2018年05月26日公開
2024年07月13日更新
うなぎと食べ合わせが良いものは?「梅干しがダメ」は本当なのかも解説
みなさんは「うなぎと梅干しを一緒に食べてはダメ」という話を聞いた事はありますか?よく聞くのが「うなぎ」と「梅干し」の食べ合わせです。うなぎと言えばスタミナ食で夏バテ解消!というイメージの食材です。どうせ食べるなら、うなぎの豊富な栄養素を効率よく摂取したいものですが、「食べ合わせ」は身体にどう影響するのでしょうか?うなぎと梅干しの食べ合わせの真意は?!今回は、本当にうなぎと梅干しは食べ合わせが悪いのか、または食べ合わせが良い食材など、うなぎの食べ合わせについて検証します!
目次
うなぎの食べ合わせと言えば?
うなぎと言えば、蒲焼、白焼き、うなぎ丼やうな重、肝吸い、う巻きなどや、地域によっても呼び名や調理法が違ったり、特産品や地域に根づいていたり、そして日本人は昔から土用の丑の日にうなぎを食べ、栄養価の高いうなぎを食べて暑い夏を乗り切ります。まさに、日本人には欠かせない食材のひとつです。
しかし、昔から「梅干しと一緒に食べてはダメ」という食べ合わせの話もつきものなわけで、梅干しも日本人には馴染みが深く、冷蔵庫に常に置いてある家庭も多いのでダメと言われてもうっかり食べてしまいそうです。それにしても、うなぎと梅干しの食べ合わせでどんな問題が起きるのでしょうか?または、せっかくの高い栄養素も効率よく摂取しないと勿体無いので、良い食べ合わせがあるのかどうか大変興味深いところです。
うなぎってどんな魚?
そもそもうなぎとはどんな魚なのでしょうか?鰻(うなぎ)はウナギ科ウナギ属の魚類で、世界で19種類確認されていて、そのうち食用になるのは4種類だけです。ニホンウナギは日本人にとっては昔から馴染み深く食されて来ました。しかしニホンウナギは漁獲量が大幅に減り絶滅危惧種に指定され、海外からの輸入が増えています。特に中国産うなぎはスーパーなどで売られているのをよく見かけると思います。
それでもうなぎの食文化は根強くニホンウナギが激減してからもナマズをうなぎの蒲焼きの代用品として食するほどです。一般的な料理法は蒲焼で、関東は背開き・関西は腹開き、九州の背開きで蒸しを入れず深めに焼くなど、全国各地で特色があり、日本人の食文化としてなくてはならないものです。
うなぎの豊富な栄養素
そして、うなぎの栄養素もたいへん優れています。鉄、亜鉛、カルシウムや、疲労回復に効果のあるビタミンB1、視力の回復効果に良いビタミンA、口内炎に効くビタミンB2、カルシウムと一緒に摂取すれば骨を丈夫にする効果のあるビタミンD、抗酸化作用のあるビタミンE、そしてDHAやEPAなども含まれており血液中の中性脂肪やコレステロールを減少させ、血管や血液の状態をよくする効果があります。
またウナギ自体のカロリーも実は低カロリーで、ヘルシーな上に栄養価も高いうなぎはアンチエイジングが気になる女性にはとても嬉しい食材です。
食べ合わせでどう違うの?
ところで、食べ合わせとはいったい食物に対してどんな影響を及ぼすものなんでしょうか?例えばにんじんと大根の食べ合わせでは、人参のアスコルビナーゼという酵素が大根に含まれるビタミンCを壊してしまいますが、お酢などの酸味が効いたものを一緒にとればアスコルビナーゼの酵素を押さえてくれるなど、食べ合わせにより、栄養分が取れない場合もあれば、逆に手助けとなる場合があります。
また、赤ワインをシーフードなどと一緒に食べ合わせると、金属のような味がするなど、味覚の上での相性の場合もあります。ひとくちに「食べ合わせ」といっても色々なパターンがあり、栄養面や身体、または味覚などなにかしらの影響があるようです。
うなぎと梅干しは食べ合わせが悪い?
では問題の「うなぎと梅干し」の食べ合わせはどうでしょうか?「うなぎと梅干しの食べ合わせはダメ」という話は昔からの言い伝えなら、何か科学的根拠があると考えてもおかしくないのですが実際はとても曖昧なもので、むしろ梅干しが胃酸を促してうなぎの油分の消化を助けるので、実は食べ合わせが良い組み合わせのようです。
うなぎと梅干しの食べ合わせの迷信が生まれた訳
迷信が生まれた理由として、うなぎも梅干しもどちらも食が進んで食べすぎてしまうので過食を防ぐという説と、うなぎは高価な食材なので消化を助ける梅干しとの組み合わせで食べすぎてしまうのを防ぐ意味での贅沢を戒める説、油っぽいうなぎを梅干しでさっばりさせると栄養分も消されてしまうと考えられたからという説、うなぎが腐っていても梅干しの酸味で腐っているのに気が付かないからという説などがあります。
また、江戸時代富山の薬売りが販促のために配っていた「食べ合わせ表」の印刷物にある「うなぎとぎんなん」のぎんなんのイラストが、いつのまにか同じく丸い形の梅干しとの組み合わせに変化してしまった…という話もあるようです。
うなぎとスイカの食べ合わせもダメ?
