燻製ベーコンの基本の作り方!自家製を簡単に1日で作るレシピは?
燻製ベーコンは燻製作りの中でも人気のある食材の1つです。そのまま食べても料理に使っても美味しいベーコンは燻製することが必須ですが、家庭でも意外と簡単に燻製ベーコンが作れます。そこで今回は燻製ベーコンの基本の作り方に注目し「燻製ベーコンの基本の作り方!自家製を簡単に1日で作るレシピは?」について紹介しています。豚肉の熟成時間や燻製の準備など、前段階からしっかり分かりやすく解説しています。材料を揃えて早速休日に自家製の燻製ベーコンを作りましょう。
目次
燻製ベーコン作りに必要なもの
豚肉のギュッと凝縮された旨みと、燻製中にぽたぽたと滴る肉汁や強めの塩加減の自家製ベーコンがまるでお店顔負けに美味しく作れたら最高です。それがあるコツさえ掴めば家庭でも簡単に作ることができます。私たちが普段から食べているベーコンとは、塩漬けした豚肉を乾燥させたり、燻製したものをいいます。
燻製するようになったのは、冷蔵庫のなかった時代に保存性を高めるため行っていましたが、冷蔵庫での保存が確立できた現在では、独特の風味を楽しむために燻製をするようになりました。燻製にはいぶす温度によって熱燻(ねっくん)、温燻(おんくん)、冷燻(れいくん)の3種類があります。
ベーコンの場合は、肉の水分を飛ばしながら程よい柔らかさを保つことのできる50~80℃の温燻や、短時間で風味が付けられる熱燻がおすすめです。そんな今回は燻製ベーコンの基本の作り方に着目し、燻製ベーコンの基本の作り方!自家製を簡単に1日で作るレシピは?について紹介します。
材料
ここからは、自家製の燻製ベーコンを作る時に必要な材料を紹介します。事前に準備しておくことで、スムーズに作業を開始できます。豚肉と塩は必須材料で、ハーブなどの調味料は香りづけとして、好みのものを使って下さい。
豚バラ肉
ベーコンに使う肉は、豚バラ3枚肉を1kg使います。赤身がきれいで脂肪が真っ白な新鮮な肉を選びましょう。赤身と脂身のバランスについても、好みのものを選んで下さい。スーパーや精肉店で手に入りやすい部位になります。
調味料
燻製ベーコンを作る時に欠かせない調味料は塩になります。塩は20~30gで、ソミュール液に漬け混む場合は、砂糖5~10gも必要になります。この時、塩は天然仕立ての天塩(伯方の塩や赤穂など)が望ましいです。砂糖についても、あれば三温糖が良いでしょう。
スパイス
スパイスは黒こしょうやガーリックパウダー、ローリエやローズマリーがおすすめです。黒こしょうで味にアクセントをつけ、ガーリックパウダーで豚肉に旨みを閉じ込めます。ローリエやローズマリーは香りづけもそうですが、豚肉の臭みを取る効果もあるので、ぜひ使いましょう。
道具
新しい燻製鍋での燻製ベーコン。
— 石動 拝@リングフィットアドベンチャーで冒険中 (@isurugi_hai) June 7, 2016
やはりそれ専用の道具と言うものは違う、煙が全体的に充満する。#燻製 #孤独の燻製 pic.twitter.com/Pw5sx0SbpX
次に、ベーコンを作る際に必要な道具について紹介します。自家製ベーコンを燻製するには燻製器が必要ですが、燻製器がなくてもフライパンと蓋があれば代用できます。その際、捨ててもいいような使い古したフライパンで使用するのをおすすめします。
