酒粕に賞味期限はある?どのくらい?日持ちする正しい保存方法を解説

酒粕を使うレシピにしようと思い用意したものの、うっかり何日も忘れてしまって、賞味期限も確かめずに諦めて捨てた経験は、多くの人が持っていることでしょう。そんな酒粕には実際のところ、賞味期限は定められているのでしょうか?酒粕に賞味期限があるのであれば、それはどのくらいの期間になるのでしょうか?また酒粕の保存場所は、やはり冷蔵庫の中が一番良いのでしょうか?酒粕の賞味期限から保存方法の他、酒粕を使ったおすすめレシピまで紹介します。

酒粕に賞味期限はある?どのくらい?日持ちする正しい保存方法を解説のイメージ

目次

  1. 1酒粕に賞味期限はある?
  2. 2酒粕の日持ちする正しい保存方法
  3. 3酒粕の賞味期限は保存方法で違う?
  4. 4酒粕の賞味期限が切れた腐敗を見分ける目安
  5. 5酒粕の賞味期限が近い時の消費レシピ
  6. 6酒粕は賞味期限までに食べきるようにしよう

酒粕に賞味期限はある?

酒粕は定番のレシピである鍋や甘酒の他にも、お菓子などのレシピや美容パックなど、いろいろと使える便利な食材であり、素材でもあります。ですがそんな酒粕には賞味期限があるのでしょうか?また知り合いから貰ったりした場合の賞味期限は、他と比べてその期間などに変化はあるのでしょうか?酒粕の賞味期限について調べてみました。

市販のものは表示されている

酒粕には実は賞味期限があります。スーパーなどで売られている酒粕には、入っているパックや袋にきちんと賞味期限が明示されています。さまざまな酒造メーカーや酒粕の卸業者は、同じ企業から利用目的別に複数の種類の酒粕を売り出していますが、それぞれの賞味期限はどうなっているのでしょうか?

同じメーカーが出している酒粕とはいっても、目的が異なる酒粕の賞味期限はそれぞれに異なっています。同じメーカーの酒粕だからといって、賞味期限も同じとはいえないのです。さらに酒粕は目的に合わせて保存方法も変わるため、記載されている賞味期限は未開封のままメーカー指定の保存方法を守った場合の保存期間となります。

貰いものの場合

酒粕でも貰い物で賞味期限が判断できないこともあります。そんな場合は賞味期限が近いものとして、早めに食べてしまうことがおすすめです。酒粕そのものは賞味期限の長い食品ですが、貰い物の場合は購入してきたものと違って判断基準が無いためです。

ただし購入品のおすそ分けで賞味期限が書かれている酒粕の場合は、貰い物であっても賞味期限がはっきりしています。パッケージにかかれた保存方法や注意点を確認して、正しく保存して賞味期限内に食べきるようにしましょう。

発酵食品なので雑菌が繁殖しにくい

酒粕は清酒を絞った残り粕でもあるため、8%~9%のアルコール分を含んでいます。そのため雑菌が繁殖しにくく、適切に保存すれば賞味期限を過ぎても問題なく食べられる食品なのです。実際酒粕の扱いに慣れた人であれば、1年近く保存することもできるといいます。ではなぜ賞味期限が設定されているのでしょうか?

酒粕に賞味期限が設定されている理由は、酵母が生きているために酒粕自体が発酵し続けるため、保存方法次第では状態が変化していくからなのです。そのため適切に保存していれば、状態変化が少なく変わらない味を楽しめる期間として、賞味期限を設定しているのです。

もちろん賞味期限を過ぎた酒粕を食べる場合には自己責任となります。さらに例え賞味期限内であっても、適切な保存方法をとらなければ、いくら雑菌が繁殖しにくい酒粕といっても、賞味期限内でも傷んでしまいます。酒粕の正しい保存方法とはどうしたら良いのでしょうか?

酒粕の日持ちする正しい保存方法

酒粕は保存方法自体で、賞味期限を過ぎても日持ちさせることができます。酒粕は利用方法も多いものの、残りやすい食材でもあるため、上手に保存して賞味期限を気にすることなく使い切れるようにしたいものです。酒粕を少しでも長く日持ちさせる、正しい保存方法を紹介します。

常温保存

酒粕は常温保存することもできますが、酵母菌が生きているため保存方法を間違えると、どんどん発酵が進んで品質が変わってしまいます。そのため酵母の発酵を抑えるために、温度管理をしっかりすることが大切になります。そのため本来であれば、常温保存は避けたほうが良い保存方法になります。

酒粕を常温保存する場合には、直射日光が当たらず涼しい冷暗所での保存がおすすめです。それでも酵母菌により発酵が進むため、熟成するにつれて柔らかくなったり色が濃くなるなど、硬さや見た目にも変化が出てきます。腐敗でない限りは食べることに問題はないので、あえて熟成させて使いたいときに適した保存方法です。

冷蔵保存

酒粕の保存に最も適した方法が冷蔵庫での冷蔵保存です。ただし冷蔵庫で保存していても、酵母菌による発酵は徐々に進んでいきます。そのため密封した袋に入れておくと、発酵の際に出たガスで袋が破裂してしまうことがあります。破裂を防ぐために、袋に小さい穴を開けておくのがおすすめですが、元々穴の開いているものもあります。

