パイカ(豚軟骨)で作る絶品レシピ集！圧力鍋を使えばトロトロに！

あまり聞き慣れないパイカ(豚軟骨)ですが、いったい豚のどの部位で、どんな特徴がある肉なのでしょうか？その下処理方法や、圧力鍋を使った絶品トロトロレシピを10選紹介していきます。

パイカ(豚軟骨)とは、豚のあばらの先についている部位で、豚バラの軟骨のことをいいます。一頭から数百グラムしかとれない希少な部位ですが、そのままでは固くて食べられません。以前は豚肉を加工する際、バラ肉を切り落とした後に捨てられることの多い部分でした。

しかし美味しい部位を捨ててしまうのはもったいないとして、豚肉生産量トップクラスの青森県・三沢市にある三沢畜産公社が、イベントでパイカ鍋を提供したのがきっかけになり人気が高まりました。今では三沢市周辺ではいろいろなパイカ料理を提供して名物となり、全国的にもパイカという名前が知れ渡り始めています。

パイカは煮込むとコリコリとした軟骨特有の食感と、やわらかい肉質を楽しめる美味しい部位です。煮込む時間を調整すれば、お好みの食感で軟骨を楽しむことができます。コラーゲンもたっぷりで、煮込んだスープは冷やすとゼラチン状に固まります。


基本は煮込み料理で、照り焼きやカレー、丼もの、揚げ物などいろいろなレシピにアレンジできます。トマトやワインを使って洋風仕立てにしたりすることもでき、バラエティに富んだレシピを楽しめます。

青森ではスーパーや肉屋などでいつでも買うことができ、最近では北海道のスーパーでも置かれ始めていて、取り扱っているお店が増えてきているようです。他の地方ではまだパイカという名前が浸透していないと知られていないこともありますが、肉屋で豚バラ肉の軟骨といえば出してくれることが多いようです。

価格は100gで70～80円前後で、豚肉の中でもかなり安い値段で取り扱われています。ぜひ処理の仕方やレシピをマスターして、安く美味しいパイカ料理を作れるようになりたいものです。

パイカには下処理が必須なようですが、なぜ下処理が必要なのでしょうか？そのメリットと下処理の方法について紹介します。

パイカは、そのままだと骨だらけで固くて食べにくい部位です。基本的に下処理をして煮込み、やわらかくしてから料理します。またアンモニアのような独特の臭みもあるので、沸騰したお湯に入れてあくを取る必要があります。

しっかり灰汁抜きをする事で臭みがなくなり、肉が旨みを残したまま柔らかくなります。後は煮込む程にトロトロでプリプリとした歯ごたえが楽しめるようになるでしょう。

水を沸騰させた鍋にパイカを入れます。煮込みながら灰汁が浮いてきたら取り続けます。10分程して灰汁が浮いてこなくなったらお湯を捨てます。再度鍋に水とパイカを入れ、冷たい状態から煮込んでいきます。鍋に生姜と塩、酒、水を加え30分ほど加熱したら下処理終了です。

圧力鍋の場合も灰汁を取りながら煮込むところまでは同じですが、肉が柔らかくなるまで加熱する時間を短縮することができるので、楽に下処理することができます。

それでは圧力鍋を使ったパイカの絶品レシピを紹介していきましょう。どの料理も簡単に作る事が出来ますので、こちらを参考にチャレンジしてみて下さい。

• 必要な調理器具、圧力鍋
• パイカ400g
• 大根250g
• 白ネギの青いところ1～2本
• しょうが2かけ
• 水400cc
• 酢、みりん、しょうゆ各大さじ2
• 酒、砂糖各大さじ1

1. 圧力鍋でパイカを下処理します。酢、酒、ねぎ、カットしたしょうがを入れて火にかけて10分加圧し、圧力が抜けるのを待ちます。
2. 大根を1cmのいちょう切りに切り、下処理された鍋に大根、みりん、砂糖を入れて強火にかけて5分煮ます。
3. しょうゆを加えてさらに5分煮たら、フタをして火を消して布でくるんで10分放置します。
4. フタをあけて強火で3分、汁気がなくなるまで煮詰めたら出来上がりです。

