さつまいもの食べ過ぎは腹痛や便秘・糖尿病に?栄養素もチェック

さつまいもを食べ過ぎるとどのような症状が現れるのかまとめました。さつまいもの食べ過ぎで腹痛や下痢、便秘になる原因と糖尿病になる可能性について解説!さつまいもに含まれる栄養と効果効能についても紹介します。

さつまいもの食べ過ぎは腹痛や便秘・糖尿病に?栄養素もチェックのイメージ

目次

  1. 1さつまいもの食べ過ぎは体に悪いのか知りたい!
  2. 2さつまいもの食べ過ぎで起きる症状
  3. 3さつまいもの食べ過ぎは糖尿病になる?
  4. 4さつまいもの栄養と効能
  5. 5さつまいもの栄養を効果的に摂る方法
  6. 6さつまいもの食べ過ぎに注意して楽しもう!

さつまいもの食べ過ぎは体に悪いのか知りたい!

さつまいもは、そのまま食べても料理やスイーツにしても美味しい、秋を代表する味覚のひとつです。最近では、スーパーやコンビニでも焼き芋が手軽に購入できるので、おやつ代わりに食べるという人も多いのではないでしょうか?

しかし、さつまいもを食べ過ぎると、便秘や下痢、腹痛を引き起こす可能性があり注意が必要です。本記事では、さつまいもで便秘や下痢、腹痛が起こる原因について解説し、摂取目安量や食べ方の注意点についてまとめました。さつまいもの栄養を効率よく摂取する方法についても紹介しますので、チェックしてください。

さつまいもの食べ過ぎで起きる症状

症状①腹痛

さつまいもを食べすぎた時に、お腹がパンパンに膨れて苦しい思いをしたことがないでしょうか?さつまいもを大量に食べるとおならが出ると昔からいわれていますが、これはさつまいもによってガスが発生することが原因です。さつまいもの主な栄養成分であるデンプンは、消化に時間がかかります。

消化に時間がかかるため、腸のぜん動運動も時間がかかり、それによってガスが発生しやすくなってしまいます。ガスをおならとして出したい時に出せれば良いのですが、出せないと腹痛の原因になってしまうのです。

おならが出ないのにガスがどんどん発生すると、お腹がパンパンになって激しい腹痛を引き起こすこともあるので食べ過ぎには注意しましょう。

症状②胃痛

さつまいもを食べ過ぎると腹痛だけでなく、胃痛まで引き起こす可能性があります。食べ物が胃に入ると胃酸で消化し、小腸で栄養を吸収しやすい状態にします。胃酸はとても強力で、食べ物だけでなく、病原菌をも殺菌する力があるほどです。

普段は胃液が胃酸から粘膜が守っているのですが、このバランスが崩れると胃痛を引き起こしてしまいます。さつまいもはとても消化しにくい食べ物なので、一度に大量に食べ過ぎると多くの胃液を出さないといけません。しかし、胃酸の分泌が多すぎると胃粘膜が荒れて胃痛の原因になってしまいます。

胃痛の原因はそのほかにも、アルコールの過剰摂取やストレス、喫煙などでも起こります。胃腸の調子が良くない時に食べ過ぎると胃痛が起こるのは、さつまいもに限ったことではありません。どのような食べ物でも、食べ過ぎると胃痛の原因になりますので適度に楽しむのが一番です。

症状③下痢

さつまいもを食べ過ぎると、腹痛だけでなく下痢になる可能性があります。さつまいもを食べすぎて下痢になるのは、食物繊維が大きな原因です。食物繊維は腸内環境を整え、便秘解消になるのでは?と疑問に思うでしょう。しかし、多すぎる食物繊維は、場合によっては下痢を引き起こす可能性があるのです。

不溶性食物繊維は便のカサを増やし、腸内を刺激する作用があるのですが、胃腸が弱い人はその刺激で下痢になる場合があります。普段から下痢になりやすい人でなければ特別問題はありません。下痢になりやすいのは、もともと体質的に胃腸が弱いタイプの人です。そのような体質の人は、一度に多く食べ過ぎないよう注意してください。

