2019年06月28日公開
2024年10月14日更新
しその栄養素と効能|カロリーや効果的な食べ方・レシピも紹介
様々な料理の薬味に使われているしそには、多くの栄養素が含まれています。この記事ではしそに含まれている栄養素や、おすすめの食べ方、レシピについて紹介しています。最後まで美味しく食べられるおすすめの保存方法についても解説しているため、ぜひ参考にしてみてください。
目次
「しそはどんな食べ物?」
「どんな栄養素が含まれているの?」
「おすすめの食べ方はある?」
このように、しそについて様々な疑問を抱く人もいるでしょう。
本記事では薬味として使われることが多いしそに含まれている栄養素と体にもたらす効能の他に、気になるカロリー、おすすめのレシピを紹介します。
この記事を読むことで、より効果的に栄養素を摂れる食べ方やしそを使ったレシピのバリエーションが増えるでしょう。合わせてしその選び方のポイントや上手な保存方法についても解説しているため、日々の食生活に役立つ内容です。
しその栄養素について知りたい人や、大量に購入したしそを最後までおいしく食べられる方法を知りたい人はぜひ読んでみてください。
しそってどんな野菜?
爽やかな香りが特徴のしそは香味野菜の中でも取り入れやすく、刺身や天ぷらなど様々な料理に重宝する万能野菜です。
付け合わせ野菜のイメージが強いだけに栄養なんてあるの?と思われる方もいると思いますが、実は知られざるパワーがたくさん詰まっています。
そこで今回は含まれる栄養成分を中心に、私たちの体に嬉しい効果を徹底的にリサーチしました。しそ好きの方も、そうでない方もぜひチェックしてください。
しその主な種類
しそは大きく分けて青しそと赤しそがあります。名前の通り青しそは葉が青々としたもので、一般的によく知られているものです。一方赤しそは葉が赤~紫色をしたもので、その色を生かしてジュースやドレッシングでも楽しまれています。
赤色の正体はポリフェノールのアントシアニンによるもので、高い抗酸化作用が期待できます。色は違いますが栄養成分に大きな違いはありません。
大葉との違い
大葉というケースもありますが、結論から言うとどちらも同じものです。野菜なのか植物なのかその捉え方によって呼び名が変わります。大葉は葉の形状のまま香味野菜として使う場合のみに用いられます。
一方しそはシソ科シソ属植物の総称を指します。芽や茎の部分もひっくるめ様々に調理する場合にその名が使われます。
しその産地と旬
しそは6月あたりが旬です。爽やかな香りはお刺身の添え物や、薬味としても重宝されます。主な産地は和歌山県、愛知県、群馬県ということから、幅広い地域で栽培されている食材ということがわかります。
出典・参照: 春・夏の旬野菜シソ(紫蘇)|JAグループ
しそという名前の由来
日本では縄文時代より前から自生していたと言われています。現在では葉だけではなく種なども使われるようになったしそは、平安時代から栽培が始まりました。
しそ(紫蘇)という名前がつけられたのは、中国の三国時代に遡ります。蟹の食べ過ぎで体調を崩した若者に、名医が煎じて与えたところ回復しました。煎じたものが紫色をしていたことから「蘇る」「紫の葉」ということで、紫蘇と呼ばれるようになったのが由来です。
しそに含まれる主な栄養素と効能
しそは豊富な栄養成分が含まれていて、漢方でも重宝されているほどたくさんの効果や効能を持っている野菜です。その栄養パワーは医師も絶賛するほど優秀と言われています。実際にどんな成分が含まれ効果があるのか、順に詳しく紹介してきます。
食物繊維
しそに含まれている栄養素には食物繊維があります。便通を整える効果が期待できる栄養素のため、便秘を防ぎます。
脂質やナトリウムを排出するため、生活習慣病の予防などにも役立つ栄養素です。第6の栄養素として注目されています。
出典・参照: 食物繊維(しょくもつせんい)|厚生労働省
カリウム
ミネラルの一種であるカリウムも、しそには含まれています。体内の浸透圧のバランスを整える効果のあるカリウムは、余分な塩分や水分を排出する栄養素です。
余分な塩分・水分を排出することでむくみ予防にも期待できるでしょう。
出典・参照: カリウム(かりうむ)|厚生労働省
βカロテン
βカロテンは抗酸化作用を持つ栄養素で、体内に入ると必要な分だけビタミンAに変わります。粘膜や免疫機能を正常に保つ効果が期待できることから、健康維持にはかかせません。
また抗酸化作用の働きは老化防止にも繋がります。
