2022年02月28日公開
2024年11月19日更新
ほうれん草の食べ過ぎは体に害がある?アク抜きや防止方法も解説
ほうれん草の食べ過ぎは体に害があるかを解説します。シュウ酸が原因で起こる尿路結石など、体に与える影響を詳しく説明!ほうれん草のアク抜きや、体に与える害を防止する方法も紹介するため、食べ過ぎたときの参考にしてください。
ほうれん草の食べ過ぎで体に与える害や防止方法を解説
ほうれん草は、和洋中のどれにでも合い、鮮やかな緑で彩を加えることもできる人気の食材です。また、さまざまな栄養が豊富に含まれており、健康効果も期待できます。
しかし、健康に良いからといって食べ過ぎると、体に悪影響を与えることもあるでしょう。この記事では、ほうれん草の食べ過ぎが原因で、体に与える害やその害を防止する方法を解説します。
ほうれん草の食べ過ぎにならない1日の摂取目安量
ほうれん草は、食べ過ぎると害があるといわれています。食べ過ぎにならない1日の摂取量の目安や、適量で食べたときの栄養効果を検証します。
ほうれん草の1日の摂取目安量は特に決まっていない
ほうれん草を摂取する1日の目安量は、明確には定められていません。どのくらい食べると食べ過ぎになるのか、基準も特に決まっておらず、普通に食卓で食べる量なら問題ないでしょう。
ただし、ほうれん草には尿路結石の原因となる、シュウ酸が含まれています。そのため、食べ過ぎには気を付けましょう。
ほうれん草を適量で食べたときの栄養効果
ほうれん草には、さまざまなビタミンやミネラルが、豊富に含まれています。代表的な栄養素が、貧血や冷え性の予防に役立つ鉄分です。ほうれん草100gで、1日に必要な鉄分量の約4分の1を取ることができます。
ピンク色の根元の部分には、骨粗しょう症予防や肌荒れ予防に効果のある、マンガンが含まれています。また、美白効果のあるビタミンCも含まれており、女性に嬉しい栄養が豊富に含まれている野菜です。
ほうれん草は、生活習慣病予防にも効果が期待できるでしょう。高血圧の予防に効果的なカリウムや、心筋梗塞や動脈硬化を予防するビタミンE、ベータカロチンも含まれています。
また、ビタミンBやベータカロチンは、免疫力をアップさせて風邪や感染症を予防します。このように、ほうれん草は適量を摂取すれば、非常に栄養価が高く健康や美容に良い野菜です。
ほうれん草の食べ過ぎで体に与える害は?
ほうれん草は適量を摂取すると、高い健康効果が得られる野菜です。しかし、食べ過ぎてしまうと、害があるといわれています。ほうれん草を食べ過ぎてしまった場合、体にどのような害があるかを解説します。
体に与える害①尿路結石の原因を作りやすい
ほうれん草にはえぐみを感じるアクがあります。このアクはシュウ酸という物質で、コーヒーや紅茶などにも含まれている成分です。
シュウ酸は、腸内でカルシウムと結びついてシュウ酸カルシウムとなり、便として排出されます。しかし、シュウ酸を過剰に摂取すると、腸で吸収されず腎臓に入ってしまうことがあるでしょう。
すると、腎臓でカルシウムと結合して、結晶になります。この結晶が、尿の通り道である尿管に入って石となり、尿の通りを妨げます。これが、尿路結石という病気です。
したがって、ほうれん草の食べ過ぎはシュウ酸の過剰摂取となり、尿路結石を引き起こす恐れがあるといえます。
尿管など尿の通り道に石ができることを尿路結石といいます。その原因としては食生活が大きく関係しています。特に日本人の場合は近年、シュウ酸カルシウム結石症と呼ばれるものが圧倒的に多く、シュウ酸の摂りすぎが結石の主な原因であるといえます。
体に与える害②胸やけや下痢・腹痛を引き起こす
ほうれん草は、不溶性の食物繊維も多く含まれている野菜です。不溶性食物繊維は、腸内で水分を吸収して膨らみ、便の量を増やします。