症状④便秘

食物繊維が豊富で腸内環境を整えてくれるさつまいもは、体に良い健康的な食材です。しかし、食べ過ぎると食物繊維が原因で、下痢だけでなく便秘になる可能性もあります。さつまいもに多く含まれている不溶性食物繊維は、水に溶けず腸内で膨らみます。

通常であればこの作用によって、便秘が解消されてお通じが良くなるのですが、食べ過ぎるとカサが増えすぎてしまい便が排出されにくくなってしまうのです。ひどい便秘になると腹痛の原因にもなるので注意しましょう。

また、普段から便秘がちで、腸のぜん動運動が活発でない人も要注意です。慢性的な便秘で腸のぜん動運動機能が低下している人が、一度にさつまいもを大量に食べると便秘を悪化させてしまいます。腸内の水分が不足して便が硬くなることで、ますます便が排出されにくくなり悪循環に陥ってしまうでしょう。

さつまいもの食べ過ぎで便秘を防ぐには、意識して水分をしっかり摂ることが大切です。水分が足りないと硬い便になってしまいますので、適量をお茶や水などと一緒に食べるようにしてください。

症状⑤太る

さつまいもは食物繊維が豊富な野菜ですので、ヘルシーで太らないイメージがあります。確かに、スナック菓子や洋菓子などに比べると、健康的といえるかもしれません。しかし、さつまいもは野菜の中でも糖質が高いので、ヘルシーだと勘違いして食べ過ぎると太る原因になってしまいます。

さつまいもは100gあたりカロリー132Kcalで、糖質に至っては30g以上もあります。中くらいのさつまいもは200g程度ですが、焼き芋にすると1本を簡単に食べられるという人も多いのではないでしょうか?ご飯をしっかり食べて、さらに間食にさつまいもを1本を丸ごと食べれば太ることは容易に想像できます。

さつまいもは品種によってもカロリーや糖質量が違い、ねっとりと甘い品種は高い傾向にあります。最近は、甘くねっとりとした食感のさつまいもが人気ですが、ホクホク系よりもカロリー、糖質が高いということに知っておいた方が良いでしょう。

さつまいもの食べ過ぎは糖尿病になる?

さつまいもだけで糖尿病にはならない

さつまいもを食べ過ぎると、糖尿病の原因になるという話を聞いたことがないでしょうか?確かに先ほど説明したように、さつまいもは糖質が高い野菜です。しかし、結論から言うと、さつまいもを食べたからといって糖尿病になるわけではなく、糖尿病だからといって食べてはいけないわけでもありません。

糖尿病には自己免疫系疾患が原因の1型と、遺伝的要因や生活習慣が原因の2型があります。2型糖尿病は運動習慣や遺伝的要因、食生活などが複雑に関わり合っていて、必ずしも食生活だけが原因で罹るわけではありません。さつまいもを食べ過ぎたからといって、それだけが糖尿病の原因とはいえないでしょう。

しかし、食生活が糖尿病に大きく関わっていることは事実です。さつまいもには食物繊維や栄養が多く含まれていますので、適量であればむしろ糖尿病を予防する効果があります。どのような食べ物でも、食べ過ぎることは健康を害する恐れがあるので適量を楽しみましょう。

摂取量の目安

さつまいもは適量であれば糖尿病を予防する効果がありますが、食べ過ぎはよくありません。おやつとして食べるのであれば、中くらいのさつまいもを1/2本から1本食べるのが目安です。糖尿病の場合、間食は80Kcalが目安ですので、皮付きのさつまいも70g程度であれば楽しむことができます。

