パスタは乳化させると美味しくなる!乳化のやり方やコツを紹介!
パスタを乳化させて美味しく作る方法について解説します。パスタの乳化を成功させるコツや、茹で汁とオイルでパスタを乳化させる手順について説明!乳化を利用して作るパスタのおすすめレシピも紹介します。ワンランク上のパスタを作りたい人は必見です。
パスタは乳化させると美味しさが増す!
美味しいパスタを作る秘訣を知っていますか?特にオイル系のパスタを作る際には、まろやかで舌触りの良いソースが重要なポイントになります。本記事では、おいしいソースを作る具体的な手順について、おすすめレシピを交えて説明します。美味しさのコツを抑えて、自宅でお店の味のパスタを完成させましょう。
乳化とは?
乳化とは、本来混ざり合わない液体が均一に混ざり合った状態のことです。料理においては、水と油が混ざり合ってとろみが付くことをいいます。これは、フランス料理やイタリア料理のプロにとって基本的なテクニックです。フレンチやイタリアンは多めの油を使用するレシピも多く、この技が非常に重要な決め手となります。
水と油がくっついた状態
ボードゲームサークルを開く→参加者にパスタを振る舞う
— 時知らず (@liu6miu) November 30, 2019
という、妄想をしてみた午後
◇トマト2個、ベーコン、挽肉、玉ねぎ(入れ忘れた)、にんにく、オリーブ油、しょうゆ、みりん
◆トマトはサイコロサイズに切る。パスタのゆで汁とオリーブ油で乳化させる。しょうゆとみりんは隠し味。 pic.twitter.com/1liOi8SVLm
水と油が混ざり合って白濁した状態を乳化といいます。ドレッシングを例に説明しましょう。ドレッシングは、酢と油からできています。そのまま置いておくと酢と油の二層に分かれますが、激しく振ることにより、一時的に混ざり合います。攪拌によって水と油を隔てる界面が壊れ、酢の中に微細な油の粒が浮かんでいる状態です。
水と油が混ざるには乳化剤が必要
カルボナーラはカーチョエペーぺの派生だと考えていまして、我が家のカルボナーラは生クリームは加えない。チーズ(ペコリーノロマーノ)を乳化剤としてクリーミーに仕上げるために大量に加えて作ります。地元ローマではスパゲティでないみたいですが(汗#カルボナーラ #パスタ pic.twitter.com/FNLYJncvXM
— sakucafe.to (佐久間俊介) (@SakucafeT) November 29, 2019
乳化剤とは、ひとつの分子の中に「水を引きつける部分(親水基)」と「油を引きつける部分(親油基)」の両方を兼ね備えた物質のこと。
水と油のように本来混ざらないものが合わさった状態を保つには、乳化剤が必要となります。マヨネーズを例に説明しましょう。マヨネーズは、酢・油・卵からできています。酢と油は、本来弾き合う性質です。先に挙げたドレッシングの例のとおり、激しく振ると一時的に混ざりますが、すぐに元の状態に戻ってしまいます。
水と油が混ざった状態を保ちたい時には、乳化剤が必要となります。マヨネーズの場合、卵に含まれるレシチンという物質が、乳化剤として作用しています。まろやかでクリーミーなマヨネーズをいつでも味わえるのは、卵の存在のおかげなのです。
乳化剤として使われることが多い食材として、茹で汁、魚介、肉、卵、バター、チーズ、生クリームなどがあります。うまく乳化させることができない時は、バターやチーズを少し足すとうまくいくことがあります。料理初心者の人はぜひ参考にしてください。
乳化でパスタが美味しくなる理由
お客様から
— Umapan (@umapan78952) November 26, 2019
「今まで食べてきたカルボナーラの中で一番美味しい。」と言って頂けた。。。
こういうシンプルなパスタを美味しいって言って頂けるのが個人的に一番嬉しい。
卵液の配合、塩分濃度、パスタの茹で加減、乳化具合、提供のタイミング。
