2018年07月15日公開
2024年07月24日更新
メジナ(グレ)料理でおすすめは?刺身・塩焼きなど美味しい食べ方を紹介
海釣りが好きな方なら一度は釣ってみたい魚にメジナがあります。メジナは魚屋であまり見かけない魚ですが、その美味しさはメジナの地味な見た目とは違い、絶品の一言です。また、メジナは地方によってグレやクロなど呼び方が変わる魚でもあります。そこで今回は、「メジナ(グレ)料理でおすすめは?刺身・塩焼きなど美味しい食べ方を紹介」と題しまして、メジナの特徴から、さばき方、料理、食べ方など詳しくお伝えしていきたいと思います。
メジナは食用としては地味だが美味しい魚
メジナはスズキ目・イスズミ科に属する魚で、東南アジアの温暖な浅海に分布する海水魚です。日本では北海道から沖縄までの岩礁地帯に生息しています。ただ、沖縄では稀に釣れることはありますが、主に本州でよく釣れる魚です。メジナは成長すると体長が60cmにもなりますが、一般的によく目にする大きさは40cmくらいのものです。また、見た目がクロダイに少し似ていますが、味はクロダイよりも淡泊であっさりしているのが特徴です。
メジナは魚屋やスーパーであまり見かけませんが、大きな市場などでは年中取り扱っています。メジナは、一般的に海釣りの魚として自宅に持ち帰って食べられることが多い魚だと言えます。後程、メジナのさばき方や食べ方、料理などを詳しくお伝えしますが、メジナは旬の時期の刺身が特に美味しい食べ方と言われています。普段、魚をさばかない方は、少し手間が掛かると思いますが、慣れれば割と簡単にさばくことができます。
釣り人から特に人気の高いメジナは、その呼び方が地方によって様々なのも特徴で、関西ではグレやブレと呼ばれています。また、伊豆方面ではクシロ、クチブト、北陸方面ではヒコヤ、チカイ、京都の舞鶴ではクロヤ、鹿児島ではシツオなどと呼ばれています。このように、様々な呼び方で親しまれているメジナですが、その地味な外見とは違って、淡泊であっさりとした味も人気です。では、実際にメジナの料理について見ていきましょう。
メジナ料理一番のおすすめは刺身
メジナは淡泊であっさりとした味が特徴の魚です。メジナの食べ方には色々あって、ムニエルや唐揚げ、フライなどがメジナの特徴を活かせる料理として人気ですが、メジナを最も美味しくいただく食べ方に刺身があります。メジナは火を加えた料理も美味しいですが、釣ったばかりの新鮮なメジナは、刺身でいただくのが最も美味しい食べ方だと言えます。そこで、ここからはメジナのさばき方と刺身の種類などを見ていきましょう。
メジナのさばき方をマスターしよう
ここでは釣ってきたメジナのさばき方を紹介していきます。釣ってきたばかりの新鮮なメジナは、刺身としていただく食べ方が最高です。先ずは、メジナの鱗を落とします。メジナの鱗はとても大きく粗いので、簡単に落とすことができます。ただ、メジナの鱗はかなり飛び散りやすいので、大きなゴミ袋の中で鱗を落とすようにすると後片付けが楽です。勿論、台所のシンクに水を張って鱗を落とすやり方でも問題はありません。
メジナの鱗を落としたら、次は胸ビレと腹ビレの後ろから包丁を入れて頭を切り落とします。包丁に関しては自宅にあるもので落とせますが、出刃包丁があれば簡単に切り落とせます。続いて、頭を切り落とした腹からゆっくり包丁を入れて切り、内蔵を取り出します。内蔵を取り出す時は、最初に見えた内蔵に包丁の刃先を横に押し当て、そのままゆっくり引っ張ると簡単に取り出せます。焦る必要はないのでゆっくり行いましょう。
内臓を取り出したら、腹の中にある血ワタをササラや歯ブラシでキレイに取り除きます。歯ブラシでも血ワタを取り除くことはできますが、もし用意できるのであれば竹製のササラを使うようにしましょう。竹製のササラを使うと簡単に血ワタを取り除くことができます。血ワタを取り除くことができたら、次に水洗いをして腹の中をキレイにします。ここまでの作業がメジナを3枚におろす下準備です。思ったよりも簡単にできます。
続いて、3枚におろす作業に入ります。先ず、メジナの尻尾から背ビレに沿って包丁を入れ、中骨主骨に届くまで切り込みを入れます。続いて、腹ビレに沿って背ビレ同様に切り込みを入れてます。ここで、中骨主骨の軟骨に当たるので、包丁の先で軟骨を切り落とします。ここまでの作業ができれば、メジナの背ビレを手前にし、尻尾の付け根から包丁を差し入れると、キレイに半身を切り離すことができます。慎重に行えば大丈夫です。