出典・参照: β‐カロテン|一般社団法人日本ヘルスケアサプリメント協会
ビタミンC
ビタミンCはコラーゲンを生成するためにかかせない栄養素で、アスコルビン酸とも呼ばれています。ストレスなどへの抵抗力を高めたり、日焼けを防いだりと様々な働きをする栄養素です。またビタミンCの持つ抗酸化作用は、動脈硬化の予防も期待できます。
ビタミンB群
エネルギー生成にかかせない栄養素がビタミンB群です。代謝ビタミンと呼ばれているこの栄養素は、体内で様々な酵素の働きをサポートします。
ビタミンB1は糖質を、ビタミンB2は脂質をエネルギーに変えます。またナイアシンと呼ばれるビタミンB3は脂質、糖質の分解をサポートするでしょう。
ビタミンE
ビタミンEは抗酸化作用がとても強く、若返りのビタミンとも呼ばれています。LDLコレステロールの酸化や過酸化脂質の生成を抑えたりする働きが期待できる栄養素です。
不足すると血行不良による冷え性などを招きます。また抗酸化力も低下してしまうため、シミなどの原因にもなるでしょう。
ミネラル
しそにはミネラルも含まれています。ミネラルは体内で生成できない栄養素で、不足すると様々な不調を招いてしまうため、適量を守りバランスよく摂り入れるのがおすすめです。骨や歯などを丈夫に保つ働きも期待できます。
出典・参照: ミネラル(みねらる)|厚生労働省
ポリフェノール
自然界には5,000種以上あると言われているポリフェノールも、しそには含まれています。ポリフェノールは抗酸化物質のひとつです。抗酸化物質は動脈硬化やがんなどを引き起こす原因となる過酸化脂質を作り出す活性酸素を取り除いたり、酸化を抑制したりします。
水に溶けやすい性質であることから、こまめに摂取することが勧められている栄養素です。
出典・参照: 抗酸化物質(こうさんかぶっしつ)|厚生労働省
ペリルアルデヒド
しそ特有の香りはペリルアルデヒドという成分によるものです。このペリルアルデヒドは抗菌作用・防腐効果などがあります。また消化酵素の分泌を促すことで、胃腸の働きをサポートする効果も期待できます。
出典・参照:シソ(紫蘇)|総合南東北病院
しそのカロリー
しそのカロリーは100gあたり37kcalです。10gあたり(10枚)にすると4kcalのため、1枚あたりわずか0.4kcalしかありません。栄養素は多く含まれていますが、とても低カロリーな食材です。また糖質は10gあたり0.02gです。
出典・参照: シソ (大葉/しそ/紫蘇/青じそ)|カロリーSlism
しその効果的な食べ方
前述したように、しそには様々な栄養素が含まれています。ここでは、栄養素をより効果的に摂り入れるための、おすすめの食べ方を紹介します。様々な食材と相性の良いしそは、食卓に並ぶ機会も多いでしょう。ぜひ参考にしてみてください。
油を一緒に摂取する
しそに含まれているβカロテンは体内で脂溶性ビタミンのビタミンAに変わります。脂溶性ビタミンは油に溶ける性質を持つため、油で調理すると栄養の吸収率が高まるでしょう。
生で食べることが多いしそですが、油で調理するのもおすすめです。
出典・参照: カロテノイド(かろてのいど)|厚生労働省
細かく刻んで食べる
しそを食べるときには細かく刻んで食べるのもおすすめです。香りが引き立ち、しその風味をより強く感じられるでしょう。
またしそには加熱することで損なわれてしまう栄養素もあります。それらの栄養素をしっかりと摂りたいときには、この調理方法が適しています。
生で食べる
油に弱く、水に溶けやすい栄養素を効率よく摂取するためには生で食べるのがおすすめです。洗うときには、手早くさっと洗うことを心掛けましょう。様々な食べ方がありますが、しその栄養素をより多く摂取できるのは生の状態です。
ジュースにして飲む
しそはジュースにして飲んでも美味しいです。他の野菜と一緒にジュースにすると、より栄養価の高いジュースとなるでしょう。
食欲の無い日にもおすすめしたい食べ方のひとつです。ぜひ好きな果物や野菜と一緒にミックスして堪能してみてください。
しそを使ったおすすめのレシピ5選
ここからはしそを使ったおすすめレシピを紹介していきます。簡単なのに栄養が効率よく摂取でき、かつ美味しいレシピを厳選しました。料理が苦手な方もぜひチャレンジしてください。
1:大葉の豚肉巻き
味つけはこれだけ!お弁当のおかずにも便利です。おつまみにもね^^
油を使ったおすすめレシピが、大葉の豚肉巻きです。くるみの甘さとしその爽やかな香りが食欲をそそります。
