じゃがいもの品種【きたあかり】とは?特徴や簡単レシピも!
日々の食生活の中で野菜は欠かせませんが、野菜にもたくさんの種類があります。ジャガイモもそのうちの一つですが、メークインや男爵など品種によって味わいや食感が変わる面白い食材です。今回はその中でもきたあかりという品種に注目していきます。身近な食材であるジャガイモですがきたあかりにはどのような特徴があり、実には毒があるのかや食べると美味しい旬の時期、きたあかりを使ったレシピなどを紹介していきます。
きたあかりとは?
身近な食材であるジャガイモですが、スーパーで売られているジャガイモをよく見るとメークインや男爵、きたあかりなど品種が書かれていることが多いです。では、きたあかりとはどのような特徴のあるジャガイモなのでしょうか。
きたあかりはジャガイモの品種
きたあかりとはジャガイモの品種の一つで、昭和50年に北海道の農業試験場で男爵薯とツニカという品種を交配させて作られました。切ると男爵よりも黄色が濃いことから黄金男爵や色と食感からクリじゃがいもと呼ばれることもあります。現在ではほくほく系ジャガイモの代表的な品種です。
きたあかりという名前の由来はジャガイモの天敵となる虫の被害から守り、北の大地に希望と明るさをもたらす願いが込められて付けられました。主な生産地は品種が開発された北海道で、十勝地方や網走地方で生産されています。
きたあかりの特徴
続いてきたあかりの特徴ですが、見た目は男爵と同じような見た目をしています。しかし、きたあかりは芽の周りが赤みがかっているため、男爵ときたあかりを見分けることが可能です。果肉の部分は男爵よりも濃い黄色で、加熱するとホクホクとした食感になるという特徴もあります。
そのほかにもビタミンCの含有量が他のジャガイモの品種と比べて高く、ジャガイモに対して害のあるジャガイモシストセンチュウに対して抵抗性があり収穫までの期間が短く収穫量が多い品種です。
きたあかりの旬
ジャガイモには旬の時期が2回あり、新じゃがと呼ばれる春と春植えのものが収穫される秋が一般的です。対して、きたあかりの生産は春先に種芋を埋めて育てる方法が主流のため、きたあかりの旬は収穫できるようになるまで育つ秋が旬の時期になります。旬の時期のおいしいきたあかりを食べるのならこの時期に買うようにしましょう。
きたあかりと男爵いもの違いは?
男爵をもとに品種改良をして作られたきたあかりですが、きたあかりと男爵にはどのような違いがあるのでしょうか。きたあかりと男爵と大きな違いは加熱したときの食感と味わいです。男爵はメークインと並びジャガイモの定番的な品種ですが、切ったときの断面は白っぽく加熱することによってホクホクとした食感になります。
対してきたあかりは切った断面は黄色っぽく、男爵よりもホクホクとした食感と甘みが強いのが特徴的です。きたあかりは品種改良によって男爵よりもホクホクした食感といもの甘みが強くなった品種とも言えます。
きたあかりの実には毒がある?
普段何気なく食べているジャガイモですが、ジャガイモはナス科の植物でトマトやナスなどの仲間に当たります。そのため、ジャガイモも花が咲き実をつけます。しかし、ジャガイモ品種によって実が付きやすい付きにくいがあるため必ずしも実がなるわけではありません。ですが、きたあかりの花は受粉能力が高いため実を付けやすいです。
実はトマトのような見た目をしており緑色をしていますが、実には毒素が含まれているため食べるのには向いていません。そして、普段食べている部分は地下の茎が肥大化した塊茎という部分を食用としています。食用とするジャガイモの芽にもソラニンという毒の成分が含まれているため注意が必要です。
きたあかりの食べ方と保存方法
続いては、きたあかりを美味しくいただく食べ方と保存方法についてです。きたあかりを美味しくいただくにはどのように保存し、どのように食べるのがベストなのでしょうか。
きたあかりはじゃがバターに最適
きたあかりを美味しくいただくために一番のおすすめ調理法はじゃがバターです。ホクホク感と甘みが強いきたあかりはじゃがバターに向いている品種で、きたあかりの持つ良さを活かした調理法です。旬のおいしいきたあかりが手に入ったらじゃがバターで食べるのがおすすめです。
きたあかりは煮崩れしやすいので汁物や煮物に食べるときは注意
ホクホク感と甘みが強いのが特徴のきたあかりですが、男爵をもとに品種改良を行っているため煮崩れしやすいという特徴もあります。そのため汁物や煮物などに使うときは煮崩れしないように優しく加熱することが重要です。
きたあかりの保存方法
