にんにくの種類一覧!特徴と栄養成分・選び方や保存方法も解説

にんにくの種類を産地ごとに分け一覧にして紹介します。にんにくの種類ごとに、品種や栽培地、味について解説しています。輸入国や日本の主な産地などの特徴や栄養効果、保存方法などもまとめているため、料理好きの方はぜひ参考にしてください。

にんにくの種類一覧!特徴と栄養成分・選び方や保存方法も解説のイメージ

目次

  1. 1にんにくの種類を産地ごとに分けて紹介!
  2. 2にんにくの特徴と含まれる栄養成分
  3. 3にんにくの種類一覧【国産寒地系】
  4. 4にんにくの種類一覧【国産暖地系】
  5. 5にんにくの種類一覧【外国産】
  6. 6にんにくの種類一覧【その他】
  7. 7にんにくの選び方と保存方法
  8. 8にんにくは種類豊富で匂いや味に違いがある

にんにくの種類を産地ごとに分けて紹介!

手のひらに乗せた数種類のにんにく

普段何気なく料理に使っているにんにくは、気候や色、産地、大きさ、部位によって分類されています。年中スーパーなどで見かけるにんにくの旬は、およそ6~8月の夏です。

本記事では、にんにくの種類を産地ごとに分け品種や栽培地、味について紹介します。特徴や栄養効果、選び方、保存方法についてもまとめているため、ぜひ参考にしてください。

にんにくの特徴と含まれる栄養成分

ホイル焼きやステーキ、スープなどさまざまな料理に活用できるにんにくは、豊富な栄養が含まれています。ここでは、産地や形などの特徴や栄養、効果について紹介します。

にんにくの特徴

にんにくと剝いたにんにく

にんにくは、ヒガンバナ科のネギ属に分類されている強い匂いが特徴的な野菜です。球根部分の鱗茎といわれる部分が肥大化し、外皮を剥くと中に6~10ほどの鱗片が現れます。品種や栽培地など種類によって、大きさや鱗片の数は異なります。

西アジアから地中海沿岸が原産といわれており、約8世紀に日本に伝わりました。国産のものでは、青森県が栽培、生産量のトップを占めています。

国産以外に中国やスペインなど外国産のものも販売されているため、季節を問わずさまざまな品種を購入することが可能です。

にんにくに含まれる栄養成分と効果効能

剥きかけのにんにくとガーリックプレス

にんにくは、アリシンやカロテン、葉酸、ビタミンなどの栄養成分が含まれています。アリシンには滋養強壮効果、葉酸は貧血の予防、ビタミンB6はたんぱく質をエネルギーに変える働きがあります。

その他にマンガンも豊富に含まれているため、骨を丈夫にする効果も期待できるでしょう。にんにくの芽には、多くのカロテンが含まれており摂取するとビタミンAに変換されます。

ビタミンAは、爪や肌などの皮膚や粘膜を健康に保つ働きがあるのです。そのため、適量を日々の食事に取り入れると良いでしょう。

また、にんにくの匂いのもとであるアリシンはビタミンB1と結合することで糖質の代謝を促す作用で知られ、疲労回復や生活習慣病の予防効果があります。

にんにくの種類一覧【国産寒地系】

疲労回復などの効果もあるにんにくは、栽培地によってさまざまな種類があります。ここでは、国産寒地系のにんにくを6つ紹介します。

種類①富良野にんにく

赤紫色をしたにんにく

富良野にんにくという品種は、赤紫色の外皮を剥くと白い鱗片が6つ前後出てきます。北海道富良野市で主に栽培されており、寒い地域での栽培に適した品種です。

この品種は、葉や茎の部分も食べられることでも有名なため、葉や茎、球根をオールマイティに育てることができます。香りも良いため、ホイル焼きなど加熱するとホクホクとした食感と香ばしい味を愉しむことができるでしょう。

種類②北海道在来

ピンク色が特徴的な大量のにんにく

北海道在来の品種は、外皮の色か薄いピンクや赤紫色であることからピンクにんにくとも呼ばれています。品種改良がほとんどされていないため、原種に近い在来品種です。北海道常呂町が、主な産地となります。

