2019年06月06日公開
2024年09月16日更新
フクロタケとは?食感や味の特徴は?簡単レシピでも旨味たっぷり!
フクロタケというキノコを知っていますか?フクロタケという名前ではわからない人がほとんどだと思いますが、中華料理にはかかせない食材ですので見たことがある人も多いと思います。日本ではほとんどなじみのない食材ですが、中華料理やタイ料理ではメジャーな食材です。日本で売られているフクロタケは、ほとんど輸入品で日持ちもしないので水煮の状態で売られていますが、実は栄養価が高い食材で中国では薬膳キノコとして親しまれています。今回は日本ではなじみのないフクロタケの魅力をレシピをふまえて紹介していきます。
フクロタケとは?
フクロタケとは日本ではまだまだなじみのない食材ですが、実はマッシュルーム・シイタケの次に生産量と消費量が多いキノコで世界三大栽培用キノコの一種に数えられています。栽培が盛んな地域は、中華人民共和国の南部でそのほかの国では東南アジアでの栽培が盛んなキノコです。
中華料理では幼菌と呼ばれる状態で、卵のように細長くフクロタケ全体が厚い袋に包まれている状態で使われることが多いです。今回は中華料理以外にはトムヤムクンにも欠かせない食材のフクロタケの魅力を紹介していきます。
特徴
このキノコの特徴は初期の形状です。フクロタケの初期は茶褐色の卵型で袋状になっていて、その中にキノコがカサをつぼめたような状態で入っている状態が特徴です。この状態がフクロタケと呼ばれる由来です。成長とともに中のカサが大きくなり、まわりの袋がやぶけてシイタケのように開いていきます。
料理で使う場合には初期の袋状のものがよく使われます。日本で売られているほとんどが輸入品で、賞味期限の関係から水煮のものがほぼ100%を占めています。
味や食感
気になる食感や味の特徴ですが、その独特の食感と味が特徴的になり、その特徴をいかしたまま調理されることが多いです。生の味は濃厚な強いうまみとほんの少し甘みがあるのが特徴です。そして、一口噛むとわかりますがとてもジューシーなキノコだという特徴があります。
うまみの強いフクロタケはスープなどに使うとダシが非常に出ることから、世界3大スープのトムヤムクンなどのスープ料理には欠かせない食材となっています。
ほとんどは輸入の水煮加工品
日本ではあまりみかけないフクロタケですが、ごくまれにスーパーで見かけるもののほとんどは輸入物で水煮に加工されているものです。
本来うまみの強いフクロタケですが、水煮にしてしまうとうまみが抜けてしまっているので日本ではあまりおいしいキノコという印象がありません。ですので日本での楽しみ方はその形や食感を楽しむにすぎません。
日本で生産される生フクロタケ
スーパーなどで見かけるほとんど輸入品で水煮の物ですが、実は日本でも栽培されています。スーパーで売られているほとんどのものが水煮な理由が、生の状態では傷みが早いので水煮の輸入品が多いです。
日本での生産地は、群馬県の高崎市でフクロタケの栽培をしている農家があります。日持ちしないので収穫後新鮮なうちに冷凍し、真空パックにして販売されています。冷凍でもその味は生のものに引けを取らないおいしさを保っています。
保存方法と保存期間
フクロタケのデメリットは日持ちの短さです。気温差の大きい夏と冬は収穫後1日・春と秋は収穫後2~3日です。保存の適温は15℃~20℃なので常温で保管するのが一番いいといわれています。
保存する際に気をつけるポイントは、冷蔵庫で保存してしまうと一晩で水が出てブヨブヨになってしまいます。全体にフワフワした菌糸に覆われていることが多いのでカビが生えていると思われがちですが、フクロタケの菌なので食べても全く問題ありません。
フクロタケの栄養
栄養分にはタンパク質や脂肪も含まれていますが、その含有量はとても少ないです。そのためフクロタケは低カロリー食品といわれています。炭水化物や食物繊維・カルシウムや多くのミネラル分が多く含まれているのでダイエットに効果的な食材でしょう。
中国では薬膳キノコとして使われる
いろいろな栄養価があるフクロタケですが、中国では薬膳キノコとして昔から使われていました。その効果は、伝染病に対する抵抗力を増し傷口の治りを早め壊血病の予防に用いるといわれていて、いろいろな国の研究結果でもその効果が発表されています。
低カロリーでミネラルが豊富
薬膳キノコとしての効果のほかに、低カロリーで多くのミネラル分を含んでいるのでダイエットに最適な食材となっています。その理由としては、糖質の代謝に必要なビタミンB1とビタミンB2を多く含んでいてダイエットに期待できる栄養素が豊富です。
