マグロには種類とランクがある?特徴と見分け方や味と値段を比較調査!

マグロと、一口に言っても、マグロはくくり切れない魚である。種類も少なくないのだが、その一つひとつがまた、いろいろな特徴をもっていて、姿、形ばかりか、味や値段にも千差万別があります。日本人のソウルフードと、言ってよいマグロですが、近年の漁獲量の減少や中国などでの和食ブームもあって、値段は下がることなく、右肩上がりで上昇しつづけています。そんなマグロを、いろいろな要素、角度から比較して、マグロの現状やマグロの種類を明らかにしていきます。

マグロには種類とランクがある?特徴と見分け方や味と値段を比較調査!のイメージ

目次

  1. 1マグロの種類はたくさん!
  2. 2マグロとは
  3. 3マグロの種類と特徴や見分け方
  4. 4マグロのランクを値段で比較
  5. 5マグロのランクを味で比較
  6. 6マグロの種類を知ってもっとマグロを楽しもう!

マグロの種類はたくさん!

マグロといえば、クロマグロあるいは、ホンマグロのことを言います。しかし、最近では、クロマグロは希少なうえ、高価なため、なかなかお目にかかることはありません。けれども、市場にはマグロとして、さまざまなマグロが並べられています。形、色つや、値段それぞれに特徴は異なりますが、これらは、いったいどんなマグロなのでしょうか?すべてではありませんが、見分け方を含めて主なマグロを紹介いたします。

まずは、初めに述べたクロマグロです。関西では、このクロマグロの若い段階の魚をヨコワと称して、珍重しています。次には、ミナミマグロですが、これはインドマグロという別名もあります。特徴は、クロマグロが北半球に分布するのに対し、ミナミマグロは南半球に分布します。続いて、メバチマグロです。特徴の大きな目に由来する名が、メバチマグロで、和名はメバチとも呼ばれています。

キハダマグロの特徴は、第二背ビレや尾ビレが黄色で、体表もやや黄色を帯びる。漁獲量はマグロのなかで最多の種類ですが、生食用というよりも、缶詰の材料として重要です。その若魚はキワダと呼ばれて、区別されています。ビンナガマグロも、身はピンク色で水っぽく、鶏肉に似ていることなどから、多くは缶詰などの加工品に充用されています。けれども、近年では大衆的な寿司屋でビントロなどと、称されて生食されてきています。

カジキマグロという魚がいます。以前は、この魚をマグロの種類に数えていました。しかし、このカジキマグロはスズキ目カジキ亜目で、マグロはスズキ目サバ科です。まったく別の種類の、魚ということになります。カジキマグロの特徴的な身が、キハダマグロやビンナガマグロと似ていることから、混同されていたのです。

マグロとは

マグロは、サバ科マグロ属の種類です。特徴は暖海性で外洋性、回遊性の大型肉食魚で、日本をはじめ世界各地で漁獲されています。マグロは60cmくらいのものから、3mに達するような大きさのものまで、その種類によって異なります。最大種のタイセイヨウクロマグロは、体長4.5m、体重680kgを超えるマグロの種類です。海中では、口とエラ蓋を開けて遊泳し、取り込んだ海水から酸素を得て、呼吸をします。

水中生物としては、マグロはかなりの高速で遊泳しますが、泳ぎを止めると窒息する特徴をもっているため、睡眠時でも泳ぎを止めることはありません。体型は紡錘形で、鱗は一部をのぞいてほとんど無く、高速遊泳に適した体をもった種類です。瞬間最大速度は、80km/hにも達するとされています。マグロは、高次の肉食性で、食物連鎖による汚染物質が蓄積されやすいことによる、さまざまな問題も抱えています。

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マグロの種類と特徴や見分け方

クロマグロ

マグロは、このクロマグロの代名詞です。その和名の由来としては、目が大きく黒いことから、目黒となり、まぐろに転移したとする説があります。クロマグロの体長は、3m、体重は4ookgを超える種類もある。他のマグロとの見分け方の特徴は、その名のとおり体色は真っ黒で、クロマグロには黄色の線もありません。また、クロマグロとミナミマグロの胸ビレは、比較的短いことも特徴です。

クロマグロは、その体長、体重ばかりでなく、値段の点でも、そのランクはマグロのなかの王様です。特に大間産のクロマグロは、最上等品種とされ、1000万円を超える、超高値で取引されることもしばしばです。しかし、そんなクロマグロも、江戸時代中期頃までは、取り扱いの難しさから下魚とされて、下層の庶民の口に入る食べ物でした。クロマグロは腐敗しやすいうえに、鮮度を保つ方法がなかったことに起因します。

