2022年06月07日公開
2024年06月10日更新
しいたけが黒いのは腐っている?原因や変色を防ぐ保存方法も解説
しいたけが黒いのは腐っているかを解説します。黒く変色する原因や、傘の裏側を見て腐っているかを判断する見分け方なども説明!また、黒い状態になるのを防ぐ正しい保存方法や、乾燥しいたけの作り方も紹介するため、参考にしてください。
しいたけが黒いのは腐っているかを解説
しいたけは火が通りやすく使い勝手も良いため、さまざまな料理に使われる食材です。購入して数日経つと、しいたけが黒く変色していることがあります。そのような場合、食べられるのか気になる人もいるでしょう。
本記事では、しいたけが黒いときは腐っているのか、食べられるかどうかの判断基準を解説します。また、しいたけが良い状態で日持ちする、正しい保存方法も紹介します。
しいたけが黒いのはなぜ?
原因①酸化
しいたけは酸素に触れる時間が長いと、変色しやすい特徴があります。空気に触れて酵素が活発に働き出すことで、しいたけに含まれるチロシンが酸化をします。そうすると、メラニンなどの色素が変化をして、黒くなるのです。
保存期間が長ければその分酸素に触れるため、傘の裏側やヒダの部分が、しだいに黒い色へ変化をしていきます。
原因②高温多湿
しいたけに最適な温度は約5℃です。20℃以上の場所に置いておくと、劣化が早くなり黒い色へ変化していきます。
また、しいたけは呼吸をしており、内側から水分を出しています。パックに入れたままで通気性が悪くなると、湿度が高くなり傷みやすいです。そうすると、傘の裏側などが常に濡れた状態になり、劣化をして黒く変色していきます。
原因③腐敗
しいたけは、収穫後も呼吸をしながら胞子を出して生きています。そして、しいたけには寿命もあるのです。傘の部分が開ききった状態になると、胞子を出すこともなくなり、少しずつ劣化して最後は黒い状態で腐敗します。
また、寿命でなくても、しいたけに菌が付着して繁殖したことが原因で、腐敗することもあるでしょう。他にも、「茎腐れ病」や「トリコデルマ病」などによる、しいたけの病気によって腐敗して、黒く変色することもあります。
しいたけが黒いときに腐っているかの見分け方
見分け方①傘の裏側
しいたけの傘の裏側を見て、黒い部分がどの程度広がっているかを確認します。裏側のひだのところが少し変色していたり、黒い点がボツボツと付いている程度であれば、食べられるでしょう。
また、傘の断面が見えるようにカットしてみて、中まで黒い状態になっていた場合は、食べずに処分してください。ちなみに、新鮮なしいたけの傘の裏側は白いです。劣化するにつれて、黄色、茶色、黒の順に、傘の裏側や軸が変色していきます。
見分け方②感触
腐った黒いしいたけは腐敗菌に侵されているため、触るとヌルヌルしています。また、水っぽくて汁気が出ており、弾力もありません。特にぬめりが出ている場合は、腐敗がかなり進んでいます。食べられる部分はないため、速やかに処分をしてください。
見分け方③臭い
黒いしいたけは、臭いに特徴があるのでしょうか?酸化したしいたけは、酸っぱい臭いを放出します。しかし、酸っぱいにおいがしても、黒い部分がほぼなければ、食べることができます。加熱調理をすると、臭いは気にならなくなるでしょう。
ただし、しいたけがすでに黒く変色し、鼻を突くような刺激臭であれば、食べないほうが良いです。他にも、カビの臭いがするときは、食あたりになる可能性もあるため処分してください。
黒いしいたけを食べ過ぎた場合
しいたけの黒い部分は、食べられるとしても新鮮な状態ではありません。食べ過ぎると、腹痛や下痢を起こす可能性もあるでしょう。変色したしいたけを食べる際は、黒い部分を取り除き適量にしましょう。ただし、アレルギー体質の人は、食べないほうが無難です。
また、生のしいたけにはホルムアルデヒドが含まれており、皮膚や胃腸を荒らす害があります。ホルムアルデヒドは、加熱されると分解して消失するのが特徴です。そのため、必ず加熱調理をして食べてください。
しいたけの表面に白いふわふわが付いている場合は?
