2022年01月17日公開
2024年11月17日更新
メロンは野菜か果物どちらに分類される?それぞれの定義や仲間を紹介
メロンは野菜と果物どちらに分類されるかまとめました。果物として扱われることが多いメロンですが、農林水産省での分類や野菜といわれる理由について解説します。他の瓜の分類やおかずとして食べられるレシピも紹介しているので、ぜひ参考にしてください。
目次
メロンは野菜か果物どちらに分類されるのか調査!
ケーキなどのスイーツに使われることも多いメロンですが、野菜と果物どちらに分類されるのか悩むことはありませんか?
本記事では野菜と果物の定義などから、メロンがどちらに分類されるのかを調べてまとめました。メロンをおかずとして食べられるレシピも紹介しているので、ぜひ一度作ってみてください。
野菜の定義
野菜は農林水産省では、「加工しないまま副食物として利用できる食用の草本性の植物」だと定義づけています。つまり、地面から草のように生え、その葉や茎、根などを食べられるものが野菜だということになるのです。
農林水産省では、野菜を「根菜類」「葉茎菜類」「果菜類」の3つに分類しています。根菜類は根の部分を食べるにんじんや大根、葉茎菜類は葉や茎の部分を食べるほうれん草やキャベツなどです。果菜類は実の部分を食べるきゅうりやトマトなどを指します。
果物の定義
農林水産省では果物を、「2年以上栽培する草本植物や土本植物で、果実を食用とするもの」として定義づけています。ただ、果物の定義づけは難しく、世界大百科事典には「果物の範囲は明確ではない」という記載があるほどです。
一般的には甘くてデザートとして使えるような草本性植物を果物と呼ぶ傾向にあり、農林水産省では甘みの強いメロンやいちごを「果実的野菜」と位置づけています。
国によって定義が異なることも
野菜と果物の定義は、国によっても異なってきます。日本ではトマトやきゅうりは野菜として扱われていますが、アメリカではトマトやきゅうりも果物に属すると考えられることもあるようです。
トマトやきゅうりを果物とする理由は、アメリカの「マギーキッチンサイエンス」という調理学の本にあります。この本には「植物学的には種子を取り巻く部分を果実という」という記載があり、トマトやきゅうり、ナスなども果実であると考えられています。
このように、国や学者によって定義が変わるほど、野菜と果物の区別は難しいことだといえるでしょう。
生産者目線から見た野菜と果物の違い
生産者の間では、野菜と果物の違いは農林水産省が掲げる定義に基づいています。そのため、メロンやいちごなど一般的に野菜か果物か区別しにくいものも、生産者の間では野菜として扱われているのです。
また、農林水産省では生産分野における野菜と果物は明確に区別しており、4つの特性を満たす植物は野菜であると定義づけています。その特性は田畑で作られるものと副植物であること、あとは加工を前提としないことと木ではなく草であることの4つです。
メロンは田畑で作られ、主食ではなくおかずなどの副食物として食べられます。また、加工をせずにそのまま食べられて、木ではなく草の形態で成長します。これら4つの特性をすべて満たしていることから、メロンは完全に野菜に分類されているのです。
消費者目線から見た野菜と果物の違い
消費者から見た野菜と果物の違いは、学術的な違いとは異なります。一般的には甘くてそのままデザートとして食べられるものが果物、おかずとして食べられるものが野菜だとして扱われます。
この基準からすると、甘くてデザートとして食べられるメロンは果物だということになるでしょう。また、スーパーや八百屋などの売り場を参考に、果物コーナーにあるものは果物だと認識する人も多くいます。
他にも消費者目線から見た場合、種がそのまま食べられるものが野菜、種が食べられないものが果物と扱われることもあります。ただ、この分け方だといちごは野菜になってしまうので、違和感を覚える人もいるでしょう。
やはり一般的には献立を考えたときに、おかずとして使えるかどうかが一番わかりやすい分類法だといえます。
メロンは野菜か果物のどちらなのか?
