アイリッシュコーヒーの美味しい作り方は?寒い日におすすめの甘いカクテル
アイリッシュコーヒーは、寒い日に嬉しいホットカクテルです。アイリッシュ・ウイスキーをベースに、コーヒー、砂糖、生クリームで作ります。渋い色味が大人の雰囲気を漂わせていますが、砂糖が入っているので甘く、女性にも飲みやすいカクテルのひとつでしょう。今回は美味しい作り方やアアレンジ方法と共に、アイリッシュコーヒーの魅力を伝えて行きます。自宅でも簡単にできますので試してみて下さい。
目次
アイリッシュコーヒーはどんな飲み物?
ホットコーヒーにアイリッシュ・ウイスキーを加えて作るアイリッシュコーヒーは、体を芯から温めることから、冬にピッタリのホットカクテルとして人気上昇中です。寒い日にアイリッシュコーヒーのグラスで暖を取りながら、顔を近付けてみて下さい。立ち昇る湯気と共にコーヒーとウイスキーの薫りが鼻孔をくすぐり、身も心も温まることでしょう。思わずホッとひと息つく瞬間です。
アイリッシュ・ウイスキーはホイップした生クリームを盛るスタイルなので、味のイメージとしてはウインナーコーヒーにウイスキーをプラスした感じです。ウイスキーというと、あまりお酒を飲みなれない女性には少しハードルが高いような気がするかもしれませんが、アイリッシュコーヒーは砂糖が入った甘いカクテルですので、比較的飲みやすいでしょう。特にコーヒー好きの人には気に入ってもらえる筈です。
アイリッシュコーヒーの歴史
アイリッシュコーヒーが誕生したのは1942年のことでした。アイルランドの南西部フォインズ水上飛行場のパブで、燃料補給のために寄港した飛行機の乗客用に考案されたのが最初です。当時の飛行機は、燃料補給をする際、乗客は飛行機を一旦降りてボートに乗り込み、川から陸地を目指さなければらなりませんでした。待機場所まではかなりの距離があったので、冬の最中に吹き付ける風は、身を凍えさせたことでしょう。
そんな状況の中、乗客に温まってもらうためにアイルランド名産のアイリッシュ・ウイスキーを使ってホットカクテルを作ったが始まりでした。その後、フォインズ近隣の陸上空港シャノン空港でもアイリッシュコーヒーが提供され、口コミで広まって行きました。
そして1952年、「ブエナ・ビスタ・カフェ」というサンフランシスコのカフェバーでアイリッシュコーヒーがデビューを飾り、世界的に有名な甘いホットカクテルとなったのです。
アイリッシュ・ウイスキーとは
アイリッシュ・ウイスキーの定義
北アイルランドとアイルランド共和国で収穫された穀物を原材料として作られたウイスキーを、アイリッシュ・ウイスキーといいます。アイリッシュコーヒーは、アイリッシュ・ウイスキーなくしては作れません。後述しますが、別の種類のウイスキーを使うと、別のカクテルにカテゴライズされてしまうのです。
その他にも、アイリッシュ・ウイスキーには、北アイルランドやアイルランド共和国の倉庫で、木の樽に入れて3年以上熟成しなければならないといった決まりがあります。独自の基準を設けることにより、品質の維持と管理を徹底しているのです。なにしろ、アイルランド共和国にはアイリッシュ・ウイスキー法という法律があるのです。
アイリッシュ・ウイスキーの銘柄
一時は衰退の危機にあったアイリッシュ・ウイスキーですが、ここ数年のウイスキーブームの波に乗り、蒸留所も増えています。アイリッシュコーヒーの人気が高まっているのも、そのお陰だといえるでしょう。代表的な銘柄にシングルポットスチルタイプのグリーンスポット、ブレンデッドタイプのジェムソン、シングルモルトタイプのカネマラなどがあります。世界的にNo.1のシェアを誇るアイリッシュ・ウイスキーがジェムソンです。
アイリッシュコーヒーに合うアイリッシュ・ウイスキー
基本的にアイリッシュ・ウイスキーは、他のウイスキーに比べてスモーキーなピート感がない分、口当たりが軽いといわれています。その中で特にアイリッシュコーヒーに合うものを紹介します。まずは、ソフトな味わいのタラモア・デューをおすすめします。比較的飲みやすいアイリッシュコーヒーになるでしょう。どっしりとした味わいを求めるなら、ブラックブッシュがおすすめです。ほのかな果実の香りと熟成感が口の中に広がります。
また、定番のジェムソンは尖った部分がないので、カクテルベースに最適です。もちろん、甘いアイリッシュコーヒーにも合います。そして、ガツンと来るテイストを求めるなら、パワーズでしょう。本場アイルランドで最も飲まれているアイリッシュ・ウイスキーがこれです。
