イラブチャー(沖縄の青い魚)とは?おすすめ料理やアオブダイとの違いは?

綺麗な青色をしたイラブチャーの魅力を徹底解説!イラブチャーは刺身やバター焼き、煮物にすると美味しい沖縄の魚です。イラブチャーの特徴をはじめ、アオブダイとの見分け方やおすすめの料理などを詳しく紹介します。

イラブチャー(沖縄の青い魚)とは?おすすめ料理やアオブダイとの違いは?のイメージ

目次

  1. 1イラブチャーについて知りたい!
  2. 2イラブチャーとは?
  3. 3イラブチャーとアオブダイとの違い
  4. 4イラブチャーのおすすめ食べ方
  5. 5イラブチャーのおすすめ料理レシピ
  6. 6イラブチャーを食べてみよう!

イラブチャーについて知りたい!

イラブチャーという魚を知っているでしょうか?イラブチャーは刺身や唐揚げ、バター焼きなどにして食される沖縄で有名な魚です。本記事ではイラブチャーの基本情報やアオブダイとの違い、おすすめの料理レシピなどを紹介します。はじめて耳にするという方は、ぜひこの機会に魅力に触れてみてください。

イラブチャーとは?

まずはイラブチャーの特徴や毒性の有無など基本的な情報について解説します。沖縄の居酒屋や小料理店に行けば当たり前のように見かけるイラブチャーですが、実際は旅行などでしか口にする機会はありません。これから沖縄へ足を運ぼうと考えている方はぜひ旅行前にチェックしてみてください。

イラブチャーは沖縄の魚

イラブチャーは沖縄で獲れるブダイ科の魚です。イラブチャーと言ってもその種類はさまざまで、アーガイやゲンナーなどブダイ科に属する魚をひっくるめてイラブチャーと呼んでいます。高級魚としても知られていますがスーパーでは意外と安い値段で売られており、地元民よりも観光客に人気の魚という認識の方が強いようです。

沖縄の海ではイラブチャーが気軽に釣れるとあって、釣り好きの間でも人気があります。ブダイ科の魚を釣る際はおきあみよりもコーン(とうもろこし)の方が餌の食いつきがよく、手持ちがない時はヤドカリで釣ることも可能です。比較的どんなスポットでも釣りやすいのに加え、初心者でも釣れるというのも人気の理由のようです。

イラブチャーはダイビングやシュノーケリングでも見ることができます。ビーチよりもサンゴのあるような海岸に生息しており、海藻を食べるためサンゴの近くを泳ぐ姿をよく目にします。浅瀬にいることも多く、シュノーケリングが初挑戦でも見かけるチャンスはたくさんあります。

イラブチャーの特徴

イラブチャーの特徴は熱帯魚のような派手な見た目です。沖縄の海にはいろいろな魚がいますが、イラブチャーはカラフルな魚の中でもダントツの注目を浴びています。目の覚めるような青色をしており、はじめて目にする方は本当に食べられるのか疑ってしまうかもしれません。

実はイラブチャーには青のほかに赤や緑、黄色のものもいて、全部を合わせるとその種類は90近くになるといわれています。色以外に特徴的なのが出っ張ったように大きい頭と鋭い歯です。可愛らしい見た目に反してクチバシのように強靭な歯を持っており、その歯でサンゴや岩礁に付着した海藻をボリボリとかじり取って食べます。

毒性はある?

イラブチャーに毒性はなく、安心して食べることができます。身は白身でプリッとしており、刺身にすると程よい弾力、煮物にすると上品な旨みが楽しめます。脂のりが弱く淡白なものの、さっぱりとした味わいがたまりません。

イラブチャーとアオブダイとの違い

イラブチャーと似ている魚にアオブダイがいます。ここからはアオブダイの特徴やそれぞれの違い、見分け方などを紹介します。アオブダイの持つ毒性についても触れているので釣りをする方は必見です。

アオブダイの特徴

アオブダイはイラブチャーと同様、ブダイ科の魚です。名前にアオとついている通り真っ青な色をしているのが特徴的で、イラブチャーと間違われることも少なくありません。ただしアオブダイは成長の過程で色が変化していきます。そのためアオブダイの中には茶色のものもおり、成長すると雄はヒレが橙色になるのも特徴のひとつと言えます。

イラブチャーが沖縄の魚であるのに対し、アオブダイは東京や台湾、中国など広範囲に生息する魚です。定置網や釣りで漁獲されることも多いため、釣りが趣味の方にとっては珍しい魚ではないようです。

