2022年10月12日公開
2024年05月26日更新
豆腐にはどんな種類がある?選び方やそれぞれの違いもあわせて解説
豆腐は様々な種類があることを知っていますか。この記事では豆腐を購入するときのポイントや、使用する量や使用されている原材料に注目して選ぶことのポイントを解説します。豆腐の世界はとても奥深いのでいろいろ食べ比べてお気に入りの種類を探しましょう。
豆腐は日本の食卓の定番といってもよいお馴染みの食材です。ヘルシーで栄養価も高く、季節に合わせて冷やしても、ゆでても、サラダでも万能なスーパーフードです。
そんなわたしたちに身近な豆腐ですが、お店にも種類がたくさんあってどういった基準で、どれを選んでいいのかわからず、なんとなく買っていませんか?
豆腐は絹ごしや木綿のほかにも、作る工程の違いで種類があり、味も食感も合う料理もちがいます。
この記事では豆腐を選ぶときのポイントをおさえ、様々な種類と特徴をみながらその中でもおすすめの商品まで詳しくご紹介していきます。
この記事を読めば、奥深い豆腐の特徴を理解しながら、料理に合わせて使い分けができ、豆腐の魅力を存分に楽しむことができますよ。
奥深い豆腐の種類を知って、おいしい豆腐をいろいろ試したいという方は、ぜひこの記事を参考にしてみてください。
豆腐はどう選ぶ?
豆腐はそのまま食べても、メインの料理にもいろいろなバリエーションで使うことができるので、スーパーでも決まって購入する食材といえるでしょう。
お店では色々なメーカーや価格の豆腐がたくさん並んでいますが、まずどのようなことを意識して豆腐を選べばいいのでしょうか。
3つのパターン別に、豆腐を選ぶときに押さえておきたいポイントをご紹介します。
使う料理によって選ぶ
どんな豆腐料理をするかによって、選ぶ豆腐を変える方法があります。
豆腐には、木綿や絹ごしといった種類によって食感も味もちがい、好みにもよりますがそれぞれに合う料理があります。
例えば木綿豆腐は型崩れしにくく、焼いたり、炒めたりする料理に適していて、絹ごしは滑らかなのど越しで、湯豆腐やそのまま冷ややっこに向いています。
このように生で食べる、煮る、焼く、鍋料理、炒めるなど料理の仕方で適した豆腐を選ぶのもポイントになります。
豆腐のサイズで選ぶ
豆腐は1丁、2丁と数え、料理のレシピなどでもよく豆腐1丁と記載されてますが、実は豆腐1丁に決まった大きさや重さはありません。
お店や地域、メーカーによって1丁の大きさや重さは違いますが、市販の豆腐は大体1丁300gくらいの量です。大きさによっては、豆腐一丁を買っても一人暮らしや、少しだけ使いたいというとき、保存容器に水を張って移し替えるのは面倒ですよね。
お店にはパックがつながった2個パックや4個パックなど種類豊富にあるため、家族で分ける場合は大きいもの、個々に盛り付ける場合は小分けの小さなサイズで選ぶという、料理のシチュエーションに合った大きさで選ぶのもいいでしょう。
原材料に注目してみる
お店で豆腐を選ぶとき、つい価格の安いものを手に取っていませんか?