これでメジナの片側の半身だけ中骨が付いた半身から切り離した状態となりました。これは2枚におろした状態で、焼き魚や煮魚に使えます。今回は刺身をいただきたいので3枚におろします。それでは、中骨が付いたもう片方の半身も、ここまでと同様の工程で中骨から切り離しましょう。これでメジナを3枚におろすことができました。中骨は刺身に使うことはできませんが、味噌汁などで美味しい出汁を作ることができます。
半身に切り分けたメジナは、唐揚げやムニエルなどの料理に使えますが、今回は刺身に使うので、半身に付いている腹骨を切り取ります。腹骨に手を添えながらゆっくり切り込んでいくと簡単に腹骨が落とせます。次に腹身と背身に切り分けます。そして、腹身と背身の間には赤色の血合い骨があるので、そこを切り落とします。血合い骨は指で触ると直ぐに分かるので、包丁を入れるのは難しくないと思います。少しずつ慣れましょう。
メジナのさばき方は以上です。切り分けた骨のない身は、そのままでも刺身として利用できますが、もし皮をひく場合は、身と皮の間に包丁を入れ、皮の端を指で引っ張るような感じで、皮に包丁を添えながら切ると綺麗に皮が取れます。初めて3枚におろす時は、さばき方の要領がよく分からないと思いますが、何度も繰り返していると上手に切り分けることができます。今回は刺身を作るまでのさばき方でしたが、是非活用してみてくださいね。
メジナの刺身は薄造りで食べよう
新鮮なメジナの料理は刺身が絶品です。メジナの刺身は、メジナの特徴として味はとても淡泊です。ただ、釣ったばかりの新鮮なメジナは、身がコリコリとしていて程よく脂ものっているのでおすすめです。メジナを刺身にする場合は、薄造りにしていただくのもおすすめの食べ方です。薄造りにする場合は、皮付きの状態で皮の食感を楽しむ食べ方と皮をひいて身だけを楽しむ食べ方があります。好みにもよりますが、おすすめは皮付きです。
先ほどメジナのさばき方についてお伝えしましたが、丁寧にゆっくりさばけば刺身も自宅で美味しくいただくことができます。皮付きの刺身は、先ず、身の切り方から慣れていくようにしましょう。ポイントは、基本的に皮付きの身は、1回で切り落とすのではなく、一度皮だけを切り、2回目で身を切り落とすようにします。身は1回で切り落とそうとすると身が崩れて食感が悪くなり、また、盛り付けの際の見た目までも悪くなります。
メジナの皮も味わう湯霜造
メジナの造りには皮の食感をより美味しくする湯霜造りがあります。湯霜造りは、3枚におろした身の皮に熱湯をかけて湯引きして、氷水で身をしめてから切り分ける刺身です。湯霜造りは、この後で紹介する焼霜造りと調理方法が似ていますが、食感は違います。調理方法は慣れればそれほど難しくないので、湯霜造りと焼霜造りの両方を皿に盛り付けていただくと、食感の違いを楽しむことができて面白いと思います。
湯霜造りは、3枚におろした身の皮に熱湯を掛けます。すると、メジナの皮が反ってきます。ポイントは熱湯をかける量です。熱湯をかけ過ぎると身が崩れやすくなるので注意しましょう。次に、反った身を氷水に入れ、身をしめます。しっかり身をしめたら、食べやすい大きさに切り分け、お皿に盛り付ければ完成です。身の切り方は、皮付きの刺身と同様に、1回目は皮を切り、2回目で身を切るようにして身が崩れないようにしましょう。
皮に焼き目を付ける焼霜造り
メジナの刺身は、焼霜造りとしていただくのも美味しい食べ方です。メジナの焼霜造りは、メジナの皮をしっかり焼き、氷水で身をしめるのがポイントです。手順は、お伝えしたメジナのさばき方の工程で、頭を落とし、内蔵と血ワタを取って洗い流した状態で皮を焼きます。皮の焼き方は、バーナーでメジナの皮だけをしっかり焼くことです。これも慣れですが、皮が中途半端な焼き方だと硬くて食感が悪くなるので、ここは注意しましょう。
メジナの皮を焼き、氷水で身をしめたら、お伝えしたメジナのさばき方で身を3枚におろしましょう。こちらの写真では3枚におろしてからバーナーで炙っているのがわかりますが、さばき方が慣れたらこの方法でも大丈夫です。身を3枚におろしたら、次は皮付きの刺身と同様の方法で切り分けます。1回目は皮だけを切り、2回目で身を切ります。皮を焼いたメジナは、氷水で身をしめていても、生の身より崩れやすいので注意しましょう。
メジナの美味しい食べ方や料理レシピ
