2022年03月29日公開
2024年11月20日更新
オリゴ糖のデメリットとメリットを解説!危険にならない摂り方も紹介
オリゴ糖のデメリットとメリットを解説します。砂糖などと比較しながら、オリゴ糖について説明!また、デメリットになるオリゴ糖の危険な摂り方も、検証します。整腸作用などの健康効果のメリットや、危険にならない摂取の仕方も紹介するため、参考にしてください。
目次
オリゴ糖はメリットだけでなくデメリットがあって危険?
オリゴ糖は、腸内環境を整え腸活に効果があると、注目されている糖質です。腸内環境は体のさまざまな部位と関係があるため、腸内が整うことによって、全身の健康にメリットがあります。
メリットが多い糖質ですが、デメリットになる危険性も認識しておかなければなりません。この記事では、オリゴ糖のメリットとデメリットを、詳しく説明します。また、おすすめレシピも紹介しているため、ぜひ参考にしてください。
オリゴ糖の基本情報
オリゴ糖は、健康効果があるといわれている糖質です。ここでは、特徴や健康効果、他の糖質との違いを説明します。
オリゴ糖とは?
オリゴ糖は、単糖が2~10個程度で結合してできる糖質です。オリゴは「少し」という意味があるため、少糖類とも呼ばれます。原料により、ガラクトやフラクトなど約20種類あります。
オリゴ糖は難消化性のため、消化酵素によって分解できません。また、オリゴ糖は胃や小腸で消化吸収がされず、大腸に直接届く糖質です。大腸でビフィズス菌などの善玉菌のエサとなって、腸内環境を整える健康効果が期待できます。
また、増えたビフィズス菌は、酢酸やプロピオン酸などの有機酸を生み出します。有機酸が体の健康に与えるメリットは、虫歯の防止、たんぱく質やミネラル吸収の促進、防腐作用などです。
糖質のうち、最小単位である単糖が2個から10個程度結びついたもので、少糖とも言う。
低消化性(低エネルギー)で、整腸作用や腸内細菌を増やす作用などが知られている。
オリゴ糖のGI値を白砂糖・てんさい糖と比較
GI値とは、食後に上昇する血糖値の度合いを示す指標です。GI値が高いと血糖値が急激に上昇し、GI値が低いほど急な上昇は抑えられます。オリゴ糖のGI値は白砂糖の10分の1以下、てんさい糖の6分の1以下のため、血糖値の上昇は緩やかです。
血糖値の急激な上昇は、糖尿病の人に危険をもたらします。糖尿病の人が甘い物を食べたいときには、白砂糖の代わりにオリゴ糖を使用するのがおすすめです。
また、他の糖類に比べてカロリーや糖質も抑えられます。ダイエットなどで糖質制限をしたい人は、甘味を摂取する際に使用すると良いです。
GI値 | カロリー(kcal) | 糖質(g) | |
---|---|---|---|
白砂糖 | 110 | 384 | 99.2 |
てんさい糖 | 65 | 390 | 97.5 |
オリゴ糖 | 10 | 190 | 75~85 |
オリゴ糖のデメリット
オリゴ糖はGI値やカロリーが低い糖質ですが、使い方によっては危険性があるといわれています。ここでは、どのようなデメリットがあるか解説します。
デメリット①体調不良になることがある
オリゴ糖は、摂取量が多すぎたり体が慣れていないと、体調不良を引き起こすデメリットがあります。オリゴ糖は、大腸内で善玉菌の栄養源となります。そのため、善玉菌が増加し、腸の蠕動運動の活発化が期待できるでしょう。
ただし、活発すぎると内容物の水分を充分に吸収できず、下痢を起こす危険性があります。特に下痢や便秘を繰り返す過敏性腸症候群の人は、注意が必要です。
また、お腹の張りや吐き気、むくみの症状が出る危険性もあります。これは、多量摂取により、大腸内でガスが発生したことによるものです。
オリゴ糖を取り入れるときは、摂取量に気を付けて、少しずつ体に慣らすと良いでしょう。体調不良になるデメリットを、減らすことができます。
デメリット②甘さが控えめ
オリゴ糖のデメリットは、砂糖と比較して甘さが控えめなことです。甘さが足りないと感じて、摂取量が多くなる危険性があります。砂糖に比べると低カロリーですが、摂取量が多すぎると、カロリーオーバーになります。
1日の有効摂取量の目安は、2~10g程度です。野菜や果物など他の食品にも、オリゴ糖は含まれているため、摂りすぎには注意してください。デメリットを解消するためには、甘さ控えめであることを念頭において、適量を摂取することが大切です。
オリゴ糖のメリット
オリゴ糖は摂取量が多すぎると、デメリットの危険性がある糖質です。その反面、適量で摂取するとメリットが多くあるため、詳しく解説します。
メリット①血糖値の上昇を抑える
一般的な糖質は、小腸の腸管で消化吸収されて血液中に入り、血糖値を上げる働きがあります。
しかし、オリゴ糖は、小腸の消化酵素でほとんど分解されないのが特徴です。そのため、糖質としてエネルギーになることが少なく、摂取しても血糖値の上昇を抑えられるメリットがあります。
血糖値上昇の抑制は、糖尿病の原因となるインスリン分泌の減少にも繋がります。糖尿病の人が甘い物を食べたいときは、白砂糖の代わりに使うと良いです。