豆腐を選ぶときは、まず記載されている原材料に注目してください。
注目していただきたい原材料名は、大豆と凝固剤、消泡剤の3つです。
この3つの原材料が以下のように記載された豆腐を選ぶことをおすすめします。
大豆は国産大豆100%使用、凝固剤はにがり【粗製海水塩化マグネシウム)、消泡剤不使用とかかれた豆腐を選ぶのがポイントです。
豆腐は、本来大豆とにがり、水だけで加工されているシンプルな食品なのです。添加物はなるべく含まれていないものを選びたいものです。
豆腐の種類やそれぞれの違い
日本の食文化はとてもきめ細かく、一つの原料でも、作られる工程の段階や違いによってその呼び方も変わります。
豆腐も、同じ大豆を原料として工程や味付けによっていろいろな種類があり、食感や味が異なります。その特徴を知り、料理に合った豆腐を使い分けできると色々なバリエーションが楽しめるのです。
次からはそんな奥深い豆腐の種類を細かく見ていきたいと思います。
木綿豆腐
木綿豆腐は、豆乳ににがりなどの凝固剤を加えて一度固めたものを穴の開いた専用の型箱に布を敷き、そこに流し込み更に圧縮して水分を絞り、再び形成した豆腐です。木綿豆腐の表面の模様はこの箱に敷いた木綿の布目がそのままついたものです。
その味は濃く、大豆本来の風味が感じられ、食感はしっかりとした固い感触があります。
推し固めて作られるため崩れにくいのが特徴で、適した料理は煮込み料理、豆腐田楽、豆腐ステーキ、マーボ豆腐、そのまま冷や奴など、色々な料理に使えます。
絹ごし豆腐
絹ごし豆腐は、にがりと豆乳を加熱し、布を敷かずに型箱に一気に流し込みます。そのまま寝かせてから、水槽の中で型箱から出し、水にさらして作成されます。
木綿豆腐よりも多くの水分を含むため、柔らかい食感です。味は薄く、絹のようにきめ細かな舌触りが上品な豆腐です。
おすすめの料理は、そのまま食感が楽しめる冷奴、湯豆腐、みそ汁などです。型崩れしやすいですが、まろやかな甘みと辛みがよく合う麻婆豆腐も、木綿豆腐とはまた違った味わいになり、よく合います。
寄せ豆腐
寄せ豆腐とは、おぼろ豆腐とも呼ばれ、柔らかくとろけるような食感が特徴です。
豆腐は、豆乳ににがりなどの凝固剤を混ぜてつくられます。混ぜて固めたのが木綿豆腐だとすると、寄せ豆腐はその前の段階で完成したものになります。
この混ぜて固めるまでの工程を寄せといい、型箱に入れずに器に盛り付けるので、寄せ豆腐と呼ばれます。固まり切っていないやわらかさが、おぼろ月夜に似ているとされています。
おぼろ豆腐は絹ごしとも木綿豆腐とも違う風味や食感が楽しめ、大豆の味が濃厚でほんのり甘みもあるのでそのまま冷や奴や、あんかけ料理、またなめらかなデザートのように食べることができます。
ソフト豆腐
ソフト豆腐というと、あまり聞きなれない名前ですが、木綿豆腐の中の1つで、木綿豆腐と絹ごし豆腐の間くらいの柔らかさと滑らかさを持つ豆腐です。
木綿豆腐と製造工程は同じように凝固した豆腐を崩すのですが、型に入れるときに圧縮せず流し込むので成型しても木綿豆腐ほどの固さにはならず、柔らかい食感になります。
豆腐の味がしっかりとしていて、型崩れせず、絹ごしほど水分も含んでいない為、味がしみこみやすく、鍋や味噌汁、白和えに向いている豆腐です。
木綿豆腐の一種として、特にソフト豆腐と表示しない場合が一般的なようです。
充填豆腐
充填豆腐とは、じゅうてんとうふと読みます。
充填豆腐は豆乳と凝固剤を一緒に型に入れてから、パックごと加熱凝固して作られます。型箱に入れたり水にさらす工程がないため、パックに水を張ることもなく、密閉して加熱処理されることで長期保存できるのが特徴です。
型に入れてから固めるので、柚子豆腐や枝豆豆腐など味をつけてから加工できるのも、充填豆腐ならでは特徴になっています。
充填豆腐という呼び方で売られていることはあまりない為、ピンとこない方も多いでしょう。絹ごし豆腐として3個パックなどで小さいサイズで売られていることが多く、種類も豊富です。
堅豆腐