ここまでは、メジナ料理一番のおすすめとして刺身の調理方法とメジナのさばき方をお伝えしてきました。さばき方に関しては、慣れるまでは少々手間は掛かりますが、さばき方に慣れてくれば、他の魚でも応用できます。また、魚がさばけるようになれば、他の様々な料理にも活用できます。ここからは、刺身以外でおすすめのメジナ料理レシピを紹介してきます。メジナの特徴を活かした料理レシピなので、是非参考にしてみてください。
柔らかい身が美味しいメジナの塩焼き
メジナの特徴である淡泊であっさりとした味は、塩焼きにするとふわふわの柔らかな身と相まってさらに美味しくいただけます。一般的なメジナの塩焼きは、メジナに飾り包丁を入れて焼きますが、3枚におろしてから塩焼きにしても大丈夫です。今回は、飾り包丁を入れたメジナの塩焼きを紹介します。材料は、メジナ1匹、塩のみです。焼く前の下準備は、メジナのさばき方の要領で、先ず、鱗を落として内蔵を取り除きます。
続いて、包丁でメジナの皮を強くしごいていきます。この皮をしごくのが塩焼きのポイントです。メジナの皮は丈夫なので、少々のことでは皮は破けません。よく皮をしごいたら、きれいに水洗いして、お腹の中とメジナの表面に塩をかけ、20分待ちます。キッチンペーパーで水気を取ったら、再度塩をかけ、酒もかけます。あとは、魚焼きグリルで9分ほど焼いたら完成です。ポイントは、焦げ易いヒレや尻尾には多めの塩をかけます。
生姜で臭みを消して作るメジナの煮つけ
メジナは塩焼き以外でも火を通すことでふわふわの食感が楽しめます。ここで紹介する煮つけは、生姜を使うことで生臭ささが消えます。基本、冬のメジナは磯臭くなく、生臭さも殆どありませんが、生姜とメジナの相性は抜群なので、是非お試しください。材料2人分は、メジナ2匹、たまり醤油360ml、濃口醬油180ml、みりん360ml、酒540ml、砂糖120g、こんぶ出汁16g、生姜スライス20枚程度です。
レシピは、メジナの鱗を落とし、内蔵を取り除きます。メジナに飾り包丁を入れ、メジナが鍋の底になる面には出汁が染み込むように数か所皮に切れ目を入れます。鍋に調味料を全て投入し、ひと煮立ちしたらメジナを入れ、生姜スライスも投入します。落とし蓋をして20分煮込み、火を止めて20分待ちます。味見をして味が薄い場合は、調味料を調整して加え、お皿に盛り付ければ完成です。好みでネギを加えても良いです。
柔らかいくて食べやすいメジナのフライ
メジナは油で揚げても美味しいです。むしろ、油で揚げた方がメジナの特徴である淡泊であっさりとした味は分かりやすいかと思います。また、油で揚げるとメジナの身はふわふわになるので、年齢層問わず美味しくいただけます。あと、小骨が気になる方は、3枚におろしてから、刺身にするまでのさばき方を活用しましょう。材料2人分は、メジナ2匹(3枚におろす)、塩少々、胡椒少々、小麦粉少々、卵1個、パン粉適量です。
レシピは、メジナを3枚におろしたら腹骨と血合い骨を取り除き、食べやすい大きさに切り分けます。ボールにメジナを入れ、塩コショウをふり、冷蔵庫で30分ほどねかせます。冷蔵庫からボールを取り出し、小麦粉を塗し、卵とパン粉を付けて180℃の油で揚げます。メジナのフライのポイントは、胸骨と血合い骨の処理と揚げ時間です。揚げる時間は、フライの表面がきつね色になるまでが目安となります。
淡泊な白身がやわらかなメジナのムニエル
メジナは火を通すと淡泊な白身がふわふわになります。このメジナの特徴を活かした料理の一つにムニエルがあります。今回紹介するムニエルのレシピは、オイスターソースとバターの旨味がポイントです。材料は、メジナ(3枚におろした半身)、オイスターソース大さじ1、バター10g、小麦粉少々、バター5g、サラダ油小さじ1、塩・胡椒少々、お好みの野菜です。
レシピは、メジナは3枚におろし、腹骨と血合い骨を取り除き、食べ易い大きさに切り分けます。メジナの両面に塩・胡椒をふり掛けます。小麦粉をメジナに振りかけ、サラダ油とバター10gをフライパンに入れ、溶けだしたらメジナを投入します。メジナは皮の方から焼き始め、続いて身の面を焼き、両面こんがり焼き、メジナをお皿に移します。フライパンにバター5gとオイスターソースを入れ、ソースを作り、メジナにかければ完成です。
紹興酒と醤油が味の決め手!メジナの唐揚げ