細かく砕いたくるみを味噌を混ぜたものをしそに塗り、豚肉を巻いて焼くだけと工程もとても簡単です。お酒のおつまみにもご飯のおかずにも活躍する一品と言えるでしょう。
2:大葉入りきゅうりと長芋の浅漬け
次に紹介するレシピが、しそを取り入れたきゅうりと長芋の浅漬けです。サイコロ状にしたきゅうりと長芋、千切りしたしそを混ぜてからさっぱりと味付けした一品となっています。
味付けをしてから一晩寝かせると、しっかりと味が染み込みます。食卓のプラス一品に重宝するでしょう。
3:たくわんとじゃこの青じそおにぎり
今回はたまたま中途半端に残った食材達をご飯に混ぜ合せておにぎりにしたらめちゃめちゃ美味しく出来たのでレシピにしました(笑)
家族一同『無限に食べられるーっ!』と言っておりました(笑) たくわんと青じそは食べやすいように細切りにし
じゃこは香ばしさが出るようにごま油で炒めます。
隠し味にマヨネーズ+ごま油を混ぜ合せるのでそれぞれの旨味が更に引き出されます。 食べ過ぎ注意ですーっ(笑)
続いて紹介するのが、たくわんとじゃこの青じそおにぎりです。千切りしたしそを使っているため、香りをしっかりと感じられます。
ごま油でカリカリに炒めたちりめんじゃこ、たくわん、しそ、韓国のりなどを混ぜ合わせるだけで食べごたえ抜群のおにぎりが完成します。
4:大葉の醤油漬け
大量にしそを購入したときにおすすめなのが、大葉の醤油漬けです。調味料を混ぜ合わせた漬け汁にしそをつけておくだけで完成するため、とても簡単につくれます。
醤油漬けしたしそは、ご飯に巻いたりそうめんと和えたりと様々な使い方ができます。
5:赤しそシロップ
しその栄養素をしっかりと摂れるのが、この赤しそシロップです。使用する材料はきび砂糖、リンゴ酢、赤しそのため簡単につくれます。
赤しその葉だけを使い丁寧に洗い、汚れを落としてつくるのがポイントです。完成したシロップは水や炭酸水で割って堪能しましょう。
しそを選ぶポイント
せっかく食べるのであれば新鮮で美味しいものを選びたいものです。まずじっくりと見て色が濃い緑色をしているものを選んでください。時間がたつと淵の方から茶色く変色します。茶色いものは鮮度が落ちているので避けた方が賢明です。
またぴんと張りがあり、つやがあるものを選んでください。最後に香りを嗅いでみて香りが強いものほど新鮮な証拠です。しそを購入するときは色、張り、香りの3点をチェックして採れたての新鮮なものを選ぶようにしましょう。
しその上手な保存方法
束で販売されているしそは、使い切るまでに時間がかかることもあるでしょう。おいしく食べ切るためにおすすめの保存方法を紹介します。鮮度が落ちると、せっかくの香りも弱くなってしまうため、早めに使用することがおすすめです。
冷凍する場合
大量にしそを購入したときには、冷凍保存がおすすめです。軽く洗ったしその水分を拭き取ってから、キッチンペーパーに並べてラップで包んで冷凍しましょう。
購入した状態のまま冷凍してしまうと、冷凍焼けで黒くなってしまうため注意が必要です。
冷蔵する場合
タッパーやビニール袋に入れて冷蔵保存する際に気をつけるポイントがひとつあります。それは容器や袋に入れる前に、濡れたキッチンペーパーに包んだ状態にすることです。濡れたキッチンペーパーに包むことで、鮮度を維持できます。
しそを包んでいるキッチンペーパーは、定期的に取り替えるようにしましょう。
醤油や塩漬けにする場合
冷凍による変色を防ぎたいときには、しそを塩漬けにすることがおすすめです。鮮やかな色になるまでしそを茹でてから冷水につけ、水気を拭き取ります。
ラップにしそを置いてから塩をふり、さらにしそを重ね塩をふるという工程を繰り返し行って冷凍するときれいに保存できるでしょう。
他にも水気をしっかりと切った大葉をにんにく醤油につけておくと、美味しく食べられるだけではなく日持ちします。
乾燥させる場合
しそを乾燥させるのもおすすめの保存方法です。天日干しする方法もありますが、電子レンジで乾燥させる方法もあります。乾燥させたしそは手でちぎってからミキサーなどで粉状にし、冷蔵保存しておきましょう。
香りが長持ちするため、パスタや混ぜご飯に入れても美味しく食べられます。
栄養豊富なしそを上手に食事に取り入れよう
今回はしそに含まれる驚きの栄養成分を紹介してきました。漢方にもなるほど栄養が豊富なジャパニーズハーブ、しそは料理に加えて食べることで様々な効果が得られます。今まで知らなかったという方は今回を機にもっと有効活用していきましょう。