その他に必要なものは、あの独特の香りを生み出すスモークチップやスモークウッドがベーコンを作る際に必要になります。次はこれらを項目別に紹介します。
燻製器やフライパン
燻製器には屋外で使用する大型のものや、室内でも使える小型のものがあります。燻製の醍醐味と言えば独特の香りですが、室内で燻製をする際はこの煙が大敵です。しかし、最近は室内用の燻製器でも煙が充満しないなどの工夫がされている商品も多くあります。
前述のとおり、燻製器がない場合はフライパンでも代用することができますが、1度燻製に使用すると匂いがなかなか取れなくなるので、燻製専用のフライパンとして使うことをおすすめします。また、フライパンの燻製は高温になるため、フッ素コーティングされたフライパンは避けて下さい。
スモークチップやスモークウッド
燻製としての風味づけに使うのがスモークチップやスモークウッドと呼ばれるものです。スモークチップとは木を細かく砕いたもので、使い方は燻製器やフライパンの底部に敷いて、下から高温で加熱することで煙が発生する仕組みになっています。高温でないと煙が出ないので熱燻で行います。
スモークウッドとは、おがくずのように細かい木くずを板状に固めたもので、レンガ状になっているウッドを炭のようにあぶって発煙させます。一度着火すると数時間は煙を出し続けますので、加熱し続ける必要がないことから、温燻や冷燻向きです。
スモークチップやスモークウッドは種類も豊富で、サクラやオークなど使用する樹木によって風味が違ってきますので、慣れてきたらいろんな種類を試してみて下さい。主にホームセンターやアウトドア用品店、大型スーパーや大手通販サイトで購入できます。
実は、スモークチップやスモークウッドがなくても身近なもので美味しい燻製ベーコンを作ることができます。それは「茶殻」です。緑茶や紅茶、麦茶などで燻すことによってスモークチップとはひと味違う、香りの良いベーコンが作れます。お茶の種類によって風味の違うベーコンが作れるので、ぜひ試してみて下さい。
燻製ベーコンの基本の作り方①豚肉を熟成させる
ここからは、自家製による燻製ベーコンの基本の作り方①として、豚肉を熟成させる方法を紹介します。主に「塩漬けにする方法」と「ソミュール液に漬ける方法」があります。好きな方法で燻製ベーコンに挑戦して下さい。
塩漬けにする方法
ベーコンに仕上げる豚肉は、雑菌が繁殖しないように血液などをきれいに水で洗い流します。次にペーパータオルで水分をきれいに拭き取った後、フォークで豚肉に穴を開けます。肉にまんべんなく穴を開けることで、塩が浸透しやすくなります。
豚肉に塩をすりこみます。塩の量は豚肉の重量の2%ほどで、豚肉を1kgで作る場合は塩は20gが良いとされていますが、ベーコンの濃いめの味が好きな方は少し多めにしても良いでしょう。ハーブなどのスパイスを使う場合はここで一緒に加えます。
ソミュール液に漬ける方法
次の豚肉を熟成させる方法は、ソミュール液に漬ける方法です。前述は塩をすり込む方法でしたが、次の方法は塩水に漬け込んで作ります。漬け込む塩水をソミュール液と言い、直接塩をすり込む方法に比べて肉の脂が酸化しづらく、塩分が均等に浸透するというメリットがあります。
ソミュール液は、濃度10~30%の塩水が一般的になり、塩の他に三温糖を塩の半量加えてソミュール液の完成になります。
豚肉の熟成時間はどのくらい?