実はもうひとつ、うなぎと梅干しの食べ合わせ以外にも悪いとされるのが、「スイカ」との食べ合わせです。夏バテ防止にうなぎを食べるなら、スイカも同時に食べる機会もありそうです。うなぎとスイカの食べ合わせが悪いとされる理由は、あぶらっこいうなぎと水分の多いスイカを同時に食べると、スイカの水分で胃液が薄まり、結果消化不良を起こしてしまうという事のようです。
スイカの89%は水分、同時に摂取して影響は信憑性がありそうですし、うなぎ同様天ぷらとスイカの食べ合わせも同じ理由で悪いとされています。特に胃腸が弱い人は注意したほうがいい食べ合わせかもしれません。
うなぎと桃もダメ?
スイカ以外に桃との食べ合わせも悪いようです。桃には有機酸が含まれているので、脂質の吸収が悪くなり消化不良をおこしてしまう事があります。スイカ同様に夏場に食べる機会が多い桃も注意が必要です。
うなぎと食べ合わせの良い食材
野菜で足りない栄養素を補って
それでは、うなぎと食べ合わせの良い食材は何でしょうか?うなぎは脂質やミネラルが豊富で栄養価は高いのですが、ビタミンCが少ないので野菜と一緒に食べると栄養のバランスがとれます。たとえば、パセリやブロッコリー、ピーマンなどがビタミンCが豊富な野菜です。
たまごとの相性はバツグン
また、「うなぎ+たまご」の組み合わせも、「う巻き」や「うな玉」などうなぎとたまごの相性がとてもよく美味しくいただける上に、両方ビタミンBが豊富で夏バテ防止に効き目があります。
きゅうり・わさび・ネギでさっぱりと
そして「うなぎ+わさび」も良い組み合わせです。うな丼茶漬けにわさびを乗せて頂いたり、うなぎの白焼きをわさび醤油でいただくのも定番です。「うなぎ+きゅうり」も、うなぎときゅうりを和えた「うざく」という料理があります。わさびやきゅうり、またはネギなど、脂っぽいうなぎもさっぱりと食べられるので夏バテで食欲がない時にもよさそうです。
うなぎのビタミンB1を効率よく摂取するには豆腐
疲労回復などに効果のあるビタミンB1はビタミンEと一緒にとると効率よく摂取できるので、ビタミンEの豊富な豆腐とうなぎの食べ合わせが良さそうです。この場合、絹ごしよりも木綿豆腐を使った方がより多くビタミンEが含まれています。
その他の食材のダメな食べ合わせについて
「天ぷらとスイカ」や「にんじんと大根」の話は少し触れましたが、その他うなぎ以外でも食べ合わせは色々と言われているようです。例えば、「柿とカニ」は両方とも体温を下げる食材なので、血流が悪くなります。または、柿は山のものでカニは海のものなので一緒に食べようとすると、鮮度が落ちて食あたりを起こすと昔は考えられていたようです。
しかし、カニに含まれている亜鉛は柿に含まれているビタミンCで効率よく吸収されるので、実は相性が良いとも言われています。「トコロテンと生卵」は消化が悪いもの同士なので胃腸に負担がかかります。「スイカとビール」では、両方とも利尿作用があり、ビールを飲みすぎている事に気が付かず急性アルコール中毒を起こす可能性があり、「くるみと酒」はどちらも血圧を上げる効果があります。
うなぎと食べ合わせの良い食材を使ったレシピ
うざく
きゅうりを薄切りにし塩もみをして、合わせ調味料(だし汁:大さじ4・酢:大さじ2・醤油:小さじ2・みりん:小さじ2)に生姜の千切り(適量)を加えてきゅうりと和え、うなぎを焼く間に冷蔵庫で冷しておきます。うなぎの蒲焼は2〜3cmの大きさに切り、酒(大さじ1)をふりかけてトースターで焼きます。お皿に、きゅうりとうなぎを交互に盛り付けて、酢の物の汁を上からかけます。
う巻き
うなぎの蒲焼(1/4)の皮をむいて縦半分に切りレンジで(600W20秒)加熱します。卵(2個)をほぐし、だし汁(大さじ2)と薄口醤油(小さじ1/4)・塩(少々)と合わせ混ぜます。卵焼き器に卵液を少量流し入れ、表面が乾きだして火を止めその状態のまま、まな板の上に置きます。
その上にうなぎを置いて包むようにクルクルと巻きます。卵焼き器に戻し、卵液を少量流し込み巻いて行き、卵液が無くなるまで繰り返します。まな板の上に置いて5等分に切って出来上がりです。
うなぎと豆腐のサラダ
うなぎ(市販の蒲焼)に酒をふってレンジで1分加熱し、一口大に切ります。薄切りにしたきゅうり(1本分)と食べやすい大きさに切ったトマト・豆腐とうなぎを皿に盛り、蒲焼のタレ・添付の粉山椒・サラダ油(大さじ1)・醤油(大さじ1)・酢(大さじ1)・炒りゴマ(小さじ1)を合わせたものをかけて、仕上げに大葉を乗せて出来上がりです。
うなぎと食べ合わせの良い食材でスタミナ料理!
いかがでしたか?ひとくちに食べ合わせと言っても、身体に影響があったり、他の食材を摂取する事で解決できたりと、なかなか奥の深いものです。または「うなぎと梅干し」のように迷信の場合もあり、食材の組み合わせを色々と調べてみると面白そうです。また、うなぎ料理に添える薬味や「う巻き」や「うな玉」などのように、昔からの調理法は食材の組み合わせによる栄養面も味も本当によく考えられています。
しかも、甘いタレをつけた蒲焼などあぶらがのった料理からさっぱりとした酢の物まで、うなぎ料理はどれも食欲がそそられます。暑い夏もうなぎ料理で食欲増進!栄養も効率よく摂取してスタミナをつけましょう。