焼きいもはGI値が高くなるので注意

さつまいもは糖質が高いのですが、食後血糖値の上昇を数値化したGI値は低い食品です。GI値70以上の食品は高GI値、56〜69は中GI値、55以下は低GI値ですが、生のさつまいもはGI値55です。この数字だけ見ると、さつまいもはヘルシーで太らない野菜だといえるでしょう。

しかし、さつまいもは、調理方法でGI値が大きく変わるので注意が必要です。焼いたり油で揚げると55程度だったGI値は、なんと80〜85にまで跳ね上がってしまいます。この数字は血糖値が急激に上がる高GI値ですので、食べ過ぎには注意が必要です。

さつまいもの栄養と効能

栄養と効能①食物繊維

さつまいもには水に溶ける水溶性食物繊維と、水に溶けない不水溶性食物繊維の両方が含まれています。水溶性食物繊維は血糖値の上昇を抑えたり、コレステロール値を下げる作用があるので生活習慣病予防に役立ちます。

不水溶性食物繊維は便のカサを増やすことで腸内を刺激し、便通を良くする作用があります。先ほど説明したように、腹痛や便秘になることもありますが、食べ過ぎなければ問題ありません。どちらの食物繊維も善玉菌の餌になり、腸内環境を整えてくれますので適量を食べるようにしましょう。

栄養と効能②ビタミンC

中くらいのさつまいも200gには、ビタミンCが60mgも含まれています。この量は成人の1日摂取目安量の半分をまかなえる量です。通常ビタミンCは加熱することで失われていしまいますが、さつまいもの場合、デンプンが守ってくれるので加熱しても壊れません。

ビタミンCは抗酸化作用があり、免疫力アップやアンチエイジング効果があります。さらに、活性酸素を除去して心血管疾患を防ぐなど、美容健康両方をサポートしてくれる栄養素です。

栄養と効能③カリウム

カリウムは細胞内の水分量のバランスを調整し、ナトリウムを排出する作用があるため、高血圧予防や心疾患リスクを減らす効果が期待できます。カリウムを多く含む食品であるバナナは100gあたり360mgのカリウムが含まれていますが、さつまいもはこれよりも多い390mgの含有量です。

日本人は塩分摂取量が多いため、ナトリウムを排出する効果があるカリウムは、積極的に摂ったほうがよいでしょう。カリウムは調理中流れ出てしまうことが多いので、丸ごと調理するか、煮汁ごと食べると効率よく摂取できます。

栄養と効能④βカロテン

最近はスーパーに行くと、さまざまな種類のさつまいもを買うことができます。βカロテンは、さつまいもの実の色が濃ければ濃いほど含有量が高いというデータがあります。βカロテンを効率よく摂取したいなら、黄色っぽい色よりもオレンジ色の品種を購入しましょう。

βカロテンは、緑黄色野菜に含まれているカロテノイドという色素成分のひとつです。体内でビタミンAに変換することで皮膚や粘膜を丈夫にしたり、視力を維持する作用があります。また、抗酸化作用が高いので活性酸素を除去し、ガン予防、アンチエイジング、免疫力を強化する働きもあります。

活性酸素はストレスや紫外線、飲酒や睡眠不足などで増えてしまいます。日常生活が乱れていると感じたら、ぜひ意識して摂取しましょう。

栄養と効能⑤ビタミンE

ビタミンEは老化現象の原因といわれている、過酸化脂質の発生を抑える働きがあります。過酸化脂質は中性脂肪や、コレステロールなどの脂質が酸化したもので、動脈硬化やガンの原因にもなる恐ろしいものです。さらに、ビタミンEは血行促進効果もあるので、冷え性の改善や肩こりの緩和にも役立つ栄養素です。

さつまいもには、野菜の中でも特に多くビタミンEが含まれていますので、美容健康のために摂取しましょう。

栄養と効能⑥ヤラピン

さつまいもを切った時、白い液体が出て来るのを見たことはないでしょうか?これはヤラピンというさつまいもにしか含まれていない成分で、便を柔らかくし、スムーズに排出する作用があります。さつまいもが便秘解消に効果的なのは、食物繊維とヤラピンの相乗効果のおかげです。

