのお正月が痛いお正月になってしまったという人も多いのではないでしょうか?餅の消化にかかる時間は、本当にはやいのでしょうか。?餅の腹持ちの良い言われる原因に血糖値が関わっていたなど、餅の秘密を調べてみました。改めて餅を再発見して、健康的な食べ方をしていきましょう。
餅は消化されやすい食べ物!
餅を食べ過ぎて、便秘や消化不良を起こしてしまったという苦い思いをされた方、多いのでは、ないでしょうか?餅は、消化されやすい食品とよく言われます。消化されやすいのに、どうして消化不良や便秘になってしまうのでしょうか?ただ食べすぎただけで、消化不良や便秘を起こしてしまうのでしょうか?改めて、餅を見直してみましょう。餅の知らなかったパワーを知って、美味しく元気に餅を食べつくしましょう。
餅の消化にかかる時間
餅は消化の良い食べ物といわれていますが、そもそも餅は何でできているのでしょうか。餅の主な成分はでんぷんです。それでは、でんぷんは、どんなものなのでしょうか。でんぷんは、体の中でブドウ糖に変化して、体のエネルギーの元となったり、脳の活性化にとっても大切な栄養素でもあります。では、餅のでんぷんはどのようなものなのでしょうか?
でんぷんが、他の成分に比べてそもそも消化の良いものなのです。さらに餅は、もち米を蒸してついて作る食べ物で言わば、赤ちゃんの離乳食のようにすりつぶした消化しやすい形状になっています。そのため、一般的に餅は胃に入ってから、1時間から2時間半というはやさで消化されると言われています。他の食品は、消化されるのに2時間から3時間かかる事から比較しても、消化速度は速い事が分かります。
冷めた餅は消化が悪くなる?
どんな餅でも消化が良いのでしょうか?答えは餅は、温かい状態のみだけです。確かに冷めた餅は、カチカチに固くなり、味も悪くなります。これは、餅のでんぷんが変化するため起こる現象です。餅の中で、でんぷんがどのように変化しているのでしょうか?
温かい餅は柔らかくモチモチの食感のαでんぷんという状態です。ところが、餅が冷えると、急速に固くなり、消化不良を引き起こしてしまうβでんぷんという状態になってしまいます。これは、でんぷんの再結晶化が起きたために、このような変化が起きたのです。子供のころ、餅は温かいうちに早く食べなさいと大人にせかされた事を思い出しますが、そのような理由があったのでしょう。
消化に良い餅の食べ方は?
消化しやすい餅を美味しくさらに消化よく食べる方法があります。それは、大根おろし餅です。さっぱりしていてペロリと食べられます。この大根おろしの大根には、アミラーゼという成分が含まれていて、消化を助けてくれます。すぐにエネルギーが欲しいマラソン選手や受験生には、特におすすめな食べ方です。
大根おろしもちの作り方
- 大根(10cm)をすり下ろします。軽く水けを切ってしょうゆ(大さじ1)とかつおぶし(少々)まぜます。
- 餅を2個をオーブントースターで焼きます。餅が膨らんでくるまで焼いたら、取り出します。
- 焼いた餅を大根おろしの中に入れて、絡ませます。
餅が膨らんだ後、大根おろしの中に入れると、急速に小さくなります。餅のカリカリのところもあって、美味しいです。大根おろしが辛い場合は、しょうゆを入れる前に大根おろしに水を足して、しばらく置いておくと、大根の辛みが減ります。是非、作ってみてください。
餅の腹持ちが良いのはなぜ?
餅は腹持ちがいいとよく言われます。消化早いということは、胃を早く通過するということなのに、腹持ちがよいというと、お腹にとどまっているような印象があります。腹持ちがよいのと、消化のよいのは、矛盾しているように思われるかもしれません。餅はどうして腹持ちがよいと言われるのでしようか?
血糖値の上昇が空腹を感じにくくする原因
餅の主な成分であるでんぷんは、炭水化物で糖分が多く含まれています。その糖分は、血糖値を上昇させます。さらに血糖値を上昇した状態が維持されます。人間は、血糖値の上昇によって、満腹感を感じるために、空腹を感じにくく腹持ちがよいと感じます。餅の腹持ちが良いことは、血糖値の上昇が関係していたのです。
餅とご飯の消化はどちらが早い?
