2022年06月21日公開
2024年05月22日更新
とろろ蕎麦の食べ方に決まりはある?粋な食べ方やポイントを解説
とろろ蕎麦の食べ方に決まりはあるのか解説します。とろろ蕎麦の食べ方だけでなく、他の種類の蕎麦の食べ方についても取り上げています。器に麺つゆや薬味を入れる際のマナーや、粋な蕎麦の食べ方も紹介しているため、参考にしてください。
とろろ蕎麦の正しい食べ方は?
蕎麦は、日本人に愛されている麺類の一つです。メニューの種類も多く、趣向を凝らしたアレンジ蕎麦も人気があります。
数あるメニューの中でも、とろろ蕎麦は食べ方がわかりづらいという人もいるでしょう。とろろ蕎麦の食べ方には、マナーや決まりがあるのでしょうか?
本記事では、とろろ蕎麦の食べ方について解説しています。蕎麦の粋な食べ方や、他の種類の蕎麦の食べ方もまとめているため、参考にしてください。
とろろ蕎麦の食べ方に決まりはある?
マナーや食べ方に決まりはない
とろろ蕎麦を食べるとき、どのように食べれば良いのか悩む人も多いでしょう。麺つゆにとろろを入れて食べたり、とろろが入っている器に麺つゆを入れる人もいます。また、蕎麦にとろろを乗せ混ぜて食べるなど、人によって食べ方はさまざまです。
とろろ蕎麦は、どのような食べ方をしても間違いではありません。自分の食べたい方法で、好きなように食べて大丈夫です。
蕎麦は音を立てて食べても良い
食事の際、音を立てて食べるのはマナー違反です。しかし、蕎麦は音を立てて食べても、マナー違反にはなりません。蕎麦はもぐもぐと噛むのではなく、すすることで豊かな香りを感じることができます。
思い切りすすって、喉越しや蕎麦本来の香りを楽しむのが、粋であるといわれています。しかし、わざと音を立てる必要はありません。大きい音を立てることが粋だと誤解している人もいますが、周囲を不愉快にさせない気配りは大切です。
多くの食事では食べる時に音を立てるのはマナー違反ですが、蕎麦はむしろ音を立てて食べるべき食材です。これは何度も書いてきた「香り」を味わうためで、すする行為によって口から鼻に蕎麦のさわやかな香りを運ぶ、という重要な役割があるからです。
そば湯の楽しみ方
そば湯は、蕎麦の茹で汁です。そば湯が提供されたら、残った麺つゆに注ぎ飲みましょう。麺つゆをそば湯で割らずに、そば湯そのものを味わう飲み方もあります。お好みで薬味を加えても構いません。
そば湯には、蕎麦の栄養成分がたっぷり流れ出ています。また、冷たい蕎麦を食べた後の、冷えた体を温める効果もあります。特に飲み方のルールやマナーはないため、自分の好きな方法で楽しみましょう。
蕎麦の粋な食べ方
食べ方①蕎麦そのものの味を楽しむ
蕎麦本来の味わいを楽しみたいのであれば、まずは麺つゆをつけずに、麺だけで味わってみましょう。何もつけずに蕎麦を数本口に入れ、すすります。蕎麦の香りが口いっぱいに広がり、蕎麦本来の味を楽しめるでしょう。
ざるそばの場合は、山のてっぺんからつまむと、蕎麦をつまみやすくなります。蕎麦をつまみすぎると麺がくっつき、上手く引き出せません。2、3本程度をつまむと引き出しやすく、すすって食べやすいです。
蕎麦本来の香りや味わいを楽しんだ後は、少量の塩をつけて食べるのもおすすめです。塩をつけることで蕎麦の風味や甘みが引き立ち、また違った味わいを楽しめます。
食べ方②薬味は麺つゆに入れない
蕎麦を食べるときに、薬味を麺つゆに入れて食べる人も多いでしょう。しかし、麺つゆに薬味を入れてしまうと、麺つゆが薄まります。最後まで美味しく食べるには、薬味は麺つゆに入れないほうが良いでしょう。
薬味と共に食べる場合は、麺に薬味を乗せるのが粋だといわれています。この方法であれば、複数の薬味がある場合でも、味が混ざることもありません。
また、わさびを麺つゆに溶かしてしまうと、蕎麦本来の味がわからなくなります。つゆがわさびの味になってしまうため、旨味を感じにくいです。そのため、わさびも蕎麦に直接乗せて食べましょう。
