イソマグロとはどんな魚?味は?気になる生態とおすすめ料理を紹介

イソマグロはあまりに聞きなじみのない魚ですが、どんな魚なのでしょうか。マグロという名前が入っているだけあって、見た目はマグロに似ていますが、スーパーや魚屋でよく見かける魚ではないです。しかし、大きく成長する魚で引く力が強いので、日本のみならず、海外でも釣りに人気のあるイソマグロです。今回は、そんなイソマグロについて、釣りや生態、おすすめの料理について紹介します。

イソマグロとはどんな魚?味は?気になる生態とおすすめ料理を紹介のイメージ

目次

  1. 1イソマグロってどんな魚?
  2. 2イソマグロの生態と特徴
  3. 3イソマグロの旬はいつ?
  4. 4イソマグロの釣り方
  5. 5イソマグロと泳ぐ!
  6. 6イソマグロってどんな味?
  7. 7イソマグロの調理方法
  8. 8シガテラ毒には注意!
  9. 9イソマグロの美味しい食べ方:ステーキ
  10. 10イソマグロの美味しい食べ方:竜田揚げ
  11. 11イソマグロの美味しい食べ方:酢味噌和え
  12. 12イソマグロの楽しみ方はいっぱい!

イソマグロってどんな魚?

イソマグロとは、成魚になると体長1mほどの魚で大きいものになると2mにもなるという大きな魚です。イソマグロという名前ですが、マグロの仲間では無く、スズキ目サバ科イソマグロ属に分類される魚で、日本では沖縄や小笠原などの亜熱帯海域に生息している、スズキやサバに近い魚です。

実は、カジキマグロなどもマグロという名前がありますが、イソマグロと同じように、マグロの仲間ではありません。イソマグロとは磯のダンプカーと呼ばれるほどの力強い引きが釣り人に人気の理由ですが、あまり味が良いとは聞かない魚です。

イソマグロという名前の由来は、マグロに近い魚の仲間の中で一番磯に近いところにいることが多いためと言われています。

イソマグロの生態と特徴

イソマグロとは、インド太平洋の熱帯域に広く分布している大型肉食魚で、オーストラリア北岸、アメリカ被東海岸まで広く生息しているので、釣りのターゲットとして非常に人気のある魚です。日本では、特に暖かい地方で釣りが盛んにおこなわれています。特徴は、カツオと同じような細長い体形でマグロのように大きな背びれはありません。体の後半部分には鱗が無く、目の後ろから胸鰭周辺までしか鱗がありません。

側線と呼ばれる、魚の身体の側面にある水圧や水流を感じ取る器官がイソマグロの体の後半部分で波打っているのも他の魚とは異なる特徴です。また、イソマグロとは群れをなして泳ぐ習性がある魚で、数十匹という大きな群れを作ります。しかも、一匹一匹が1mを超すような大きな魚の為とても迫力があります。

イソマグロとは、尖った歯が印象的な魚でもあります。大型肉食魚であるため、下あごが発達しているのでマグロやカツオとの見分け方としては下あごが一番特徴的です。

マグロやカツオ等と同じでイソマグロも高速で泳ぎ続ける為、奇網という血管構造を持っています。奇網とは、静脈と動脈が平行隣接して巡っている血管の構造です。具体的には、エラから入った酸素を多く含んだ冷たい血液は、動脈を通る際に、隣り合った静脈内の、体温で温まった血液の温度を下げます。それと同時に筋肉を冷やして体温の上昇を抑えることが出来るので休まずに泳ぎ続けることが出来ます。

イソマグロの旬はいつ?

イソマグロは一年中釣ることが出来る魚ですが、5月~6月が一番釣れるシーズンなので食べられる機会が増えます。それは南から北へ、餌のムロアジの北上が始まるのでそれを追いかけるイソマグロも北上を始めるため、イソマグロが釣りやすくなるからです。7月以降も10月ぐらいまでの水温が暖かい時期の方が釣りのシーズンです。

そもそも脂ののりが少ないイソマグロですが、料理として食べる時は、冬の方が脂がのっている為、旬と言えます。

イソマグロの釣り方

イソマグロとは、引きが強い魚なので料理としての印象より、釣りで引きを楽しむ魚の印象が強いです。小さいイソマグロでも1mぐらいはあり、とにかくに引きが強いので大物用の竿を使う事が一般的です。もしくは、短い専用の竿を使わなければ、一般の竿では釣り上げるのが非常に困難か、壊れてしまう事もあるぐらい引きが強いです。

イソマグロとは外洋に面した沿岸部の周辺や、サンゴ礁を回遊している魚なので、日本で釣りをするときは、船から、回遊してきて岩礁などに群れているイソマグロの群れを狙う事が多いです。時期や潮の流れなどの海の状況によりイソマグロの移動する深さが変わります。水深5m~200m以上の深いところまで、イソマグロの行動する水深は変わるため、釣り方も様々です。