さつまいもの皮に黒くベタベタしたものがついていることがありますが、これはヤラピンが表面に滲み出たもので汚れではありません。ヤラピンは特に皮周辺に多く含まれていますので、さつまいもはできれば皮ごと食べるのがおすすめです。

栄養と効能⑦アントシアニン

アントシアニンとはポリフェノールの一種で、中身が紫色のさつまいもに含まれています。アントシアニンは赤ワインやブルーベリーなどにも含まれている成分で、抗酸化作用が強く、美肌効果やアンチエイジング効果があります。さらに、目の疲れや視力低下を予防する効果も期待できるので、パソコンを多く使用する人は積極的に摂取しましょう。

アントシアニンが多く含まれているのは、黄色いさつまいもではなく中身が紫色の品種です。鮮やかで料理のアクセントになるだけでなく、栄養満点ですのでぜひ活用してみてください。

さつまいもの栄養を効果的に摂る方法

方法①皮ごと食べる

先ほど説明したヤラピンやアントシアニンは、皮周辺に多く含まれています。皮を取り除いて食べる人が多いと思いますが、健康のためにはぜひ皮ごと食べることをおすすめします。さらに、食物繊維やカルシウムも皮には含まれていますので、無駄にすることなく一緒に食べましょう。

皮に滲み出たヤラピンは黒くネバネバしていますが、きれいに洗えば問題ありません。気になる場合はその部分だけ取り除いて調理しましょう。さらに皮だけでなく、さつまいもの茎にもビタミンCやポリフェノールが豊富に含まれています。クセがなく食べやすいので、機会があったら食べてみてください。

方法②加熱後に冷ます

さつまいもはじっくり焼くことで、デンプンの多くが麦芽糖に変化し甘みを増します。その結果、生より焼き芋のほうがGI値が高く、血糖値を急上昇させてしまいます。GI値が高い食品はより太りやすいため、ダイエットの大敵といえるでしょう。

しかし、焼き芋は冷やすことで糖化したデンプンの一部が、レジスタントスターチという消化されにくい成分に変わります。レジスタントスターチは糖質であるにも関わらず食物繊維と同じ働きをするので、血糖値の急上昇を防ぎ、満腹感を感じやすくしてくれるのです。

熱々の焼き芋は美味しいですが、健康やダイエットを意識している場合は、冷蔵庫で冷やしてから食べるようにしましょう。

方法③蒸し料理や汁物にする

焼くことでGI値が高くなるさつまいもですが、茹でたり蒸したりする調理法では、GI値は生とあまり変化がありません。そのため、ふかし芋にしたり、煮物や味噌汁の具ににするなど、調理方法を工夫してみましょう。さらに、カリウムなど一部栄養素は、水に溶け出してしまうので、煮汁ごと食べられる料理にすると効率よく摂取できます。

さつまいもの食べ過ぎに注意して楽しもう!

さつまいもは食べ過ぎることで、腹痛や下痢、便秘になる可能性があります。普段から下痢や便秘になりやすい体質の人は食べ過ぎに注意し、少しずつ様子を見ながら食べましょう。適量であれば腸内環境を整える効果があるので、1/2本から1本を目安にしてください。

調理方法によって大きくGI値が変わりますので、ダイエットや健康が気になる場合は、蒸したり茹でて食べることをおすすめします。

Thumbさつまいもの食物繊維で便秘解消できる?栄養や効能を逃がさない食べ方とは | お食事ウェブマガジン「グルメノート」
Thumb甘いさつまいもの簡単な見分け方!おすすめの品種も併せて紹介! | お食事ウェブマガジン「グルメノート」
Thumbさつまいもを使ったおつまみレシピ!ビールやワインに合うおすすめ料理! | お食事ウェブマガジン「グルメノート」

関連するまとめ

新着一覧

最近公開されたまとめ