2022年04月28日公開
2024年11月22日更新
もち麦が血糖値の上昇を抑える理由は?効果効能や炊き方・食べ方も
もち麦が血糖値の上昇を抑える理由について解説します。なぜもち麦を食べると血糖値が上がるのを防げるのか、食物繊維の働きを踏まえて詳しく説明します。ダイエットや糖質制限に役立つ、効果効能や食べ方も紹介!炊き方やアレンジ方法も載せているため、参考にしてください。
もち麦は血糖値が上がるのを抑える働きがある?
健康やダイエットのために、食事にもち麦を取り入れる人もいるでしょう。もち麦は食物繊維が豊富で、血糖値が上がるのを防ぐ働きがあります。
なぜ血糖値の上昇を抑えられるのか、その理由や他の効果について解説します。上手な炊き方や効果的な食べ方も紹介しているため、ぜひ参考にしてください。
もち麦とは?
もち麦は大麦の一種
麦には大麦や小麦、オーツ麦などの種類があり、もち麦は大麦の中のひとつです。大麦は1本の軸に穂が6列つき、その穂につく実の数によって分類されます。
6列すべてに実がなるものが「六条大麦」で、2列しか実がつかないものが「二条大麦」です。六条大麦の中でも粘りが強い「もち性」の麦が、もち麦と呼ばれます。逆に、粘りが少ない六条大麦は、「うるち麦」と呼ばれています。
もち麦と押し麦の違い
押し麦ともち麦の違いのひとつは、麦の加工法です。もち麦は大麦の外皮を除き、蒸した後に磨く工程に入ります。一方の押し麦は、蒸した後にローラーなどで潰して作られます。そのため、もち麦は丸々とした形で、押し麦は潰れた形をしているのです。
もうひとつの違いは、それぞれに含まれている成分です。大麦の主成分であるデンプンには、「アミロペクチン」と「アミロース」の2種類があります。
もち麦には「アミロペクチン」が、押し麦には「アミロース」が多く含まれています。アミロペクチンは粘りを出す働きがあるため、もち麦はもちもちとした食感になるのです。
もち麦の食物繊維含有量
もち麦の食物繊維の含有量は、100g当たり12.9gです。玄米や押し麦も食物繊維は豊富ですが、それらをさらに上回っています。食物繊維が豊富であるといわれているゴボウでも、100g当たりの含有量は5.7gです。
この数値を見ても、もち麦の食物繊維はいかに多いかがわかります。ただ、商品によっては、押し麦のほうが食物繊維を多く含んでいることもあります。商品ごとに含有量が異なるため、購入前にパッケージの成分表などを確認しましょう。
もち麦 | 12.9g |
---|---|
玄米 | 3g |
押し麦 | 9.6g |
もち麦が血糖値の上昇を抑える理由と効果効能
血糖値の上昇を抑える理由
もち麦には、血糖値の上昇を抑える効果があります。これは、胚乳に含まれている、大麦β-グルカンという成分のおかげです。大麦β-グルカンは、水溶性食物繊維のひとつです。
大麦β-グルカンは水分を吸収し、ゼリー状に固まります。固まった大麦β-グルカンは、胃腸内をゆっくりと移動し、糖質の吸収をゆるやかにしてくれます。そのため、もち麦を食べることで、食後でも血糖値が上がりにくくなるのです。
効果効能①便秘解消効果
大麦β-グルカンの効果は、血糖値が上がるのを防ぐだけではありません。大麦β-グルカンは腸内の善玉菌のエサとなり、腸内環境を整えてくれます。
すると、便通がスムーズになり、便秘が解消されるのです。便秘が解消すると代謝も良くなるため、ダイエットにも役立ちます。
効果効能②糖尿病予防と悪玉コレステロールの低減
血糖値が急激に上がることは、糖尿病の原因にもなります。しかし、もち麦を食べることで血糖値が上がりにくくなるため、結果的に糖尿病を予防してくれるのです。
また、大麦β-グルカンには、コレステロール吸着して排出を助ける働きもあります。悪玉コレステロールが減ると、動脈硬化や高血圧の予防に効果的です。
効果効能③食物繊維によるセカンドミール効果
もち麦に豊富な食物繊維には、セカンドミール効果があります。セカンドミール効果とは、最初に取った食事が、次の食事の血糖値にも影響を及ぼすことです。
つまり、最初に血糖値が上がりにくい食事をすることで、次の食事でも血糖値の上昇を抑えられるのです。朝食にもち麦を食べれば、昼食後の血糖値上昇を防ぐことができます。
もち麦の炊き方と血糖値の上昇を防ぐ食べ方
炊き方①もち麦だけ炊く場合
もち麦だけを炊く場合は、1合(150g)につき水300mlを使います。2合や3合使うときは、水の量も同じく2倍、3倍に増やしてください。白米のように研ぐ必要はないため、そのまま炊飯器に入れてOKです。
水を加えたら、あとは白米モードで炊けば完成です。くさみが気になる場合は、一度水洗いしてから使いましょう。ただ、水洗いした場合は、食感が少し柔らかくなります。
炊き方②白米とブレンドする場合
初めてもち麦を食べる人は、まずは白米とブレンドするのがおすすめです。白米を研ぎ、炊飯器に入れて目盛り通りに水を加えましょう。白米の準備ができたらもち麦を入れて、倍量の水を足します。
例えばもち麦を50g入れるのであれば、水はその倍量の100mlが必要です。もち麦は白米1合につき、50gが目安です。白米を2合、3合と増やす場合は、もち麦も100g、150gと同じ倍率で増やしてください。
食べ慣れてきたら、もち麦の割合を増やしてみても良いでしょう。ダイエットや糖質制限が目的で食べるのであれば、白米1合につき75g程度がおすすめです。ブレンドの割合で味や食感が異なるため、自分の好みの分量を探ってみてください。
血糖値の上昇を防ぐ食べ方
もち麦を食べるのであれば、朝食や昼食がおすすめです。昼食がいつも外食になってしまうときは、朝食に取り入れてみましょう。セカンドミール効果で、昼食後の血糖値上昇を抑えられます。
逆に、夕食のほうがカロリーや糖質が高い食事になる場合は、昼食にもち麦を食べましょう。このように、その日の献立や外食予定を考えながら、食べるタイミングを図ることが大事です。
ただ、ダイエットに利用する場合は、食べすぎに注意が必要です。カロリーや糖質が極端に低いわけではないため、必要以上に食べると太る原因になります。ダイエット中はカロリーを計算しながら、食べる量を調整しましょう。
もち麦はアレンジも楽しめる
もち麦はそのまま炊いて食べるだけでなく、アレンジして楽しむこともできます。味が少し苦手な場合は、雑炊やリゾットにアレンジするのがおすすめです。雑炊は市販のお吸い物の素を使えば、簡単に作ることができます。
リゾットも、トマト缶などを利用することで、短時間で出来上がります。また、ぷちぷちとした食感を活かして、サラダのトッピングに使っても良いでしょう。ダイエット目的で食べる場合は、味噌汁に入れる方法もあります。
味噌汁の水分を吸収してもち麦が膨らみ、満腹感を得ることができます。余計な間食を防ぎたいときなどに、利用してみてください。
もち麦を料理に取り入れて血糖値の上昇を抑えよう
もち麦は食物繊維が豊富で、健康やダイエットに役立つ食材です。特に血糖値の上昇を抑える働きが顕著で、食事の糖質量が多いときに取り入れるのがおすすめです。
そのままだと食べにくい場合は、いろいろな料理にアレンジして楽しむこともできます。食べ方を工夫しながら、普段の食事に上手く取り入れてみましょう。