酢が効いて食欲がないときでもご飯が進みます。コリコリとした歯ごたえのパイカとこってり味のしみた大根が相性抜群の一品です。

• 必要な調理器具、圧力鍋
• パイカ500g
• ゆで卵8個
• しょうが薄切り1かけ
• 酒、水各150cc
• しょうゆ50cc
• 砂糖50g
• 白ネギの青いところ1本

1. お湯を沸かしてネギやしょうがを入れて、パイカの下処理をします。
2. ゆで卵を作って皮を剥きます。
3. 圧力鍋に卵以外の材料をすべて入れて加熱し、圧がかかって20分したら火を止めて圧が抜けるのを待ちます。
4. フタをあけてゆで卵を入れて、卵を何度か回して味を染み込ませて完成です。

翌日の朝食に食べると味が染みてこってりとした味になるので美味しいです。しらたきや手羽先などを入れても美味しく頂けます。

• パイカ550g
• 砂糖50g
• しょうゆ60cc
• 酢30cc
• 焼酎180cc
• 水400cc
• にんにく1かけ

1. パイカを下処理しておきます。
2. 圧力鍋にパイカを並べ、全ての調味料を加えてフタをして30分加圧します。
3. 自然冷却してまだ固いようなら、10分再び加圧します。
4. 出来具合を見て味を調整したら完成です。

圧力鍋で調理することで短時間でも味が染み込み、もちもちとした軟骨の食感を楽しむことができます。一緒にゆで卵を煮込んでも美味しく頂けます。

• 必要な調理器具、圧力鍋
• パイカ400g
• 味付け卵2個
• にんにく2かけ
• 小ねぎ1～2本
• 水500～600ml
• 酒50ml
• しょうゆ大さじ4～5
• みりん、砂糖大さじ2
• かつおだし小さじ1

1. パイカの下処理をしておきます。
2. 圧力鍋にパイカ、水、酒をいれて20分加圧します。
3. にんにくはみじん切り、小ねぎは小口切りにします。
4. 20分経ったら減圧して、にんにくとすべての調味料を加えて20分加圧します。
5. 減圧したらフタを取り、中火で10分煮ます。煮汁が1/3になったら火を止めて、ご飯を盛り付けた丼にのせ、半分に切った卵と小ねぎを散らします。

このパイカ丼をメニューとして提供している飲食店もあります。軟骨のねっとりとしたゼラチンと濃い目のタレが混じり合って美味いと評判を呼んでいる様です。

• 必要な調理器具、圧力鍋
• パイカ600g
• 水1L
• しょうがスライス4～5枚
• にんにく1かけ
• 酒50cc
• しょうゆ80cc
• みりん20cc
• 昆布3g
• 煮干し20g
• 混合節5g
• 麺2人前
• 煮卵2個
• メンマ適量

1. パイカの下処理をしておきます。煮汁はラーメンスープに使用するので灰汁と脂を取ります。
2. しょうゆとみりんを入れたタレにパイカを1時間くらい漬けます。
3. 煮汁に煮干し、昆布を数時間漬けて、調理する際に混合節を入れます。同時に麺を茹でます。
4. トッピングしたら完成です。

チャーシューの代わりにパイカを乗せたラーメンを提供しているお店もあります。ボリュームがあってこってりと美味しいラーメンです。

• 必要な調理器具、圧力鍋
• パイカ300g
• 塩こしょう
• にんにく1かけ
• 玉ねぎ小1個
• オリーブ油小さじ1
• コンソメキューブ1個
• トマト缶1缶
• 水400cc
• ローリエ1枚
• ゆで大豆150g
• 大根400g
• 砂糖、オレガノ各小さじ1

1. パイカに塩こしょうをまぶし、さっと熱湯に通して水を切ります。
2. 圧力鍋に、みじん切りにしたにんにくと玉ねぎ、オリーブ油を入れて炒めます。
3. さらにパイカ、コンソメキューブ、トマト缶、水、ローリエを入れて火にかけます。圧力が上がったら3分加熱して火を止めて自然冷却します。
4. ゆで大豆、角切りにした大根を入れて火にかけます。圧力が上がったらすぐ火を止めて自然冷却します。
5. フタをあけて砂糖、塩こしょう、オレガノを入れてひと煮たちしたら出来上がりです。

