2021年12月20日公開
2024年11月17日更新
しいたけがすっぱい味・においのときは危険?原因と食中毒の関係性
しいたけがすっぱい味やにおいのときは危険な理由について解説します。なぜしいたけは腐るとすっぱい味になるのか、その原因や食中毒との関係性について詳しく説明します。焼くとにおいが増す理由や、しいたけの上手な保存方法なども紹介します。
しいたけがすっぱいと危険な理由を説明!
旨味がたっぷりと詰まったしいたけは鍋物などに活躍する食材ですが、食べたらすっぱい味がしたことはありませんか?多少すっぱくても気にせず食べてしまう人もいますが、すっぱいしいたけを食べることは危険な行為です。
本記事では、すっぱいしいたけが危険な理由について詳しく説明します。しいたけの上手な保存方法も紹介しているので、ぜひ参考にしてください。
しいたけがすっぱい原因は?
すっぱいときは腐っている・腐る寸前
しいたけは水分が多いため、細菌や微生物も繁殖しやすくなります。保存状態が悪かったりすると細菌や微生物が増殖して、すっぱい味がするようになるのです。
すっぱいしいたけは腐る寸前か、すでに腐っている可能性が高くなります。腐っていることに気づかずすっぱいしいたけを食べてしまった場合は、飲み込まずにすぐに吐き出すようにしましょう。
腐っているしいたけの見た目やにおいの特徴
すっぱい味がするかどうかは食べてみないとわかりませんが、しいたけの異変は食べる前でも気付くことができます。腐っているかどうか一番わかりやすいのは、しいたけの傘の内側を見ることです。ここが黒ずんでいれば、すでに傷み始めている証拠となります。
傘の内側だけでなく傘自体が黒ずんでいたり、カットした中身がピンク色になっているときも要注意です。また、明らかにカビが生えていることもありますが、白い綿状のものは気中菌糸というもので食べても害はありません。
青や緑のカビはわかりやすいのですが、白いカビはこの気中菌糸と間違えやすいので気をつけましょう。他にも腐ったしいたけは表面にぬめりが出たり、アンモニアのような異臭がするようになります。
調理後に気付くこともある
調理前は異臭がしなかったのに、しいたけを焼くとすっぱいにおいが漂ってくることがあります。においは高温になればなるほど感じやすくなるため、焼く前に気づけなかったすっぱいにおいに気づくようになるのです。
もしも調理中に異臭に気づいた場合は、もったいないですがその料理は破棄するようにしましょう。
白い虫がついているときも要注意
しいたけに限らず、きのこ全般にはショウジョウバエの幼虫がついていることがあります。これらの幼虫は白いためカビと間違えることもありますが、取り除いてしまえば問題なく食べることができます。
特に家庭菜園などで栽培したときにつきやすいので、収穫するときによくチェックしましょう。ショウジョウバエの幼虫はピンセットで取り除くこともできますが、数が多いときはしいたけを塩水に漬けておくのがおすすめです。
1lの水に対して大さじ1〜2杯くらいの塩を混ぜたら、あとはしいたけを漬けて20分以上放置しておけばOKです。小さい幼虫は見ても気づかないことがあるので、家庭菜園で栽培したしいたけは念のため塩水に漬けておくと良いでしょう。
すっぱいしいたけを食べるとどうなる?
