みかんのカビは周りのみかんに移る?食べたり吸い込んだらどうなる?
みかんのカビについて徹底解説します。みかんに白や緑色のカビが生える原因には様々なものがあり、正しい方法で保存すればカビの発生を防止することも可能です。カビの生えたみかんを食べたらどうなるのかなど食中毒の危険性についても紹介します。
みかんのカビを徹底解説
甘酸っぱい果汁と爽やかな香りが特徴のみかん。冬の風物詩とも言える果物の1つですが、購入してしばらく置いていたらカビが生えてしまったことはありませんか?本記事ではみかんに発生するカビの特徴や原因、防止する対策法などを紹介します。
「緑や白いカビが生える原因は何?」「カビが生えているみかんを食べたら食中毒になる?」などの解説もしているので、購入前にはぜひチェックしてみてください。
みかんのカビの特徴
みかんは値段が手ごろで皮をむくだけで手軽に食べられるため、箱買いする家庭も多いのではないでしょうか?けれど正しい方法で保存しないと緑や白、黒っぽい色をしたカビが生えることがあります。ここからはみかんのカビの特徴について紹介します。カビを発生させないための保存方法もあるのでぜひ参考にしてみてください。
緑色は青カビの一種「ペニシリウム」
みかんに生えるカビは、そのほとんどが青カビのペニシリウムです。ペニシリウムの特徴は、周囲はぼんやりとした白い色をしており中央になるほど緑色を帯びているところ。みかんの他にはパンや餅にも生えることがあり、意外と生活の中で見かけることの多いカビの種類です。
みかんに生えるカビの多くは、コロニー(発生部位)の周縁が白く、中央部分が緑色になっています。このカビは、アオカビの仲間である「ペニシリウム・イタリカム」または「ペニシリウム・ディジタータム」で柑橘類に多く発生するカビです。
低温で乾燥していても生える
みかんが最も多く収穫されるのは10月から12月にかけてです。このころは空気も乾燥していて外気温も低いためカビとは無縁だと思われがちですが、室内となると話は別です。カビの生えやすい環境には温度と湿度と栄養素が大きく関係しています。
温度が20度、湿度が60%を超えるとカビが発生しやすくなり、温度が28度で湿度が80%の時に一番活発に動き出します。特に冬は外気温と室温の差が大きく結露などが発生しやすいため、カビが好む環境にあります。たとえ外が低温で乾燥していたとしても発生を抑えることはなかなか難しいのです。
みかんのカビは周りに移る?
コレは完全にみかん🍊に生えてしまったカビです。干し芋の白いのに似てますが、コレは完全にカビなのでそのままポイしてください。近所にいるみかんさんもカビ菌が移っている可能性が高いので、よくチェックするといいと思います。たまにはこういう事例もあっていいかな、と。 pic.twitter.com/dE6O2z7cqx
— 豊洲市場ドットコム (@tsukijiichiba) December 20, 2018
みかんを箱に入れたままにしていたら、いくつもカビが生えていたという経験はありませんか?実はみかんのカビは繁殖スピードが速く、周囲に腐ったみかんがあると他のものにもカビが移る可能性があります。
みかんのカビない保存方法
今年も寿太郎みかんが解禁になったので内浦重須の直売所OH|!MOSさんで買ってきた。
— inu@聖地の合間 (@inu_uni) February 3, 2019
買ってきたらそのまま段ボールで置いておくのではなく、一旦箱から出して新聞紙を敷いて一段づつ積むと傷みにくい。その際、しっとりと湿ったみかんがあったらタオルなどでから拭きしておくとカビにくくなる。 pic.twitter.com/QHbD6kcGve
保存状態の良いみかんは約3カ月も美味しさを保つことができるといわれています。せっかく購入したみかんにカビが生えないように正しい方法で保存することを心がけましょう。
みかんの箱や袋をすぐ開ける
購入してきたらなるべく早く箱や袋を開け、みかんを取り出して風通しの良い場所で保存します。暖房が入った部屋は室温が高いため、なるべく涼しく湿気のない場所に置いておくのがポイントです。
みかんの間に新聞紙を入れる
箱に入れたままみかんを保管する場合は、蓋を開けて通気性を良くすることがカビ防止に役立ちます。また箱を開けて上に新聞紙をかぶせるだけでも発生を抑えることは可能です。他には箱の上と下に新聞紙を敷いて湿気を吸収させる方法もおすすめです。
箱のみかんは小分けして保存
みかんを腐らせないためにも、箱入りのものは箱から出した状態で保管するのがよいでしょう。箱に入れたままで保管すると、みかん同士の距離が近いためどうしてもカビの発生頻度が増します。小分けにして湿気のこもりにくいカゴに入れておくのがおすすめです。
箱のみかんは上下を入れ替える
箱みかんを購入してきたら、まずは底を上にして開封します。これは箱の下にあるものの方が傷みやすいからからで、上下を逆にすることでカビの発生を防ぐ目的があります。上から順に食べてしまうと、あっという間に緑や黒や白いカビが生えてしまうので注意しましょう。
傷んだみかんを取り除く
傷んだみかんを近くに置いておくと他のみかんにもカビが移ります。そのため購入したみかんは1個ずつ目視で状態を確認し、傷んだものがあれば取り除きましょう。
みかんのカビの原因とカビ防止対策
いったんみかんにカビが生えると驚くほどのスピードで傷みが進んでしまうことも。ここからはみかんのカビの原因や防止するための対策を紹介します。少しでも良い状態で保存して美味しさを堪能しましょう。