ただし袋に穴が開いていなかった場合、穴を開けると賞味期限は適用されなくなります。酒粕の乾燥や臭い移りを防ぐためにも、元々袋に穴が開いている酒粕の場合であっても、密封袋に入れてから冷蔵庫に入れるのがおすすめです。

また冷蔵庫で保存しているからといって、発酵そのものは緩やかになるだけで止まるわけではありません。それでも常温保存よりも熟成の速度が落ちるため、より長持ちさせることができます。色や硬さの変化も、常温保存よりかなり落ち着くのが特徴です。

冷凍保存と解凍方法

酒粕を長期間使う予定もなく、少しでもただ長く保存するなら、冷蔵庫での冷凍保存がおすすめです。酒粕に含まれるアルコール分のおかげで、酒粕を冷凍してもカチカチに凍ることはありません。酒粕を冷凍保存するときには、後々使うときのことを想定して、小分けにしてから冷凍するのがおすすめです。

酒粕を冷凍保存するときに気を付けたいことは、ただそのまま冷凍すると、水分やアルコールが蒸発してしまうことです。そのため乾燥防止のためにラップでしっかりと包んでから、冷凍用の密封袋に入れて冷凍するようにします。そうすることで乾燥を防げるだけでなく、臭い移りも防ぐことができます。

冷凍した酒粕の解凍方法は、夏場でなければ常温で、通常は冷蔵庫に入れて自然解凍します。酒粕を自然解凍するときのコツは、少しだけ日本酒に浸しておくことです。こうすることで解凍したときによりおいしくなるのでおすすめです。解凍の目安は扱いやすい柔らかさになれば完了です。

酒粕の賞味期限は保存方法で違う?

酒粕の保存期間は、保存方法で変わることは先にも紹介した通りです。では酒粕の賞味期限は、それぞれの保存方法でどのくらいになるのでしょうか?酒粕の保存期間は、それぞれの保存方法とは別に、酵母による発酵の影響も考慮に入れる必要があります。

酒粕はさまざまなメーカーからさまざまな商品が出ていますが、それぞれの保存方法別に目安となる保障期限をまとめてみました。

常温保存の賞味期限

酒粕は常温での保存の場合、酵母による発酵が最も進みやすいのは、すでに紹介した通りです。そのため常温保存している酒粕は、段々柔らかくなってくるだけでなく、色も白からピンクに、そして茶色にと段々変化していきます。さらに酒粕自体の味も濃くなるだけでなく、香りも強くなります。

さらに常温保存の酒粕は、開封することで空気に触れるため、さらに熟成の速度が上がります。変色だけでなく、酒粕の表面に「チロシン」という物質が結晶化して白く粉をふいたようになることもあり、熟成か傷みかの見極めも含め、上級者用の保存方法といえます。

このように常温保存している酒粕は、酵母による発酵の影響を強く受けます。そのため未開封での賞味期限は気温の影響も大きく受けるため、1ヶ月~半年と大きく差があります。開封後は先にも紹介したように熟成が早まるため、賞味期限に関係なく2週間で使い切るようにしましょう。

冷蔵庫保存の賞味期限

酒粕の賞味期限の期間はメーカーによっても、酒粕の製造方法によっても異なります。一般的にスーパーでよく見る板状の酒粕「板粕」を買う人が多いことでしょうが、同じメーカーでも商品によって異なります。そんな酒粕は、通常は冷蔵庫保存で約6ヶ月が賞味期限になります。

ただし、これが酒蔵で売っているようなできたての酒粕の場合は、少し柔らかいものが多く賞味期限も短めになります。そんなできたての柔らかい酒粕の賞味期限は、冷蔵庫保存で3ヶ月ほどから、もっと短いものまであります。酒粕を購入するときには賞味期限を確認してから購入するようにしましょう。

冷凍保存の賞味期限

酒粕を冷凍保存した場合は、酵母を休眠状態に抑えることができるため、熟成が進むことはありません。そのため風味の変化が最も少なく、その賞味期限は他の保存方法と比べても最長の1年ほどになります。ただしそんな冷凍保存にもデメリットがあるのです。

冷凍保存の賞味期限は長いですが、先にも紹介したように水分やアルコールが蒸発しやすく、パサパサとした食感になってしまうことがあります。保存方法の工夫も大切ですが、長期保存できるからと安心せずに、あくまで味の変化を抑える方法と割り切って、早めに食べきるのがおすすめです。

開封後の賞味期限

酒粕は賞味期限が切れていても、正しい状態で保存していれば、自己責任にはなるものの問題なく食べることができます。ただし酒粕の発酵具合によって、上手に使い分ける必要が出てくるともいえます。元々酒粕は熟成によって変化していく風味を楽しむものでもあるのです。

酒粕は購入当時は白い色をしています。それが熟成が進むにつれて色や風味が変化していくのは紹介した通りですが、同じレシピに使っても風味の異なる料理が出来上がります。実際「奈良漬」のような漬物には、2年~3年熟成させた酒粕が使われているのです。