風味と辛みが強いく、アリシンなどが通常のものより多いなど栄養価が高い特徴があります。9~10月が旬であり、パスタやホイル焼きなどの料理に適しているでしょう。

種類③福地ホワイト六片

青森県産の代表的なにんにく

福地ホワイト六片は、鱗片は4~6つに分かれている青森県産の代表的な品種です。収穫までに10ヶ月以上かかり、一粒が大きく濃厚で強い甘味が特徴です。福地ホワイト六片は、寒い地域なら家庭菜園でも育てることが可能です。

9~10月に球根を植え付けた後、成長に応じて11月と3~5月頃に追肥をしましょう。7月頃が旬の福地ホワイト六片は、スープやパスタなどさまざまな料理に活用できます。

種類④ニューホワイト六片

純白の大量なにんにく

ニューホワイト六片という品種の外皮は純白で光沢があり、1球あたり鱗片は5~7片あるという特徴があります。ニューホワイト六片は、主に青森県で栽培されている寒い地域に適した種類のにんにくです。

長期間の保存がきくため、冷涼地~弱暖地に住んでいる地域での家庭菜園に向いています。アリシンなど栄養豊富で甘味があるため、加熱調理はもちろん生で食べても良いでしょう。

種類⑤最上赤にんにく

皮が赤いにんにく

最上赤にんにくは、山形県最上地域で栽培されている伝統的な野菜です。外皮に赤みがあり、1片は大粒という特徴があります。

生では辛みが非常に強いため、アヒージョや蒸し焼きなど加熱する料理での使用をおすすめします。この品種は、黒にんにくに加工したものも人気があるようです。

種類⑥行者にんにく

行者にんにく

行者にんにくは、北海道や近畿地方より北の地域で栽培されている珍しい野菜です。寒い地域に適した品種であるため、東北より南の地域では高山でしか見られないでしょう。収穫までには、5年かかる成長が遅い品種です。

にんにくと同じような香りが特徴的で、3~6月初旬が食べ頃となります。北海道では古くから食されている山菜であり、アイヌネギとも呼ばれています。天然ものは減少傾向にある貴重な品種です。

にんにくの種類一覧【国産暖地系】

にんにくは、寒地系と暖地系の種類に分けることができます。ここでは、暖かい地域で栽培されている品種を紹介します。

種類①上海早生

黄色みがかった色が特徴のにんにく

上海早生は中国原産で、日本では九州や四国など暖かい地域で栽培されている品種です。流通しているものは、国内で栽培されたものがほとんどです。

上海早生は、外皮がやや黄色く1球あたり12片前後の鱗片が付いています。強い匂いや辛みがないため、にんにくチップやパスタなどにするとマイルドな味を堪能できるでしょう。

種類②壱州早生

小さなにんにく

壱州早生は、1個がおよそ50gで外皮と実が白い長崎県壱岐市で主に栽培されている品種です。1925年頃に、朝鮮半島から長崎県に伝わったといわれています。暖地系に見られる特徴として、小さな鱗片が12片前後付いています。

強い匂いもなく穏やかな風味があるため、加熱調理はもちろん、生のまますりおろして薬味にしても美味しいでしょう。

種類③遠州極早生

島にんにくと似た大量のにんにくとその他の野菜

遠州極早生は、島にんにくと形が似ていて、1個あたり約50gと小ぶりで鱗片が12片前後入っています。静岡県が主な産地の遠州極早生は、外皮は茶色がかっており鱗片は白いという特徴があります。

味はあっさりしているため、独特の辛みや匂いが苦手な方でも食べやすい品種です。薬味や加熱調理どちらの食べ方でもおすすめできるでしょう。

種類④沖縄早生

薄紫色をしたにんにく

沖縄早生は、沖縄県外ではあまり見かけることがない暖地系の品種です。沖縄で栽培されている沖縄早生は冬の間も成長するため、早く収穫できる特徴があります。外皮は薄紫色をしており、サイズも小さく鱗片が12片に分かれています。

