うなぎの栄養と土用の丑の日の関係は?夏バテに効果がある?
皆さんは『土用の丑の日』というものを知っていますか?うなぎを食べることはしなくても、名前だけは聞いたことがあると思います。では、どうして土用の丑の日にうなぎを食べるのか?どんな栄養と効能や効果があるのか気になりませんか?ということで今回は、うなぎに含まれる栄養と成分、気になる効能と効果についてや、土用の丑の日についてなどを紹介していきます。この記事をチェックすれば、今年の土用丑の日がきっと楽しみになるはずです!
目次
うなぎと土用の丑の日の歴史
うなぎはいつごろから食されていたのかというと、縄文時代の貝塚からうなぎの骨が発見されていることから、日本でうなぎが食されていたのは約5000年前の縄文時代からと言われており、日本人にとっては古くから馴染みのある食材です。そして、うなぎが私たちに馴染み深い甘辛いタレをつけて焼き上げた「蒲焼き」として調理されるようになったのは、江戸時代後期のことです。
そのころから土用の丑の日にうなぎを食べるという風習である『土用の丑の日』がはじまりました。土用の丑の日がはじまったきっかけは、夏場はうなぎが旬でないことや、こってりとした味付けの蒲焼が売れにくく、うなぎ屋が困って発明家として知られる平賀源内に相談をしました。そして、その日が土用の丑の日だったため「本日土用の丑の日」と書いた看板を出したら「高名な人の言うことだから」と、うなぎが飛ぶように売れるようになりました。
それを見たほかのうなぎ屋もマネして売り出すようになったのが土用の丑の日のはじまりと言われています。また、そのほかにも「土用の丑の日にうなぎを食べたら病気にならない」という宣伝からはじまったなど、土用の丑の日のはじまりについては色々な言い伝えが存在しています。
土用や丑の日の意味は?うなぎを食べる理由とは?
土用の丑の日のはじまりはわかりましたが、土用の丑の日という言葉の意味は一体なにを表しているのでしょうか?そして、なぜうなぎを食べるのか?その理由について詳しく見ていきましょう
土用という言葉の意味は?
まず、土用という言葉の意味についてですが、土用とは各季節、立春・立夏・立秋・立冬前の約18日間のことをさします。ですので、土用は夏だけではなく、春・夏・秋・冬・各季節に存在していて、年に4回訪れます。
丑の日という言葉の意味は?
丑の日の『丑の日』とは、十二支の丑があたる日になります。なぜ十二干支の丑が出てくるのかというと、昔は方角や時間など色々な事柄に十二支を当てはめていました。そして、日付にも割り当てられており、土用の丑の日というのは、立秋前の「土用」の期間に「丑」が当てはまる日が『土用の丑の日』と呼ばれている理由です。
うなぎを食べる意味は?
土用の丑の日のはじまりで紹介した言い伝えのほかにも、奈良時代の万葉集の歌人である大伴家持が読んだ歌に「夏痩せにうなぎは効果てきめんですよ」と書いていることから、うなぎは栄養があるから夏に食べるといいんだと信じられ広まったともされています。
現在の日本で土用の丑の日にうなぎを食べる理由として上げられているのは「う」のつくものを食べると病気にならないというものです。この言い伝えも昔から信じられていたことで、暑さの厳しい夏の土用は夏バテ防止や精をつけるために「梅干し」や「うどん」「うり」などが食べられていました。
うなぎに含まれる成分と栄養素とは?
夏バテ防止や精がつくとされているうなぎに含まれる栄養成分は、豊富なビタミン郡・・・ビタミンA・ビタミンB1・ビタミンB2・ビタミンE・ビタミンD・ビタミンB12・ビタミンB6に、ミネラル郡ではカルシウム・鉄分・亜鉛、そのほかの栄養郡はDHAにEPAとさまざまな栄養成分が含まれています。これらの栄養成分は本当に夏バテ防止に効くのか、体にどんな効能・効果をもたらしてくれるのかなど詳しく見ていきましょう。
栄養満点のうなぎは夏バテに効果あり!