アオブダイの口は鳥のクチバシ似ていて驚くほど強い力を持っています。中には人の指を噛み切ることもあるので、むやみに口元を触らないように気をつけましょう。

アオブダイの毒性

アオブダイの内臓にはパリトキシンという毒素があります。このパリトキシンはフグの持つ毒素よりもはるかい強い毒性があり、誤って口にすると身体の麻痺やしびれ、強い筋肉痛などの症状があらわれます。重症化すれば腎障害や呼吸困難になり、最悪の場合は死に至る可能性もあります。

残念なことにパリトキシンの解毒方法は現在もわかっておらず、決まった対処法も見つかっていません。いずれにしても回復には数日から数週間かかるため、アオブダイを釣り上げても自分で料理するのは避けた方が賢明でしょう。

これほどまでに強い毒素を持つアオブダイですが、実はもともと毒性を持っているわけではありません。アオブダイは海藻だけでなく、貝や甲殻類などを食べる雑食の魚です。その中のひとつとしてイソギンチャクを食べることにより、内臓に毒性を持つ魚となるのです。

毒性があることを知らずに料理してしまった場合はすぐに病院へ行くようにしてください。一瞬の迷いが命を左右することもあるため、どんな些細な症状でも見逃さないことが大切です。

イラブチャーとアオブダイの見分け方

イラブチャーとアオブダイは外見がよく似ているおり、判別するのが難しいといわれています。一番わかりやすいのは尾びれの形で見分ける方法です。イラブチャーはアオブダイに比べて尾びれが長く伸びています。ブダイ科の魚に詳しくない人でも識別しやすいため、食べられるかどうかは尾びれの長さを参考にすることをおすすめします。

イラブチャーのおすすめ食べ方

イラブチャーにはおすすめの食べ方がいくつかあります。さばき方をはじめ、イラブチャーに適した料理方法をピックアップしました。自分で料理してみたいと思っている方はぜひ参考にしてみてください。

イラブチャーのさばき方

イラブチャーは鱗を引き、頭と内臓を取り除いて三枚におろします。他の魚とさばき方はほぼ同じなので、魚の扱いに慣れている方は簡単におろすことができるでしょう。綺麗にさばくポイントは包丁を何回かにわけて入れ、少しずつさばいていくことです。

アジやサバなどに比べると身が大きいですが、向きを変えながらゆっくり作業すれば問題ありません。沖縄では肝を好む方もいるようですが、アオブダイと同じブダイ科の魚であることを考えると内臓を食べるのは避けた方が無難です。

刺身

沖縄でイラブチャーの刺身と言うと皮を湯引きにして皮ごと食べるのが一般的です。三枚におろして皮目に湯をかけ、すぐに冷水で身をしめて水気を拭き取ります。あとは食べやすい大きさに切り分けたら出来上がりです。皮ごと刺身にすると皮目の色が引き立ち、プリプリ、コリコリとした食感が増してとても美味しくいただけます。

ただ皮には若干のクセがあるため、鮮度が落ちると臭いが出て食べにくくなります。刺身にする場合はできるだけ新鮮なものを使った方がよいでしょう。醤油にシークワーサーを絞ったりコーグレースという沖縄の調味料をつけたりすると後味がさっぱりして食べやすいです。

汁物

イラブチャーの旨みを楽しみたいなら魚汁にするのがおすすめです。魚汁とは魚のアラで出汁を取り、味噌を溶き入れた味噌汁の豪華版のような料理です。イラブチャーのアラを水と一緒に火にかけ、沸騰したらアクを取ります。

魚に火が通り、味噌を溶き混ぜたら魚汁の出来上がりです。少し多めの味噌を加えれば、ご飯のおともにぴったりな汁物にもなります。

唐揚げ

揚げ物がお好きな方はイラブチャーの唐揚げに挑戦してみてください。切り身に軽く塩こしょうを振り、小麦粉をつけて油で揚げれば完成です。唐揚げにすると身がふんわりとした食感になり、刺身とは異なる口あたりが楽しめます。切り身が分厚いと火が通るのに時間がかかるので、身に切り込みを入れるのがポイントです。

バター焼き

淡白なイラブチャーはバター焼きにしても美味しくいただけます。こんがり焼くことでバターの風味が移り、クセが和らいでとても食べやすくなります。刺身で食べるのに抵抗がある方は、まずこちらの食べ方に挑戦してみるとよいでしょう。

沖縄ではマース煮にして食べるのも一般的です。マースとは塩のことで水、酒、マース(塩)を入れた鍋で料理するシンプルな煮込み料理です。少量の生姜を加えると臭みがおさえられて更に美味しくなります。

イラブチャーのおすすめ料理レシピ

イラブチャーのムニエル

【材料】

  • イラブチャー:100g
  • 小麦粉:大さじ3
  • 塩こしょう:少々
  • 白ワイン:100ml
  • バター:20g
  • 醤油:小さじ2
  • オクラ(茹で):2本
  • チェリートマト:1個
  • キャノーラ油:大さじ1