メリット②腸内環境を整える
オリゴ糖は、消化酵素で分解されない難消化性の糖質です。胃や小腸で消化吸収されにくいため、大腸まで届くことができます。
大腸内には善玉菌と悪玉菌があり、善玉菌が優勢に働いている状態が、良い腸内環境です。オリゴ糖は、善玉菌の栄養源となるため、摂取すると大腸内の善玉菌が増えます。善玉菌が増加することで悪玉菌が減り、腸内環境が整う効果が期待できます。
また、体内の免疫細胞の6割が、腸に存在しています。腸の免疫細胞の活性化にも、腸内環境を整えることが重要です。善玉菌が増えると免疫細胞が活発に働き、免疫力がアップします。免疫力の向上により、病気にかかりにくい体になるメリットもあるでしょう。
メリット③美肌効果がある
腸内環境が悪いときは、腸の蠕動運動が弱いため、老廃物が体内に溜まっている状態です。また、増殖した悪玉菌は、毒素を持つ腐敗物質を生成し、肌の新陳代謝を衰えさせます。
肌トラブルの危険性を回避するためには、老廃物を体外に排出し、悪玉菌による腐敗物質の生成を防ぐことが必要です。
オリゴ糖を摂取することで善玉菌を増加させ、腐敗物質を生成する悪玉菌を減らすことが可能です。腐敗物質の減少により、肌の新陳代謝が良くなるため、肌トラブルを起こす危険性が減ります。
また、善玉菌が増えて腸内環境が整った大腸内では、蠕動運動が活発になり、便通が良くなるメリットも期待できます。便通の改善により老廃物が排出され、美肌効果にも繋がるでしょう。
オリゴ糖の危険にならない摂り方
オリゴ糖は摂取の仕方により、メリットやデメリットにもなります。ここでは、危険にならない上手な摂取の仕方を紹介します。
摂り方①人工甘味料が含まれたオリゴ糖は摂取しない
オリゴ糖は白砂糖やてんさい糖に比べ、甘さが控えめです。販売されている商品の中には、甘さを強めるために人工甘味料を含むものがあります。
人工甘味料は科学的に作られた甘味で、中毒性が強い、味覚障害になるなどの、危険性があります。許容量を超えた摂取や長期的な使用は、健康への危険があるため、注意が必要です。
また、脳が糖質を摂取したと錯覚して、血糖値を下げようとするため、甘い物が余計に欲しくなります。人工甘味料は、カロリーが低くても摂取量が多いと、肥満や糖尿病になる危険をもつ調味料です。人工甘味料が含まれていない商品を、選ぶようにしましょう。
摂り方②摂取量を守る
オリゴ糖のメリットが有効に機能する摂取量は、1日あたり2~10gといわれています。野菜や他の食品からも摂取する可能性があるため、これ以下に抑えると良いでしょう。また、味で判断せずに、計量して摂取するのがおすすめです。
摂取量を超えると、蠕動運動が活発になりすぎて下痢を起こしたり、ガスが発生してお腹が張るデメリットがあります。特に砂糖から切り替え始めたときは、量を少し控えめにし、少しずつ増やしていくと良いです。
オリゴ糖を使ったおすすめレシピ
ねぎぬた
【材料】
- 長ネギ:3本
- 米酢:180ml
- 日本酒:180ml
- オリゴ糖:90g
- 信州みそ:100g
【作り方】
- 長ネギを白い部分と青い部分に分けます。
- 沸騰した湯に塩を入れ、長ねぎの白い部分を強火で茹でます。
- 2の白い部分が柔らかくなったら、青い部分も加えてさらに茹でます。
- 3の青い部分も柔らかくなったら、ざるにあげ、氷水で約20分冷やします。
- 鍋に米酢と日本酒を入れて強火にかけ、かき混ぜながらオリゴ糖を少しずつ加えます。
- 5が沸騰したら約7分煮詰め、アルコール分を飛ばします。
- 6を弱火にし、みそを少しずつ加えて溶かします。
- 7をボウルに移して、氷水で冷やします。
- 粗熱が取れたら冷蔵庫に入れ、約2時間寝かせます。
- 4の長ねぎを絞って余分な水気を取ります。
- 食べやすい大きさに切り、青い部分は切る前にもう一度水気を絞ります。
- 器に盛りつけて9をかけます。
長ねぎやみその甘味があるため、甘さ控えめであるオリゴ糖の特徴を補えます。ねぎぬたに使う長ねぎは、柔らかく芯の小さいものが適しています。みそは、だし入りでない、漉してあるものがおすすめです。
かぼちゃのそぼろ煮
砂糖の代わりにオリゴ糖、ひき肉の代わりにソイミートを使ったヘルシーな料理です。かぼちゃには糖質が含まれていますが、砂糖を使用しないことで摂取量を抑えられます。そのため、糖質制限中にかぼちゃ料理を食べたいときにも、おすすめです。
また、かぼちゃには食物繊維が豊富に含まれており、腸内環境を整えたいときにも最適なレシピです。
オリゴ糖にデメリットはあるがメリットが多く危険性は少ない
オリゴ糖はGI値が低いため、糖尿病やダイエット中の人が、砂糖の代替として使用することが多いです。また、腸内環境を整える整腸作用があり、健康や美容の効果も期待できます。
体調不良を引き起こすデメリットもありますが、摂取量を守れば危険性は少ないです。メリットが多い糖質のため、本記事のレシピも活用して、積極的に摂取してください。