このことからもわかるように、酒粕はその熟成具合で使い方を変えれば良い、賞味期限を気にすることのない食品ともいえるのです。ただし酒粕を使い慣れていれば問題ありませんが、通常は正しく保存していても開封後は早めに使い切るのがおすすめです。

酒粕の賞味期限が切れた腐敗を見分ける目安

酒粕を正しく冷蔵庫や冷凍庫で保存していても、賞味期限が切れた後に腐敗してくることは珍しくありません。そんな酒粕の傷み具合を知る目安とは、一体どこをチェックしたら良いのでしょうか?酒粕の腐敗具合を知るポイントをまとめてみました。

カビ

酒粕はアルコールを含んでいるため滅多にないことですが、うっかり乾燥させてしまってアルコールが飛んでしまったときなどに、カビが生えることがあります。常温保存はもちろん、冷蔵庫で保存しているからといって、油断して乾燥させてしまうとカビが生えることがあるということを、きちんと覚えておくようにしましょう。

酸味

酒粕をレシピなどで使う前に、ちょっと酒粕の味を確かめてみたら、いつもと違って酸味など違和感のある味を感じた、という場合には、その酒粕は腐敗したと判断するのが賢明です。酒粕は熟成によって味が変わりますが、状態に問題がなければ味に深みが増します。異常を感じたときには、食べるのは止めて処分しましょう。

におい

酒粕は熟成によって臭いも深みを増していきますが、酸っぱいような異臭を感じたときには腐敗している証拠です。いわゆるアルコール臭や清酒のような香りではなく、酸味のあるような異様な臭いがしたときには、残った酒粕は処分するようにしましょう。

酒粕は熟成具合によって白からピンク、黄色、茶色へと変化していきます。茶色まで変化した酒粕は、漬物用として使うのに適した熟成具合と判断できますが、これらの色以外に変化した酒粕は使わずに処分するのがおすすめです。酒粕を使うレシピは多くありますが、レシピに使う前に状態を確認するようにしましょう。

酒粕の賞味期限が近い時の消費レシピ

酒粕の賞味期限が近くなったとき、冷凍保存しても良いのですが、やっぱりレシピで使い切るほうが良いものです。酒粕を使ったレシピは数多くありますが、折角なら定番のレシピだけでなくさまざまなレシピを楽しみたいものです。酒粕を使ったおすすめレシピを紹介します。

野菜がいっぱい暖か酒粕うどん

  • 酒粕75g
  • 水700cc
  • ニンジン1本
  • 大根10cm
  • 薄揚げ1/2枚
  • こんにゃく1/4枚
  • 鮭1切れ
  • 大根の葉(あれば)適量
  • うどん2玉
  • 塩少々
  • おろししょうが(お好みで)適量
 
  1. 鮭は一口大に、他の野菜などの具は千切りにします。
  2. 大根の葉以外の全ての材料を鍋に入れて茹でます。大根の葉は先の具材に火が通り始めたら加えます。
  3. 野菜が柔らかくなったら酒粕を入れて、塩で味を調えたら器に盛り付けて完成です。

酒粕で卵スープ

  • 酒粕60g
  • 水600cc
  • 鶏ガラスープ(顆粒)10g
  • 卵1個
 
  1. 鍋に水を入れて沸騰したら火を止めて、酒粕を入れて溶かします。酒粕が溶けたら火をつけて、5分ほど煮ます。
  2. 鶏ガラスープを入れたら溶いた卵を流し入れ、お玉で2回~3回かき混ぜます。器に盛り付けて完成です。

酒粕チーズケーキ

  • 酒粕120g
  • 牛乳300cc
  • ホットケーキミックス100g
  • 砂糖30g
  • 卵黄2個
  • レモン果汁大さじ3
  • サラダ油大さじ1
 
  1. ココットやケーキ型に油を塗ってからクッキングペーパーを敷いておきます。オーブンは180度に余熱しておきます。
  2. 耐熱ボウルに酒粕をちぎって入れて、牛乳を半分の量を入れて、600Wの電子レンジで2分~3分温めます。
  3. 温まったら酒粕を溶かすように泡だて器などで混ぜます。大体馴染んだところで残りの牛乳も温めて加えます。
  4. 2に砂糖・卵黄・ホットケーキミックス・レモン果汁を加えてよく混ぜます。
  5. 型に生地を流し入れて、布巾の上などに何度か軽く落として空気を抜きます
  6. 予熱したオーブンで45分ほど焼きます。竹串を刺して生地が付いてくるようなら、もう5分~10分追加して焼きます。
  7. 焼けたらオーブンから取り出して、粗熱が取れたらクッキングペーパーごと型からはずして完成です。

酒粕は賞味期限までに食べきるようにしよう

酒粕は上手に保存して熟成させることで、味の変化を楽しむこともできます。ですが酒粕を扱いなれないうちは、賞味期限内に食べきるようにした方が、安全に楽しむことができます。酒粕の特徴を上手に活かして、賞味期限内にさまざまなレシピで美味しく食べきるようにしましょう。

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