鱗片も小さいため、カットすることなく、そのまま料理に使うことが可能です。マイルドな味を活かして、さまざまな料理に活用できるでしょう。

種類⑤博多八片

かごに入った少しだけ大きめの大量にんにく

博多八片は鱗片が8片前後あり、主に福岡県で栽培されている暖かい地域に適した品種です。他の暖地系のものと比べると、1片が大きいという特徴があります。

博多八片は、家庭菜園でも比較的育てやすい品種です。風味が強いため、揚げ物やホイル焼き、オイル漬けにしても美味しいでしょう。

種類⑥島にんにく

赤紫色した大量の島にんにく

島にんにくは、沖縄県などで栽培されている暖かい地域に適した品種です。外皮はピンクや赤紫色をしていて、外皮を剥くと白い鱗片が出てきます。生産量トップの青森県産のものよりも少し小さく、鱗片は20ほどあるという特徴があります。

小粒であるものの匂いと辛みが強いため、醬油漬けなど濃いめの味の料理でも風味を堪能できるでしょう。希少品種であるため、県外の場合は収穫時期の3~4月にネットなどで予約購入することをおすすめします。

種類⑦平戸にんにく

黄色みがかった実とにんにく

平戸にんにくは、実は黄色みがかっており1球あたり8~10片の鱗片が付いています。長崎県などの暖かい地域で栽培されていて、全国のスーパーではあまり見かけることのない品種です。

辛みやしっかりした味を味わう場合は、薬味として生のまま味わうこともできるでしょう。加熱調理すると甘みが引き立ち、ねっとりした食感を愉しむことができます。

種類⑧無臭にんにく

かごに入った複数の無臭にんにく

無臭にんにくは、ジャンボリーキという西洋ネギの一種で、にんにくとは別の野菜です。にんにく特有の匂いのもととなるアリシンという成分がほとんど含まれていないため、あまり匂いがしないという特徴があります。

この品種は、家庭菜園でも簡単に育てることができ、紫色の花も愛でることができるでしょう。株と株の間を広くとることができれば、プランター栽培も可能です。

種類⑨ジャンボにんにく

複数のジャンボにんにく

ジャンボにんにくは、リーキと同じ種で栽培されている別の変種になります。鱗片や匂いがにんにくと似ていることから、この名前が付けられました。

1球は成人男性のこぶしくらいあり、1片が通常サイズのものとほぼ同じであるという特徴があります。マイルドな味わいであるため、スープやサラダなどにして食べることが多いでしょう。

にんにくの種類一覧【外国産】

国産や外国産など種類によって、適した料理や特徴は異なります。ここでは、外国産の品種を3つ紹介します。

種類①イタリアにんにく

イタリアにんにく

イタリアにんにくの外皮は、白や赤紫色など色はさまざまです。イタリアの栽培地域によって、形状や鱗片の数も異なります。日本に輸入されるものは、赤い色のものがほとんどです。

国産のものよりも辛みや匂いが強いため、ホイル焼きなどよりも料理の香りづけとして活用することをおすすめします。そのため、パスタやトマト煮込みなどに入れると風味を愉しむことができるでしょう。

種類②ぷちにんにく

4個のぷちにんにく

ぷちにんにくは主に中国産のものが輸入されており、1球に1片しか実がないという特徴があります。大きさは直径3cmほどあり、外皮は白や赤紫色をしています。

外皮はを剝くと鱗片は白く、味は国産のものよりもやさしい風味を感じるでしょう。燻製やパンに使用すると、マイルドな風味と香りが引き立ちます。

種類③山東にんにく

鱗片が数個ない状態の山東にんにく

山東にんにくとは、中国の山東省で栽培されているものです。山東にんにくは、山東省蒼山と山東省金郷の2つの系統があります。山東省蒼山の品種は、外皮は白く鱗片は小さいのが特徴です。匂いや辛みが強いため、中華料理と好相性でしょう。

山東省金郷の品種は、外皮は白く鱗片は比較的大きいでしょう。やさしい味が特徴的であるため、和食などに適しています。8月頃に旬を迎える山東省産のものは、見た目では系統を見分けることが難しいようです。