食中毒を起こすことも
すっぱいしいたけを食べると、食中毒を起こす原因となります。食中毒を起こすと下痢や腹痛、吐き気などの症状だけでなく、発熱や頭痛などが起きることもあります。
焼くと菌を死滅させられそうな気もしますが、菌によっては調理の加熱程度ではやられないものも多くいます。すっぱいしいたけは加熱調理をしたものでも、絶対に食べないようにしましょう。
菌の種類で症状が異なる
同じ食中毒でも、腐る原因となった菌によっても症状は変わってきます。例えば黄色ブドウ球菌であった場合、潜伏期間が30分〜6時間と比較的早く症状が現れます。
しかし、ボツリヌス菌であった場合は潜伏期間が8〜36時間と長いため、食べた当日に症状が出なかったとしても安心できません。下痢や吐き気しか引き起こさない菌もいれば、呼吸困難などの神経症状を引き起こす菌もいます。
食中毒で病院にかかるときの目安ポイント
病院にかかるべきかを判断するときは、下痢や嘔吐が1日に10回以上続くかどうかを目安にすると良いでしょう。また、水分さえ吐いてしまうような激しい嘔吐や、血便が出るときもできるだけ早く受診しましょう。
呼吸困難や意識障害など明らかに命の危険がある場合は、ためらわずに救急車を呼んでください。比較的症状が落ち着いているときは、水分を補給して自宅で安静にしていれば大丈夫です。
しいたけの選び方とおすすめの保存方法
選び方
鮮度の良いしいたけを買いたいときは、色が明るくて表面にハリとツヤがあるものを選びましょう。また、傘はあまり開いておらず、裏側のヒダは白くてハリがあるものを選ぶのがポイントです。石づきは長いものよりも、太くて短いほうが美味しく食べられます。
また、パックされている容器や袋に水滴がついているものは、袋詰めされてからだいぶ時間がたっている商品です。少しでも新鮮なしいたけを選ぶためには、容器や袋に水滴がついていないことも確認しましょう。
冷蔵保存の場合の賞味期限
しいたけは高温多湿に弱く、常温保存はできません。基本は冷蔵保存ですが、正しく保存しておけば1週間程度は日持ちします。腐ることなく上手に保存するためには、キッチンペーパーや新聞紙で包むのがおすすめです。
もしも買ってきた時点で少し湿っていた場合は、少し乾かしてから包みましょう。新聞紙などで包んだらさらにラップで覆い、石づきを上にして冷蔵庫の野菜室で保存すればOKです。ラップの代わりに密閉袋を利用することもできます。
保存方法①冷凍保存
買ってきたしいたけをすぐには食べないときは、冷凍保存しておくのがおすすめです。冷凍する場合は石づきをあらかじめ切り落とし、密閉袋に入れて空気を抜きましょう。
この際丸ごとでも大丈夫ですが、あらかじめカットしておくと焼くときなどにすぐに使えて便利です。空気を抜いた保存袋は冷凍庫に入れて、できるだけ温度が変わらない場所で保存しましょう。
賞味期限の目安は1ヶ月ですが、長く保存するとそれだけ風味も失われます。冷蔵よりは長持ちするとはいえ、できれば早目に食べたほうが良いでしょう。
保存方法②乾燥保存
市販の商品でも干ししいたけがあるように、長期保存したいのであれば乾燥させてしまうのが一番です。天日干しすることで栄養価や旨味もアップするため、長く使わないときのおすすめの保存方法です。
まずは石づきをカットし、ザルや網の上にしいたけを重ならないように並べましょう。あとは風通しの良い日が当たる場所に置いて、しっかりと乾燥させるだけです。干すときは、丸ごとでもカットしてあってもどちらでもOKです。
丸ごと干した場合は5日〜1週間、スライスしたものであれば2〜4日程度で完成します。しっかりと中まで乾燥できていれば、1〜2ヶ月は日持ちさせることが可能です。
しかし、内側に水分が残っているとカビが生えたり変なにおいがしてくることもあるので、様子を見ながら早目に食べきりましょう。乾燥させたものはそのままでも保存できますが、乾燥剤と一緒に密閉容器に入れて冷蔵庫で保存すると一番長持ちします。
しいたけがすっぱいときは食べずに捨てよう
しいたけがすっぱいときはすでに腐り始めているサインで、そのまま食べてしまうと食中毒になる可能性があります。
腐っているかどうかはにおいや見た目でも判断できるので、食べる前にしっかりとチェックすることが大事です。食べてみて少しでも異変を感じた場合は、ためらうことなくすぐに処分するようにしましょう。