牛肉の変色は茶色・緑色になっても食べていい?腐った時の見分け方は?
牛肉が茶色や緑色に変色しても食べられるのか解説します。腐る時のにおいやぬめりなどの見分け方も説明しています。牛肉を冷凍するときの変色防止ポイントも紹介しましょう。牛肉を調理するときの参考にしてください。
牛肉が変色した!
牛肉は時間が経つと、変色します。変色したとき茶色や緑色と、色が違う場合がありますが、変色する色が違う理由は何でしょうか?また、牛肉が腐ってしまった時の見分け方や変色防止の冷凍方法などを、これから解説します。
牛肉が変色して茶色・緑色になったら食べられない?
肉の一部だけ変色している場合に、破棄するか食べられるのか判断に困る方も多いです。まずは、変色してしまった牛肉について解説します。変色する原因を理解して、色に合わせた対処をしましょう。
牛肉が茶色に変色する理由
牛肉が茶色に変色する原因は、ミオグロビンという色素たんぱく質の酸化です。赤い色を作り出すミオグロビンは筋肉の中にあり、酸素が代謝に必要になるまで蓄える働きをしています。
筋肉が食肉の状態になると、筋肉中にあったミオグロビンが酸素を取り込み、オキシミオグロビンに変化して暗い赤色になります。そして、さらに時間が経過するとオキシミオグロビンがメトログロビンになり、茶褐色に変色します。
牛肉が緑色に変色する理由
牛肉が緑色に変色する原因は2種類あります。まず、ミオグロビンが肉表面に発生した過酸化水素の酸化作用で、お肉を緑色に変色させてしまう場合です。この過酸化水素は乳酸菌から作り出されます。
乳酸菌は、無酸素状態で発酵するといわれており、ヨーグルトを作るときに使われる微生物です。しかし、肉の表面など酸素がある状態では、過酸化水素を発生させて変色を引き起こします。
次は、胆汁色素のビリベルジンが、酵素の働きで緑色に変色させてしまう場合です。鋭利な刃物でお肉を切ると、切断面から緑色の色素を持つビリベルジンが滲み出てくることがあります。光の当たり具合で、キラキラ光る緑色に変色させます。肉だけでなく、カツオやマグロの表面が緑色がかって見えるのはこのためです。
変色しても食べていい?
同じ日に買って冷蔵庫に入れてた今日賞味期限の牛肉。
— びとさん (@chibi_beat) November 10, 2019
左のパックが妙にヨーグルト臭くて、ぺろっと上の肉をめくったら中が緑色に変色してた…
サヨナラ和牛さん😰
ツイッターの垢名「銭失い」にしようかしら🤔🤔🤔 pic.twitter.com/B2xFJCRihP
牛肉が変色しても食べられるのかどうかは、色によって異なります。茶色に変色した場合や、キラキラと光る緑色に変色した場合は、食べられます。
一方、注意してほしいのは光っていない緑色に変色した牛肉です。表面についている乳酸菌から発生した過酸化水素が、肉を腐らせています。この状態になると匂いや、ぬめりなども出てきているので決して食べないでください。
間違って食べてしまった場合、食中毒や食あたりを引き起こします。食中毒は細菌やウィルスの繁殖です。食あたりは肉自体の消化酵素が働き、たんぱく質が分解され、古い動物性たんぱく質が生まれてしまい消化不良を起こします。
消化酵素は、食あたり前の段階でうまみ成分を生み出します。その段階まで敢えて牛肉を寝かせ、消化酵素を発生させて、うまみを凝縮させた肉が熟成肉といわれています。
口コミ
熟成肉って、腐る一歩前の肉よね?
— ちゅん (@news_numa_) February 3, 2018
匂い嗅がされたけど、腐った肉の匂いしかしなかった。
そこの店主は熟成されたヨーグルト臭って言ってたけど、それってどうなん?#熟成肉 #腐った肉? #食中毒 大丈夫?