アイリッシュコーヒーに合うコーヒー
ウイスキーの次はコーヒーです。あっさりとした浅煎りのコーヒー豆よりも、コクと深みのある深煎りの豆の方がおすすめです。できれば、深煎りでまろやかな味わいのコーヒーが良いでしょう。その方が、砂糖を入れた甘いアイリッシュコーヒーに良く合うのです。ホイップした生クリームのとろける風味ともマッチして美味しいでしょう。個性が強すぎるコーヒーは、ウイスキーの香りを打ち消しかねませんので、注意が必要です。
アイリッシュコーヒーの美味しい作り方①ホット
アイリッシュコーヒーの材料
グラスは、耐熱ガラスのものを用意して下さい。陶製のカップなどでも良いのですが、できれば暗褐色のコーヒーの色と、上に乗せたホイップクリームの白とのコントラストを楽しみましょう。では、美味しいアイリッシュコーヒーの作り方です。材料は、ホットコーヒーカップ1杯分、アイリッシュ・ウイスキー30ml、角砂糖1個またはブラウンシュガー、生クリーム適量です。
簡単なホイップクリームの作り方
アイリッシュコーヒーの材料それぞれの量はお好みで調節して下さい。生クリームのホイップは、滑らかに口の中に注ぎ込まれる飲み方が理想ですので、若干ゆるめが向いているでしょう。生クリームはホイッパーで普通に泡立てても良いですが、洗い物を出さずに簡単に泡立てる方法があります。なんと、ビニール袋に入れて振り回すだけです!ビニールの中に生クリームと多めの空気を入れて口を閉じ、シャカシャカとシェイクして下さい。
アイリッシュ・ウイスキーの量
アイリッシュ・ウイスキーの量は、一応30mlとしていますが、これは1オンスに等しく、カクテル作りに良く用いられる量です。バーで使われるメジャーカップ1杯分にあたります。メジャーカップの片方は1オンスで、もう片方が1.5オンスです。ステンレス製が主流ですが、ガラス製のものもありますので、自宅にお客さんが来た時に手慣れた様子で使うと、お洒落な演出になるでしょう。
美味しいアイリッシュコーヒーを作る手順
作り方ですが、手始めに、耐熱グラスにお湯を注いで温めておきましょう。グラスが温まったら、濃い目のコーヒーに砂糖を入れて良く溶かします。次にウイスキーを注ぎ入れ、最後にゆるめにホイップした生クリームを、コーヒーに蓋をするようにゆっくりと注ぎます。この時にワンクッションになるようにスプーンを使って少しずつ垂らすと綺麗にできるので、試してみて下さい。これで甘いアイリッシュコーヒーの出来上がりです。
アイリッシュコーヒーの美味しい作り方②アイス
アイスのアイリッシュコーヒーにおすすめのグラスは、やはりワイングラスでしょう。美しい曲線を描くグラスに指を添えると、自ずとリッチ感が高まってきます。作り方はホットの場合とほぼ同じです。材料の砂糖をガムシロップに変えて作りましょう。グラスにガムシロップを入れ、アイスコーヒーとアイリッシュ・ウイスキーを加えます。最後にホイップクリームを乗せたら完成です。見た目的には、氷がない方が美しいでしょう。
アイリッシュコーヒーの美味しい飲み方
アイリッシュコーヒーの基本的な飲み方
アイリッシュコーヒーのグラスに唇を近付けると、最初に熱を持たないホイップクリームが触れます。そっと口に含むと、次にやって来るのが熱いコーヒーです。ウイスキーの香りを帯びた甘いコーヒーと先程の生クリームが口内で一体となり、得も言われぬハーモニーを奏でるでしょう。あくまでもこれは基本の飲み方です。それぞれが美味しいと思う飲み方でアイリッシュコーヒーを楽しんで下さい。いくつか飲み方を紹介して行きます。
ステアしてアイリッシュコーヒーを飲む
ステアとは、混ぜることです。バーでアイリッシュコーヒーを頼むと、スプーンが一緒に付いて来ることがあります。普段からブラックコーヒーを飲みなれない人や、途中で味を変えてクリーミーなアイリッシュコーヒーを味わいたい場合は、クリームを混ぜてまろやかな風味を楽しみましょう。少しだけ温度が下がるので、熱々のコーヒーが苦手な猫舌の人にも飲みやすくなります。
甘さの種類を変えてアイリッシュコーヒーを飲む
砂糖を使ったアイリッシュコーヒーに慣れたら、甘さの種類を変えてアイリッシュコーヒーを味わう飲み方もおすすめです。ハチミツやガムシロップなど、豊富なバリエーションの中から、好きな物で試してみましょう。メープルシロップも美味しいでしょう。また、ダイエット中の人は低カロリーの甘味料を使うなど、工夫してみて下さい。