イソマグロをジギングで釣る

イソマグロの釣り方には、まずジギングがあります。ジギングとは、ルアーフィッシングの一種で、メタルジグと言われる金属の塊を海底に落とし、回遊しているイソマグロを狙います。金属の塊を小魚に見えるようにリズムよく巻き上げながらアクションを加えます。金属の塊を勢いよく動かす為、非常に体力を使いますが、メタルジグに食いついてくるイソマグロの引き味は強烈です。

メタルジグは金属の塊の為、重量があるのでイソマグロに大きな負荷をかけることが出来ますが、釣りあげる方にも大きな負荷がかかります。ジギングで釣りをするときに大物釣り用の竿を使う理由は、イソマグロの引きの強さとメタルジグを扱う時に竿にかかる負荷の大きさに負けないようにするためです。

イソマグロをフカセ釣りで釣る

フカセ釣りとは、仕掛けにウキを使わずに餌やハリ、糸の重りだけで仕掛けを海中に漂わせてイソマグロを釣る釣り方です。海流等の自然に任せて餌を動かす為、イソマグロに違和感を持たせずに餌を食わせる事ができます。

餌は、活きたムロアジや活きたイワシがおすすめです。餌にしたムロアジ、イワシの活きを損なわないために、口掛けか背掛けでハリにつけて泳がせてください。活きた餌に食いついた瞬間の引きは力強く、釣りの醍醐味です。

イソマグロと泳ぐ!

イソマグロとは、釣りとしての楽しみだけではありません。群れで泳ぐことや、1mを超すサイズに迫力があるため、ダイビングのターゲットにもなっていて人気があります。また、イソマグロは潮の流れが速い場所を回遊しているのでドリフトダイビングで見ることができます。

ドリフトダイビングとは、潮の流れに乗って移動するダイビングの手法で、大型回遊魚を狙う時には遭遇するチャンスが増える為、イソマグロを見る時には適したエキサイティングなダイビングです。

イソマグロと泳ぐダイビングは沖縄などの南方で行う事ができます。イソマグロとは、警戒心が強く泳ぐスピードが速いためなかなか近くで見える魚ではありませんが、群れで泳いでいるときはゆっくりと泳いでいることがあります。群れに遭遇した際は、イソマグロの進路を防がないように注意して泳ぐことがイソマグロの回遊を楽しむポイントです。

群れに並走するように、横からイソマグロの迫力のある泳ぐ姿を楽しみましょう。写真を撮る場合も、イソマグロの警戒心に刺激を与えないように、小さめのカメラで撮るか、遠くから撮ることをおすすめします。

イソマグロってどんな味?

マグロという名前がついている為、脂がのっていたり、しっかりとした味わいを思い浮かべますが、脂ののりは非常に少なくあっさりとした味をしています。イソマグロの料理として、新鮮なイソマグロは刺身で食べることが出来ます。しかし、淡泊な味わいなので、醤油や、みりん醤油等に漬け込んで食べるような味付けをして食べる方が美味しいです。

クセの無いさっぱりとした味わいが特徴ですが、さっぱりしすぎて味が薄く、水っぽく感じられ、新鮮さが無くなると、すぐに魚独特の匂いが出てくるので、あまり味に人気のある魚ではありませんが、釣りたての新鮮な状態は美味しく食べられます。

イソマグロの調理方法

イソマグロを生で食べる

本当に新鮮なイソマグロ以外おすすめ出来ない料理方法です。日にちが経つと魚臭さが際立ちますが、刺身にすると、薄い透き通ったピンク色をしています。そのまましょうゆをつけて食べても、水っぽくあまりピンとこない味をしているので、一口大に切ってオリーブオイルや酢、コショウの調味料と、セージ、タイム等の香草とをよく混ぜて、マリネ料理にする方が生のイソマグロを美味しく食べられます。

他にも、イタリアンドレッシングに漬け込んだりと、さっぱりとしたイソマグロの味を生かすような濃いめの味付けをして食べる方が良いです。

イソマグロを焼いて食べる

塩焼きにする料理方法がシンプルで美味しいですが、臭みを消すために血合いを取り除くなど下処理をしっかりした後に、ショウガなどを使い臭みを消すことがおすすめです。イソマグロとは言え、焼いたときはサバのような味わいになります。

イソマグロをフライにして食べる

イソマグロの一番おすすめの料理方法はフライです。あっさりとしているので、油との相性もよく合います。ウスターソースを付けて食べるのも良いですが、タルタルソースや、ケチャップとマヨネーズなど、濃いめのソースを付けて食べると美味しいです。ソースの中にパセリなどの香草を混ぜるとより一層イソマグロのフライと合います。

シガテラ毒には注意!

