タサカゴ(高砂・グルクン)はどんな魚?沖縄県の魚の食べ方と生態を解説!

タカサゴという魚を知っているでしょうか?漢字で高砂と書き、沖縄では「グルクン」と呼ばれています。グルクンという名前を聞いたことはあっても、実際食べたことがなかったり詳しくは知らない方もいるのではないでしょうか?今から、タカサゴはどのような魚なのか詳しく解説していきます。タカサゴの名前の由来・特徴や生態・タカサゴの種類の見分け方・釣り方・食べ方などを取り上げています。どうぞご覧下さい。

タサカゴ(高砂・グルクン)はどんな魚?沖縄県の魚の食べ方と生態を解説!のイメージ

目次

  1. 1タサカゴ(高砂・グルクン)とはどんな魚?
  2. 2タサカゴの生態とは?
  3. 3タサカゴ(高砂・グルクン)の釣り方
  4. 4タサカゴ(高砂・グルクン)の美味しい食べ方と調理レシピ
  5. 5タサカゴ(高砂・グルクン)釣りを沖縄で楽しもう!

タサカゴ(高砂・グルクン)とはどんな魚?

タカサゴはスズキ目タカサゴ科に分類されます。沖縄県の鮮魚店には必ずと言っていい程用意されている、沖縄県民にとって最もポピュラーな魚です。特徴やタカサゴの種類の見分け方、購入可能な場所、名前の由来などを取り上げています。地方によって違う呼び名も紹介しています。

タサカゴの特徴

タカサゴは細長い紡錐型で、頭部は小さく眼は大きくスマートな体型です。生きている時は背側が青緑色、腹側は銀白色です。しかし死後はどんどん赤味を帯びてくるため、水揚げされた状態しか知らない人には泳いでいる姿は別の魚のように見えます。体側には黄色の縦線が2本あることが特徴です。尾が二股で、尾の先に黒い斑点があることも特徴です。成魚の体長は約30cm程度です。

タサカゴの種類の見分け方

タカサゴの種類の見分け方を説明します。タカサゴにはニセタカサゴイッセンタカサゴ・タカサゴと、3種類あります。見分け方のポイントは黄色縦帯という体の模様の黄色い線です。タカサゴは黄色縦帯が側線(そくせん)という目の横から繋がっている黄土色の線にクロスするように走っています。ニセタカサゴの見分け方は、黄色縦帯の2本目が側線と沿うように走っている点です。

イッセンタカサゴはニセタカサゴほどタカサゴに類似していないため見分け方が簡単です。見分け方は、タカ縦帯がタカサゴのような黄色ではなく褐色であるという点です。そして体長が約20cm程度とタカサゴよりやや小さめです。

タサカゴを購入できる場所と値段

タカサゴは沖縄県の最もよく食べられている魚のため、沖縄県内のスーパーや鮮魚店などで購入が可能です。値段は1匹400~500円程度です。大漁の時は1匹200円前後と安価な場合もありますが、不漁の場合は1000程度になることもあります。沖縄県に行く機会がない方には、冷凍になりますが通販もおすすめです。アマゾンや楽天市場でネット通販でも購入可能です。3~4匹入りで1500円程度です。

タサカゴの味の特徴

タカサゴの味はクセがなく、淡白であっさりした味が特徴です。皮に甘味があり、肉厚で柔らかくどんな調理法でも美味しく食べることが出来ます。油との相性が良いため、沖縄県では唐揚げでよく食べられています。

タサカゴの名前の由来と地方での呼び名

タカサゴの名前の由来と地方によって違う呼び名を紹介します。タカサゴは東京・小田原での呼び方で、漢字で高砂と書きます。タカは漁村用語で岩礁、サゴは細魚又は小魚という意味から由来しタカサゴという名前になります。漢字で高砂となったのはおめでたい印象という説があります。沖縄ではグルクンと呼ばれていて、こちらの名前のイメージが強い方も多いのではないでしょうか?

高知県・和歌山県ではアカムロと呼ばれています。タカサゴはムロアジと形が似ていること、水揚げしたタカサゴは赤くなり赤いムロアジのような姿ということが由来です。三重県ではチャムロと呼ばれていて、赤と茶の違いで由来はアカムロと同じです。奄美地方ではアカウルメと呼ばれていて、ウルメはウルメイワシと似た形であることが由来しています。

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タサカゴの生態とは?