また、クロマグロはその大きさや、乾燥させた場合の身の固さから持て余され、カツオのように鰹節として、流用されることもありませんでした。江戸時代半ばに、醤油が普及し、クロマグロを醤油づけにした「ヅケ」と呼ばれるものが、鮨ネタとして使用され始めた。けれども、戦前までに一般的に食べられたのは、もっぱら赤身部分だけであって、赤身以上に腐敗しやすい脂身は、「猫またぎ」と揶揄される扱いでした。

そんなクロマグロが、脚光を浴び始めたのは、戦後になり、冷蔵や冷凍の技術が進歩して、保存の方法が確立され始めてからのことです。それから、100年も経過していません。今では、マグロ8種類のうち5種類が、絶滅が危惧される、レッドリストに記載されています。1995年の統計では、世界のマグロ漁獲量191万tに対し、日本の消費量は71万tで、うち60万tを生食で消費しています。

クロマグロの乱獲には、日本人のマグロ好きが、大きな要因であることは間違いありません。けれども、20世紀末ごろから、中国や台湾をはじめ、欧米においてもマグロの生食が流行し始めたことも見逃せません。これらの背景のなかで、クロマグロの畜養が急速に盛んになってきています。しかし、畜養はマグロの稚魚の乱獲につながることから、今世紀初頭から始まった、クロマグロの、完全養殖の体制確立が待たれています。

ミナミマグロ(インドマグロ)

ミナミマグロは、クロマグロとよく似た種類で、クロマグロを小型にした体型です。体長は2.5mで、体重は170kgほどになります。特徴は尾ビレの一部分に黄色みを帯びていて、これがクロマグロとの見分け方です。クロマグロとは逆に、南半球に分布する種類です。したがって、ミナミマグロが日本で一般に食べられ始めたのは、1950年代に入ってからです。縄文時代には、すでに食べられていたクロマグロとは、この点でも違います。

ミナミマグロの肉質は、鉄分を多量に含んでいることから、鮮やかに発色する赤身は、きれいな色をしていて、鮨ネタに適しています。また、トロと呼ばれる脂身部分もけっこう多く、値段も含めて寿司屋の看板ネタであることが多い。欠点は、色変わりが激しく、赤身などは黒ずんでくることです。クロマグロに代わる生食用マグロとして期待されていたが、20年ほど前からは急速に輸入量が落ち込み始めました。

メバチマグロ

メバチマグロの特徴や見分け方は、大きな目や比較的長い胸ビレです。ずんぐりとした体形で、体長は2mほどの中型の種類である。北半球のクロマグロと、南半球のミナミマグロの中間帯である、赤道から南北に緯度35度の範囲に分布する種類です。マグロのなかでは、一番深い層を泳いでいるが、夜になると浅い層に上がってきます。キハダマグロに次いで多い、世界的な漁獲量のうち、日本での流通量が最多です。

ランク的には、クロマグロ、ミナミマグロに次ぐ3番目のマグロの種類であるが、スーパーなどに出回っているマグロとしては、値段的にも一番ポピュラーである。身質は柔らかく、きれいな鮮紅色をしていて、見映えは良い。大トロといわれるような脂身はないといってよく、赤身と中トロが主である。クロマグロやミナミマグロと比較すると、色変わりは遅いので、扱いやすいマグロである。

キハダマグロ

キハダマグロの特徴や見分け方は、第二背ビレと尻ビレが黄色で鎌状に長く伸びています。体表も黄色みを帯びていて、他のマグロとの見分け方は容易です。体長は、1~2mで、メバチマグロと同じく、赤道を中心とした地帯に分布する種類ですが、日本海と地中海には、棲息していません。世界的な漁獲量は、マグロのなかで最大です。脂身が少なく、トロに当たるような部分はありません。多くは、缶詰に加工されます。

キハダマグロは、身くずれも少なく、固めですから、刺身に作りやすい身質です。色は上品な桃白色で、あっさりとした食感があります。このあたりが、関西の人に古くから好まれてきた、理由でしょう。

ビンナガマグロ(ビンチョウマグロ)

体長は、1mほどの、マグロのなかでは小型の種類である。ビンナガマグロの名の元になったように、胸ビレは長大で、この胸ビレを鬢(ビン)もみあげに見立てたのが由来です。やはり、赤道から南北10~35度の地帯に分布する種類です。鶏肉に似た身質のために、キハダマグロと同じように、缶詰などの加工食品に充用されている。シーチキンとも称されて流通しています。

