2022年04月14日公開
2024年11月22日更新
ニンニクの芽の匂いの原因とは?効果効能や予防法・対処法を解説
ニンニクの芽の匂いの原因を解説します。アリシンなどの栄養素の効果効能や、次の日に匂いが残った場合の対策も説明!新鮮なニンニクの芽の選び方や、正しい保存方法もまとめています。匂いを予防する方法も紹介するため、ぜひ参考にしてください。
目次
ニンニクの芽の匂いを予防する方法を解説!
ニンニクの芽は、シャキシャキした食感と独特の甘みが人気の野菜です。肉料理との相性が良く、中華料理をはじめ、さまざまな料理で利用できます。鮮やかな緑色で彩りが良く、肉巻きなどにしてお弁当でも活用できるでしょう。
この記事では、ニンニクの芽の匂いの予防方法や、匂いが残った場合の対策を解説します。おすすめの食べ方も紹介するため、ぜひ参考にして、匂いを気にせずにニンニクの芽を堪能してください。
ニンニクの芽の匂いの原因
ニンニクの芽とは?
土の中のニンニクは、花を付けるために地上に茎を伸ばします。この茎が、花茎と呼ばれる部分です。ニンニクは花を咲かせると栄養が奪われてしまうため、花茎は摘み取られます。摘み取られて出荷される花茎が、ニンニクの芽です。
香りはニンニクと同じですが、それほど強くはありません。摂取量が多いと匂いが強くなるため、注意する必要があります。
販売されているニンニクの芽のほとんどは中国産ですが、国内では青森や四国、九州で栽培されています。国内産の旬は、5月下旬から6月初旬です。
ニンニクの芽の匂いの原因はアリシン
ニンニクの芽の匂いの原因は、アリシンという硫黄化合物によるものです。アリインという物質が、酵素のアリナーゼによって分解することで、アリシンが発生します。
アリインは、葱やニンニクなどのユリ科の野菜に多く含まれている、無臭の成分です。切ったり潰したりすることで分解され、強い匂いを持つアリシンが生成されます。アリシンは強い刺激臭を発しますが、疲労回復などの健康効果にも期待できます。
アリシンとは、強いにおいを持つイオウ化合物の一種で、主ににんにくやねぎなどのユリ科の野菜に多く含まれています。特ににんにくはアリシンを豊富に含む食材であり、にんにくが持つ特有の強いにおいはアリシンによるものです。
ニンニクの芽の匂いはどのくらい続く?
ニンニクの芽が初めに匂いを発するのは、口の中です。匂いの原因であるアリシンが、口臭として残る時間は、3時間程度になります。
摂取量が多いと血液に溶け込み、口の中だけでなく全身に広がります。この場合は、翌日まで残ることがあるでしょう。
ニンニクの芽の効果効能
効果効能①疲労回復
ニンニクの芽には、ビタミンB1が含まれています。ビタミンB1は、糖質のエネルギー代謝を高めることで、疲労回復を助ける健康効果がある栄養素です。
また、切ったり潰したりすることで、アリシンを生成します。アリシンは、ビタミンB1と結合すると、アリチアミンに変わります。アリチアミンは、ビタミンB1の吸収を助ける働きを持つ成分です。
アリチアミンは血液中に長く留まり、効果を持続できます。ビタミンB1はアリシンと結合することによって、利用効率が高まり疲労回復効果が長く続くでしょう。
効果効能②ガンを抑制する
ニンニクの芽に含まれるアリインが分解すると、アリシンが生成されます。アリシンには抗酸化作用があり、活性酸素を抑える効能があるため、発ガン物質の活動抑制に効果的です。
また、アリシンには免疫力を高める働きもあります。免疫力が上がると、ガン細胞を排除したり、ガン細胞の増殖を抑えることが可能です。免疫力アップは、ガンの予防に繋がるでしょう。
効果効能③生活習慣病を防ぐ
アリインは血液の凝固を抑制して、血液をサラサラにする成分です。また、アリシンは末梢血管を広げて、血流を良くします。これらの働きにより、血液中の悪玉コレステロールが減り、高血圧や心臓病などの生活習慣病を予防することが可能です。
血管が硬くなると、血栓によって血管が詰まる、動脈硬化を引き起こすことがあります。アリシンの健康効果のひとつが抗酸化作用です。抗酸化作用により、血管の硬化を防ぐことができるため、動脈硬化を予防する効果も期待できます。
効果効能④免疫力向上
ニンニクの芽には、カロチンやビタミンCが含まれています。カロチンやビタミンCは、免疫力を向上させる効果が期待できる栄養素です。
免疫力が高まれば、細菌やウイルスを排除し、増殖を抑えることができるでしょう。また、病原菌から身体を守ることもできるため、病気の予防につながります。
効果効能⑤むくみ解消
ニンニクの芽には、ビタミンB6が含まれています。ビタミンB6は、ホルモンバランスを整える働きを持つ栄養素です。ビタミンB6を摂取することで、ホルモンバランスが乱れることで起こるむくみ対策に、効果があるでしょう。
効果効能⑥腸内環境を整える
ニンニクの芽には、食物繊維も豊富に含まれています。食物繊維は、腸内の善玉菌を増やし、腸内環境を整える成分です。
腸内環境が整うことにより、便秘や下痢を予防できる他、免疫力向上や美肌、ダイエットにも効果があります。
ニンニクの芽の匂いを予防する方法
予防方法①食前に牛乳かお茶を飲む