パイカはトマト煮込みとも相性が良く、ローリエとオルガノが旨みを引き立ててくれるので、味が締まって絶品の美味しさです。

このようにパイカをメインにしていろいろな絶品料理を堪能できますが、普段のおかずにパイカを使用しても美味しく頂けます。それではどんなアレンジレシピがあるのか紹介していきましょう。

• 必要な調理器具、フライパン
• A合いびき肉200g
• Aパイカのスライス50g
• A玉ねぎ1/2個
• A人参3～4cm
• A卵1個
• Aパン粉大さじ4
• A牛乳大さじ3
• A塩こしょう適量
• Aケチャップ大さじ1
• 大根おろし大さじ1
• ポン酢適量

1. パイカのスライス、人参、玉ねぎはみじん切りにします。パン粉は牛乳をかけてふやかします。
2. ボウルにAの材料を入れてよく混ぜ、空気を抜きながら俵型に成型します。
3. フライパンに油を熱し、両面に焼き目がつくまでじっくり焼いたら完成です。大根おろしとポン酢でさっぱりと頂きます。

合いびき肉にみじん切りにした軟骨を混ぜることで、やわらかくジューシーなハンバーグの中に軟骨のコリコリとした食感が楽しめるハンバーグのアレンジレシピです。

• 必要な調理器具、フライパン
• パイカ800g
• 塩適量
• 酒、しょうゆ各大さじ2
• すりおろしたにんにく、しょうが各大さじ1/2
• 卵1個
• 片栗粉、玄米粉（小麦粉）各大さじ9
• ガラムマサラ（カレー粉）小さじ1～2

1. パイカを下処理します。
2. 肉に卵を絡めます。通常の場合は片栗粉と玄米粉を混ぜ、カレー風味にする場合は片栗粉、玄米粉、ガラムマサラを袋の中で混ぜます。
3. 袋に肉を入れて、袋の口を閉じて振り混ぜます。
4. フライパンに油を入れ、火をつける前に肉を並べてから点火します。こんがり焼けたら出来上がりです。

下処理をしてやわらかくなったパイカは、から揚げにするとコリコリとした食感とサクサクの衣の相性が抜群で、ご飯やお酒が進む一品として楽しめます。

• 必要な調理器具、フライパン
• 水1カップ
• 酒、しょうゆ、みりん各50cc
• 砂糖大さじ1
• おろしにんにく、おろししょうが各1かけ
• パイカ600g
• じゃがいも好きな分
• 玉ねぎ1個

1. パイカは下処理しておきます。
2. じゃがいもは皮を剥いて皿にのせて軽くチンしておきます。玉ねぎは一口大にカットします。
3. パイカをフライパンに移し、玉ねぎとじゃがいも等の材料を入れます。
4. 落しフタをしてじゃがいもに火が通り、煮汁が少なくなるまで中火で煮て完成です。

パイカは時間をかけて煮込んだ分、下茹でが済むととろとろに柔らかくなるので肉じゃがなど定番の家庭料理に加えてもしっかり味が染み込んで美味しくなります。

• 必要な料理道具、圧力鍋
• パイカ350g
• 玉ねぎ中2個
• 人参1本
• じゃがいも中2個
• にんにく1かけ
• カレールー半箱～1箱
• しょうが1かけ
• 酒100cc

1. 圧力鍋でパイカを下処理しトロトロの状態にします。
2. 玉ねぎ、人参、じゃがいもを食べやすい大きさに切り、鍋に油を熱したら切った野菜を入れて炒めます。
3. 炒めたら適量の水を加えて加熱し、野菜がやわらかくなったら火を止めてカレールーを溶かします。
4. カレーができたらパイカを入れて混ぜたら完成です。

トロトロで口の中でとろけるほど煮込めば、絶品カレーの出来上がりです。やわらかくて病みつきになること間違いなしの美味しさです。

パイカは柔らかくプリプリとした食感をお手頃な価格で楽しむ事が出来る食材です。またいつもの料理に異なるアクセントを与える事も出来ます。浸透しつつあるパイカの下処理方法をマスターし、パイカの絶品料理を作ってみましょう！