ザータルは中東料理に必須のスパイス!中東での使い方とザータルのレシピ

ザータルというスパイスを知っていますか?聞きなれないスパイスの名前ですが、中東では非常にポピュラーなスパイスで、欧米では大人気です。さまざまな料理に使え、クセになる味わいから最近では日本でも注目されてきています。ほんの少量ふりかけるだけでエキゾチックかつ、料理が絶品になるのですが、販売しているショップはまだ多くありません。魅惑のスパイス・ザータルを販売しているショップや使い方、レシピなどを調べました。

ザータルは中東料理に必須のスパイス!中東での使い方とザータルのレシピのイメージ

目次

  1. 1ザータルとは?
  2. 2ザータルの中東での使い方
  3. 3ザータルと並ぶ中東のスパイスと料理
  4. 4ザータルの作り方と保存方法
  5. 5ザータルを使ったレシピ
  6. 6ザータルの中東での言い伝え
  7. 7ザータルは中東料理に必須の万能スパイス

ザータルとは?

ザータルとは野生のタイムの一種で、味わいはバジルに似ているといわれています。また、トルコやサウジアラビアなど中東一帯をはじめ北アフリカなどで使われている一般的なハーブ・スパイスです。タイムやオレガノなどのハーブ類を指すこともあれば、これらを使ったミックススパイスもザータルと呼ばれています。

中東の伝統的なミックススパイス

ザータルの歴史は古く古代エジプトで使われていたといわれています。また、野生のタイムだけでなく、タイムなどを混ぜたミックススパイスもザータルと呼ばれ、中世から現代にかけ中東料理ではかかせない調味料のひとつです。つまり中東の食事文化に根付いている伝統的なミックススパイスといえます。

胡麻・スマック・タイムがベース

ミックススパイスとなるザータルの一般的な材料は胡麻、タイム、そしてスマックです。スマックは聞きなれないものですが、中東に原生するウルシ科の低木なる実を乾燥させたスパイスです。乾燥させたスマックは粉状にして使われます。フルーティで酸味があり日本のゆかりに似た味といわれています。

地域ごとに異なるブレンド

一般的なザータルは胡麻・タイム・スマックをミックスしたスパイスですが、北アフリカから中東一帯で使われているため地域で味が異なります。例えばレモングラスやセイボリーなどが加わっていたりします。また家庭ごとでもブレンドが違います

基本的に似たハーブをブレンドしますが、最近では異なる種類のハーブをブレンドすることもあるそうです。

ヴィーガンやベジタリアンに人気

ザータルは数年前からヨーロッパやアメリカなどで注目され、人気の高いミックススパイスです。その理由のひとつが欧米に多いヴィーガンやベジタリアンなどが好んで使うようになったためです。植物性のスパイスで、味に深みがあるためサラダなどに使いやすく、ヘルシー志向の人たちなどの間で注目が集まったのです。

ネットや輸入食品店で販売

スーパーなどではほとんど販売されていないザータルですが、カルディなど輸入食品店や、ネットの輸入食品店などでは販売されています。またオーガニック食材店などでも一部販売しています。購入する際は輸入食品店やネットショップを利用することがおすすめです。

ザータルの中東での使い方

中東料理に欠かすことのできないザータルですが、現地ではどの様に使われているのでしょうか?調べてみるとあらゆる料理に欠かせないミックススパイスだということがわかりました。

ドレッシングにする

中東をはじめ欧米ではサラダにかけるドレッシングに混ぜて使われています。中東は良質なオリーブオイルがあるため、オリーブオイルにレモン汁、ザータルなどを混ぜてサラダにかけ、スパイスの香りを味わいを楽しんでいます。

水切りヨーグルトにかける

中東では、ラブネと呼ばれる水切りしたヨーグルトをパンにつけて食べるなど、特に朝食に欠かせないものです。ラブネにザータルとオリーブオイルを混ぜ、料理やパンのディップソースとして使っています。

マナキーシュにする

中東で主に食べられているのがピタパンです。このピタパンにオリーブオイルとザータルを塗って焼いたものをマナキーシュといい、朝食の定番メニューとしてパン屋などで販売されています。日本でも中東料理店のメニューとして提供されています。

どんな料理にもふりかける

ヨーグルトやドレッシング、マナキーシュだけではありません。中東ではゆで卵にザータルをかけたり、サラダにかけるのはもちろん、さまざまな食材に使われるほど料理のレシピに欠かせないスパイスです。元々が植物性のミックススパイスなので、いろいろな食材と相性がよいのです。

ザータルと並ぶ中東のスパイスと料理

注目を集めているザータルですが、実は注目されているスパイスはこれだけではありません。中東にはほかにも現地ではポピュラーなスパイスがあり、ザータルと同じく注目されているのです。

デュカ

「デュカ」はヘーゼルナッツなどのナッツ類をローストして砕き、さまざまなスパイスとミックスしたスパイスです。ローストしたナッツの香ばしさとスパイシーさがあり、サラダや炒め物などに使われています。また中東ではオリーブオイルに浸したパンにふりかけて食べています。デュカは輸入食品店やネットショップなどで販売されています。

オレンジとタジャスカオリーブのサラダ

スライスしたオレンジとフルーティーなタジャスカオリーブを混ぜ合わせ、オリーブオイルにデュカを加えたものをドレッシング代わりに食べるサラダです。彩りも美しく、ナッツの香ばしさが癖になるビタミンたっぷりサラダです。

スマック

スマックはウルシ科の木の果実を乾燥させて細かく砕いたスパイスです。フルーティかつ適度な酸味があり、中東などでは肉料理の付け合せなどとして使われています。また、トルコではたまねぎサラダにふりかけて食べられています。