しいたけの表面に発生する白くてふわふわしたものは、一見カビのようですが気中菌糸といいます。気中菌糸はカビでないため、食べても問題ありません。しかし、白カビが発生していることも、稀にあります。気が進まなければ、無理に食べなくても良いでしょう。
万が一、白カビを食べてしまっても、そのまま胃の中で普通に消化されます。健康に悪影響を与えるわけではないため大丈夫です。ちなみに、青や緑のカビが生えている場合は、下痢や腹痛を発症することもあるため、食べないでください。
しいたけが黒く変色するのを防ぐ保存方法
保存方法①常温
常温保存をする場合は、密封できるシッパー袋などに入れて、なるべく空気に触れないようにします。保存する際は、傘を下にして軸が上になるように入れると、胞子の飛散を防ぎ劣化しにくいです。また、乾燥剤を一緒に入れておくと湿気防止になり、さらに良いでしょう。
保管場所は、風通しの良い冷暗所が適しています。常温保存の場合は、夏季で約1~2日、冬季で約1週間が日持ち期間の目安です。特に夏季は鮮度を維持することが難しいため、早めに食べ切ることをおすすめします。
保存方法②冷蔵
外気の温度が高い夏場などは、冷蔵庫で保存をしたほうが、さらに日持ちします。手順は、しいたけをキッチンペーパーや新聞で包みます。それをサランラップで包むか、ポリ袋に入れてください。傘を下にして、冷蔵庫に入れて保存しましょう。
最初にキッチンペーパーや新聞紙で包む理由は、冷蔵庫の冷気でしいたけから出てくる水分を、吸収させるためです。そうすれば、冷蔵庫の中で低温と低湿度の状態を保てるため、常温より日持ちします。冷蔵で保存する場合の日持ち期間は、約1週間が目安です。
買ってきたパックや袋のまま保存すると、内側に水滴がつき、傷む原因に。
水分を残さないよう、乾いたキッチンペーパーを敷いた保存容器やポリ袋に入れて、冷蔵庫の野菜室で保存しましょう。
保存方法③冷凍
栄養価や鮮度を最も長く維持できるのは、冷凍保存です。手順は、しいたけの表面を清潔な布巾で軽く拭きます。次に、石づきを切り落として、食べやすい大きさにカットしてください。食べ切れる量ずつ小分けにして、シッパー付きの保存袋に入れ冷凍します。
きのこ類は一度冷凍をすると、生のときよりも旨味成分が増して、栄養価も高くなります。そのため、日持ちさせることが目的でなくても、先に冷凍してから調理をする人も多いです。
ちなみに、切り落とした石づきも、汚れを落として一緒に冷凍しておくと料理に使えます。冷凍保存での日持ち期間は、約1ヶ月が目安です。
保存方法④乾燥
しいたけを乾燥させて保存する方法もあります。傘のひだの部分を上に向けて、天日干ししてください。その際は軸を切り落としたほうが、早めに乾燥します。スライスなどにして、乾燥させても良いでしょう。
軸を付けたままにする場合は、干している間も傘を裏返したりして、水分をしっかり抜き取ることがポイントです。容器に保存するときは、湿気防止のために乾燥剤を一緒に入れておくと、さらに日持ちします。
また、電子レンジを使って、簡単に乾燥させることもできます。丸ごとのしいたけの場合は、600Wで約2分ほど加熱すればOKです。
しいたけが黒いのは鮮度が落ちた証拠
しいたけが黒い場合は、温度や湿度、酸化によって劣化している証拠です。腐っていなければ黒い部分を取り除いて、なるべく早く食べ切ることをおすすめします。
また、軸の中まで黒い状態になっていたら、腐敗している可能性が高いため、食べないでください。しいたけを正しく保存して鮮度を保ち、美味しく食べ切りましょう。