シンプルだからこそ緻密に。 pic.twitter.com/e24nUPUxOO
とろっと乳化したオイルは麺と絡みやすく、なめらかでおいしく仕上がります。
乳化により水と油が混ざると油の層がなくなります。そして、茹で汁の塩味とオイルの旨味が溶け合い、とろりとパスタに絡みます。水分と油分がしっかりと混ざり合い、なめらかで舌触りが良い点が特徴です。
水分と油分がうまく溶け合ったパスタと失敗したパスタでは、味わいの差が歴然です。後者のパスタは油っぽく、メインの食材と絡みにくいのが特徴です。正しいやり方を守れば誰でも乳化のテクニックをマスターすることができます。美味しいパスタソース作りにチャレンジしてみましょう。
パスタソースを乳化させるやり方
茹で汁にはパスタから溶け出したデンプンが含まれており、このデンプンが乳化を安定させる働きを持っているためです。
乳化のやり方を具体的に説明します。フライパンにオイルを入れ、温まってからパスタのゆで汁を50cc加えます。加熱しながらフライパンを揺すり、空気を含ませると乳化が始まります。うまくいくと、白っぽくとろみのついたパスタソースの出来上がりです。手早く茹で上がったパスタと絡めましょう。
パスタを作るときに乳化を成功させるコツ
水分と油分をうまく溶け合わせるために、いくつかのコツがあります。具体的に4つのポイントを解説します。それほど難しいやり方ではないため、実際にパスタを作り始める前に是非頭に入れておいてください。
茹で汁とオイルのバランスが大切
茹で汁と温めたオイルで乳化させる際には、茹で汁の量が重要なポイントになります。これは茹で汁の量とオイルのバランスが悪いと、上手く乳化せずに失敗の原因となってしまうからです。なので、最初に茹で汁を50ccを入れた後は、様子を見ながら少量ずつオイルに足していきましょう。
油と水の割合は、油分が多いほどとろみが強く出ます。油分1に対して水分1、あるいは油分1に対して水分2が適量です。油と水のどちらが多すぎてもうまくいかないため、比率には注意を払ってください。
パスタを茹でる水は少なめにする
「うちのペペロンチーノはこれが“命”ですから。」シェフはそう語った。
— ユウト (@IOHEG_401) November 27, 2019
この乳白色の液体はパスタの茹で汁を一滴も捨てずに煮詰めたもので、曰く“蚕から取れるシルク”のように、重要なものだそうだ。
この茹で汁を乳化に使うことで、パスタの旨味が100%生きたペペロンチーノを提供できるとのこと。 pic.twitter.com/k1FPRDniPE
パスタを茹でる際には、たっぷりのお湯で茹でるのが基本です。しかし、少なめのお湯で茹でることによって溶けだすデンプンやグルテンの量が増え、濃厚な茹で汁になります。タンパク質やデンプン成分が溶け込んだ茹で汁が、乳化剤として重要な役割をします。まろやかでコクのあるソースを完成させるには、お湯を少なめにする点がコツです。
茹で汁を入れるタイミング
ペペロンチーノは煮て作るもの。
— ふるのさん (@furuno_san) November 26, 2019
プルプルのクリーミーペペロン。
深めのフライパンにたっぷりのオリーブ油とニンニクの鷹の爪、中火で炒めて400ccの水と乾燥パスタと塩を投入。
あとは中火で水気がなくなるまで待つのみ。水気がなくなってきたら菜箸で攪拌して乳化を促し皿に盛ってパセリを散らす。 pic.twitter.com/U1mW6QLpxQ
いったん乳化したソースは、早くパスタにからませないといけない。温度が下がると水と油に分離してしまうからだ。
パスタを茹でながらソースを作る場合、茹で上げる1分ほど前にオイルに茹で汁を加えましょう。茹で汁を加えたら菜箸でゆっくりかき混ぜますが、その際は油を茹で汁の中に潜り込ませるようなイメージで混ぜると良いでしょう。イメージを持つことによって仕上がりに差が出ます。