適量を摂取すれば、腸を刺激して蠕動運動を活発にし、排便を促します。しかし、食べ過ぎると蠕動運動が活発になりすぎ、下痢や腹痛を起こすことがあるでしょう。
また、不溶性食物繊維は、摂取量が多いと消化不良を起こします。そのため、ほうれん草を食べ過ぎると、胸やけや腹部の張りなどの症状が現れることもあります。
ほうれん草の食べ過ぎで体に与える害を防止する方法
先述のように、ほうれん草を食べ過ぎると、尿路結石の原因になるなどの害があります。しかし、ほうれん草の食べ過ぎによる害は、防止することが可能です。どのような方法があるのかを、具体的に紹介します。
防止方法①カルシウムを豊富に含んだ食品を摂取する
ほうれん草に含まれるシュウ酸は、カルシウムと結びついて便として排出されます。しかし、シュウ酸を過剰摂取すると尿に入ってしまい、尿路結石の原因になる可能性があります。
シュウ酸が尿に入らないようにするためには、シュウ酸の量に見合ったカルシウムを摂取して、結合させると良いです。
カルシウムを多く含む食品は、牛乳やチーズ、ヨーグルトなどの乳製品、子魚や海藻、豆類などです。特に乳製品はカルシウムの吸収率が高いため、効率よく摂取することができます。
洋食であれば、ほうれん草入りのグラタンや、チーズと合わせたキッシュなどがおすすめです。和食であれば、ほうれん草としらすの和え物や、ほうれん草のおかか和えなどが良いでしょう。
防止方法②1日2Lの水を飲む
尿路結石を防ぐためには、水分を多く摂取することが重要です。1日の尿の量が1リットル以下の場合、尿が濃くなるため結石ができやすいとされています。できる限り、1日2リットル以上の水分を取ることを、心掛けましょう。
コーヒーや紅茶を、水分摂取を目的として飲むときには、注意が必要です。コーヒーや紅茶には、ほうれん草ほどではありませんが、シュウ酸が含まれています。
先述のように、シュウ酸を摂取する際には、カルシウムを含む食品を一緒に食べると、尿路結石の予防に効果的です。これらの飲料で水分補給するときには、ミルクを入れてカルシウムも同時に摂取すると良いでしょう。
防止方法③しっかりとアク抜きをする
尿路結石の原因になるシュウ酸は、ほうれん草のえぐみを感じるアクです。アクを取り除けば、ほうれん草の食べ過ぎによる尿路結石を防ぐことができます。
シュウ酸は水に溶けやすい性質があります。そのため、ほうれん草をお湯で茹でることで、アク抜きが可能です。
おすすめのアク抜きの方法を紹介します。ほうれん草の根元の泥や汚れを落とすため、切り込みを入れ流水で洗います。大きめの鍋にたっぷりのお湯を沸かし、沸騰したら塩をひとつまみ入れましょう。
ほうれん草の根元を鍋に入れ、30秒~1分経ったら葉先まで鍋に沈めます。さらに1分半~2分半茹でて取り出し、用意しておいた冷水のボウルに入れてください。冷めたら、水気をしっかりと絞ります。
長時間茹ですぎると、シュウ酸は溶けてなくなりますが、他の栄養素も抜けてしまいます。茹で時間は2~3分くらいにし、冷水にさらすことで、さらにアク抜きをすると良いです。
電子レンジを使ったアク抜きはシュウ酸が残りやすい
ほうれん草のアク抜きは、電子レンジを使って簡単にできます。ただし、電子レンジでのアク抜きは、お湯で茹でた場合と比べて、シュウ酸が残りやすいです。時間がなく電子レンジでアク抜きしたときは、あまり食べ過ぎないように注意しましょう。
ほうれん草を食べ過ぎると尿路結石を引き起こしやすい
ほうれん草は非常に栄養価が高く、健康効果や美容効果が期待できる野菜です。ただし、食べ過ぎると尿路結石を引き起こしやすいという、害もあります。
しかし、尿路結石は、食べ合わせや正しい下処理で防ぐことが可能です。食べ過ぎによる害を防止する方法を参考にして、ほうれん草の優れた栄養を上手に摂取してください。