大きなイソマグロにはシガテラ毒が含まれている可能性が高いので食べる際は注意してください。シガテラ毒とは、熱帯海洋などの暖かい海洋に生息するプランクトンが産生する毒素です。その毒素に汚染された魚介類を摂取したことによる食中毒をシガテラ毒と言います。

なぜ大きなイソマグロにシガテラ毒が含まれている可能性が高いかと言うと、イソマグロとは食物連鎖のピラミッドの上位にいるために、シガテラ毒を含んだプランクトンを養分に育った海藻を貝が食べて、また、その貝を食べて成長した魚、その魚をイソマグロが餌にするという事が起こるからです。そのため大きなイソマグロになるほど、体内にシガテラ毒を多く溜めている可能性が高くなります。

シガテラ毒の中毒症状としては、吐き気、下痢、腹痛などが一週間ほど続くので注意してください。また、シガテラ毒は熱に強いため、一般的な加熱調理では分解できません。そのため、煮汁などにも溶けだしてしまうので、あら汁を飲んだ場合でも中毒症状が発生する危険性があります。大きなイソマグロは食べない方が無難です。

イソマグロの美味しい食べ方:ステーキ

身が大きいイソマグロはステーキにして食べるとボリュームがあって、美味しく食べられます。簡単な料理ですが、焼き方とこだわりのソースでお肉に似た味わいを楽しめます。

まず、中火にかけたフライパンにバターを入れて、溶け始めたらニンニクを香りづけに色が変わるまで炒めます。そこにイソマグロの切り身を入れて、ブラックペッパー、塩コショウで味付けをしながら、両面をしっかりと焼きます。中まで火を通すためにフライパンに料理酒を入れて蓋をし、弱火で10分ごろ火にかけます。蓋をすることによりイソマグロの身がふっくらと仕上がります。

イソマグロを弱火で焼いている間に、違うフライパンでソースを作ります。料理酒少々、醤油大さじ1、ケチャップ小さじ1、オイスターソース大さじ1、刻みショウガ少量、砂糖大さじ1をフライパンに入れて、沸騰させながら混ぜ合わせます。料理酒のアルコールが飛んだぐらいで火を消して、バター少量を入れて溶かしながらまぜ合わせればソースが出来上がります。

焼きあがったイソマグロをお皿に盛りつけてソースをかければ完成です。バターのおかげでまろやかになったソースがイソマグロとよく合います。焼きすぎると、イソマグロがパサついてしまうので焼き加減に注意してください。

イソマグロの美味しい食べ方:竜田揚げ

油と相性が良いイソマグロは、竜田揚げにすることで、鳥のから揚げのような食感を楽しめて美味しいです。脂が少なくヘルシーな竜田揚げはおすすめ料理です。

まず、イソマグロに下味をつけるために漬けダレを作ります。漬けダレは、イソマグロ700gに対して、醤油大さじ2、砂糖小さじ1、みりん大さじ1、ニンニクのすりおろし少々、ショウガのすりおろし少々を混ぜ合わせて準備します。混ぜ合わせた調味料にイソマグロを入れて30分ぐらい漬け込んで下味を付けます。

味を染み込ませたイソマグロを引き上げて、片栗粉をつけ多めに油を入れたフライパンに入れて、揚げ焼きにしていきます。色が変わるまでひっくり返しながらじっくりと焼いていき、キツネ色に変わったら出来上がりです。

火を通した方が美味しいイソマグロのおすすめの料理方法です。漬けダレにニンニクを多めに入れてもイソマグロの味に良く合うので美味しく食べられます。

イソマグロの美味しい食べ方:酢味噌和え

新鮮なイソマグロはやっぱり生に近い食べ方で楽しみたいものです。そんな時におすすめ食べ方は、酢味噌和えです。熱湯をくぐらせるのでイソマグロのクセは無くなり、新鮮な食感と味を楽しめます。

イソマグロを刺身の短冊にする手前まで切り分けて準備します。鍋にお湯をたっぷりと沸かしておき、表面が白くなるまでイソマグロの切り身をお湯にくぐらせます。表面が白くなれば、引き上げて氷水に入れて冷やします。冷めたら、水気をふき、刺身の大きさに切っておきます。

イソマグロ200gに対して、酢大さじ1と1/2、味噌40g、カラシ小さじ1、砂糖少々を混ぜ合わせ酢味噌を作ります。切り分けておいたイソマグロと酢味噌を和えれば完成です。わかめや軽く茹でたネギを一緒に和えても美味しいです。さっぱりとした味が、暑い季節にもよく合います。

イソマグロの楽しみ方はいっぱい!

イソマグロの生態や味、美味しい食べ方について紹介してきました。引きが強いのでやっぱり釣りのイメージが強く人気の魚です。釣り以外にも、ダイビングで群れのイソマグロの回遊を見るのは迫力があったり、新鮮なイソマグロは食べても美味しいので、イソマグロの楽しみ方はたくさんあります。あまり馴染みの無い魚ですが、これからが釣りのシーズンになるので、是非力強い引きを体感してみてください。

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