トッピングしてアイリッシュコーヒーを飲む
アイリッシュコーヒーに好みのフレーバーをプラスするのはいかがでしょうか?甘いものが好きな人には、ココアパウダーや削ったチョコレートがおすすめです。バニラエッセンスを垂らすと、甘く豊かな香りが広がります。また、シナモンパウダーやカルダモンなどの香辛料には、ピリッと風味を引き締める効果があるので、生クリームに軽く振っても良いですし、シナモンスティックで軽く混ぜて風味付けするのも美味しいでしょう。
フランベしてアイリッシュコーヒーを飲む
専用の小鍋にウイスキーを入れて火に掛けフランベする方法もありますが、慣れていないと危険です。ウイスキーを注いだグラスにチャッカマンで火を点ける方が安全でしょう。フランベすることによってアルコール分が少し飛ぶので、飲みやすくなりますし、ウイスキーの香りが華やかに立ち昇るのも、フランベの魅力です。派手なパフォーマンスとして効果的ですが、くれぐれも気を付けて行って下さい。
アイリッシュコーヒーのアレンジ
アイリッシュコーヒー・デラックスの作り方
デラックスと呼ばれるだけあって、どっしりとした深い甘みが特徴のカクテルです。通常のアイリッシュコーヒーの砂糖をクレーム・ド・カカオ15mlに変えて作ります。クレーム・ド・カカオは濃厚なカカオリキュールなので、チョコレートの風味を存分に楽しむことができるでしょう。
アイリッシュコーヒー・ア・ラ・カルーアの作り方
こちらは、通常のアイリッシュコーヒーの砂糖をカルーア15mlに変えて作ります。そうです、カルーア・ミルクでお馴染の、コーヒーリキュールです。カルーア自体も甘いので、こちらも飲みやすく美味しいカクテルが出来上がります。よりコーヒーの風味が強くなるので、特にコーヒー好きの人におすすめです。
モナン・アイリッシュコーヒーの作り方
実はこちらはフランス、モナン社のシロップを使った、ノンアルコールのアイリッシュコーヒー風カクテルです。アルコールが入っていなくてもアイリッシュコーヒー気分が味わえますので、お酒が飲めない人や運転を控えている人におすすめです。作り方は、アイリッシュ・ウイスキーにノンアルコールのアイリッシュシロップを15ml加えます。あとは、好みでミルクを注いでも、生クリームのホイップをフロートしてもOKです。
アイリッシュコーヒーの仲間たち
ジャマイカンコーヒー
アイリッシュコーヒーで使うアイリッシュ・ウイスキーをラム酒に変えると、ジャマイカンコーヒーというカクテルになります。ラム酒はダークがおすすめです。また、コーヒー豆はジャマイカのブルーマウンテンにこだわる場合が多いです。飲み方ですが、ジャマイカンコーヒーでは生クリームは使いません。南の風を感じる、甘いカクテルです。
ノルマンディコーヒー
同じように、ベースをカルヴァドスにすると、ノルマンディコーヒーという甘いカクテルになります。リンゴを原料にフランスのノルマンディで作られるカルヴァドスというお酒を使うことから、この名前になりました。同じ製法で作っても、ノルマンディ以外で生産されたものはアップル・ブランデーと呼ばれます。ノルマンディコーヒーでは、生クリームをフロートする飲み方をします。
ゲーリック・コーヒー
そして、スコッチウイスキーで作ると、ゲーリック・コーヒーというカクテルになります。アイリッシュコーヒーのアイリッシュ・ウイスキーをスコッチウイスキーに変えるだけで、作り方や飲み方は同じです。スコッチウイスキーと呼ばれるのは、糖化から熟成まで、全てスコットランドで行われたウイスキーのみです。
ロイヤルコーヒー
別名カフェ・ロワイヤルとも呼ばれ、ナポレオンが愛飲していました。こちらはフランス産の高級ブランデー、コニャックを使うのですが、かなりお洒落な飲み方です。作り方は、まずコーヒーカップとスプーンを温めます。カップにコーヒーを注いだら、スプーンに乗せた角砂糖にコニャックを染み込ませます。そして角砂糖に火をつけ、角砂糖が溶けて来たら、コーヒーに混ぜ完全に溶かして完成です。専用のスプーンも売られています。
おすすめ!アイリッシュコーヒー
今回はアイリッシュコーヒーの作り方や美味しい飲み方を案内してきました。甘いカクテルとして人気のアイリッシュコーヒーは、少しのアレンジで違う風味の飲み物に変身します。特に寒い時期のホットは格別の味わいですが、アイスのアイリッシュコーヒーも美味しいので、1年中楽しむことができるでしょう。また、アイリッシュコーヒーの仲間も、参考にしてみて下さい。