きたあかりを保存するときは、いもが呼吸できるような状態にして水分が飛ばないように保存するのが大切です。そのため、ビニール袋に入れて保存するのはできるだけ避け、空気の出入り口を作れる段ボールや紙袋などに入れて低温の冷暗所で保存するようにしましょう。その時に保存する場所の湿度が90%程度あるのがベストです。
きたあかりの簡単おすすめレシピ
ホクホクとした食感と甘みの強さが特徴のきたあかりですが、きたあかりを使ったレシピにはどのようなものがあるのでしょうか。きたあかりを使った簡単メニューを紹介します。
シンプルに揚げるだけ「きたあかりのフライ」
きたあかりを使った簡単レシピ一つ目は、きたあかりの素材をそのまま生かしたフライドポテトです。皮付きのまま揚げるのがおすすめですが、芽の部分にはソラニンという毒素成分が含まれているため芽の部分はしっかりと取り除くようにしましょう。揚げたてをすぐに食べるのがおすすめです。
- きたあかり好きなだけ
- 塩少々
- 揚げ油適量
- きたあかりはたわしなどを使ってきれいに洗い、皮は剥かずに芽の部分だけ取り除き食べやすい大きさに切っておきます。
- ボールに水を張ってその中に切ったきたあかりを加え、10分程度水にさらしたら水気を切って電子レンジで加熱しておきます。
- きたあかりの水気をしっかりと取ってから油で揚げていきます。
- カリっと揚がったら網をかませたバットなどに移してしっかりと油をきってから塩を振って完成です。
バターの香りが食欲をそそる「じゃがバター」
きたあかりを使った簡単レシピ二つ目はジャガイモの風味とバターの風味が合わさって食欲をそそるじゃがバターです。電子レンジを使って簡単に作れるおすすめレシピです。フライと同様に、皮付きのまま調理するため毒素が含まれる芽の部分はしっかりと取り除くようにしましょう。
- きたあかり5個
- バター適量
- 塩少々
- コショウ少々
- きたあかりはたわしなどを使ってきれいに洗い、皮は向かずに芽の部分だけを取り除きます。
- きれいに洗ったきたあかりをそのまま耐熱容器に入れ、500Wの電子レンジで8分ほど加熱していきます。
- 柔らかくなったらレンジから取り出し、塩とコショウを適量振りかけバターをつけて完成です。
ジャガイモを使った定番サラダ「きたあかりのポテトサラダ」
きたあかりを使った簡単レシピ三つ目は、ジャガイモをつかった定番料理であるポテトサラダです。今回紹介するレシピではきたあかりを茹でて使っていますが、電子レンジで柔らかくなるまで加熱するのもおすすめです。
- きたあかり500g
- きゅうり1本
- ハム3枚
- にんじん1/4本
- 卵1個
- 塩少々
- コショウ少々
- マヨネーズ大さじ2
- きたあかりをきれいに洗い、皮をむいて毒素を持っている芽の部分をしっかりと取り除き火の通りやすい大きさに切っておきます。
- 切ったきたあかりを水から茹で、同時にきゅうりは半月切りに切って塩もみをしておきにんじんはいちょう切りに切って柔らかくなるように電子レンジにかけます。
- ハムを1cm程度の角切りに切ります。
- 別の鍋で卵を茹で、ゆで卵を作って適当な大きさに潰しておきます
- きたあかりが柔らかくなったら水気をしっかりと飛ばし、フォークなどを使って粗めに潰して他の食材すべてと混ぜ合わせて完成です。
電子レンジを使って簡単に「きたあかりのマッシュポテト」
きたあかりを使った簡単レシピ四つ目は、電子レンジだけで作る簡単マッシュポテトです。きたあかりの皮をむいて適当な大きさに切ったらあとは包丁いらずで作れます。きたあかりが柔らかくなるまで電子レンジで加熱したら残りは予熱を利用して調理を行います。
- きたあかり2個
- ツナ缶20g
- マヨネーズ大さじ1/2
- 塩少々
- コショウ少々
- とろけるチーズお好みの量
- 生クリーム適量
- きたあかりをきれいに洗い、皮をむいて毒素を含む芽の部分はしっかりと取り除いて火の通りやすい適当な大きさにカットします。
- 切ったきたあかりを耐熱容器に入れ、電子レンジで柔らかくなるまで加熱します。
- 柔らかくなったら取り出し、スプーンなどを使ってしっかりと潰していきます。
- きたあかりをしっかりと潰せたらあたたかいうちに残りの食材をすべて入れ、しっかりと混ぜて完成です。
きたあかりを美味しく食べよう!
今回はジャガイモの品種のひとつ、きたあかりについて紹介してきました。男爵とツニカという品種を交配して作られたきたあかりは甘みが強く加熱するとホクホクとした食感になります。しかし、煮崩れしやすいためカレーや肉じゃがなどの煮込む料理には向いていません。
ですが、じゃがバターやポテトサラダとは相性がよく、きたあかりを美味しく食べるのにおすすめです。秋になるときたあかりは旬を迎えます。美味しいきたあかりをふんだんに料理に使って美味しくいただきましょう。