【作り方】
  1. イラブチャーは皮をはぎ、塩こしょうを振って小麦粉をまぶします。
  2. フライパンにキャノーラ油を熱し、1を入れます。
  3. こんがりと焼き色がついたらひっくり返します。
  4. 両面に焼き色がつき、中まで火が通ったら取り出します。
  5. フライパンの油を拭き取り、白ワインを入れて軽く煮詰めます。
  6. 醤油、バターを加え、分離しないように溶かして味を調えます。
  7. 皿に4を盛り、6のソースをかけてオクラとトマトを添えたら完成です。

小麦粉をつけたイラブチャーをバターで焼き、カリッと香ばしいムニエルに仕立てています。ただ焼くだけだと淡白になりがちですが、両面に焼き色をつけることで食べ応えのある一皿に変身します。白ワインを煮詰めたソースが香りよく、ふわふわの身にたっぷりつけて食べればその美味しさにハマること間違いなしです。

イラブチャーのカルパッチョ

【材料】

  • イラブチャー:100g
  • EXオリーブオイル:大さじ2
  • トマト:1/2個
  • 粉チーズ:少々
  • バジルソース:少々
  • バルサミコ酢:少々
  • ベビーリーフ:適量
  • にんにく:1/2片
  • マヨネーズ:大さじ2

【作り方】
  1. にんにくは水から二度茹でます。
  2. 1を裏ごしし、マヨネーズと混ぜ合わせます。
  3. トマトは湯むきをし、種を取り除いて5mm角に切ります。
  4. イラブチャーは3枚におろして骨を抜き、熱湯をかけて冷水に取ります。
  5. 4を薄切りにして皿に並べます。
  6. クッキングシートを円錐状に丸め、コルネを作ります。
  7. 2を6に詰め、上部をひねってとじます。
  8. 7の先端を切り、5の皿に絞りかけます。
  9. 洗ったベビーリーフとトマトを飾ります。
  10. EXオリーブオイル、バジルソース、バルサミコ酢をまわしかけます。
  11. 上から粉チーズを振りかけたら完成です。

パーティーやおもてなしに最適なイタリアン仕立てのカルパッチョです。イラブチャーは三枚におろしたら霜降りにし、薄切りにしてお皿にバランスよく盛り付けましょう。

醤油をつけて食べることが多いイラブチャーですが、オリーブオイルと合わせても美味しくいただけます。和風にしたい時は酢味噌をかけ、大葉やミョウガ、三つ葉などを添えるのもおすすめです。

イラブチャーの焦がしにんにくバター焼き

【材料】

  • イラブチャー:1尾
  • ミニトマト:5個
  • 刻みにんにく:50g
  • バター:50g
  • 醤油:5g
  • レモン:1/8個
  • パセリ:少々
  • 塩こしょう:少々
  • 薄力粉:少々
  • 片栗粉:少々
  • 油:適量

【作り方】
  1. イラブチャーの片面に塩こしょうを振り、全面に薄力粉、片栗粉をまぶします。
  2. 190度に熱した油に1を入れ、約2分表面がパリッとするまで揚げます。
  3. 200℃のオーブンに移し、じっくりと火を通します。
  4. フライパンにバターを熱し、にんにく、トマトを炒めてソースを作ります。
  5. 3を加え、4のソースを絡めて皿に取り出します。
  6. フライパンに醤油を加えて5にかけ、レモンとパセリを添えたら完成です。

イラブチャー1尾を使ってにんにくバター焼きにしたスタミナ抜群の一皿です。一度油で揚げて香ばしさを加え、オーブンに移してゆっくり火を通すことでふんわりとした食感に仕上げています。ソースに入れたトマトが甘酸っぱく、意外なほどさっぱりといただけるのが嬉しいところです。

白身魚のしょうが醤油揚げ

生姜醤油に漬け込んだ切り身を油で揚げ、香ばしい唐揚げにしたレシピです。揚げ立ては外がカリカリ、中はふわふわで生姜の香りがやみつきになります。ご飯のおかずはもちろん、お酒のおつまみにするのもおすすめです。

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イラブチャーを食べてみよう!

イラブチャーの基本情報やおすすめの食べ方などをお届けしました。イラブチャーは、セルリアンブルーと呼ばれる沖縄の海と同じ色をした魚です。味は淡白ですが刺身や煮物、揚げ物にすると美味しく、調理法によって異なる食感が楽しめるのも魅力的です。沖縄に足を運ぶ機会があれば、ぜひ美味しいイラブチャー料理を堪能してみてください。

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