タカサゴの生態を紹介します。生態とは生物の自然界でのありさまのことです。海の中でどのような生活をしているのか生態を詳しく説明していきます。タカサゴの生態の知識を是非旅行や釣りの際に活用してみて下さい。

タサカゴの生息地

タカサゴは日本では主に奄美諸島・琉球列島・小笠原諸島・伊豆諸島南部などに分布しています。生息地は水深20~50m程度の岩礁やサンゴ礁域です。そこに群れで生息していることが特徴的な生態です。

タサカゴの産卵期と旬の時期

タカサゴの産卵は5~7月の日没前に行われます。大きな群れが海中で上下運動を繰り返しながら、産卵・放精されます。24℃以下の環境下では約1日でふ化します。タカサゴは一年中獲ることが出来る魚ですが、旬はこの産卵前の初夏の時期、6月頃が一番美味しいと言われています。

タサカゴの食性

タカサゴの食性は雑食性です。雑食性とは動物質・植物質の両方を食する性質を言いますが、タカサゴは主に動物性プランクトンを捕食します。

タサカゴ(高砂・グルクン)の釣り方

タカサゴの釣り方を紹介します。沖縄県では、沖釣りの入門魚としてターゲットになっています。仕掛けなどを手配してくれる釣りツアーも多く、釣り方も教えてくれます。初心者や子供も気軽に挑戦することが出来ます。それではタカサゴの釣り方をどうぞご覧下さい。

コマセカゴを使うサビキ釣り

タカサゴ釣りで最も人気のある釣り方がサビキ釣りです。市販のタカサゴ用サビキを使用し、その上下どちらかに写真のようなコマセカゴをセットします。コマセというのは魚をおびき寄せるための撒き餌です。釣り方は底ダナ付近でコマセを振って当たりを待つスタイルが基本です。釣り針に餌を刺さないため、子供にも危険が無く手軽に出来ます。

タサカゴの餌

タカサゴを釣る際の餌はアミエビオキアミが一般的です。アミエビはサクラエビ科のエビで、仕掛けの周辺にアミエビを舞わせて集魚効果を得るという方法で使用されています。オキアミは形はアミエビと似ていますが、プランクトンとして分類されています。アミエビより少し大きいため、大型魚の餌としても使われています。

グルクン釣りのベストシーズン

グルクン釣りは一年中出来ますが、ベストシーズンは6月から11月です。上記で述べた通り産卵期が5月~7月のため、その直後は獲れる量も多くなります。

タサカゴ(高砂・グルクン)の美味しい食べ方と調理レシピ

タカサゴはどんな食べ方でも美味しく食べることが出来る魚です。沖縄県・奄美地方では重要な食用魚です。今からタカサゴの美味しい食べ方とレシピを紹介していきます。

刺身

タカサゴは足の早い魚のため、新鮮なタカサゴであれば是非食べて頂きたい食べ方が刺身です。タカサゴは皮も美味しいため、湯引きや炙りにする食べ方がおすすめです。ここでは簡単なさばき方と湯引きの手順を紹介します。

  1. タカサゴの鱗を取り、腹を裂いて内蔵とエラを取り、頭も切り落とします。
  2. 中骨の上に包丁を入れ、腹骨ごと2枚におろします。
  3. ひっくり返して、反対側も同じように包丁を入れます。
  4. 包丁の先を使い、腹骨をそぎます。
  5. 身の中心にある小骨を抜きます。
  6. 皮目を上にして熱湯をかけ、氷水につけます。
  7. キッチンペーパーで水分を取り、包丁の刃を斜めに当てサッとなぞり皮の汚れを取ります。
  8. 好みの厚さに切り、盛り付け完成です。

唐揚げ

タカサゴの唐揚げは、沖縄県の郷土料理と呼んでも過言ではない程、ポピュラーな食べ方です。味付けも塩のみのシンプルなレシピです。仕上げにシークワーサーを絞ることもおすすめです。