ソースの乳化に成功しても、温度が冷えると成分が分離してしまいます。ソースの乳化直後に茹で上がったパスタを投入出来るように時間を調整しましょう。
空気を含ませるようにパスタとソースを絡める
塩こんぶパスタ
— NEXT (@Homeicorporati1) November 22, 2019
フライパンでガーリックオイルを作って乳化させた時に塩こんぶを入れて塩こんぶに塩分あるから塩は少なめに!#塩こんぶパスタ#パスタ pic.twitter.com/vOMJ9og45v
ソースがうまく乳化した後、同じフライパンにパスタを投入します。空気を含ませるように菜箸で混ぜながら、パスタにソースを絡めましょう。炒めるようにフライパンと煽らないよう注意してください。パスタの表面が崩れ、食感が悪くなってしまいます。
乳化を利用したパスタのレシピ
乳化を利用したパスタの代表的なレシピといえば、ペペロンチーノでしょう。上手に仕上がったペペロンチーノは、にんにくの風味がまったりと絡みつき、何とも言えない絶品の味わいです。
また、生クリーム不使用のカルボナーラも乳化が味の鍵を握ります。美味しさの秘訣は生クリームにあると思われがちなカルボナーラですが、乳化のテクニックによってコクのある一皿に仕上げることができます。ここではこれらパスタのレシピについてまとめました。
ペペロンチーノ
材料
- にんにく1欠
- 唐辛子少々
- オリーブオイル少々
- パスタ1束
- 塩40g
- お湯2L
手順
- 鍋に湯を沸かし塩を加えてから、パスタを茹でます。
- フライパンにオリーブオイルを入れ、にんにくと輪切りにした唐辛子を炒めます。焦げないように、火加減は弱火です。
- にんにくに色が付いたら50ccの茹で汁を取り、フライパンに加えます。
- 火を中火にし、茹で汁とオイルを混ぜながら加熱します。
- 通常の茹で時間より1分ほど早くパスタを鍋から出し、水気を切ってフライパンに投入します。
- 菜箸で空気を含ませるように、ソースとパスタを絡めて完成です。
ペペロンチーノを作る上で、乳化は非常に重要なポイントとなります。少ない材料で作るシンプルなレシピであるからこそ、オイルソースのまろやかさが際立ちます。友人との食事の際など、食べきるまでに時間を要する場合は、乳化の安定剤として少量のバターを加えてもよいでしょう。
カルボナーラ
材料
- パスタ1束
- 塩40g
- 粉チーズ50g
- 卵1個
- ベーコン適量
- オリーブオイル少々
- 黒コショウ少々
手順
- 鍋に湯を沸かし塩を加えてから、パスタを茹でます。
- 溶いた卵と粉チーズを菜箸で混ぜ合わせます。ダマが残る場合は、湯煎しながら混ぜてください。
- ベーコンを弱火で炒め、オリーブオイルを足します。
- 50ccの茹で汁を取り、フライパンに加えます。
- 火を中火にし、茹で汁とオイルを混ぜながら加熱します。
- 通常の茹で時間より1分ほど早くパスタを鍋から出し、水気を切ってフライパンに投入します。
- フライパンの火を止め、菜箸で空気を含ませるように、ソースとパスタを絡めます。
- (2)で準備しておいたソースをよく絡め、黒コショウをかけて完成です。
生クリームが無ければ美味しいカルボナーラが出来ないわけではありません。乳化の原理を利用すれば、卵と粉チーズで濃厚なソースを作ることができます。生クリームを購入しても1パックを使い切ることが難しい場合もあるでしょう。卵と粉チーズは常備している家庭も多いため、手軽にカルボナーラ作りに挑戦できるはずです。
パスタは乳化させて美味しくしよう!
初めて乳化させたパスタ作りに挑戦する人には、王道のペペロンチーノがおすすめです。トマトソースのパスタもトマトの水分とオイルで乳化させることができます。コツを抑えてうまく作れるようになれば、魚介などを入れたアレンジパスタも試してみてください。これまで自宅で食べていたパスタとは異なる深い味わいに、きっと驚くでしょう。