2019年07月10日公開
2024年09月21日更新
フランスのパン「パンドミ」とは何?食パンとの違いは?
パンドミはフランスのパンの一種で、近年パン好きの間で話題になっているパンの種類です。パンドミの見た目は食パンやイギリスパンに似ており、日本では主にトーストやサンドイッチなどにして食べられています。今回はパンドミと食パンの違いや、詳しいレシピなどについて調査しました。近年ベーカリーなどでよく見かけるパンドミについて、歴史や特徴、原材料などについても紹介しています。
パンドミとは?
ベーカリーでパンドミというパンを見かけたことがありますか?フランス系のベーカリーを中心に人気を集めているパンですが、食パンに味も見た目もよく似ています。パンドミとは一体どのようなパンで、どのようにして誕生したのかを見ていきましょう。
パンドミの意味
パンドミはフランス語で中身のパンという意味を持ちます。フランスでは一般的にバゲットのようなクラスト(皮)を味わうパンが主流ですが、パンドミはクラム(中身)を味わうパンとしてフランスで食べられてきました。近年は日本でもメジャーな存在になり、フランス系のベーカリーをはじめ店頭に並んでいる様子を見かけることがあります。
日本では主にトーストなどにして味わいますが、本場のフランスではサンドイッチやカナッペにして食べられています。
発祥地と歴史
フランス生まれのパンドミの始まりは、かつてフランスでイギリスの山型パンを模して作られたパンが始まりです。パンドミの発祥地はフランスですが、そもそもの発祥はイギリスの山型パンに由来します。
日本で流通が始まったのは明治時代からになりますが、パンドミという名前が日本の市場に浸透し始めたのは10数年ほど前にフランス系ベーカリーがパンドミの販売を始めたからだそうです。
形の特徴
パンドミの多くが、山型またはローフ型をしています。そもそもの始まりが、イギリスの山型パンを模して作られているため、店頭で見かけるパンドミの多くは山型に成形されています。四角い型や丸型に成形されているパンドミという名前のパンはほとんど見かけることがありません。
基本の原材料
パンドミはそもそもイギリスパンを模してフランスで作られたパンの事です。そのため、材料自体はフランスパンと同じものを使用しています。ヨーロッパのパンのレシピを見ると、基本的には小麦粉に水と塩だけで作られています。本格的なパンドミの特徴としては、イギリスパンよりも表面がサクサクの食感になっているものが多いです。
パンドミと食パンの違い
イギリスの山型パンに似せられて作られたパンドミですが、具体的に食パンとどのような点が異なるのでしょうか?その背景や、定義、原材料について詳しく解説していきましょう。
食パンとは?
食パンという名前は、実は日本だけで呼ばれている名称だというのは知っていますか?名前の由来は主食用パンが短くなったものです。食パン型と呼ばれるパン型に入れて生地を発酵させ、それを焼き上げたものが基本的に食パンと呼ばれています。
イギリスの山型パンもフランスのパンドミも食パン型に入れて焼き上げられているため、カテゴリーでいうと同じだと言えるでしょう。
店がつける名前と形状の違い
日本では食パン型に入れて焼き上げられたパンの事を総じて食パンと呼びます。そのため、名称ではなくパンのカテゴリーだと考えると分かりやすいでしょう。お店によってパンの形状や呼び方にもさまざまな違いがあります。パンドミと呼ばれる場合、多くは山型のパンや、小ぶりのローフ型のパンの事を指しています。
パンドミと食パンの両方が店頭に並んでいるベーカリーもありますが、そうした場合はパンの形状や原材料で差別化をしている場合が多いようです。では、この2つには具体的にどのような違いがあるのでしょうか?