  • タカサゴ1匹
  • 塩2つまみ
  • 小麦粉大さじ1
  • サラダ油適量

  1. タカサゴの下処理をし、背骨に沿って2本切り込みを入れます。
  2. 水気を取り、塩をまんべんなく振り小麦粉をまぶします。
  3. 油を160℃程度の低温でじっくりと、カリカリになるまで揚げて完成です。

塩焼き

タカサゴは身が厚く、1匹でも食べ応えのあるおかずになります。塩焼きはタカサゴの味が最も楽しむことが出来る食べ方です。塩焼きにするとふっくらして上品な味わいですが、小骨が多いため注意が必要です。

  • タカサゴ1匹
  • 塩小さじ1/3

  1. タカサゴの鱗・腹わたを取り、身に斜めの切れ目を入れます。
  2. 両面に塩をまぶし、1時間以上冷蔵庫で置き塩を浸透させます。
  3. 魚焼きグリルで中に火が通るまでじっくり焼き、完成です。

ポワレ

ポワレとは深めのフライパンで蒸し焼きにする、フランス料理の調理法です。外側はカリカリ、中はふっくらと仕上がり身の厚いタカサゴに非常に適した食べ方です。フランス料理店ではソースがかかっていますが、家庭での調理は難しいためレモンを仕上げに絞るシンプルなレシピを取り上げています。

  • タカサゴの切り身2枚
  • 塩少々
  • オリーブオイル小さじ1
  • 白だし小さじ1
  • レモン1/6個

  1. タカサゴの皮に格子状の切り目を入れ、塩を振っておきます。
  2. フライパンにオリーブオイルを入れ熱し皮を下にして焼きます。
  3. 焼き目がついたらひっくり返して白だしを入れ、蓋をして蒸し焼きにします。
  4. 中まで火が通ったら皿に盛り付け、レモンを添えて完成です。

南蛮漬け

タカサゴの唐揚げをアレンジした南蛮漬けのレシピを紹介します。沖縄らしくシークワーサーを使用し爽やかな酸味で、野菜もしっかり摂ることが出来ます。4人分のレシピは以下の通りです。

  • タカサゴ2匹
  • 玉ねぎ1/2個
  • 人参1/3本
  • ピーマン1個
  • シークワーサー果汁少々
  • 砂糖少々
  • 薄口醤油小さじ1
  • 酢小さじ1/2
  • サラダ油適量

  1. タカサゴの下処理をし、水気をしっかり取ります。
  2. ボウルに調味料を全て入れ、混ぜ合わせます。
  3. 野菜を全て千切りにし調味液のボウルに入れます。
  4. タカサゴを油で素揚げにします。
  5. 調味液をかけ、しばらく漬け込み味を染み込ませて完成です。

つみれ

沖縄ではタカサゴはカマボコの材料としてもよく使われています。そのため身をすりつぶして作るつみれで食べることもおすすめです。このレシピはつみれ汁ですが、つみれを揚げても鍋物に入れても美味しく食べることが出来ます。

  • タカサゴの切り身2枚
  • 長ネギ30g
  • おろししょうが少々
  • 卵1個
  • 片栗粉大さじ1
  • 塩1つまみ
  • 白菜の葉1/2枚
  • 顆粒だし小さじ1
  • 薄口醬油小さじ1
  • 水400cc

  1. タカサゴは皮をはぎ取り、骨を取り除きます。長ネギはみじん切りにします。
  2. タカサゴの切り身・卵・片栗粉・塩をフードプロセッサーかすり鉢に入れ攪拌します。
  3. 長ネギ・おろししょうがを加え混ぜ合わせ、団子状にします。
  4. 鍋に湯を沸かし、ざく切りにした白菜・顆粒だしを入れ煮ます。
  5. 白菜を取り出し椀に入れ、鍋でつみれを加熱します。
  6. 薄口醬油を入れ味を調え、椀に盛り付け完成です。

タサカゴ(高砂・グルクン)釣りを沖縄で楽しもう!

いかがでしたでしょうか?タカサゴは食べて美味しい、釣って楽しい魚です。生きている状態の青く美しいタカサゴを見ることが出来るため、釣りはおすすめです。沖縄旅行の際は、是非上記で挙げた釣り方を参考にタカサゴ釣りに挑戦してみて下さい。釣った後は存分にタカサゴの味を堪能して下さい。

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