厚生労働省の見解
厚生労働省からは「特定保健指導の実践的指導実施者育成プログラム」という資料が公表されていますが、その中でメロンは果物に分類されています。
厚生労働省がメロンを果物だと定義する理由は、水分が80〜90%以上で糖質、食物繊維、ビタミンC、カリウムなどを含むという特徴があるためです。ちなみに野菜の定義は水分、ビタミン、ミネラル、食物繊維を含む食品だとされています。
「食品によっては糖質を含む」とありますが、基本的には果物より水分や糖質が少ないものが野菜だとされているようです。冬瓜などの瓜の仲間は水分量が多いですが、糖質が少ないため野菜に分類されています。
文部科学省の見解
文部科学省では「食品成分データベース」や「食品成分表」という資料を公表していますが、その中でメロンは「果実類」に分類されています。
日本国語大辞典においても「植物の成熟した果皮及び付属物」が果実だとされており、メロンは果物に分類されます。また、メロンは瓜の仲間ですが、メロン以外の瓜は野菜に分類されていることが多いです。
しかし、メロンの変種ともいわれている真桑瓜(マクワウリ)は、果実に分類されています。真桑瓜はメロンほどではないにしても他の瓜に比べて甘く、そのままデザートとして食べられることが多い瓜です。
そこから見ても、文部科学省の野菜と果物の定義は、消費目線での分類の仕方に似ているといえるでしょう。
農林水産省の見解
前述した通り、農林水産省ではメロンは野菜だと定義づけられています。農林水産省では果物は樹木であることが絶対条件ですので、草植物であるメロンは果物には分類されません。
ただ、前述した通りメロンなどは果物的野菜に位置づけられており、農林水産省でも一般的な野菜とは少し違う扱いをしています。
メロンと同じ果実的野菜に分類される食物
果実的野菜①スイカ
メロンとともに野菜か果物かで迷うことが多いのが、夏の風物詩でもあるスイカです。スイカも農林水産省の定義では野菜に含まれてるのですが、メロンと同じように果物と似ているという理由から果実的野菜に分類されています。
生産者の間では野菜として扱われていますが、スーパーなどではフルーツコーナーに置いてあることがほとんどです。
果実的野菜②アボカド
アボカドは野菜だと思っている人が多いですが、木になる果実であるため学術的には果物に分類されます。
生産者側も果物として扱っているのですが、消費者側からするとサラダなどに使える野菜としての認識が強い果実です。そのため、アボカドも果実的野菜として扱われています。
果実的野菜③いちご
いちごは一般的に果物として認識されていますが、木ではなく草として成長するため学術的には野菜の仲間です。しかし、果物として認知度が高く甘みも強いため、メロンと同じく果実的野菜のひとつに数えられています。
メロンを野菜として食べるときのおすすめレシピ
メロンとバッファローチーズのサラダ
【材料】
- メロン 1/2個
- ミニトマト 8個
- レモン 1個
- バッファローチーズ(またはモッツァレラチーズ) 適量
- バジル 適量
- 岩塩 適量
- ブラックペッパー 適量
- チリパウダー 適量
- EXオリーブオイル 適量
【作り方】
- メロンはひと口大にカットします。
- レモンは皮をむいて細かくみじん切りにします。
- ミニトマトは半分に切ります。
- 器に1、3を盛りつけ、チーズを添えます。
- ちぎったバジルを乗せ、レモンの皮を振りかけます。
- レモンを半個分絞ってかけます。
- 岩塩、ブラックペッパー、チリパウダーをかけます。
- オリーブオイルを回しかけたら完成です。
メロンをたっぷりと使った、おしゃれでカラフルなサラダのレシピです。メロンとトマトの味がしっかりとしているので、塩コショウなどのシンプルな味つけだけで美味しく食べられます。おもてなし料理やパーティーの前菜、ワインのおつまみなどにおすすめです。
メロンの漬物
【材料】
- メロン 1kg
- 塩 大さじ1
- 砂糖 大さじ1
- 本つゆ 大さじ1
- 酒 小さじ1
- 切り昆布 適量
- 鷹の爪 適量
【作り方】
- メロンをよく洗い、上下を切り落として縦半分に切ります。
- 種を取り除き、皮を数か所むきます。
- 2を3cm幅程度に切ります。
- ボウルに3を入れて、調味料をすべて加えて混ぜます。
- ジッパー付きの保存袋に入れて封をし、2〜3時間ほど浸けたら完成です。
間引きされたメロンを使った、ピリ辛味の漬物のレシピです。摘果されたメロンはまだそこまで甘くないので、きゅうりのようなさっぱりとした漬物に仕上がります。ポリポリとした食感が楽しく、白いご飯との相性も抜群です。
生ハムメロン
おかずとして食べられる、生ハムメロンを紹介します。生ハムの塩気とメロンの甘みが相性抜群で、いつまでもあと引く美味しさです。生ハムをぐるりとを巻いてしまっても良いですし、上から乗せるだけでもOKです。
メロンは果実的野菜に分類される!
メロンがなぜ野菜といわれることがあるのか、その理由や定義の違いについてまとめました。メロンは学術的には野菜の仲間ですが、果物に似ているという理由から「果実的野菜」として分類されています。
果物として使うのが一般的なメロンですが、工夫次第でおかずとして使うこともできます。いつもの食べ方に飽きたら、いろいろなレシピを参考にしながらメロンをおかずとして楽しんでみましょう。