皮の表面の傷
みかんにカビが生えるのは皮の表面にできた傷が原因です。実はみかんは本来カビに強い果物です。しかし皮に傷がつくとそこから菌やカビが入り込み、傷んだり腐ったりする原因となります。他のみかんに傷みが広がるのを防ぐためにも、傷のできたものは早めに食べるに越したことはありません。
箱の中の重みや輸送中の衝撃
箱入りみかんには5kgや10kgのみかんがぎゅっと詰め込まれています。そのため箱の下の方にあるものは重さに耐えきれず、つぶれたり傷がついたりしてカビが発生します。
また輸送中の衝撃によってみかんが傷む場合もあります。傷ついたものは時間とともに菌が増殖していき、最終的には周りのみかんを腐らせる原因にもなるのです。
みかんに含まれるプロリンで増殖
カビの生えやすい環境は温度や湿度、栄養素によって異なります。この栄養素となるのがアミノ酸の一種プロリンです。プロリンは特にみかんの皮に多く含まれており、美肌や脂肪燃焼にも効果が期待できる栄養素です。ただしプロリンにはカビの発芽を促す働きもあるため、温度や湿度がそれほど高くなくてもカビが発生する原因になることがあります。
柑橘類には、プロリンと呼ばれるカビの発芽を促進するアミノ酸(ヒトの健康には良い物質)が含まれています。みかんの果皮には、プロリンが多く含まれていることから、低温で乾燥した場所に置いてもカビが発生し、繁殖してしまうのです。
みかんのカビ防止策
箱買いしたみかんは底から開ける🍊
— パン工房 小麦屋💙(公式清純派) (@lovelykomugiya) December 16, 2018
↑なんてこった知らんかった!友人のお母さんから蓋を開けたまま保存してね、籠らずにカビにくくなるからと言われてへぇー!てなった。今年はみかんについてたくさん学習したな。https://t.co/Nrl32MDTMG
低温で乾燥している環境でも発生するみかんのカビは、どのようにしたら防ぐことができるのでしょうか?防止に役立つ最大の方法はみかんに傷をつけないことです。箱のまま保存するにしても小分けにしても、時折みかんを動かして同じ場所に負担がかからないようにします。
箱に入れ直す際はヘタを下にし、触った時に柔らかいものは取り除きます。緑や黒のカビを見つけた際も食べないように気をつけましょう。箱入りのみかんに傷みを見つけた場合はすぐに取り除き、周りのみかんをアルコールで拭くとカビ予防にもなります。
みかんにカビが生えたら食べられない?食べてしまったら?
誤って腐ったみかんを食べてしまったことはありませんか?基本的にみかんに発生するカビには毒性を産生するものはほとんどありません。しかし種類によっては危険性があるものも。ここからは「みかんのカビで食中毒になる危険性は?」「気づかずに食べたら体にどんな影響があるの?」という疑問に迫ります。
みかんのカビは見えない部分にまで増殖
3日前に買った6個いりのみかんがまだ3個残ってるのにカビだらけに…
— レツゴー万引きGメン (@Letugo_Gmen) December 27, 2018
ミカン光殺砲!と叫んでゴミ箱へリフトオフ 悲しい pic.twitter.com/VKhYvlayMe
みかんのカビは一部にだけ生えているように見えても実は奥深くまで増殖している可能性があります。そのため一部を取り除いて食べているつもりでも、知らない間にカビを口にしていることもあるのです。
腐ったみかんは食べずに処分するのが賢明です。毒を産生する種類のカビもあるため、もったいないと思っても食べないようにしましょう。
みかんに生えるカビの中にはカビの二次代謝産物である「カビ毒(マイコトキシン)」を産生する種がいますので、カビの生えたみかんは、カビが生えた部分だけ取って食べようとはせずに廃棄してください。
みかんのカビを食べたり吸い込むとどうなる?
では実際にカビの生えたみかんを食べたらどうなるのでしょうか?カビというと全般的に体に悪いイメージがありますが、カビの種類には毒性を持つものとそうでないものがあります。みかんに生える青カビは毒性のないものが多くく、食べてしまっても食中毒になることはほぼありません。
またカビを吸い込むことで肺炎などの危険性を心配する方もいるでしょう。肺炎の原因となるのは日本酒をつくるのに必要なコウジカビの仲間です。みかんの青カビは壁や畳にも生える一般的なもので、生活をしているなかでも知らず知らずのうちに吸い込んでいることがあります。
少量の青カビを吸い込んでも体には特に問題ないですが、万が一体調が悪くなった場合はすぐ病院へ行くことをおすすめします。また腐りかけたみかんを食べ、腹痛や嘔吐、下痢などの症状があらわれた場合もすぐに病院へ受診してください。
カビの生えたみかんを食べたときの対処法
カビの生えたみかんを食べたとしても問題ないことがほとんどです。様子を見て何も症状があらわれなければ病院に行く必要もないでしょう。健康な人は青カビを口にしても体に害を及ぼすことはほぼないため、焦らず落ち着いて様子を見るようにしてください。
みかんのカビまとめ
本記事ではみかんにカビの特徴や発生する原因、防止方法などを紹介しました。みかんに白や緑、黒っぽいカビが見られたらすぐに処分しましょう。一部が腐っているだけだと思っても、実は目に見えない部分にまでカビが増殖していることもあります。
青カビを食べても問題ないことがほとんどですが中には体調不良を起こすことも考えられます。正しい方法で保存してカビを防ぎ、みかんを最後まで美味しく味わいましょう。