ベーコンを作る際の豚肉の熟成期間はどのくらいか、まずは塩をすり込んだ方の豚肉はラップに包み、さらに密封できる袋などに入れて冷蔵庫で寝かせます。時々上下をひっくり返しながら、寝かせること1週間ほどで塩漬け肉が完成します。
一方、ソミュール液に漬け込んだ方は3日間ほど冷蔵庫で寝かせます。香辛料を加えても良いです。この香辛料を加えたソミュール液のことを「ピックル液」と呼び、ソミュール液とは区別されています。ソミュール液やピックル液の方が早く塩漬け肉が完成しますので、急いでいる方はこちらをおすすめします。
燻製ベーコンの基本の作り方②燻製前の下準備
次は、自家製による燻製ベーコンの基本の作り方②として、燻製前の下準備について紹介します。燻製の下準備を怠らないことが燻製ベーコンを成功させるカギになりますので、ここでしっかり頭に入れておきましょう。
塩抜きをする
ベーコン用の豚肉の塩漬けが完成したら、次は塩抜きの作業を行います。塩漬けの豚肉を流水で洗い、その後2~3時間ほど流水に漬けて塩抜きします。これは塩をすり込んだ豚肉もソミュール液に漬け混んだ豚肉も同様に塩抜きを行います。ここでしっかり塩抜きをしないと、塩辛いベーコンが出来上がります。
流水で塩抜きする方法がベストですが、水を張ったボウルの中に豚肉を入れて塩抜きする方法でもできます。この場合は塩抜きにもう少し時間がかかります。塩抜きができたか確認する場合は、肉の端を少し切って焼いて味見してみましょう。薄味の方がちょうどいい具合なので目安にして下さい。
ゆでる
ベーコン用の塩抜きした豚肉は、豚肉がかぶるほどのお湯で1時間茹でます。茹でることで余分な塩分や脂分が抜けてマイルドな味わいになります。また、茹でてから燻製する方が肉に香りがしっかりと定着して、自家製ベーコンならではの燻製の風味を存分に堪能することができるので、じっくりと茹でましょう。
乾燥させる
ベーコン用の豚肉が茹で上がったらしっかり乾燥させます。キッチンペーパーで水分を拭き取り、ペーパーに包んだ豚肉を1昼夜冷蔵庫で寝かせます。次に、風通しのよい屋外で乾燥させます。その時に虫が寄り付かないように専用のネットに入れて直射日光の当たらないところで1時間ほど乾燥させましょう。
肉の余分な水分は、酸味の原因や燻製の煙がのりにくくなる原因になります。肉の表面の水分がなくなり、艶が出てきたらOKのサインです。
燻製ベーコンの基本の作り方③燻製する
次は、いよいよ自家製による燻製ベーコンの基本の作り方③として、燻製する作業に入ります。スモークウッドやチップ、フライパンで行う3パターンの燻製ベーコンの仕上げ方について詳しく紹介していますので、作業のしやすい方法で燻製して下さい。
スモークウッドの場合
ベーコンを作る際にスモークウッドを使う場合は、スモークウッド自体に火をつけます。部分的に火をつけるのではなく、全体的に火をつけるのがコツになります。トーチやコンロなどでウッドの四隅と一面にまんべんなく火をつけることで、途中で消化してしまうのを防ぎます。
スモークウッドが着火したら燻製器の下部にセットします。金属製のトレーに網をのせて、その上にウッドを置くことで燃焼効率が上がります。気温が低い冬場などには特におすすめします。燻材がセットできたら、仕込んでおいた豚肉をセットします。網の上に乾かした豚肉をのせ、燻製器の一番上にセットします。
燻製器の上から豚肉、スモークウッドの順番にセットができたら、いよいよ燻製に入ります。燻す温度は温燻の50~70℃が適温になります。温度計を用いて時々チェックしましょう。燻す時間は約4時間です。温度が低すぎると煙が出ず、高すぎるとチップが燃えてしまうこともあるので、途中何度か覗いて豚肉の色づきや時間を調整して下さい。
スモークチップの場合
燻製ベーコン大成功でテンション上がった!ウイスキーの樽のスモークチップ多めにしたから酒に合うし塩加減もスパイスもバッチリ。天才。 pic.twitter.com/O8hutTU8KZ
— ひつじは静かに暮らします。 (@Hanehitsu_g) October 12, 2018