スマックは銀座にあるイタリアンの名店が料理に使い、グルマンの間で知られるようになりました。スマックも輸入食品店やネットショップなどで販売されています。

シャクシュカ

シャクシュカはイスラエル料理のひとつで、スマックなどスパイスを加えたトマトソースとオリーブオイルで炒めた野菜に半熟の目玉焼きを乗せたものです。パンを卵やトマトソースにつけて食べます。ヘルシーなメニューなどで欧米で人気です。

ザータルの作り方と保存方法

ザータルを作る材料はネットショップなどで販売されているので、販売されているものを買わずに家庭で好みの味にブレンドして作ることもできます。ザータルの基本レシピと保存方法について説明します。

材料と作り方

  • 乾燥タイム大さじ2
  • スマック大さじ1
  • 白ゴマ大さじ1
  • 塩小さじ 1/8
 
  1. すべての材料をフライパンで乾煎りする
  2. 香りが出てきたらすり鉢かフードプロセッサーで細かく砕いたらできあがり

ザータルの作り方は材料さえ揃えばとても簡単です。スマックが手に入らない場合は、ゆかりを代用品として使っても似た味になります。また出来るだけ細かく砕いたほうが使い勝手がよくなります。

ポイント

フライパンなどで煎るときは必ず乾煎りにしてください。油分があるとせっかくのスパイスがべチャッとなってしまいます。またあまり火を通しすぎると香りが飛んでしまいます。ハーブ類がすぐ火が通るので気をつけましょう。

保存方法

出来上がったザータルは密封容器に入れて、酸素にふれないようにするのが保存のコツです。脱酸素材がある場合は、一緒に入れておくことで半年近くもちます。ジップロックなどの密封袋で保存しても大丈夫です。この場合も脱酸素材を入れることをおすすめします。

ザータルを使ったレシピ

サラダやパンなどに使われるのが一般的ですが、ほかにもザータルの使い方はさまざまです。簡単で美味しくヘルシーなレシピを紹介します。

ザータルスプリングフムス

  • ザータル適量
  • Aグリーンピース200g
  • Aそら豆100g
  • カシューナッツペースト30g
  • にんにく1/4片(すりおろし)
  • 水40g
  • オリーブオイル20g
  • クミンパウダー2g
  • 塩・こしょう適量
  • ミント(好み)
 
  1. Aの材料をやわらかくなるまで茹でる
  2. ミキサーかフードプロセッサーにグリーンピースとカシューナッツペースト、にんにく、塩・こしょうをする
  3. 1度撹拌したら、水、オリーブオイル、クミンパウダーを加え滑らかになるまで混ぜる
  4. 皿に盛り付けたら、オリーブオイルをたっぷりかけ、ザータルをふり、そら豆とミントをトッピングしたら出来上がり

フムスは中東の伝統料理のひとつです。ひよこ豆を使うのが一般的ですが、レシピでは薫り高いグリーンピースやそら豆を使っています。フムスは低カロリーでビタミンなどが摂取できるため女性の間で人気が高まってきています。ザータルの香りと豆類の旨味がマッチしたヘルシーなレシピです。

ザータルフライドポテト

  • じゃがいも大2個
  • 塩小さじ1
  • ザータル大さじ2
  • オリーブオイル適量(揚げ油)
 
  1. くし切りにしたじゃがいもを揚げ焼きする
  2. 揚がったじゃがいもに塩をザータルを満遍なくふりかけたら出来上がり

レシピで使っている揚げ焼きの油はフライパンに2cm程度で大丈夫です。塩は小さじ1としていますが、薄味が好みの人は減らしてもおいしくいただけます。ローズマリーなどのスパイスとは違ったエスニックなフライドポテトが出来上がります。

ザータルの中東での言い伝え

伝統的なスパイス・ザータルに関して中東ではさまざまな言い伝えがあります。あくまでも言い伝えで医学的な根拠などはありません。しかし、美味しく食べてこの言い伝えが本当になるのなら、うれしいことばかりです。

リュウマチに効く

ザータルはオリーブオイルと混ぜて使うことが多いのですが、この組み合わせがリュウマチに効くと中東では言われています。パレスチナの有名な料理の本にはこう記されていますが、実際の効果効能は不明です。

幸福を呼び込む

40日間乾燥させたザータルを食べることで魔よけになるといわれています。さらにオリーブオイルと混ぜたものをおくことで幸運を呼び込むというおまじないが中東にはあります。たしかにタイムの花言葉は「勇気」「活気」「行動力」「大きな望み」ですから、幸運を呼んでくれるのかもしれません。

喉が痛い時にお湯に混ぜて飲む

ビタミンが豊富なハーブ類をミックスしたスパイスのため、風邪をひいて喉が痛いときなどにお湯に混ぜて飲めむと良いとも言われています。そのせいか中東ではザータルがティーバックになって販売されています。

記憶力を高める

時計イメージ

中東では、学生がテストの前になるとこぞってザータルを食べるといいます。医学的な根拠はありませんが、食べることで記憶力がよくなったり、物事の認識能力を高めてくれるためだそうです。現地では、スパイスの成分がこれら効果を高めるといわれています。

ザータルは中東料理に必須の万能スパイス

中東の人々は海外旅行に行くときもザータルを持っていくほど日常の中で欠かせないスパイスだといいます。欧米で注目され、日本でも人気が高まりつつあり、普段の料理に加えるだけでエキゾチックな味わいを演出してくれます。万能スパイス・ザータルを使って色々な料理を楽しんでみるのもいいのではないでしょうか?

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