現在では柔らかい豆腐が主流となりましたが、日本古来からの豆腐はこの堅豆腐が作られ続けているものになります。
一般的な製法と違い、濃度の高い豆乳を使用し、にがりの代わりに海水を使うなど様々な方法で保存できるようにした豆腐です。
木綿豆腐の水をできるだけ抜いて固め、保存性を高めた豆腐で、冬の間のたんぱく源としても重宝された豆腐になります。
有名どころでは、沖縄の島豆腐、高野豆腐もこの堅豆腐にくくられます。
かわり豆腐
昨今の豆腐は色々な種類があります。ごま豆腐や、卵豆腐のほか、ピーナッツを使用したジーマーミ豆腐、抹茶、チョコレートなどお菓子やデザートのようなかわり豆腐が人気です。
大豆とにがりから作られる一般的な豆腐とは異なり、原料や色、味様々な種類が作られ、家庭でもアレンジできるため、かわり豆腐だけでかなりの量のレシピが存在します。
豆腐の加工品の種類
豆腐から作る加工食品は、カロリーが少なく栄養豊富です。それでいて、色々なレシピがあります。
豆腐の種類の豊富さから、その加工品も色々な種類があり、特徴を踏まえて取り入れることで豆腐料理を、飽きずにより一層楽しむことができるでしょう。
次からは豆腐の加工食品も詳しく解説していきます。
がんもどき
がんもどきは、十分に水を切った豆腐を崩して、すりおろした山芋などをつなぎにし、ニンジンやゴボウなどを混ぜて丸め、油で揚げた料理です。
もともとは肉の代わりの精進料理として作られ、豆腐のほかに野菜が使われているのでヘルシーで味も食感も一品料理として十分なおかずになります。
おでんの具、総菜や、煮物などにして幅広く食されています。
焼き豆腐
焼き豆腐は、固めの木綿豆腐を水切りしてから、その名の通り両面を炭火やバーナーであぶり、焼き目を付けたものです。
香ばしい香りと焼き目がお欲をそそり、型崩れもしないので味がしっかり染み込むまで煮込むことができます。鍋にはもちろん、おでんやすき焼き、田楽など様々な種類の料理に使われます。
厚揚げ
厚揚げは、水切りした豆腐を高温で揚げた、揚げ豆腐の一種です。中は生豆腐のままですので、生揚げとも呼ばれています。
木綿豆腐が使われるのが一般的ですが、絹ごし豆腐を使ったものは絹厚揚げと呼ばれています。柔らかく、滑らかな食感が特徴です。
表面の揚げ部分は香ばしく、中はふっくら豆腐が残っているのでそのまま焼くのもおすすめで、味染みもいいので煮物や色々な食材と組み合わせて様々なレパートリーがあります。
油揚げ
油揚げは、厚揚げよりも薄切りにした木綿豆腐を水切りし揚げたものです。中まですっかり水分を飛ばしてつくられ、厚揚げに対して、薄揚げとも呼ばれる場合もあります。
味が染み込みやすく、みそ汁の具や、惣菜、煮物、稲荷すしなど幅広い料理に使われていて、各家庭で常備されている食材の一つといえるでしょう。
調理前は熱湯で油抜きをして使用するのが一般的で、冷凍しても食感が変わらず万能食材として活躍します。
豆腐の関連商品の種類
様々な種類の豆腐をみてきましたが、豆腐には加工食品に加え、それに関連する食品も含めると非常に多くの種類が揃っています。
関連品というと、豆腐とはまた異なる食品で、大豆や豆腐に関連した種類の食品をいいます。ヘルシーなのに栄養価が高いので健康や美容に注目される食材です。
それでは、ご紹介していきましょう。
豆乳
豆乳は、大豆を水に浸してすりつぶし、水を加えて煮詰めた汁をこした飲料です。
味は無調整であれば豆乳とほぼ同じで、大豆本来の青臭さがあります。この独特の風味を好む人も多いですが、飲みづらいと感じる人もいるため、砂糖や植物油などを加えて飲みやすく味を調えた調整豆乳や、果汁やコーヒーなどで味を付けた豆乳飲料も幅広く販売されています。
そのまま飲むのももちろん、加熱をしても味や栄養価が変わらないことから、鍋など料理に混ぜたり牛乳の代わりにシチューやグラタンに入れるなど、バリエーションが豊富なのも豆乳の魅力です。
おから
おからは、大豆から豆腐を製造する過程で豆乳を絞った後に残るもので、タンパク質、脂質、炭水化物、いわゆる三大栄養素のバランスがとれた食品です。