うなぎにはちゃんと夏バテ防止に効果のある成分が沢山含まれています。それは、ビタミンB1です。夏バテの原因の一つはビタミンB1不足によるものです。なぜビタミンB1が不足してしまうかというと、ビタミンB1は水溶性のため汗をかくと体の外へでてしまうためです。それを補うことのできるビタミンB1を豊富に含んでいるうなぎは、夏バテ防止にとても効果のある食べ物と言えるでしょう。
またビタミンB1には糖質や脂質などの成分をエネルギーへと変えてくれる作用を持つ『ナイアシン』という成分が含まれていることや、疲労回復にはビタミン全般が効くことから、うなぎはエネルギーを消費しやすい夏場にはぴったりな食材です。
栄養満点のうなぎで免疫力アップ
うなぎに多く含まれる栄養素『ビタミンA』の効能
うなぎに最も多く含まれるビタミンAの効能は、細菌感染から体を守る・風邪への抵抗力をつけるなど免疫力アップにとても効果のある栄養素です。また、粘膜を守る効果もあることから、胃腸やのどの気管支、がんの予防にも効果があると注目されています。他には骨や皮膚の再生に視力低下や、夜間に物が見えづらいなど目に関しても効果があり、さまざまな健康面に効果のある栄養です。
うなぎに多く含まれる栄養素『ビタミンB郡』の効能
ビタミンB2は細胞の成長や細胞を作り出すなどの役割をもっているため、発育に欠かせない栄養素です。健康な皮膚や髪、爪を維持するのにも必要な成分となっています。ビタミン2は飲酒やストレスなどでも消費されますので、ストレス社会と言われる現代では、気をつけて摂りたい栄養の一つです。
女性に嬉しいうなぎの栄養素
女性の多くの方が悩まされる貧血や立ちくらみには、ビタミンB1を摂ることで解消することができます。そして、ビタミンB2とビタミンEは美容によく効く効能を持った栄養素です。ビタミンB2は肌とエネルギーの代謝に、ビタミンEは細胞膜などの参加を防ぎ、廊下の促進を防ぐ作用を持っているため、美容が気になる女性にとってうなぎは、素晴らしい成分を多く含んだ食品です。
うなぎの食べすぎには注意
栄養満点でも過剰摂取はNG
食べ物全般に言えることですが、体にいいからと同じ食材をずっと摂りつづけるのは体によくありません。うなぎを食べ過ぎるとビタミンAの過剰摂取により、皮膚が乾燥する・剥ける、頭痛や食欲不振、嘔吐などの症状が出ます。ですので、うなぎを食べるのは多くとも1日1本までにしましょう。
うなぎの食べあわせについて
「うなぎと梅干しの食べ合わせは消化不良を起こして危険」というのを聞いたことがありませんか?その話を信じている方もいるかもしれませんが、じつはこの話は迷信なんです。本当はうなぎと梅干の食べ合わせは消化不良を起こすどころか、梅干がうなぎの消化を助ける作用があるので非常に相性が良いんです。
うなぎと梅干し食べ合わせの迷信
なぜこんな迷信が生まれたのかというと、色々な説があります。まず1つはうなぎと梅干を一緒に食べることで、食が進んでしまいます。そうすると高価なうなぎを食べ過ぎ、贅沢をしてしまうため、それを戒めるためにこの言い伝えが生まれたとされています。贅沢と関係なく『食べすぎ防止』のために作られた言い伝えとも言われています。
他には梅干しとうなぎを一緒に食べてしまうと、うなぎが腐っていても酸味がわからなくなってしまうという『食中毒の予防』として言われていたのではないか?という考えや、梅干によってうなぎの栄養分が体内で消されてしまうのではないか?と心配したことからはじまった言い伝えだとも言われています。このように様々な理由から「うなぎと梅干の食べ合わせは悪い」という食べ合わせの迷信が生まれました。
うなぎと食べ合わせのいいものは?
うなぎと梅干の他にも食べ合わせのいいものを紹介します。それは、うなぎには欠かせない「山椒」です。ピリッと刺激があり風味の強い山椒は、うなぎにかけるととっても美味しいです。美味しさの他にも、漢方にも使われている山椒は胃腸の機能を高める効果があり、食べ物の消化を促進し、胃もたれしにくくさせてくれます。ですので、山椒は脂の乗ったうなぎを食べる時にはぴったりな調味料です。
うなぎと食べ合わせの悪いものは?
次にうなぎと食べ合わせの悪いものについて紹介します。うなぎと相性が悪い食材は、夏の定番「スイカ」です。脂の多いうなぎと水分の多いスイカを食べると、胃液が薄まって上手く消化されず消化不良を起こすと言われています。
スイカと同じく夏に旬を迎える「桃」もじつはうなぎと食べ合わせがあまりよくないとされている食材です。桃に含まれている有機酸がうなぎの脂肪の吸収を邪魔してしまうので脂の消化が悪くなり、消化不良を起こしてしまいます。デザートとしてスイカや桃が出る場面の多い夏は、うなぎとスイカ・うなぎと桃をうっかり一緒に食べてしまわないように注意しましょう。
まとめ:土用の丑の日はうなぎを食べよう!
栄養満点のうなぎを食べて夏を乗り切ろう
うなぎについて様々なことを紹介しましたが、いかがでしたか?うなぎについて詳しく見ていくと、うなぎの栄養価の高さや、体の健康への効果や効能の多さに驚かれたのではないでしょうか?夏バテ防止に効く理由も詳しくわかったので、猛暑が予想される夏の「土用の丑の日」にはぜひうなぎを食べて、暑い夏を元気に乗り越えましょう!