ビンナガマグロの身は、キハダマグロよりもやや薄めの、桃白色をしています。水っぽい身質で、生の状態では崩れやすく不安定である。このために、半冷凍状態で好んで食べられています。回転すしでは、「ビントロ」と称して、人気の鮨となっているようです。なお、ビンナガマグロの品質の見分け方は、ビントロにしても、冷凍状態のビンナガマグロにしても、極力、白っぽいものを選ぶべきでしょう。

マグロのランクを値段で比較

マグロにかぎらず、物の値段の比較はきわめて難しいことです。まず、平均単価ひとつ取っても、どこの、いつ時点の値段かを特定しなければなりません。ここでは、築地市場の値段で比較します。当然、それは卸価格ですから、皆さんの手元に入る値段は、それ以上になることを前提にお読みください。データはすべて、2018年5月時点です。

第5位ビンナガマグロ

マグロのなかでランク5位の、ビンナガマグロからみていきます。2018年4月の値段で、1,034円/kgです。過去5年の平均価格でみると、最安値600円、最高値900円のレンジで収まっています。2016年は、なんらかの事情で、過去にないような乱高下をしています。最安値が200円/kgで、最高値が1,200円/kgです。今年に入っての、最安値は900円/kgで、最高値は4月の1,034円/kgです。

すでに、過去5年の平均単価を大きく逸脱しています。一般的にビンナガマグロの値段は、夏が最低で秋が最高になります。これからみると、秋に向かってますます高値になると予測できます。

第4位キハダマグロ

ランク4位のキハダマグロは、というと、2018年4月の値段が、2,875円/kgです。ビンナガマグロと比較すると、約3倍近い値段になっています。過去5年の平均価格は、800円/kg~1,800円/kgのレンジのなかにあります。キハダマグロもまた、2016年には、200円/kg~3,200円/kgなどという、とんでもない値動きをしています。たぶん、投機筋的な動きがあったと推測されます。

今年に入っての最安値は、2,250円/kgで、最高値は、2,950円/kgです。大きな変動こそありませんが、過去5年の平均価格からは、倍近く上がっています。やはり、このキハダマグロも秋口から、さらに値段は上昇していくとみて、間違いはないでしょう。

第3位メバチマグロ

メバチマグロは、ランク3位ですが、その値段はどうなのでしょう?2018年4月の値段は、1,928円/kgです。過去5年の平均価格は、最安値が1,250円/kgで、最高値が1,900円/kgです。動きの巾は、ビンナガやキハダよりも小さいことがわかります。2016年の値段の動きはというと、1,400円/kg~2,000円/kgで、やはりキハダやビンナガほどの乱高下はありません。これは流通量が多いことで、投機筋の影響を押さえられたのでしょう。

今年に入っての最安値は、1,500円で、最高値は、2,280円/kgです。このメバチマグロも、秋に向かって値段は上昇していくでしょうが、大きな変動はないと思われます。

第2位ミナミマグロ(インドマグロ)

そして、ランク2位のミナミマグロです。2018年4月の値段をみてみましょう。2,240円/kgです。これは、生のミナミマグロの値段です。冷凍物はこれより少し低く、狭いレンジで価格推移しています。過去5年の平均価格は、最安値が2,000円/kgで、最高値が2,800円/kgです。これも、メバチマグロ以上に価格の変動レンジは狭くなっています。

ミナミマグロの2016年の値段の動きは、最安値が1,500円/kgで、最高値は、4,200円/kgです。3倍近い値幅があります。今年に入っての値動きも異常です。1、2月には、ここ5年で最低の、1,000円/kgを記録しました。3月には、2,900円/kgと一気の値上がりです。マグロは黒いダイヤと言われているように、輸入ウエイトが多いほど、国際経済の思惑に左右される率は、高いのかもしれません。

第1位クロマグロ

いよいよランク第1位のクロマグロです。2018年4月の値段です。2,534円/kgです。むろん、これは生のマグロの値段です。過去5年の平均価格は、最安値が2,450円/kgで、最高値は3,100円/kgです。高値安定といいますか、価格の変動はあまりありません。価格変動が異常であった2016年をみても、クロマグロの最安値は、2,000円/kgで、最高値が、3,000円/kgです。マグロのなかで、一番変動幅が少なかったといえます。

クロマグロの今年に入っての値動きは、1月に最安値の2,300円/kgで、3月に最高値の3,000円/kgです。このクロマグロも秋にかけて値上がりしていくパターンは、他のマグロと同様ですが、変動幅はそれほど大きくはないことがわかります。
 

マグロの値段の傾向

このように、マグロは全般的に値上がり傾向にあることと、時に変動幅が大きいことがわかりました。そのなかでも、輸入量の占める割合が大きなマグロや、流通量の少ないマグロが価格変動の影響を受けやすいこともわかります。また、一定程度上がったマグロは、逆に価格変動が大きくないことも知ることができます。