でんぷんを多く含む食品といえば、ご飯があります。ご飯の方が毎日食べる事が多く、なじみ深い人も多いでしょう。ご飯は、うるち米でできています。一方、餅はもち米でできています。味も、もち米とうるち米も似ている両者ですが、どのような違いがあるのでしょうか?餅とご飯を比べてみましょう。
うるち米も、もち米同様にでんぷんでできています。ただ、うるち米ともち米では、でんぷんの種類がすこし違っています。でんぷんの種類をご飯と餅で比較してみましょう。ご飯のでんぷんはアミロースとアミロペクチンでできています。餅は主にアミロペクチンだけです。アミロペクチンがもっちり食感の決め手です。アミロースは、アミロペクチンに比べて消化が遅く、時間がかかるため、ご飯より餅の方が消化がはやいです。
餅とご飯のカロリーと炭水化物の含有量の違い
次に、ご飯と餅のカロリーを比べてみましょう。同じ100gで比べると、ご飯(小さめお茶碗1杯分)168キロカロリー、餅(2個分)は、235キロカロリーです。やはり餅の方が栄養価が高い事が分かります。昔から「力うどん」など餅が入ると栄養満点だと思われていたことが分かります。ここぞという時に餅の栄養が注目されていました。
炭水化物は、どちらが多いのでしょうか?同じ100gで比べてみると、ご飯は、37.1g。餅は、50.3g。やはり餅の方が炭水化物が多く含まれています。そのため、炭水化物は、血糖値の上昇を起こすので、ご飯より炭水化物をより多く含む餅の方が腹持ちがよいです。
餅は食べすぎると便秘や消化不良になる?
消化の良く、栄養価が高い餅は便秘になりやすいと聞いたことはありませんか?実際、お正月になると、餅を食べすぎてお腹を壊した・・・なんて話をよく聞きます。餅の食べ過ぎが原因て消化不良を起こす事はあるのでしょうか?また、消化不良や体調が悪い時に、餅を食べることは大丈夫なのでしょうか?
餅のせいで便秘や消化不良にはならない
餅を食べる食卓を思い返すと、餅だけをひたすら食べていませんか?運動もせずにのんびりしては、また餅を食べたり、、。特にお正月によく見かける光景かもしれません。運動不足に加え、餅だけたくさん食べると、お腹いっぱいになって他の料理や食べ物を食べたくなくなってしまいます。
そうなると、栄養が偏って結果的に消化不良を起こし、便秘になりやすいです。餅自体に消化不良や便秘を引き起こしてしまう原因があるわけではないです。
消化不良や便秘の時に餅は食べない方がいい
栄養価が高く、消化時間がはやい餅ですが、では、逆に体調不良や消化不良の時に餅を食べるのは、良いのでしょうか?なぜ、体調不良の時は、なぜお粥の方が好まれるんでしょうか?
消化不良や便秘の時には、あまり餅をおすすめしません。餅は、しっかり噛まないと消化不良を起こしてしまいます。風邪などの体調不良の時には、しっかり噛まないといけない餅は、なかなか食べにくい食品です。体調不良の時は、お粥のほうがサラサラと食べられるので、良いでしょう。また、便秘を治してから餅を食べるのが賢明な判断だと言えるでしょう。
餅を食べる際は水分や食物繊維も一緒に摂ろう
餅を食べるときは、バランスよくを意識しましょう。切り餅を焼くにせよ、餅だけを食べるのではなく、他の野菜や肉、魚を食べ、スープやみそ汁などを一汁三菜を意識しながら食べましょう。雑煮など野菜を一緒に摂れるメニューであれば、水分や食物繊維も摂れるので、おすすめです。餅だけを食べ過ぎて、消化不良や便秘にならないようにしましょう。
餅鍋も栄養満点!
おすすめなのは、餅鍋です。しゃぶしゃぶなので餅をいれたりすることは、よくありますが、調味料のように餅を入れるのもお手軽な方法です。水炊きやちゃんこなど、お好みの鍋に餅を人数分ぐらい入れます。良く煮込みます。そうすれば、餅が溶けて、とろみの付いた鍋に大変身です。
冷めにくいため、寒い冬の季節にぴったりなメニューです。おまけに野菜も水分も取れます。また、栄養満点で、腹持ちも良いので、一品で十分。献立も考える手間も省けます。
餅は消化に良いが食べ方に気をつけよう!
餅は栄養満点で消化されやすい食べ物です。また、血糖値を上昇させて腹持ちもよい素晴らしい食品です。最近は、お正月以外でも、スーパーマーケットでも手軽に買えるようになってきました。また、餅を食べすぎてお腹が痛くなるんじゃないかと避けるよりも、餅を上手に食卓に入れて、料理に組み込みましょう。
消化不良の時や便秘の時は、控えたり、水分や食物繊維を忘れずに一緒に摂るなど、注意点をおさえれば、餅が私たちの食卓を彩り豊かにしてくれる味方になるでしょう。