食べ方③器に麺つゆを注ぎすぎない
器に麺つゆを注ぐときは、全て入れないようにしましょう。器に全ての麺つゆを入れてしまうと、最後は味が薄まってしまいます。蕎麦を入れたときに、溢れたり食べづらくなるため、入れる量は器の1/4程度が理想です。
次第に味が薄まってくるため、その都度麺つゆを器に注ぎます。こうすることで、最後まで美味しく蕎麦を食べられます。
食べ方④蕎麦は麺つゆに浸しすぎない
麺つゆに蕎麦を全部浸して食べるのは、粋ではありません。蕎麦を麺つゆにつけるときは、1/3程度にとどめましょう。昔から「そば三分」といって、1/3程度を付けるのが最も美味しい食べ方といわれています。
麺の下の方のみ麺つゆをつけて、そのまますすります。そうすることで、蕎麦の醍醐味でもある、香りを堪能できるでしょう。
特に関東風の麺つゆは味が濃いため、つゆはつけ過ぎないほうが良いです。しかし、つゆの濃さには好みがあります。薄く感じる場合は、蕎麦を全部つけて食べても、マナー違反ではありません。
美味しく食べることが大切であるため、そのときの気分や店の味によって、臨機応変に対応しましょう。ただし、麺つゆに蕎麦を入れて、箸で混ぜるのはマナー違反になります。
食べ方⑤蕎麦は噛んで食べても良い
「蕎麦は噛まずに食べるのが粋である」と、聞いたことがある人も多いのではないでしょうか?蕎麦は喉越しを楽しむものであり、噛んで食べるのは粋ではないという考え方があります。
これは、「蕎麦は噛まずにすする」という食べ方が間違って広まったものです。喉越しを感じるのが蕎麦の楽しみ方であるとはいえ、噛まずに飲み込むのは危険です。
また、噛まずに食べることは、消化不良などの原因にもなります。通なふりをして噛まずに食べることは、逆に粋ではありません。自分が美味しいと感じられるように、きちんと噛んで食べましょう。
とろろ蕎麦以外の食べ方のポイント
ポイント①かけ蕎麦
かけそばとは、器に麺と温かい麺つゆをかけたシンプルな蕎麦です。江戸時代は、つゆに蕎麦をつけて食べるのが主流でした。しかし、江戸時代中期頃になると、つゆを蕎麦にかけて食べるようになります。これがかけそばの始まりです。
温かいつゆをかけたものは「かけそば」、冷たいつゆをかけたものは「ぶっかけ」と、呼び区別されています。かけそばは蕎麦につゆがかけられているため、蕎麦とつゆの組み合わせを楽しむものです。
かけそばを食べると、その店のレベルがわかるといいます。シンプルだからこそ、蕎麦やつゆの美味しさがダイレクトに伝わるのでしょう。かけそばは伸びやすいため、時間をかけずにさっと食べたほうが良いです。
ポイント②月見蕎麦
月見蕎麦とは、卵をトッピングした蕎麦のことです。白身を雲に、黄身を月に見立て、生卵や温泉卵を割り入れます。
月見蕎麦の食べ方にも、特に決まりはありません。黄身を溶かしつゆと絡めて食べるのが一般的ですが、自身の好きなように食べるのが最も良いです。シンプルな蕎麦も卵が加わるだけで、味わいが大きく変化します。
ポイント③すだち蕎麦
すだちスライスが器を覆い尽くす、目で見ても楽しめる人気の蕎麦メニューです。すだちスライスには、皮も種もついています。そのため、すだちを食べても良いのか、食べずに残すのか気になる人も多いでしょう。
すだち蕎麦も他の蕎麦と同じように、時に食べ方の決まりはありません。おすすめは、すだちを避けて蕎麦だけを食べ、次にすだちごと蕎麦を食べる食べ方です。
すだちの苦味が気になる場合は、小皿に取り除いても良いでしょう。苦味が美味しいと感じる場合は、すだちごと食べるのがおすすめです。
とろろ蕎麦の食べ方に特に決まりはない
とろろ蕎麦の食べ方に決まりはないため、好みの食べ方で食べると良いでしょう。蕎麦の粋な食べ方もありますが、自分が美味しいと感じる食べ方が最も良いです。
しかし、音をわざと大きく立てたり、器に入った蕎麦を箸でかき混ぜるのはマナー違反です。みんなが気持ち良く食べられるように、最低限のマナーは守りましょう。