卯の花として食されるのが伝統的ですが、最近ではおからパウダーとしてサラダに入れたり、ハンバーグの中につなぎとして入れたり、小麦粉のようにお菓子に混ぜたりと、おからを使用したレシピもいろいろ紹介されています。
出典・参照:おから - カロリー/栄養成分/計算 | カロリーSlism
高野豆腐
高野豆腐は、凍り豆腐ともいわれ、豆腐を凍結させて低温熟成させた後で乾燥させた保存食品です。豆腐がギュッと凝縮されているので、大豆のうまみがつまっています。
乾燥状態では軽くスポンジ状で締まっていて、水で戻し、だし汁などで煮込んで味をつけます。水分を吸収して膨らむので、豆腐と比べて食べ応えがある為、少量でもおなかが満たされる食品として重宝されています。
人気があるおすすめの豆腐5選
豆腐には加工食品から関連商品まで、多様な種類があるとおわかりいただけましたでしょうか。
そんな数ある豆腐の中でも、やはりおいしいものを選びたいものです。
おいしい豆腐といっても、人によって様々な好みもありますし、見てきたように調理法によっても合うあわない種類があります。
ですが、本当におししい豆腐とそうではない豆腐の違いは確かにあります。
そのポイントとなるのは、豆腐を固めるときに使用する凝固剤です。この凝固剤をにがりでないものを使用した場合、大豆が少量でも大量の豆腐を作ることができるため、豆腐の味が薄くなり、おいしくない豆腐になります。
一方凝固剤ににがりを使った豆腐は大量の大豆を使って少量しか作れないので、味がしっかりと詰まった豆腐になり、おいしい豆腐になるのです。
専門店やお取り寄せだけでなく、スーパーでもおいしい豆腐は手に入ります。栄養成分表示を確認し、凝固剤ににがりを使用している商品を選びましょう。
次からは、厳選したおいしいおすすめの豆腐をご紹介します。
1:さとの雪 ずっとおいしい豆腐
さとの雪ずっとおいしい豆腐は、原材料が国産大豆、水、にがりだけの充填豆腐です。大豆は国産100%、四国の水、にがり100%、しかも保存料も消泡剤も不使用という、安心安全な豆腐です。
容器作りから、完全無菌化、衛生的な空間で豆乳とにがりを充填し、密封容器に閉じ込める技術で、常温でも長期保存ができます。
2:五右衛門 丹沢大山五右衛門もめん
丹沢大山五右衛門の木綿豆腐は、大豆、水にこだわり、五右衛門風呂に似た釜の中の湯煎で豆腐を熟成させた伝統ある豆腐です。
国産大豆100%、天然にがり使用で、表面はしっかりと木綿なのに、中は絹のように滑らかな食感が人気です。
3:セブンプレミアム 濃い絹
セブンプレミアムの濃い絹は、北海道産大豆100%、粗製海水塩化マグネシウム(にがり)と水のみで作り上げた絹ごし充填豆腐です。
豆の味が濃厚で、絹のわりにはしっかりと食感が感じられます。つるんとしたのどごしと、コンビニで手に入る本格的な豆腐として人気です。
4:豆腐工房ゆう 特選絹ごし
豆腐工房ゆうがつくる豆腐は、選び抜いた国産大豆とにがりにこだわった風味豊かな豆腐です。あまり水切りをしすぎないことで、つるんとのどごしなめらか、やわらかい食感が楽しめます。
全国豆腐品評会で金賞も受賞しており、大豆本来のふくよかな甘みが堪能できます。
5:男前豆腐 特濃ケンちゃん
小分けパックでパッケージも目を引く男前豆腐の人気商品です。スーパーで気軽に手に入るものの、国産大豆100%、天然にがりのみ使用した充填豆腐で、本格的な味わいが楽しめます。
絹ごしですが、濃厚で食べ応えがあり、そのまま何もつけずに味わうことができます。コスパがかなりいい一品です。
いろいろな豆腐を食べ比べてみよう
いかがでしたでしょうか。私たちになじみ深い豆腐ですが、種類や選び方を知れば知るほど奥が深く、原材料もシンプルだけに産地や工程に作り手のこだわりがみえてきます。
昨今ではスーパーやお取り寄せ、直営店など様々な方法で日本各地の豆腐が入手できます。ぜひ、ポイントを押さえていろいろな豆腐を食べ比べ、自分だけのお気に入りの豆腐、お気に入りの食べ方をみつけてみてはいかかでしょうか。