原材料と味食感の違い
パンドミと食パンには大きな違いはありませんが、強いて挙げるなら一番の大きな違いは原材料と味食感が異なる点です。フランスで作られたパンドミは、基本的に小麦粉に塩と水を加えて作られています。食感の特徴としては日本の食パンよりも水分が少なく、軽やかな口当たりです。
というのも、欧米人は日本人に比べて唾液の量が多いため、水分量の少ないパン生地が好まれる傾向にあります。そのため、日本の食パンに比べると軽めの食感になっています。
日本で販売されているものは、日本人の口に合うようにレシピにバターや牛乳を加えたものがほとんどです。そのため、現在では両者の間に違いはほとんど無く、お店によって商品名が異なるだけの場合がほとんどです。
パンドミのおすすめ作り方レシピ
軽い食感がおいしいパンドミですが、最近ではホームベーカリーで手軽に作ることができます。ここでは、簡単なレシピや、手ごねで作る本格レシピなどを紹介していきます。ぜひこれらを参考にして手づくりで焼きたての味を食べてみましょう。
ホームベーカリーを使うレシピ
- 強力粉 250g
- バター 15g
- 砂糖 大さじ2
- スキムミルク 大さじ1
- 塩 小さじ1
- 水 190ml
- ドライイースト 小さじ1/2
- ホームベーカリーのパンケースにパン羽根をセットして、ドライイースト以外の材料をパンケースにセットします。
- イースト容器にドライイーストを入れてセットします。
- メニューで「パンドミ」モードまたは「食パン」モードにしてスイッチを押してスタートします。
- 焼き上がったら2~3分ほど冷まして、パンケースから取り出して出来上がりです。
近年はホームぺーカリーにメニューに「パンドミ」モードが付いている機種があります。レシピが同じであれば「食パン」モードでも同様に焼きあがります。
手ごねで作るレシピ
- 強力粉 250g
- 砂糖 10g
- 塩 5g
- ドライイースト 小さじ1/2
- 牛乳 50ml
- 水125ml
- バター 15g
- 下準備としてオーブンをあらかじめ200度に温めておきましょう。
- ボウルにバター以外の材料を入れてよく混ぜ合わせたら、粉を振った台などの上で5分程よくこねます。
- 表面がつややかになったら、ボウルに戻してバターを混ぜ合わせます。
- 全体が混ざったら、再び台の上で10~15分程よくこねます。
- キレイに丸めたらボウルに戻してラップをかけ、25~35度くらいのあたたかいところで1時間程度発酵させます。
- 発酵が終わったら、粉を振った台の上に生地を乗せてガス抜きをしてから、もう一度丸めてボウルに入れてラップをして25~30度のところで30分ほど発酵させます。
- 打ち粉を振った台の上に生地を乗せ、2等分にして丸めてから固く絞った濡れぶきんをかぶせて20分ほど休ませます。
- 生地を麺棒で軽く延ばした後、丸めてパン型に入れます。パン型にはあらかじめスプレーでオイルを塗るか、ショートニングを塗るなどしておきましょう。
- 型に入れたら、30~35度くらいのところで1時間ほど発酵させます。200度に温めたオーブンで25~30分ほど焼き上げます。
- 焼きあがったらすぐに型から取り出して、粗熱を取ったら完成です。
手ごねで作る伝統的な作り方です。軽い食感にするためには、パン型に蓋をせずに山型になるように焼き上げるのがコツです。ホームベーカリーに比べて手間と時間がかかりますが、より本格的な味わい深いパンに仕上がるのでぜひチャレンジしてみましょう。
全粒粉のパンドミ
- 強力粉 190g
- 全粒粉 50g
- 薄力粉 10g
- 砂糖 25g
- 塩 5g
- バターまたは油 20g
- 牛乳 180g
- 水 30ml
- ドライイースト 1.4g
- ホームベーカリーのパンケースにパン羽根をつけてセットします。
- ドライイースト以外の材料をパンケースに入れ、ドライイーストはイースト容器に入れてセットします。
- ホームベーカリーのメニュー「パンドミ」モードまたは「食パン」モードを選択してスタートを押します。
- 焼きあがったら2分程冷まして型から取り出したら出来上がりです。
ホームベーカリーを使った全粒粉入りのレシピです。バランスの良い食べやすい口当たりの生地にするためには、原材料の全粒粉の割合を全体の20~25%にするいいでしょう。全粒粉を使うことで、より香ばしい食感に仕上がります。
パンドミと食パンに大きな違いはなかった
パンドミはもともとフランスで作られた食パンであり、現在では両者とも大きな違いは無いということが分かりました。多くの場合は、各ベーカリーによって商品の名前の違いで分けられているだけのようです。
パンドミはサンドイッチにしたり、トーストにしたりとさまざまな味わい方ができるパンです。ぜひ、さまざまなお店のものを食べ比べて、自分好みのものを見つけてみましょう!