肉って腐っても食えるんやで、腹壊すのは菌が原因なんやで、腐った肉はホンマに旨いんやで、よく焼いて食べるんやで、腐った肉はよく焼いても柔らかいんやで、本当の事は隠されてるんやで、時々世の中疑って見た方がええで#腐った肉 #腐れ肉
— めちゃくちゃマン (@nagaisenyo) November 3, 2017
牛肉が変色して腐っている時の見分け方
色が変わった牛肉が、食べられるか食べられないかを紹介しました。しかし、季節や気温、その時の状態によって傷みが進行してしまうこともあります。料理を食べる人の身を守るためにも、しっかりとした判別が重要です。これから、牛肉が腐るときの簡単な見分け方を紹介しますので、腐っているのか判断がつかないときの参考にしてみてください。
見分け方①におい
牛肉が腐っているときに判断できるポイントとして、まずにおいが挙げられます。牛肉のみならず他の動物の肉であっても、酸っぱいにおいやアンモニア臭がしている場合は腐っていると捉えて良いです。
牛肉の腐っている可能性が高いにおいとして一番注意したいのが、ヨーグルトのような酸っぱいにおいです。このにおいが発せられているときは、牛肉の脂部分が酸化し始めている証拠になります。腐敗が進行している状態になるので、安易に口にするのはやめた方が良いでしょう。
また、ヨーグルトのにおい以外にも独特なにおいを感じることが稀にあります。牛肉から草のにおいがした場合は、牛が牧草を食べて育ったが故に草のにおいが強くなる傾向にあるでしょう。
牛乳のようなにおいがした場合には、乳を出すことのできなくなった雌の牛が加工された可能性が高いとされています。草と牛乳のにおいがする牛肉は食べることができるので、調理をして大丈夫です。
見分け方②ぬめりや糸を引く
肉の表面に滑りがあったり、触って糸を引くようであれば、腐敗菌が増殖している証拠です。牛肉は新鮮なときでも脂分で少し粘り気がありますが、腐るときの粘り気は糸が1cm以上も引くときがあります。
水で表面を洗ったり、キッチンペーパーで滑りを拭いたとしても、肉の内部に腐敗菌が入り込んでいます。よく火を通す調理をしても食べられません。
見分け方③表面の斑点
牛肉が腐ると表面に白や緑、黒色の斑点が表面に出てくるので確認が必要です。この状態は、肉自体に食中毒の原因である細菌や、ウィルスが繁殖しています。加熱しても食べられません。食べないでください。
牛肉の変色【冷凍の場合】
牛肉をまとめて買ったら食べきれなくなって冷凍したり、買ったらすぐ冷凍するという家庭も多いでしょう。しかし、冷凍しても空気や温度の影響を受ける時間が長くなります。そうなると牛肉の酸化が進み、乾燥してしまうのでパサパサになり、味が落ちてしまいます。冷凍をしたら1か月を目安に食べてください。
では、冷凍庫から出して変色していたときの対処法や、解凍しても美味しく食べられるように冷凍時の変色防止のポイントを紹介します。
解凍後の色やにおいに注意
冷凍をしていても空気には触れているので、変色や匂いの変化を防ぐことは難しいです。冷蔵庫内より痛む速度は遅いですが、少しずつ変化しています。冷凍していても変色が進んでいたり、匂いがきつかったら注意が必要です。
鮮度の悪いものを冷凍した場合
気づかないうちに鮮度が悪い牛肉を冷凍してしまった場合、冷凍庫内でも少しずつ腐敗は進行しています。解凍している途中から腐敗臭がしてきたり、あきらかに色がおかしかったら食べないでください。次は変色防止の冷凍ポイントをいくつか紹介します。
変色防止冷凍のポイント①赤身ではなく脂の多い肉
牛肉の中でも、肉質によって冷凍に向き不向きがあります。冷凍に向いている牛肉は、脂の多い霜降り肉です。牛肉の脂肪分が酸素と結合して、酸化を引き起こす鉄分をコーティングする特徴があります。
赤身肉は肉の中に含んでいる水分量と鉄分が多いので、冷凍には不向きです。冷凍した時に肉の中の水分量が多いと体積が多くなり、細胞を傷つけてしまいます。傷ついた細胞は肉汁を出しやすくするので、解凍時に肉汁が多く出てしまいます。
変色防止冷凍のポイント②肉の状態はすぐに凍るスライスで
牛肉を冷凍するとき、牛肉がすぐ冷凍できる状態と形状が大事です。牛肉に含まれている水分が凍るのに時間がかかってしまうと、氷の粒子が大きくなります。粒子が大きくなると、肉の細胞が傷つきやすくなります。素早く冷凍できるスライス状がベストです。
スライス状の肉を薄く平らに重ねて小分けにし、空気に触れないようラップで包みます。それを冷凍保存用の袋に入れて真空状態で、袋を閉じて冷凍すると酸化しにくいです。手の雑菌が肉につかないように、生肉は素手で触らないよう注意してください。
もし、厚めの牛肉を冷凍する場合は、オリーブオイルで裏表まんべんなくコーティングしてください。一度ラップで包んだら、光の影響を受けないためにアルミホイルで肉を包みます。そして、オイルが漏れてこないように、冷凍用の保存袋に入れて冷凍してください。
変色防止冷凍のポイント③味をつけてから冷凍する
下味をつけて冷凍する方法も、変色防止に効果があります。下味のたれを肉にしっかりとつけて、冷凍用の保存袋に入れます。袋をなるべく薄く平らにならして、袋の中を真空状態にしてから袋を閉じ冷凍します。
料理するときは、凍ったまま使うこともできますし、自然解凍させてから使うこともできます。味がついているので、調理時間の短縮にもなります。
牛肉は変色する前に使い切ろう!
牛肉は茶色や、キラキラ光る緑色に変色した場合は、食べられることがわかりました。しかし、緑色に変色し、ヨーグルトの匂いがしたら食べることができません。糸を引くほどのぬめりも、牛肉が腐る証拠です。そうならないように、新鮮なうちに安心、安全に食べるようにしましょう。
もし牛肉が傷んでしまっても、もったいないと思わずに、少しでも気になったら破棄する勇気も必要です。腐るときの見分け方を参考に食中毒、食あたりから自分や家族の身を守りましょう。