さらにミネラルやカルシウム分も多く、骨の形成を助ける作用があるので、骨粗しょう症などの予防にもとても期待されています。
β-グルカンの効果
また、ベータDグルカンといわれる栄養成分がフクロタケには含まれているのですが、これは抗腫瘍作用があり白血病や骨髄腫・悪性リンパ腫などのさまざまな癌などを患う患者の感染症の予防に効果があると最近では報告されています。
フクロタケを使った簡単レシピ
ここまで栄養や中国で薬膳キノコと呼ばれている理由を紹介してきましたが、簡単なレシピで本格的な味を楽しめるレシピを紹介します。
フクロタケのフリッター
- フクロタケ…小さめの物を好きなだけ
- 小麦粉…適量
- ベーキングパウダー…小麦粉の半分量
- 油…適量
- 小麦粉とベーキングパウダーを水で溶きます。(天ぷらを揚げるときより固めに溶いておきます)
- フクロタケをつまようじなどで刺して1にくぐらせます。
- 油を160℃ぐらいにあたためてフクロタケを揚げていきます。
- 中まで火が入ったら一度取り出します。
- 油を180℃にあたためて再度フクロタケを揚げで表面がカラット仕上がったら完成です。
生のフクロタケを使う場合はそのまま衣を付けて大丈夫ですが、水煮のフクロタケしか手に入らない場合はよく水気を切ってから衣を付けるようにしてください。油の温度を変えて2度揚げすることによってカラっとジューシーなフリットに仕上げることができます。
フクロタケのオムレツ
- たまご…4個
- ほうれん草…150g
- 玉ねぎ…1/4個
- フクロタケ…好きなだけ
- オリーブオイル…大さじ2
- 塩…小さじ1/3
- ほうれん草をたっぷりのお湯に入れて20秒ほど茹でます。茹でたら冷水で冷やし水気をしっかり切って2cmほどに切ります。
- フクロタケを細かく角切りにしておきます。
- 玉ねぎは繊維にそってスライスしておきます。
- たまごをしっかりといておきます。
- 小さめのフライパンにオリーブオイルをいれて玉ねぎを炒めます。
- しんなりしたらフクロタケとほうれん草を加えて塩をふりさらに炒めます。
- たまごを入れてフライパンのふちについた部分をはがしながら大きく混ぜて形を整えます。
- お皿を使ってたまごをひっくりかえしてフライパンに戻します。
- 焼き色がついたら完成です。
このオムレツレシピは、半月状にしないオープンオムレツと呼ばれるスタイルのオムレツなので誰でも失敗することなく簡単に作ることができるレシピです。
生のフクロタケを使う場合、玉ねぎを炒める前に炒めるのがポイントです。そうすることで、オリーブオイルにフクロタケの香りが移るのでさらにおいしく仕上がります。水煮のフクロタケを使う場合、香りが弱いので軽く炒める程度にすると弱い香りを損なうことなく料理することができます。
フクロタケと豚ロースの中華あん
- フクロタケ…12個ぐらい
- タケノコ…150g
- 玉ねぎ…1/2個
- 豚ロース…250g
- 片栗粉…適量
- ニンニク…1片
- しょうが…1片
- お湯…1.5カップ
- 中華だし…小さじ2
- しょうゆ…小さじ1
- 塩こしょう…適量
- たまご…2個
- 水溶き片栗粉…適量
- フクロタケは縦半分、たけのこはいちょう切りにしておきます。
- ニンニク・しょうがはみじん切りにしておきます。
- 玉ねぎは0.5cm幅に切っておきます。
- 豚ロースは一口大に切って塩コショウで味をつけて片栗粉をまぶしておきます。
- フライパンに油を入れて熱しニンニク・しょうがを弱火で香りが立つまで炒めます。
- 中火で玉ねぎ、たけのこを炒めます。
- 油が回ったら豚肉・フクロタケを炒めてしっかり火が入ったらお湯を加えます。
- 中華だし、しょうゆ、塩コショウで味を整えたら水溶き片栗粉をいれてとろみをつけ溶き卵をいれて完成です。
材料の下準備ができていれば炒めていくだけの簡単本格中華フクロタケレシピです。フクロタケは、水煮でも生のものでもレシピは変わらないので手に入ったフクロタケで本格中華を楽しんでください。
フクロタケは栄養豊富で旨味もたっぷり
フクロタケの魅力は栄養高さと風味豊かな味わいです。食感もいいので広い世界で親しまれています。残念ながら、日本では生のフクロタケを手に入れることが難しいですが、もし生のフクロタケを手に入れることができたら水煮との違いを楽しんでみてください。
水煮はスーパーでも売られていて比較的手に入れやすいので、今回紹介した簡単レシピを参考にいろいろなアレンジでフクロタケ料理を楽しんでください。さらにダイエットにも適した食材なのでうまくアレンジすれば健康的に痩せることができるのでおすすめです。