これまでに示した価格は、卸価格です。皆さんの手元に届く際には、これが3~4倍になるとお考え下さい。それは、流通経費と捌き料です。市場価格というのは、頭もしっぽもすべて含めた値段です。その他、皮も骨も含んでいます。これが刺身となって手元に届くころには、歩留まりは半分近くになっています。そうしたことを勘案をすると、クロマグロが10,000円/kg以上の値段になってくることも不思議ではなくなります。

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マグロのランクを味で比較

第5位ビンナガマグロ

ビンナガマグロほど、日本人の食の好みに、影響されてきたマグロはないでしょう。味のランク5位のビンナガマグロは、かつては缶詰などの加工品向けにしか、充用されていませんでした。戦前には食べられることのなかった、クロマグロのトロが、いまや最高級品となるなかで、白いうえに、身が柔らかいのと、やたら脂っこい味のビンナガマグロが、ビントロとして、若者を中心に人気を得てきました。

第4位キハダマグロ

ランク4位のキハダマグロは、ビンナガマグロ同様に、加工品として充用されるのが主です。ただ、関西を中心に、キハダマグロの特徴である、色や味の淡白な味が好まれて、根強い人気もあります。特に、冷凍技術が発達した現在では考えられませんが、クロマグロが少ない初夏などに、旬のキハダマグロをという需要はあります。

第3位メバチマグロ

味のランク第3位はメバチマグロです。クロマグロを横綱としたときに、このメバチマグロは、キハダマグロとともに、関脇といってよいかもしれません。キハダマグロが関西で好まれるのに対して、メバチマグロは関東で好まれるからです。前にも述べたように、メバチには、大トロなる部分はありません。けれども、赤身にしろ、中トロにしろクロマグロを彷彿とさせる、味をもっています。CP的には、クロマグロに匹敵します。

第2位ミナミマグロ(インドマグロ)

ランク2位の大関、ミナミマグロです。新鮮な赤身なら、クロマグロよりも見映えがして、美味しいかもしれません。ミナミマグロの赤身の鮮やかさは、握りにした時に、いっそう輝きます。他の鮨ネタとの対比が際立つからです。鉄分の多いその味も酸味があり、ねっとりとした食感と相まって根強い人気があります。中トロや大トロになると、さすがに横綱に負けますが、ランク2位の味は十分にあります。

第1位クロマグロ

味のランク第1位、真打のクロマグロです。画像を見ていただいてもお分かりになるでしょう。本マグロ赤身のねっとり感と、中トロや大トロの白い筋の柔らかそうなことが。他のマグロになると、白い筋の舌ざわりの悪さが食べる意欲をなくすようなことがあります。このトロなら、舌の上でとろけていくことは疑いなしです。あと数十年もしたら、この天然クロマグロが姿を消すかもしれないと思うと、辛いものがあります。

美味しいマグロの見分け方

マグロにかぎらず、美味しい魚の見分け方は、体表の色や張り、目の輝き、エラの色つやで判断します。けれども、それは市場において1本買いをするような場合です。ここでは、スーパーなどで、マグロの冊とか切り身とかの状態での、見分け方の説明をいたします。一番、大事なことは、ドリップです。目の前にあるマグロが冷凍状態か解凍状態か、どちらの状態であっても、刺身の周囲に赤いドリップがあるようなものは、NGです。

次に見分け方として大切なことは、画像のような筋があるマグロ刺身です。これは冊取りする方法を、間違えていることを示しています。技術不足かどうか、原因はわかりませんが、この冊取りでは、食べた際に筋が口に残って、刺身が台無しになります。こんな冊取りをした方のことはいざ知らず、客としては絶対に買ってはなりません。筋に対して垂直に包丁を入れたら、こういうことにはならないはずです。

マグロの見分け方で、もう一点は、解凍したマグロの身が、よじれて縮んだような状態で売られていることがあります。けれども、これはそのマグロが新鮮な状態の時に、つまり死後硬直が始まる前に、急速冷凍されたことの結果であって、むしろマグロのプリプリした食感を楽しむことができます。以上、美味しいマグロというよりは、買ってはいけないマグロの特徴や見分け方を紹介しました。

マグロの種類を知ってもっとマグロを楽しもう!

マグロとは、幅広く、奥深い魚でした。いろいろなマグロが、それぞれに美味しいことも分かりました。マグロの特徴、見分け方を、少しは知った今、魚市場などへ出かけた折りにマグロの魚体を眺めることも、楽しみのひとつにできそうです。

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