ベーコンを燻製する際にスモークチップを使う場合は、燻製器の一番下に着火した炭を置きます。その上に鉄皿やアルミホイルに入れたスモークチップをセットします。目安は燻製1回に対しスモークチップひと掴み程度の量になります。燻材がセットできたら、仕込んでおいた豚肉をセットします。
スモークウッド同様に、網の上に乾かした肉をのせて燻製器の一番上に置きます。燻製器の上から豚肉、スモークチップの順番になったところで燻製を開始します。燻す温度は50~70℃が適温なので、温度計で時々チェックしましょう。燻す時間はスモークウッド同様におよそ4時間程度になります。
フライパンで燻製する場合
『フライパンで作れる燻製ベーコン』
— kurashiru [クラシル] (@kurashiru0119) May 10, 2016
続きの動画はこちらから♪♪https://t.co/cuEoBW8DMT pic.twitter.com/qnrSeUJIQL
フライパンで燻製する場合は、底が深い大きめのフライパンとぴったり閉まる蓋、豚肉をのせる網にウッドチップをのせるアルミホイルがあれば、フライパンでも燻製をすることができます。材料がシンプルで揃えやすいところがメリットです。作り方は、まずフライパンにアルミホイルを敷き、アルミホイルの上にスモークチップを置きます。
その上に網を置いて煙が出るまで強火で加熱します。煙が出てきたら、網の上に仕込んだ豚肉を置きます。蓋をしっかり閉めて30分ほど弱火で燻します。豚肉が乾燥不足の場合、燻している最中にも肉から水分が出てきます。酸味やえぐみ、スモークがうまくされない等の原因になるので、水分が出たらこまめに拭き取りましょう。
燻製ベーコンを1日で作るレシピ
次は、燻製ベーコンを1日で作るレシピを紹介します。自家製の燻製ベーコンは手間暇がかかるイメージが強くて尻込みしていた方も、わずか1日で燻製ベーコンを作ってしまうレシピを参考にすれば実践してみたくなること間違いなしです。早速手順を追って、簡単にできる燻製ベーコンを作ってみましょう。
豚肉に下味をつける
豚の三枚肉に塩やハーブをすり込む作業や分量は先程紹介したレシピと同じです。塩がまんべんなく豚肉に浸透するように全体にフォークで刺しましょう。これで1時間ほど置いておきます。通常なら塩にすり込んで1週間ほど寝かしたり、ソミュール液に漬けて3日は熟成させてから流水で2~3時間漬けていましたが、これらの作業を省略します。
1時間ほどしか塩漬けしていないので、きれいな手でそのまま塩やハーブをぬぐってから乾燥させます。
豚肉を乾燥させる
次に豚肉を乾燥させる作業をしますが、家庭で素早く乾燥させる方法として、扇風機を使って風を当てる方法があります。扇風機は振らずに豚肉に当たるように固定してから、風量は中から強にします。こうすることで、30分ほどでいい具合に乾燥させることができます。
豚肉を燻製する
次に豚肉を燻製します。コンロに燻製器をのせて燻製の手順は先に紹介した通りで行って下さい。燻す時間は通常4時間ほどかかりますが、今回は2時間で燻製を完成させます。その際に、スモークチップに砂糖をふりかけて熱燻状態にして、60℃くらい上げながら燻製していきます。
1時間ほどで中まで火が通り、燻煙の渋さもあまりつかず良い状態になりますが、色づきの良いスモーク状態にさせるためには2時間かけて完成させましょう。この1日で作れる燻製ベーコンのレシピは、冷蔵庫で1日~2日は日持ちしますが、保存用で作る場合は従来の方法で塩漬けして下さい。すぐ食べる方にはこの1日レシピが最適です。
燻製ベーコンは基本の作り方で簡単にできる
今回は、燻製ベーコンの基本の作り方!自家製を簡単に1日で作るレシピは?などを紹介してきました。家庭では難しいと思っていた燻製ベーコンですが、意外と簡単にできることが分かりました。保存用として作りたい場合はしっかり塩漬けして多少の手間はかかりますが、とても美味しく仕上がります。
あまりの美味しさで箸が止まらない自家製の燻製ベーコンは、あっという間になくなってしまう可能性も多いので、1日で作る簡単レシピで無理のない燻製ベーコン作りにチャレンジしてみてはいかがでしょうか?1日で作ったとは思えない美味しさの省略レシピですが、きっと満足できるでしょう。皆さんもぜひ楽しく作ってみて下さい。