メジナは、唐揚げにしても美味しくいただけます。メジナはもともと白身がやわらかいので、唐揚げにしても食べやすいです。メジナの唐揚げは、紹興酒と醤油が味の決め手になります。お酒のおつまみにもピッタリなので是非お試しくださいね。材料は、メジナ(3枚におろしておく)、紹興酒適量、醤油適量、片栗粉適量です。メジナは鱗を落とし、3枚におろして、腹骨と血合い骨を取り除き、食べ易い大きさに切り分けておきます。
レシピは、メジナをボールに入れ、浸るくらいまで紹興酒を注ぎ、醤油を適量加えます。10分ほど待ち、メジナの汁気を取ったら片栗粉を塗します。180℃の油できつね色になるまで揚げます。お皿に盛り付ければ完成です。このメジナの唐揚げは、下準備さえできていれば簡単で美味しく作れるのでおすすめです。
メジナの旬の時期と味について
出典: http://umai.fish
ここまでは、メジナのさばき方や刺身、メジナの特徴を活かした料理を紹介してきました。メジナは見た目が地味で、スーパーや魚屋でもあまり見かけない魚ですが、淡泊であっさりとした食感は、様々な料理で活用できます。そこで、ここからは、メジナが美味しい旬の時期や味について詳しくお伝えしていきます。メジナが最も美味しい時期はいつ頃なのでしょうか?それでは、メジナの旬から見ていくことにしましょう。
メジナの旬は冬
メジナは、日本では北海道から沖縄まで広く生息している海水魚で、ほぼ年中獲れる魚です。ただ、季節によって若干風味が変わる魚でもあります。その理由として、メジナの食性は雑食性だと言われていて、四季それぞれに食べるものが変わることが挙げられます。夏場のメジナは、甲殻類やゴカイなどを食べ、冬場のメジナは主に海藻を食べています。このことから、一般的に夏場のメジナは磯臭いと言われてきました。
しかし、冬場のメジナは海藻類を主に食べているので、夏場のメジナよりもニオイが少ないと言われています。こうしたことから、メジナの旬は冬だとされています。ただ、近頃では、夏場の磯臭さが殆ど感じられなくなってきていて、夏に食べるエサが変わってきている可能性があるとも言われています。それでも一般的には、夏場のメジナよりも冬場のメジナの方が美味しいというイメージがあり、メジナの旬は冬となっています。
メジナの味は?
お伝えしている通り、メジナは夏場が磯臭い傾向があり、冬場はニオイが殆どないと言われています。これは、実際に調理をして食べてみないと分からない面もありますが、初めてメジナを食べる時は冬場のものをいただきましょう。冬場の新鮮なメジナは、刺身やカルパッチョなど、生料理でいただくのが最高です。メジナの身は、淡泊であっさりしているのが特徴ですが、生だとコリコリした食感も楽しめるのでおすすめです。
また、メジナは生料理だけでなく、火を通した料理でもその特徴を活かすことができる魚です。先ほど紹介した塩焼きやムニエルなどは、メジナの淡泊であっさりとした身の特徴が活かされた料理だと言えます。今回紹介したレシピ以外でも、メジナの特徴を活かした料理はたくさんあります。あと、メジナは火を通すとふっくらとした食感になるので、炊き込みご飯に加えたり、味噌汁の具に加えてみるのもおすすめです。
夏のメジナは磯臭くなる?
メジナの旬は一般的に冬だと言われています。先ほどもお伝えしましたが、夏場のメジナは磯臭い傾向があります。これは、メジナの食性がポイントとなっていて、夏場のメジナはニオイの強い甲殻類やゴカイなどを食べているからです。しかし、近頃のメジナは、夏場でもあまり磯臭さが感じられなくなってきているようです。これは、漁業などで大量にオキアミなどがまかれ、メジナの食性に変化が出てきているとの理由です。
冬場と夏場のメジナを食べ比べてみないと何とも言えませんが、一般的には今でも夏場のメジナは磯臭いというイメージがあります。メジナは年中獲れる魚ですが、わざわざ磯臭いと言われている夏場のメジナを食べる必要はありません。メジナは、海藻類を主に食べている冬が旬と言われていますが、2~6月にかけてがメジナの産卵期なので、この産卵期直前のメジナが脂ものっていて最も美味しいということです。参考にしてください。
メジナを美味しく食べてみよう
「メジナ(グレ)料理でおすすめは?刺身・塩焼きなど美味しい食べ方を紹介」と題しましてお伝えしてきましたが、いかがでしたでしょうか?メジナは、見た目が地味な魚ですが、淡泊であっさりとした身は、刺身だけでなく、塩焼きやムニエルといったメジナの特徴を活かせる美味しい食べ方がたくさんあります。もしスーパーや魚屋で見掛けたら、是非一度その美味しさを味わってみてくださいね。皆さんの参考になれば嬉しいです。