ニンニクの芽の匂いを予防する対策方法は、食べる前に牛乳か緑茶を飲むことです。匂いの原因であるアリシンは、タンパク質と結びつきやすい性質があります。アリシンに牛乳のタンパク質を結びつけることで、匂いを出す働きを抑えられます。
牛乳が苦手な人は、緑茶を飲むと良いです。緑茶には、茶カテキンとよばれるポリフェノールが含まれています。
茶カテキンもアリシンと結合するため、アリシンの働きを抑制する効果があります。より効果を高める対策として、緑茶は低温で淹れるのがおすすめです。
予防方法②烏龍茶を飲む
ニンニクの芽を食べた後の強い匂いを消したいときは、烏龍茶を飲む対策がおすすめです。烏龍茶にもカテキンが豊富に含まれているため、アリシンの働きを抑制できます。
また、アリシンが体内に入ると、さらに強い匂いの物質を発生することがあります。この物質は、烏龍茶を飲むことによって、取り除くことが可能です。より対策効果を発揮したい人は、濃いめに入れると良いです。
烏龍茶には利尿作用もあります。体内に入ってしまったアリシンを、尿と一緒に排出して匂いを消すこともできるでしょう。
予防方法③りんごかチョコレートを食べる
りんごやチョコレートには、ポリフェノールが多く含まれています。アリシンは、ポリフェノールによって分解、吸収される物質です。
ポリフェノールを含む食品を摂取することで、アリシンの働きを抑制できます。ニンニクの芽を食べた後は、デザートにりんごやチョコレートを食べると良いでしょう。
りんごのポリフェノールは、皮と実の間に多く含まれるため、できれば皮ごと食べるのがおすすめです。
予防方法④口臭ケア商品を利用する
外出先でニンニクの芽を食べるときには、口臭ケア用品を持ち歩いて、活用する対策方法が便利です。
口臭ケア用品は、一時的に匂いを抑える効果がありますが、根本的な消臭はできません。また、アリシンが体内に入ってしまうと、効果は見込めないため注意しましょう。
ニンニクの芽の匂いが次の日も残った場合の対処法
対処法①水分を多く摂る
ニンニクの芽を食べた次の日は、匂いを防ぐために水分を摂取する対策がおすすめです。朝起きてすぐに、コップ一杯の水を飲むと良いでしょう。
アリシンは水溶性のため、水に溶ける成分です。水分を取ることで、体内に残っているアリシンの成分は薄まります。多量の水分を取ると、アリシンの働きを抑制できる可能性が高いです。
また、水分を摂取すると、口の中の乾燥を防ぐこともできます。口の中が乾くと細菌が繁殖しやすくなり、より口臭が強まるため、水分を保つことも重要です。一日に1.5L以上の水を摂取すると良いでしょう。
水分を多く取ると利尿作用が強まり、尿と共にアリシンが排出され、体内の匂いが消えます。特にコーヒーや烏龍茶は、利尿効果が高いためおすすめです。
対処法②汗をかく
アリシンは体内に吸収されると、ガスになって皮膚の毛穴から匂いを放つ物質です。この匂いは持続性があるため、次の日まで残ります。
匂いを消すための対策は、新陳代謝を上げて汗をかくことです。汗とともにアリシンが毛穴から排出されるため、体内のアリシンを排除することができます。
汗をかくには、お風呂で半身浴をしたり、サウナに入るのがおすすめです。運動で汗をかいてそのままにしておくと、皮膚の表面にアリシンの成分が残ります。しっかり拭き取るか、シャワーで流すようにしましょう。
ニンニクの芽の選び方とおすすめの食べ方
ニンニクの芽の選び方のポイント
ニンニクの芽は、キレイな緑色をしており、茎にほど良い硬さと弾力のあるものが新鮮です。先端まで真っ直ぐに伸びていて少し太いものは、栄養成分がいきわたっています。曲がっているものや細いものは、栄養価が低いです。
ニンニクの芽は、ジャガイモの芽のような毒性があるのかと、疑われることがあります。しかし、毒素はないため食べても大丈夫です。
ニンニクの芽の保存方法
ニンニクの芽は、水分が多く傷みやすい野菜です。乾燥を防ぐためポリ袋や密閉袋に入れ、冷蔵庫の野菜室で保存し、2~3日で食べきるようにしましょう。
食べきれないときは、冷凍保存がおすすめです。冷凍すると1ヶ月くらい保存できます。ニンニクの芽を冷凍保存する場合は、下処理が必要です。凍ったまま調理すると水っぽくなるため、ある程度解凍してから使いましょう。
ニンニクの芽のおすすめの食べ方
ニンニクの芽のおすすめの食べ方は、豚肉と組み合わせた炒め物です。アリシンは油と調理することで、成分が壊れにくくなり効果を発揮します。
アリシンは、ビタミンB1の吸収を良くする成分です。ビタミンB1を多く含む豚肉と一緒に油で炒めると、疲労回復効果が高まります。また、豚肉のタンパク質がアリシンと結びつくため、匂いを抑制することもできます。
豚肉との炒め物は、ニンニクの芽を生のまま使用するため、シャキシャキした歯触りが感じられる料理です。味付けを工夫すると、さまざまなバリエーションで、楽しむことができるでしょう。
ニンニクの芽の匂いを防いで美味しく食べよう
ニンニクの芽は、キレイな緑色が食卓を明るくすることでも人気の野菜です。栄養価はニンニクよりも高く、さまざまな健康効果が期待できます。
ニンニクの芽の難点は匂いですが、事前に防ぐことや残った場合に対処することも可能です。この記事を参考に、匂いを防いで美味しく食べて、健康な生活に役立ててください。