にんにくの種類一覧【その他】

にんにくは、成長過程にできる葉なども食べることが可能です。ここでは、加工したものなどその他の種類を3つ解説します。

種類①フルーティーにんにく

まな板に乗った複数の黒にんにく

フルーティーにんにくとは、黒にんにくのことをいいます。白いにんにくを1ヶ月くらい高温多湿な環境で熟成させることで、黒くなるのです。この種類は、ポリフェノールやアミノ酸の栄養成分が豊富に含まれてる特徴があります。

熟成させると糖度が増し、甘酸っぱい味になります。匂いや辛みがあまりないため、にんにくが苦手の方にもおすすめの種類でしょう。三重県で開発され、全国で加工されるようになりました。

種類②葉にんにく

大量の葉にんにく

葉にんにくとは、成長過程でできる葉のことをいいます。専用の品種があり、葉が青々としているうちに収穫するため、冬の2ヶ月ほどしか味わうことができません。葉にんにくは、白ネギのような見た目をしているのが特徴です。

中国が原産の中華野菜で、特に四川省でよく食べられています。戦国時代に中国から日本に伝わり、日本では高知県で主に栽培されています。高知県では、すき焼きに入れて食べるのが一般的です。

種類③にんにくの芽

ザルに入ったにんにくの芽

にんにくの芽は、花を咲かせるために成長する花茎部分のことをいい、茎にんにくとも呼ばれています。食用となる球根部分に栄養がいくように、花を咲かせる前に花茎は刈り取られます。流通しているものは主に中国産のもので、年中購入が可能です。

特有の匂いや辛みがなくマイルドな味わいが特徴の茎部分は、炒め物や浅漬けなどさまざま料理に活用できるでしょう。

にんにくの選び方と保存方法

強い匂いが特徴的なにんにくは、疲労回復効果が期待できます。ここでは、美味しく食べるため、新鮮なものの選び方や保存方法、食べる時の注意点について紹介します。

にんにくの選び方

ケースに入った大量の新鮮なにんにく

新鮮で美味しいにんにくを選ぶポイントは、外皮が白くて表面にツヤがあり、丸く重みがあるかです。外皮がついた状態で強い匂いを感じる場合は、虫に食われている可能性があります。下部に膨らみがあり上部が締まっているものは、新鮮といわれています。

鱗片の1つ1つの大きさが均等であるか確認すると、なお良いでしょう。黒くなるまで熟成させているものやさまざまな品種があるため、色味の基準は種類によって参考にしてください。

にんにくの保存方法

スライスしたにんにく

正しく冷凍や冷蔵、常温で保存した場合、いずれも約1ヶ月以上もつといわれています。にんにくの鱗片に付いている薄皮を剥き、根の部分を切り落としてから冷凍しましょう。

凍ったまま使用が可能なため、スライスやみじん切りにしたものをラップに包み保存袋に入れて冷凍するのもおすすめです。

冷蔵の場合は、皮を剥いても付いた状態でも野菜室で保存ができます。常温での保存の場合は、皮は剥かずにネットやかご、素焼きの器に入れて涼しい場所に置きましょう。

にんにくを食べるときの注意点

カッティングボードの上にあるポークチョップとにんにく

さまざまな種類があり栄養豊富なにんにくをホイル焼きやラーメンに入れて、多く食べる時は注意が必要です。にんにくを食べ過ぎると、硫化アリルという成分の働きにより下痢や腹痛を引き起こす可能性があります。

にんにくを食べると匂いのもととなるアリシンの影響で、食後に口臭や体臭などがきつくなる場合があります。牛乳や緑茶を飲む、ガムを噛む、リンゴやチョコレートを食べるなどの対策をすると匂いは軽減するでしょう。

にんにくは種類豊富で匂いや味に違いがある

カッティングボードに乗った複数のにんにく

にんにくは比較的日持ちする野菜であるため、約1ヶ月ほど保存が可能です。しかし、適切に保存できていない場合は、変色や腐敗臭、実が溶けるなどの腐敗の特徴が現れます。

にんにくは種類によって味や匂い、風味などが異なるため、さまざまな品種を愉しむことができます。栄養価も豊富なため、元気のない日には料理に活用してみてください。

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